JPS6225220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フアンによつて発生する送風中に、
薬剤タンク内の粉粒状の薬剤を混入して散布せし
める薬剤散布機に係るものである。

従来、この種の薬剤散布機においては、薬剤の
供給を適量に調節し、あるいは薬剤供給を停止す
るために、薬剤タンクの底部の開口部を開閉自在
に閉鎖する開閉弁が設けられていた。この開閉弁
の運動機構については、薬剤量の微調整ができな
いこと、あるいは弁座面、運動部に薬剤が固着し
て作動不良となる等種々の問題を生じていた。す
なわち、 (1)開閉弁は、スリツト孔を設けたシヤツター
を、同形のスリツト孔を設けた固定板と水平方向
に重ね合わせ、シヤツターを往復摺動せしめる方
式のものがあるが、この方式のものは、摺動部分
に薬剤が付着し作動不良となる。(2)開閉弁の１端
または中央付近を枢着して揺動自在に設けた方式
のものがあるが、少量散布のとき微調整がむずか
しく、また、開口部の下面の弁座面に全面にわた
つて直交する方向から開閉弁が当接するので弁座
の部分に薬剤をかみ込み易い。(3)また水平方向に
弁座を、上下昇降自在の開閉弁により開閉する方
式のものは少量散布のとき微調整がむずかしく、
また弁座部分に薬剤をかみ込み易い。(4)また開閉
弁の両端を、それぞれ円運動する同長のアームの
端部に枢着して、両端とも斜め下方に大きく移動
して開くよう設けた方式のものは、少量散布時に
微調整がむずかしい。すなわち、これらの開閉弁
の運動方式は、水平方向に運動する方式のもの
は、薬剤の微調整が容易であるが、摺動部に薬剤
が付着して作動不良となり易い。また開閉弁全体
を同時に上下方向に垂直に運動する方式のものは
弁座に薬剤が付着し、しかも微調整ができず、ま
た斜め上下方向に大きく運動する方式のものは、
作動部に薬剤が付着することがなく作動不良を生
ずることはないが、微調整が困難となつていた。

本考案は、開閉弁の１端部を開口部の下面に近
接する所定の高さ位置に摺動自在に保持して設け
るとともに、他端部を昇降自在に設け、開閉弁を
開口部の下面に全面にわたつて斜め下方向から当
接自在に設けることにより、少量散布時の微調整
を容易とし、しかも弁座部に粉剤がかみ込むこと
なく、弁座部、作動部に薬剤が付着することがな
く、円滑な開閉作動を行なうことができる薬剤散
布機を提供しようとするものである。

以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行なう。

第１図〜第４図において、１はエンジン３のク
ランクケース５に固着するフアンケースで、内部
にエンジン３によつて駆動するフアン７が収容さ
れている。９はエンジン３のシリンダー（図示せ
ず）を覆うシリンダーカバー、１１はマフラー
（図示せず）を覆うマフラーカバー、１３はエア
クリナー１５を備えた気化器、１７はリコイルス
ターター、１９は燃料タンクである。２１はフア
ンケース１に固定された薬剤タンクで、下部のフ
ランジ部２３とフアンケース１の上部のフランジ
部２５との間に仕切板２７をはさんで、２つ割り
の環体２９により締め付けられている。３１は仕
切板２７に設けた開口部で、開閉弁３３により開
閉自在に閉鎖されている。３５は開閉弁３３の１
端部に、側方に突出して設けた支持ピンで、開閉
弁３３の両側方のフアンケース１に水平に設けた
案内溝３７，３７に支持されて所定の高さ位置を
保持している。３９はフアンケース１に回転自在
に支持された軸で、フアンケース１内においてア
ーム４１が固着され、外端部に操作レバー４３が
固着している。アーム４１の端部は開閉弁３３の
他端に、軸４５により枢着されている。操作レバ
ー４３を操作してアーム４１を上方に回動したと
き、開閉弁３３の上面は開口部３１の下面（弁座
面）に全面にわたつて斜め下方向から当接するよ
う設けられている。４７は開閉弁３３を通つてフ
アン７の送風路４９に合流せしめるための薬剤供
給路、５１は送風路４９に接続する送風管であ
る。

以上の実施例において、エンジン３によりフア
ン７を回転せしめ、操作レバー４３を操作してア
ーム４１を第３図の矢印Ａ方向に回動せしめる
と、開閉弁３３は、１端は支持ピン３５により案
内溝３７に沿つて所定高さ位置を保持しつつ移動
し、他端はアーム４１の回動にともなつて斜下方
向に移動して、開閉弁３３は開口部３１を開放す
る。薬剤タンク２１内の薬剤は薬剤供給路４７を
経て送風路４９中に混入され送風管５１から散布
されるものである。

操作レバー４３を反対方向に操作すれば、開閉
弁３３は元の位置に復帰して開口部３１を閉鎖す
るものである。この場合、開閉弁３３の上面は、
開口部３１の下面（弁座面）に全面にわたつて斜
め下方向から当接するので、この間に挾まれて押
圧されようとする粉剤は斜め上方に押しのけられ
て弁座面と開閉弁との間にかみ込まれることがな
い。また、開閉弁３３の１端部が大きく他端側が
小さく開閉するので、開放始めに微調整が容易と
なるものである。

なお、第５図は他の実施例を示すもので、開閉
弁３３の１端部はフアンケース１に水平方向に固
着された支軸５３に載置、保持され、アーム４１
の回動作動に応じて、開閉弁３３の１端部は支軸
５３上を摺動しつつ傾斜する。すなわち、１端部
は常に所定の高さ位置に保持しつつ小さく開閉
し、他端は大きく開閉する。

本考案は、請求の範囲に記載のとおりの構成で
あるから、１端のみ大きく開閉するので少量散布
時の微調整を容易とし、しかも作動部に薬剤が付
着することがなく、また、開閉弁が開口部の弁座
面に全面にわたつて斜め下方から当接するので、
弁座面に薬剤がかみ込むことがなく、円滑に開閉
作動を行なうことができるものである。

なお、前述の実施例では開閉弁はアーム４１に
より開閉作動せしめているが、反対側の端部を水
平方向に往復駆動せしめて、アーム４１はこの運
動により回動作動せしめてもよい。またこの場
合、アーム４１にかけて開閉弁の側方に突出する
支持ピンを設け、この支持ピンを、フアンケース
内壁に斜め下方向に設けた案内溝に係合せしめて
もよい。

また、開閉弁の１端を、水平に設けた仕切板等
の水平面の下面に、弾機により下方から押圧保持
せしめるよう設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本考案の１実施例の
側面図、側断面図、第３図、第４図はそれぞれ要
部の側断面図、正断面図、第５図は他の実施例の
要部の側断面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、７……
フアン、２１……薬剤タンク、３１……開口部、
３３……開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フアン７によつて発生する送風中に、薬剤タン
   ク２１内の薬剤を混入して散布せしめる薬剤散布
   機において、前記薬剤タンク２１の底部の開口部
   ３１の下面に開閉自在に当接、閉鎖する開閉弁３
   ３を設け、前記開閉弁３３の１端部を前記開口部
   ３１の下面に近接する所定の高さ位置に摺動自在
   に保持して設けるとともに、他端部を昇降自在に
   設け、前記開閉弁３３を前記開口部３１の下面に
   全面にわたつて斜め下方向から当接自在に設けた
   ことを特徴とする・薬剤散布機。