JPS6224926B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (a) 技術分野の説明 本発明は変圧器の組立方法に係り、特に変圧器
本体タンクの周囲に配置され、共通の支持架台に
より支持固定される冷却器ユニツトの組立方法に
関するものである。

(b) 従来技術の説明 一般の変圧器は、変圧器本体を収納する本体タ
ンク部分と、その周辺に配置される冷却器ユニツ
ト、コンサベータ等の付属部分で構成され、これ
らの部品は工場内試験完了後、分解され、それぞ
れ現地据付場所まで輸送して再組立される。

すなわち、変圧器は通常第１図乃至第３図に示
すように変圧器本体１と絶縁油を収納する本体タ
ンク２の上部に、突出起立したポケツト３Ａ，３
Ｂに支持固定されたブツシング４Ａ，４Ｂを有
し、また本体タンク２は、コンサベータ５を上面
に支持した防音タンク６によりその外周をおおわ
れている。冷却管およびフアンを収納した複数個
の冷却器本体７は共通の支持架台８により支持固
定されて前記防音タンク６の外周に配置され、冷
却器本体７の上部は接続管１１Ａによりポケツト
３Ａと接続されるとともに下部は油ポンプ９を介
して接続管１０，１１Ｂ，１１Ｃにより本体タン
ク２の下部と接続される。なお１０は複数個の冷
却器ユニツト相互を接続する共通油導管であり、
第３図に示すように油ポンプ９とはバルブ１２を
介して接続され、支持金物１４により基礎に支持
固定されている。また接続管１１Ｂには油流指示
計１３が取付けられている。油ポンプ９、油流指
示計１３およびフアンの接続管を収納しかつ配線
する配線ダフト１５は支持架台８に溶接により固
着され、架台の一構成部材をなしている。冷却器
本体７は前記支持架台８とジヤツキボルト１６に
より連結固定されている。

このように構成された変圧器において、工場内
で試験が完了した後は第３図の図中〓印指示の
Ａ，Ｂ，Ｃの３ケ所およびジヤツキボルト１６部
で分解され、共通油導管１０、油ポンプ９、接続
管１１Ｂを接続した冷却器本体７および支持架台
８は、それぞれ単独に梱包され輸送される。

これは冷却器本体７の長手方向と共通の支持架
台８の長手方向とが直交する方向に組合せられて
いるので、これらを組合せたままでは輸送制限か
ら輸送が困難であること、また油ポンプ９は垂直
方向にシヤフトが、水平方向にインペラーが設け
られているが、この油ポンプ９を冷却器本体７と
組合せたまま輸送すると、冷却器本体７が横倒し
て輸送されるため、油ポンプ９も横倒しになり、
そうすると輸送時の振動によりシヤフトやインペ
ラーおよびベアリング等に不用意な荷重がかか
り、油ポンプ９を故障させる原因になること、さ
らに油ポンプ９は内部の錆の発生を防止するため
油やN₂ガスあるいは乾燥空気等の錆の発生を抑
える媒体を封入する必要があるが、冷却器本体７
と組合せたままではその媒体の封入作業、封入量
が多大になること等の理由による。従つてこのよ
うに分解された各部品は現地において、上述の分
解箇所を接続して再組立てされ変圧器が構成され
る。

しかしながら、このような組立方法では、工場
試験完了後の分解および現地における再組立箇所
が多く、分解および梱包に多大の時間を要すると
共に、現地組立にも多大な時間を要する欠点があ
る。また輸送部品数も多く、輸送経費も増大する
欠点がある。

(c) 発明の目的 本発明は上述の欠点を除去するためになされた
もので、油ポンプに損傷を発生させることなく工
場試験完了後の分解時間と、現地における再組立
時間を短縮するとともに、輸送部品点数を縮小し
輸送経費を削減する変圧器の組立方法を提供する
ことにある。

(d) 発明の概要 かかる目的を達成するため、本発明は複数台の
油ポンプを共通の支持架台にほぼ使用時の状態に
組立てて輸送し、現地において別途輸送した複数
台の冷却器本体と変圧器本体タンクとを接続して
変圧器を組立てるようにしたものである。

(e) 発明の実施例 以下本発明を第４図および第５図に示す一実施
例により説明する。第４図は本発明の一実施例に
よる冷却器ユニツト下部周辺構造を示し、第５図
はその輸送時の状態を示す。冷却管およびフアン
を収納する冷却器本体７は従来と同様に複数台が
変圧器本体タンク（図示せず）の周囲に配置さ
れ、ジヤツキボルト１６により共通の支持架台８
に固定される。この冷却器本体７は下部が油ポン
プ９およびバルブ１２を介して接続管１１Ｂ，１
０，１１Ｃにより変圧器本体タンク（図示せず）
下部と接続され、上部が図示しない接続管を介し
て変圧器本体タンクのポケツトに接続されるもの
である。ここでこの冷却器本体７と油ポンプ９を
接続し、指示計１３が取付けられた接続管１１Ｂ
を、支え金物１７により、支持架台８の一部を構
成する配線ダクト１５とボルト締めにより連結す
る。また油ポンプ９の出口側でバルブ１２を介し
て接続されている共通油導管１０は支持架台８に
固定されている支え金物１８とボルト締めにより
連結する。

このように構成された変圧器を工場内試験完了
後、変圧器本体タンク側と冷却器本体側を分解
し、さらに冷却器本体側を第４図の図中の〓印指
示部分Ｄ，Ｅの２箇所およびジヤツキボルト１６
部で、分解して第５図に示すように支持架台８、
接続管１１Ｂ、油ポンプ９、バルブ１２および共
通油導管１０を組立てた状態で輸送する。なお輸
送時には接続管１１Ｂの冷却器本体７側の開口部
および共通油導管１０の本体タンク側の開口部は
盲蓋２０Ａ，２０Ｂで密封し内部に錆の発生を抑
える媒体を封入する。

そして現地において第５図に示す、ほぼ使用時
の状態で輸送された支持架台８、接続管１１Ｂ、
油ポンプ９、バルブ１２および共通油導管１０を
変圧器本体タンクの周囲に配設し、盲蓋２０Ｂを
はずして第４図に示すように接続管１１Ｃを介し
て変圧器本体タンクの下部に接続し、また支持架
台８上に複数台の冷却器本体７を起立してジヤツ
キボルト１６で固定するとともにそれぞれ盲蓋２
０Ａをはずして冷却器本体７と接続管１１Ｂを接
続する。次に各冷却器本体７の上部を接続管、共
通油導管を介して変圧器本体タンクのポケツトに
接続して変圧器を組立てる。

このようにすれば、油ポンプ９はその出入口側
に接続された接続管１１Ｂおよび共通油導管１０
を介して支え金物１７および１８により、それぞ
れ支持架台８に固定され、しかも使用時の状態と
同様にシヤフトが垂直方向となるように保持され
ているので、輸送時の振動に対して強く、従つて
故障を起こすおそれが少ない。

また油ポンプ９内に錆を発生させないために封
入する媒体も油ポンプ９に接続管１１Ｂおよび共
通油導管１０が加わるだけなので量が多くなら
ず、その封入作業も短時間で行なうことが出来
る。

しかも、分解個所が従来より一個少なくなるの
で、工場内試験組立完了後の分解時間および出荷
梱包時間の大幅な短縮が計れるとともに現地にお
ける再組立時間も大幅に短縮出来る。また輸送部
品点数も大幅に緒小され輸送経費も削減される。

なお、上記実施例では油ポンプ９の出口側を共
通油導管１０を介して支持架台８に固定したが共
通油導管１０を設けない場合、あるいは共通油導
管１０を変圧器本体タンク側に固定する場合に
は、第６図に示すように油ポンプの出口側フラン
ジを支え金物１９を介して支持架台８に固定する
ようにしてもよい。

(f) 発明の効果 このように本発明の変圧器の組立方法によれ
ば、複数個の油ポンプと共通の支持架台をほぼ使
用時の状態で組合せて輸送し、現地において別途
輸送した変圧器本体タンクおよび冷却器本体と接
続するようにしたので、油ポンプに故障や錆を発
生させることなく、しかも工場内試験組立完了後
の分解時間および出荷梱包時間の大幅な短縮が計
られ現地における再組立時間も大幅に短縮出来
る。又輸送部品点数も大幅に縮小され輸送経費も
削減出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の変圧器を示す側面
図および上面図、第３図は従来の変圧器の冷却器
ユニツトの下部周辺を示す側面詳細図、第４図お
よび第５図は本発明方法の一実施例により組立て
られる冷却器ユニツトの下部周辺を示す側面詳細
図および冷却器支持架台の輸送時の状態を示す側
面詳細図、第６図は本発明の他の実施例による冷
却器支持架台の輸送時状態を示す側面詳細図であ
る。 １…変圧器本体、２…変圧器本体タンク、３
Ａ，３Ｂ…ポケツト、４Ａ，４Ｂ…ブツシング、
５…コンサベータ、６…防音タンク、７…冷却器
本体、８…支持架台、９…油ポンプ、１０…共通
油導管、１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ…接続管、１２
…バルブ、１３…油流指示計、１４…支え金物、
１５…配線ダクト、１６…ジヤツキボルト、１
７，１８，１９…支え金物、２０Ａ，２０Ｂ…盲
蓋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数個の油ポンプを共通の支持架台にほぼ使
   用時の状態に組立てて、変圧器本体タンクおよび
   複数個の冷却器本体とは別個に輸送し、現地にお
   いて、前記変圧器本体タンクの周囲に前記共通の
   支持架台を設置し、この共通の支持架台上に前記
   複数個の油ポンプとそれぞれ接続される前記複数
   個の冷却器本体を設置し、この各冷却器本体を接
   続管を介して前記変圧器本体タンクに連結してな
   る変圧器の組立方法。