JPS62247838A - 板状触媒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は排ガス浄化用の板状触媒の構造に関する。

〈従来の技術及びその問題点〉 近時公害防止の点より、各種燃焼設備からの排ガスを浄
化することが望まれている。特に排ガス中の窒素酸化物
（以下ＮＯｘと称す）の除去のため種々の手段がとられ
ている。その一つの手段として、排ガス中に還元剤例え
ばＮＨ３（アンモニア）を噴霧した後、この排ガスを触
媒層を内蔵する脱硝触媒装置に導き、ＮＯｘとＮＨ３を
選択的に反応させＮ２とＮ２０にすることによシ、ＮＯ
ｘを無害化する方法が採られている。この場合排ガス中
に煤塵を含むときは触媒装置にダストが堆積して機能を
低下させるという問題がある。そのため排ガス流れにつ
いて抵抗の少ない装置が要望され、板状の触媒を排ガス
流に平行に設けた脱硝装置が使用されている。

しかし、板状触媒については触媒と基板との付着力が弱
いことよシ触媒が剥離し脱落しやすいという問題がある
。これは単に付着力のみならず塗布した触媒層と基板と
が排ガス温度の変化により膨張収縮がくりかえされ、触
媒層に亀裂を発生してより剥離脱落を助長しているもの
である。また基板として金網を用いる手段もとられてい
るが剛性の不足、取付枠の加工、金網の増刊が面倒であ
るという問題がある。

〈発明の目的さ この発明はこのような問題を解決するもので触媒の付着
が強固で、製作も容易な排ガス浄化用の板状触媒の構造
について提案することを目的とする。

く手段の概要〉 要するにこの発明は、基板に触媒を付着させた排ガス浄
化用の板状触媒において、耐熱性繊維状物質を混練した
触媒を、多数の連通孔を有する金属製の前記基板の全面
に付着形成した板状触媒であることを特徴とする。

く具体例さ この発明を以下図面により説明する。第１図はＮＯｘを
含む排ガスの流れるダクト１内に単位触媒２を複数個横
断して並べ列６を形成し、この列を排ガス流れに沿って
脱硝装置を形成するダクト１内に複数段設けた場合の横
断面図である。単位触媒２は複数個の板状触媒２ａを並
置して構成され、この板状触媒２ａ、（第２図に示ず）
は基板４０両面に触媒５を全面に付着させて形成されて
いる。このようにするとガス流れの抵抗は少なく、かつ
ダスト堆積の機会も少なく触媒は充分その機能を発揮す
る機会をもつものである。

しかし本発明においては触媒層の厚みはできるだけ薄く
しかも基板への付着力は犬なる触媒層を形成させようと
いうものである。これは排ガスに対する触媒の反応促進
効果は単にその触媒表面積に限られること並びに単位触
媒の重量をできるだけ軽量にしようという趣旨よりする
ものである。一方、触媒としては鉱石粉やバナジウム、
チタン、鉄の合金の粉粒が使用されるが、これら自身に
は付着力はなく結合剤（バインダー）と混練し基板に薄
く塗り付は寸たは混練した液中に浸漬塗布するときその
保持は主として機械的な力によるものであることから単
になめらかな金属面とでは付着力が弱い。また排ガス温
度が３００〜６５０℃もちりボイラ等の負荷変動、起動
停止により熱膨張収縮のくりかえしがあるのでクラック
が入り剥離脱落するものである。

この発明における板状触媒の基板４の形状としては第２
図に示すような平板に限らず第５図第６図に示すような
屈曲した板をも含み、また平板をロールして溶接接続し
て筒状にし、多重筒に形成する場合等を含むものである
。また金網であっても適当に剛性をもつものも基板とし
て使用できることはいうまでもない。

また、この発明は多数の連通孔をもつ基板への付着のよ
い触媒層を形成するため、触媒と耐熱性の繊維状物質例
えば無機質繊維、岩綿、栗イガ状の微小体、極細金属線
の切断片等を混練したものを使用することを提案するも
のである。

これにより繊維状物質を触媒中に微細化して均一に分散
させ引張強度を向上させることができろ。

なお多数の連通孔を有する基板に触媒を付着させること
により熱による基板材料の伸びと触媒の伸びとの差は小
さくなりこれにより生ずる触媒のクラックは、連通孔の
数に応じて小さなりラックで分散したものとすることが
でき、分解しようとするガスと触媒との接触面積もこの
小クラックにより増加することとなる。捷だ触媒中に分
散している耐熱性繊維物質はクラックの進行を阻止する
効果をもつ。

この発明の一実施態様を第６図、第４図、第７図に示ス
エキスバンドメタルを基板として使用した場合を例にと
シ説明する。エキスバンドメタルとは薄金属板に千鳥配
置に短い長さの切込みを与え、この切込みに対して直角
方向に引張力を与えるとき形成される網目状の薄金属板
である。その平面図は網目を形成する金属細片部４ａと
空隙部４ｂとよりなり、Ａ−Ａ断面図たる第４図に示す
ととく４αは水平に対し傾斜したものとなっている。基
板をエキスバンドメタルにした場合連通孔たる空隙部４
ｂと傾斜して突起している金属細片部４ａ、との組合せ
から板状触媒のガス流れによる小渦流にもとづく板面の
振動に対して抵抗は大となり、振動による触媒の剥離の
機会は少なく、基板に対する触媒の付着は確実かつ安定
したものとなる。

またこのように触媒が基板に保持される力は主としてそ
の基板表面状態による機械的保持の状態により生ずるこ
とから、基板表面に金属溶射なして微小開放空洞をもつ
粗面を形成させることは触媒の剥離脱落を防止する効果
をさらに太きいものとする。

第７図は発明者等が提案した５ＵＳ３０４　（１５Ｃｒ
鋼）に５ＵＳ３Ｄ４を溶射したときのエキスバンドメタ
ルの表面部断面の部分を顕微鏡拡大した写真のスケッチ
である。ＳＵＳ　３０４の基板４αに５ＵＳ６０４の溶
融金属滴による金属微小粒８が付着し生長しメタリコン
層を形成し、しかも不規則な粗面と微小開放空洞９を形
成し、さらにこの内面に１０μ級の極微小金属部による
極微小金属粒１０が付着していることが判る。従って触
媒と耐熱性の繊維１１を混合して基板に付着させろと繊
維がこれら極微小金属粒１０に引掛るほか、繊維１１と
触媒が一体のものとなり微小開放空洞９内で固化し抜は
出し難い丈夫なものとなりかつその空洞形状が不正規な
ことから一層触媒層の保持を強固なものとしている。一
方熱膨張収縮のくりかえしにより触媒層にクラックが入
っても触媒は繊維１１で接続されており脱落することは
ない。繊維は微小なもの、やや長いものと混合したもの
を使用しても差支えない。

繊維は耐熱耐食であれば何でもよいが材料としては金裏
の毛細的寸法のワイヤの切断したものでもよい。しかし
実験の結果では無機質繊維が入手使用容易の点よシよく
、５〜１０叫角に切ったガラス繊維製布を切ったもの（
例えば商品名力オウール）を触媒と混練するときは繊維
素にばらばらに分解して視認できない状態のものとなり
触媒層内に混在させることができる。

このカオウールの混入量は約０．１〜１０％（重量）で
充分な効果を生じ剥離がほとんどない。

またこの繊維の混入によυ触媒層の強度は犬となシ耐摩
耗の効果も生ずることが確認された。

また繊維の耐熱性については排ガスの温度条件が３００
〜３５０℃であることよりして約５００℃に耐え、化学
的には通常耐酸性のものであればよい。また温度条件に
よっては５００℃以下のものを選定できる。

く試験例〉 本願発明の効果を確認するために以下の試験を行なった
。

（１）試験に使用した触媒 触媒の形成はまず酸化チタン（ＴｉＯ□）と酸化モリブ
デン（Ｎｏ　Ｏａ　）の２００メツシユアンダーの微粉
を重量比Ｔｉ／Ｍｏを約９／１にし混合したものに水を
加え、混練機で混練し、しかる後耐熱性繊維状物質（カ
オウール）を添加し更に混練し、触媒ペーストをつくる
。ついでこのペーストをＳＵＳ　３０４材等のエキスバ
ンドメタル基板（第３図、第４図、第７図等に示す）に
金属溶射したものに加圧ローラで塗布し、触媒の基板へ
の接着力が犬なることから更にプレスで第５図に示す山
形リブをもつ形状に形成するととができ、これを乾燥し
たのち焼成し板状触媒にする。

（２）排ガスによる摩耗の試験 実験に際しては実機の場合と同様の条件とするために第
８図に示すように複数枚の板状触媒を６ｍピッチにして
箱形に形成し取付枠で囲み単位触媒箱１２とした。この
箱形の単位触媒箱を下記条件の排ガスの流れるダクト内
に複数段に位置させその経過を観察した。

排ガスの条件： （イ）排ガスの種類　石炭燃焼排ガス （ロ）ダスト濃度　　１５〜２０ＶＮｍ３（ハ）温　度
　　　　６５０℃ に）ガス流速　　　４　Ｊｓ　、　６　ｒｙ’ｓ　、　
８　？ｌ’ｌ！（ホ）時　　間　　　　　　　２，０Ｏ
Ｏｈｒ第１表はカラオールを添付したものと、しないも
のとの摩耗率を示すものである。

ここに摩耗率とは下記のものを言う。

この表まりカオウールを含む触媒は格段の効果を収めろ
ことが判る。

第　　　　１　　　　表 （３）機械的強度試験 機械的強度確認をする剥離率の試験として、板状触媒を
１ｍ高さより鉄板上に１０回落下させ触媒の減量により
泪測したところ、金属溶射なしのエキスバンドメタル基
板についてカオウール混入なしのものが平均４５％の剥
離率を示したが、カオウール混入したものでは平均２５
係に低下した。金属溶射した基板に触媒をプレス圧着し
たものではカオウール混入なしで平均７％の剥離率のも
のがカオウール混入したものでは平均３チに低下すると
いう効果を確認した。なお連通孔なしのフラットメタル
基板では金属溶射をしてさらにカオウールを混入しても
殆どの触媒が剥離した。

（４）加熱冷却の繰り返しによる剥離率試験この試験に
使用した装置は第９図に示すもので容器１５は電気炉１
６内に位置し、容器１５内には冷却空気流れる方向にそ
の面を平行して複数の板状触媒１４が取付けられる。加
熱は電気炉で一定温度まで上昇させるがその制御は符号
１８で示す電気炉温度制御器で制御されろ。所定温度に
達すると冷却空気供給管路１９の弁１６が開とされ圧力
をもつ冷却空気が容器１５に供給される。その制御は触
媒温度検知冷却空気用弁制御器１７によりされろ。

その温度条件と昇降温速度は下記第２表に示すものであ
る。

実験の結果は第１１図に示す通りで本願発明にかかる板
状触媒の剥離率（重量損失）のチは極めて小さくカオウ
ール混入の板状触媒については実質的に重量損失はない
状態と言第　　　　２　　　　表 える。なお、連通孔なしのフラットメタルを基板とした
板状触媒は、はじめの１回目の加熱冷却で触媒に大きな
りラックが入ってしまい、２回目の加熱冷却により殆ど
の触媒が脱落した。

（５）触媒の活性度の試験（実験） 前記（４）の加熱冷却の繰返しによる触媒の活性度に対
する影響については第１２図に示すように影響は全くな
かった。

〈実施例〉 図面を用いて本発明の一実施例を以下に説明する。

第８図に示す板状触媒を収容した単位触媒箱（触媒ブロ
ック）と同様の触媒ブロックを積重ね収容した脱硝装置
の斜視図を第１４図に示す。

第１６図はこの脱硝装置を取付けした発電用ボイラプラ
ントの構造を示す。押込送風機２２から供給される空気
は空気予熱器２３を通りボイラ２４で燃料を燃焼させて
燃焼排ガスとなり節炭器２５．高温電気集塵機２６を経
由し流れ、脱硝反応装置２１で脱硝され、空気予熱器２
０．脱硫装置２７を経由し煙突２８より排出される。実
用に供したボイラは５００ＭＷ石炭焚ボイラでその運転
条件と脱硝性能は第６表に示すものである。

第　　　　６　　　　表 脱硝装置を設けた後長時間の運転をしたが脱硝性能の低
下及び触媒剥離摩耗は認められなかった。板状触媒は６
筋間隔のピッチで第８図に示すブロック枠内に収容され
た。なおブロックの占める空間の容積（触媒充填量）は
１１０７ｎ３である。

本実施例において、ボイラプラントの起動停止によるガ
ス温度の変動に伴い触媒成分が全体的に膨張収縮をくり
かえし触媒層にクラックを生ずるが、基板が連通孔を有
することと、触媒層を形成する触媒成分には耐熱性繊維
状物質が混練されているために、局部的に大きなりラッ
クの発生がなく、微細なりランクが触媒層表面に比較的
均一に分散して発生し、逆にこの微細なりランクは触媒
として機能する触媒表面積の増大をもたらし、触媒性能
の向上に寄与するものである。

〈発明の効果〉 この発明を実施することにより板状触媒の触媒剥離防止
の機能をいちじるしく向上させ、耐摩耗性の向上や強度
増大、寿命の延長管種々の効果を奏するとともに、触媒
性能そのものの向上をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は板状触媒を用いた脱硝装置の縦断面図、第２図
は単位触媒の斜視図、第６図はエキスバンドメタルの平
面図、第４図は第６図のＡ−Ａ断面図、第５図、第６図
は屈曲した板状触媒の基板の形状を示す斜視図、第７図
はこの発明の具体例を示す金属溶射した基板に無機質繊
維入りの触媒を付着させたものの表面部の部分顕微鏡拡
大の写真のスケッチ、第８図は板状触媒を収容した単位
触媒箱（触媒ブロック）の斜視図、第９図は加熱冷却の
繰返し試験に使用した装置の説明図、第１０図は加熱冷
却サイクルの温度と時間との説明図、第１１図は剥離率
と加熱冷却サイクル数の関係を示す図面、第１２図は活
性比と加熱冷却サイクル数の影響を示す図面、第１６図
は本発明の一実施例を示すもので実用に供したボイラの
系統図、第１４図は第１３図に示す脱硝装置２１の斜視
図である。 １・・・ダクト ２・・・単位触媒 ２ａ・・・板状触媒 ６・・・単位触媒の列 ４・・・基　板 ４ａ・・・基板の金属細片部 ４ｂ・・・空隙部（連通孔） ５・・・触　媒 ８・・・金属微小粒 ９・・・微小開放空洞 １０・・・極微小金属粒 １１・・・無機質繊維（微細連結片） １２・・・単位触媒箱 ２１・・・脱硝装置 第１図 第５図 第６図 第７図 第８図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、基板に触媒を付着させた排ガス浄化用の板状触媒に
   おいて、耐熱性繊維状物質を混練した触媒を、多数の連
   通孔を有する金属製の前記基板の全面に付着形成したこ
   とを特徴とする板状触媒。 ２、前記板状触媒の断面が波型形成されていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載の板状触媒。 ３、基板に触媒をプレス圧着したものであることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の板状触
   媒。