JPS62247027A - 耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法 - Google Patents
耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法Info
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- JPS62247027A JPS62247027A JP9106686A JP9106686A JPS62247027A JP S62247027 A JPS62247027 A JP S62247027A JP 9106686 A JP9106686 A JP 9106686A JP 9106686 A JP9106686 A JP 9106686A JP S62247027 A JPS62247027 A JP S62247027A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は連続鋳造において極力製品サイズに近い形で鋳
造する技術を生かし、その後の熱間加工を簡略化して出
発材料である含クロム鋼やステンレス鋼(以下単に含ク
ロム鋼という)から特性、なかんずく耐食性のすぐれた
薄鋼板や線材を製造する方法に関するものである。
造する技術を生かし、その後の熱間加工を簡略化して出
発材料である含クロム鋼やステンレス鋼(以下単に含ク
ロム鋼という)から特性、なかんずく耐食性のすぐれた
薄鋼板や線材を製造する方法に関するものである。
(従来の技術)
従来は連続鋳造工程において、100 mm厚以上の連
続鋳造鋳片を製造し、冷片とし、表面手入れを行ない、
加熱炉で1000℃以上まで加熱した後、複数スタンド
より成る熱間圧延機群によって熱間圧延し、薄鋼板の場
合には6fi〜2鶴厚の熱延鋼帯を製造し、冷延用素材
として来た。
続鋳造鋳片を製造し、冷片とし、表面手入れを行ない、
加熱炉で1000℃以上まで加熱した後、複数スタンド
より成る熱間圧延機群によって熱間圧延し、薄鋼板の場
合には6fi〜2鶴厚の熱延鋼帯を製造し、冷延用素材
として来た。
ステンレス鋼、例えば10%以上のCrを含有するフェ
ライト系ステンレス鋼(JIS:5US430.5US
434他)、マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS4
10他)、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS30
4他)や2相系ステンレス鋼(SUS 329)等の薄
板や線材の製造については上記のプロセスが使用され、
更に熱延鋼帯や線材は冷延前に800℃〜1100℃の
ような高温で焼鈍し、熱延による硬化組織を軟化した後
、デスケールされて冷延工程にかけられていた。しかし
て冷延後は、再度高温に加熱し冷延組織を再結晶させて
最終製品とすることが必要であった。
ライト系ステンレス鋼(JIS:5US430.5US
434他)、マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS4
10他)、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS30
4他)や2相系ステンレス鋼(SUS 329)等の薄
板や線材の製造については上記のプロセスが使用され、
更に熱延鋼帯や線材は冷延前に800℃〜1100℃の
ような高温で焼鈍し、熱延による硬化組織を軟化した後
、デスケールされて冷延工程にかけられていた。しかし
て冷延後は、再度高温に加熱し冷延組織を再結晶させて
最終製品とすることが必要であった。
これらのプロセスにおいてはスラブ加熱、熱延板焼鈍、
最終焼鈍と少なくとも3度の高温に加熱する工程が必要
で、その都度スケールが生じ、特に高温長時間になると
、表面にCrに冨んだスケールが生成するため、スケー
ル直下の鋼材表面にはCr濃度の低いゾーン(脱Cr層
)が生じる欠点があった。こうして従来技術の厚スラブ
を使用〉 する方法では、工程が多く、エネル
ギーロス、酸化ロスも多く、かつステンレス鋼の耐食性
や耐酸化性の点で最も重要な表面Cr濃度の低下をとも
なう方法であった。したがって従来法では、熱延板焼鈍
後に、酸洗を十分実施し、更にコイル研削工程にてコイ
ル全表面を研削し表面の脱Cr層を除去する工程が付随
的に必要であうた。
最終焼鈍と少なくとも3度の高温に加熱する工程が必要
で、その都度スケールが生じ、特に高温長時間になると
、表面にCrに冨んだスケールが生成するため、スケー
ル直下の鋼材表面にはCr濃度の低いゾーン(脱Cr層
)が生じる欠点があった。こうして従来技術の厚スラブ
を使用〉 する方法では、工程が多く、エネル
ギーロス、酸化ロスも多く、かつステンレス鋼の耐食性
や耐酸化性の点で最も重要な表面Cr濃度の低下をとも
なう方法であった。したがって従来法では、熱延板焼鈍
後に、酸洗を十分実施し、更にコイル研削工程にてコイ
ル全表面を研削し表面の脱Cr層を除去する工程が付随
的に必要であうた。
例えばSUS 430の例では熱延後の表面には〜1μ
m程度の脱Cr層があり、熱延板焼鈍後には深さで〜6
μm程度にもなる。したがって酸洗あるいはコイル研削
工程では〜10μm程度の表面層を溶解するか研削する
必要があり、一部脱Cr層が残存すると、最終焼鈍酸洗
後の製品板で、Auge分析すると表層約100人内外
の部分でCr濃度が10−%以下の場合が生じ、当然耐
食性を大幅に劣化させることになる。
m程度の脱Cr層があり、熱延板焼鈍後には深さで〜6
μm程度にもなる。したがって酸洗あるいはコイル研削
工程では〜10μm程度の表面層を溶解するか研削する
必要があり、一部脱Cr層が残存すると、最終焼鈍酸洗
後の製品板で、Auge分析すると表層約100人内外
の部分でCr濃度が10−%以下の場合が生じ、当然耐
食性を大幅に劣化させることになる。
こうして−互生じた脱Cr層は完全に除去する必要があ
り、従来法ではコイル研削工程で十分研削する(15μ
m以上)か、最終焼鈍後の酸洗で溶剤する必要があり、
省工程の面でもコストの面でも、更に品質の点でも最良
の方法とは言えないものであった。
り、従来法ではコイル研削工程で十分研削する(15μ
m以上)か、最終焼鈍後の酸洗で溶剤する必要があり、
省工程の面でもコストの面でも、更に品質の点でも最良
の方法とは言えないものであった。
更にスラブを高温で長時間加熱する結果、表面に厚いス
ケールが生成し、これが熱間圧延時表面を粗らくし、メ
カニカルデスケーリング、酸洗後の表面には、大きさが
20μmφ〜100μmφで深さが15μm程度の凹凸
が生成し、コイル研削工程を省略すると冷延工程でかぶ
さり状の欠陥となり、BA裏表面致命的欠陥を生じるこ
とになる。こうして現状ではコイル研削工程を省くこと
はこの点でも困難である。
ケールが生成し、これが熱間圧延時表面を粗らくし、メ
カニカルデスケーリング、酸洗後の表面には、大きさが
20μmφ〜100μmφで深さが15μm程度の凹凸
が生成し、コイル研削工程を省略すると冷延工程でかぶ
さり状の欠陥となり、BA裏表面致命的欠陥を生じるこ
とになる。こうして現状ではコイル研削工程を省くこと
はこの点でも困難である。
(発明が解決しようとする問題点)
本発明者等はステンレス鋼の耐食性の観点から最も重要
な表面Cr濃度に注目し、研究を実施した結果、先に述
べた製品サイズに極力近い形で鋳造する連続鋳造技術を
採用することで、表面Cr濃度の低下をおこさない、耐
食性や耐酸化性にすぐれたステンレス鋼製品の合理的な
製造法を完成した。又、冷延前素材の表面に凹凸が少な
くコイル研削工程を省略してもかぶさりの生じないBA
型製品同時に得ることが出来る。
な表面Cr濃度に注目し、研究を実施した結果、先に述
べた製品サイズに極力近い形で鋳造する連続鋳造技術を
採用することで、表面Cr濃度の低下をおこさない、耐
食性や耐酸化性にすぐれたステンレス鋼製品の合理的な
製造法を完成した。又、冷延前素材の表面に凹凸が少な
くコイル研削工程を省略してもかぶさりの生じないBA
型製品同時に得ることが出来る。
すでに述べた通り、表面のCr濃度の低下、すなわち脱
Cr層の生成は、高温に加熱して、スケールを生成する
たびに生じることから、高温加熱を極□力しない製造法
が望ましく、熱間圧延工程、特に高温加熱する加熱炉工
程を省略出来れば、スケール生成が著るしく少なくなり
、表面の脱Cr層の生成が防止出来ると共に、スケール
に起因して、熱延中及びメカニカルデスケーリング時に
生じる鋼板表面の凹凸も大幅に低減することが出来、コ
イル研削工程を省略しても、冷延工程でかぶさりが起こ
らず、すぐれたBA表面製品の製造が容易となる。
Cr層の生成は、高温に加熱して、スケールを生成する
たびに生じることから、高温加熱を極□力しない製造法
が望ましく、熱間圧延工程、特に高温加熱する加熱炉工
程を省略出来れば、スケール生成が著るしく少なくなり
、表面の脱Cr層の生成が防止出来ると共に、スケール
に起因して、熱延中及びメカニカルデスケーリング時に
生じる鋼板表面の凹凸も大幅に低減することが出来、コ
イル研削工程を省略しても、冷延工程でかぶさりが起こ
らず、すぐれたBA表面製品の製造が容易となる。
こうして本発明が解決しようとする問題点は、(1)
熱間圧延前の高温長時間加熱工程をなくし、極力スケ
ール生成を防ぐ。
熱間圧延前の高温長時間加熱工程をなくし、極力スケ
ール生成を防ぐ。
(2)熱延板焼鈍工程を省略する。
(3)最終焼鈍工程は鋼種によって必要とされる温度・
時間によってもスケールが生成しない雰囲気条件を選択
する。
時間によってもスケールが生成しない雰囲気条件を選択
する。
という(1)、 (21,(3)の課題を解決すれば、
省工程化と共に、表面Cr濃度の低下がなく、冷延素材
に凹凸が少なく、したがって製品表面にかぶさりが生せ
ず耐食性がすぐれ、かつ、表面特性のすぐれたBA型製
品製造が可能となる。
省工程化と共に、表面Cr濃度の低下がなく、冷延素材
に凹凸が少なく、したがって製品表面にかぶさりが生せ
ず耐食性がすぐれ、かつ、表面特性のすぐれたBA型製
品製造が可能となる。
(問題点を解決するための手段)
すでに述べた通り、鋳造技術が進歩し、熱間圧延工程を
節省略化する“いわゆる薄肉゛の連続鋳造設備の開発が
進み、例えば双ロール法や、ベルトキャスター等の開発
が進んでいる。例えば「鉄と鋼J 85’ A197〜
85’ A256における特集に紹介されているが、ス
テンレス鋼についても数IQmm〜数ミリ厚さ、更には
lfl以下の厚さの鋳片を得る連続鋳造方法も紹介され
、鋳造条件や鋳片の性状、これらの材質の例が紹介され
、広幅化に向けて開発が進められている。
節省略化する“いわゆる薄肉゛の連続鋳造設備の開発が
進み、例えば双ロール法や、ベルトキャスター等の開発
が進んでいる。例えば「鉄と鋼J 85’ A197〜
85’ A256における特集に紹介されているが、ス
テンレス鋼についても数IQmm〜数ミリ厚さ、更には
lfl以下の厚さの鋳片を得る連続鋳造方法も紹介され
、鋳造条件や鋳片の性状、これらの材質の例が紹介され
、広幅化に向けて開発が進められている。
本発明者等は、これらの薄肉連鋳法をステンレス鋼に適
用することを検討し、特に耐食性の観点から表面のCr
濃度の低下をおこさないプロセスの組立てを狙いとして
検討した。そのためには熱延工程を大幅に簡略化し得る
サイズの鋳造機に注目した。
用することを検討し、特に耐食性の観点から表面のCr
濃度の低下をおこさないプロセスの組立てを狙いとして
検討した。そのためには熱延工程を大幅に簡略化し得る
サイズの鋳造機に注目した。
熱延を大幅に簡略化し得るサイズの鋳造機としては双ロ
ール連鋳機の例が「鉄と鋼J 85−A225゜85−
A237に紹介されている。これらの51III以下の
鋳片の特徴としては冷却速度が10t〜10’℃/se
cでデンドライトの2次アームスベーシングが10μm
以下で現行のCC鋳片に比較して1/10〜1/100
の値で、相当細かな凝固組織を存している。
ール連鋳機の例が「鉄と鋼J 85−A225゜85−
A237に紹介されている。これらの51III以下の
鋳片の特徴としては冷却速度が10t〜10’℃/se
cでデンドライトの2次アームスベーシングが10μm
以下で現行のCC鋳片に比較して1/10〜1/100
の値で、相当細かな凝固組織を存している。
発明者等は41重厚の双ロール鋳片を使用し、Cr5%
〜22%を主成分とし、一部Niを6〜13%含有する
合金鋼について検討した。もちろんこれらの鋳片では、
鋳造後に長時間高温に加熱する必要はなく、したがって
表面に生成するスケール量はきわめて少ない。しかし双
ロール出口から熱間圧延機に至る高温域は極力酸化を抑
制することが必要で水による直接冷却はさけて、冷却さ
れたロールや不活性ガスによる冷却及び雰囲気の不活性
化で酸化を抑制し、熱間圧延する。
〜22%を主成分とし、一部Niを6〜13%含有する
合金鋼について検討した。もちろんこれらの鋳片では、
鋳造後に長時間高温に加熱する必要はなく、したがって
表面に生成するスケール量はきわめて少ない。しかし双
ロール出口から熱間圧延機に至る高温域は極力酸化を抑
制することが必要で水による直接冷却はさけて、冷却さ
れたロールや不活性ガスによる冷却及び雰囲気の不活性
化で酸化を抑制し、熱間圧延する。
熱間圧延は極力簡略化が望ましいが、広幅の薄。
鋳片の形状を幅方向、長手方向に整えると共に、次工程
の熱延板焼鈍を省略するために、鋼種によっては軽度の
熱間圧延で鋳造組織を加工・再結晶させることが望まし
く、1200℃〜800℃の温度範囲で1ないし2スタ
ンドの熱間圧延機で、Total 50%以下の熱間圧
延をすることが出来る。
の熱延板焼鈍を省略するために、鋼種によっては軽度の
熱間圧延で鋳造組織を加工・再結晶させることが望まし
く、1200℃〜800℃の温度範囲で1ないし2スタ
ンドの熱間圧延機で、Total 50%以下の熱間圧
延をすることが出来る。
この後、鋼種によっては高温域の時間を取った後、冷却
し、800℃以下の適温で巻取り冷却する。
し、800℃以下の適温で巻取り冷却する。
その後は熱延板は焼鈍を省略し、表面に生じた軽度の酸
化層は筒車なメカニカルデスケーリング法あるいは鋼種
によっては酸洗との組合せで軽度の表面溶剤をおこなっ
て、デスケーリングを完了する。この段階で表面の脱C
r層はEPMA分析では認められず又表面の凹凸の程度
も現状のホットコイルを酸洗したものに比較して小さく
、(第1図)コイル研削工程は省略してもすぐれた表面
性状とすることが出来る。その後、冷間圧延工程を経て
製品厚にした後、最終焼鈍工程では、光輝焼鈍とするか
、あるいは表面にスケール生成のない焼鈍温度−雰囲気
を選択することで、表面に脱Cr層がなくかぶさりも生
じないステンレス鋼の合理的な製造法を完成することが
出来る。Cr量とスケール防止のための焼鈍温度・雰囲
気条件の選択はCr系については第2図の通りとするこ
とが出来、Cr −N i系においては焼鈍温度が10
00℃以上で、したがってり、P、は−30℃以下が必
要である。
化層は筒車なメカニカルデスケーリング法あるいは鋼種
によっては酸洗との組合せで軽度の表面溶剤をおこなっ
て、デスケーリングを完了する。この段階で表面の脱C
r層はEPMA分析では認められず又表面の凹凸の程度
も現状のホットコイルを酸洗したものに比較して小さく
、(第1図)コイル研削工程は省略してもすぐれた表面
性状とすることが出来る。その後、冷間圧延工程を経て
製品厚にした後、最終焼鈍工程では、光輝焼鈍とするか
、あるいは表面にスケール生成のない焼鈍温度−雰囲気
を選択することで、表面に脱Cr層がなくかぶさりも生
じないステンレス鋼の合理的な製造法を完成することが
出来る。Cr量とスケール防止のための焼鈍温度・雰囲
気条件の選択はCr系については第2図の通りとするこ
とが出来、Cr −N i系においては焼鈍温度が10
00℃以上で、したがってり、P、は−30℃以下が必
要である。
なお双ロール出側から表面矯正程度の軽圧下の場合にお
いても同様の考え方でスケール生成を防止し、熱延板焼
鈍を省略して軽酸洗し冷間圧延した後の最終焼鈍条件を
Cr系では第2図の通りとじCr−Ni系ではり、P、
を−30℃以下とすることで表面肌Cr層の生じない製
品を得ることが出来る。
いても同様の考え方でスケール生成を防止し、熱延板焼
鈍を省略して軽酸洗し冷間圧延した後の最終焼鈍条件を
Cr系では第2図の通りとじCr−Ni系ではり、P、
を−30℃以下とすることで表面肌Cr層の生じない製
品を得ることが出来る。
このようにして得られた製品の表面をAuge分析した
結果は、第3図の通りである。SUS 430の薄板を
従来法のように厚スラブから、加熱炉を経て熱延コイル
とし焼鈍・酸洗・冷延後、最終焼鈍・酸洗して2B表面
としたものでは不働態皮膜の下部に相当する表面から約
50〜100人程度のところで表面のCr欠乏がΔCr
A=Cro −Cr’a−5,4%、すなわち材料内部
のCr ii(Cr、 )に比較して5.4%もCr量
M度が低下している。ところが、本発明法による薄鋳片
で、加熱炉を経ず、熱延板焼鈍も省略した5US430
2Bの表面の分析結果で表面のCr欠乏がΔCr” =
Cr、 −Cr量 11=1.0%となり、従来法に比
較して表面Cr欠乏が大幅に改善されたことが判った。
結果は、第3図の通りである。SUS 430の薄板を
従来法のように厚スラブから、加熱炉を経て熱延コイル
とし焼鈍・酸洗・冷延後、最終焼鈍・酸洗して2B表面
としたものでは不働態皮膜の下部に相当する表面から約
50〜100人程度のところで表面のCr欠乏がΔCr
A=Cro −Cr’a−5,4%、すなわち材料内部
のCr ii(Cr、 )に比較して5.4%もCr量
M度が低下している。ところが、本発明法による薄鋳片
で、加熱炉を経ず、熱延板焼鈍も省略した5US430
2Bの表面の分析結果で表面のCr欠乏がΔCr” =
Cr、 −Cr量 11=1.0%となり、従来法に比
較して表面Cr欠乏が大幅に改善されたことが判った。
さらに本発明の構成要件の限定理由について述べる。
本発明はクロム含有鋼の表面の脱Cr層を生成させず耐
食性のすぐれた鋼の製造を基本的な狙いとする。したが
って重量パーセントでCr1Jを5%以上含有する含ク
ロム鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼(〜12%Cr
)、フェライト系ステンレス鋼(〜18%Cr)、オー
ステナイト系ステンレス鋼(〜19%Cr−9%Ni)
、2相系ステンレス鋼(23%Cr−7%Ni)を基本
とする鋼種を対象とするものである。鋳造後は直接連続
して熱延するが、1バスあるいは2パス程度の軽度の熱
延をおこない、鋳片の幅方向、長手方向の寸法形状を整
えると共に、鋼種によっては熱延による再結晶を期待す
る必要があり、したがって800℃以上で最大50%ま
での熱間圧延を実施する。温度が低く、圧下率が50%
をこえると熱延機が巨大となると共に、表面に酸化スケ
ールが発生するのを防止することが出来なくなる。圧下
率の小さい方は、形状矯正のために5%程度とする。こ
うして薄肉CC鋳片としては、鋳造直後から、表面スケ
ールの発生を抑制するため、再熱の不要な8In以下の
厚みとし、薄い方が望ましい。
食性のすぐれた鋼の製造を基本的な狙いとする。したが
って重量パーセントでCr1Jを5%以上含有する含ク
ロム鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼(〜12%Cr
)、フェライト系ステンレス鋼(〜18%Cr)、オー
ステナイト系ステンレス鋼(〜19%Cr−9%Ni)
、2相系ステンレス鋼(23%Cr−7%Ni)を基本
とする鋼種を対象とするものである。鋳造後は直接連続
して熱延するが、1バスあるいは2パス程度の軽度の熱
延をおこない、鋳片の幅方向、長手方向の寸法形状を整
えると共に、鋼種によっては熱延による再結晶を期待す
る必要があり、したがって800℃以上で最大50%ま
での熱間圧延を実施する。温度が低く、圧下率が50%
をこえると熱延機が巨大となると共に、表面に酸化スケ
ールが発生するのを防止することが出来なくなる。圧下
率の小さい方は、形状矯正のために5%程度とする。こ
うして薄肉CC鋳片としては、鋳造直後から、表面スケ
ールの発生を抑制するため、再熱の不要な8In以下の
厚みとし、薄い方が望ましい。
鋳片は鋳造後高温域での酸化をさけるため直接水冷をさ
け、更に酸化抑制雰囲気とし、ロール冷却や不活性ガス
による冷却とする。熱間圧延後は空冷や水冷をし、80
0℃以下で巻き取り冷却する。
け、更に酸化抑制雰囲気とし、ロール冷却や不活性ガス
による冷却とする。熱間圧延後は空冷や水冷をし、80
0℃以下で巻き取り冷却する。
800℃以上では巻取り後の冷却中に酸化スケールが生
ずるためである。その後、熱延板焼鈍は省略する。焼鈍
中にスケールが発生し、表面の脱Cr層が生成するため
である。デスケール工程では軽度のメカニカルデスケー
リングと酸洗でスケールを除去し、軽度に表面を溶剤す
る。以上の条件では、酸洗後に表面に脱Cr層がなく、
かつ表面の凹凸の少ない冷延用素材とすることが出来る
。
ずるためである。その後、熱延板焼鈍は省略する。焼鈍
中にスケールが発生し、表面の脱Cr層が生成するため
である。デスケール工程では軽度のメカニカルデスケー
リングと酸洗でスケールを除去し、軽度に表面を溶剤す
る。以上の条件では、酸洗後に表面に脱Cr層がなく、
かつ表面の凹凸の少ない冷延用素材とすることが出来る
。
冷延は小径ロールのゼンジミャミルや大径ロールのタン
デム冷延ミルでおこない、常法通り最終焼鈍・酸洗する
。
デム冷延ミルでおこない、常法通り最終焼鈍・酸洗する
。
なお、最終焼鈍をスケールの生成しない条件で実施する
ことで、脱Cr層の生成を防止することが出来、Cr系
では第2図に示したCr量と必要焼鈍温度・雰囲気条件
が必要であり、含Ntのオーステナイトステンレス鋼や
2相系ステンレス鋼では光輝焼鈍条件が必要となる。
ことで、脱Cr層の生成を防止することが出来、Cr系
では第2図に示したCr量と必要焼鈍温度・雰囲気条件
が必要であり、含Ntのオーステナイトステンレス鋼や
2相系ステンレス鋼では光輝焼鈍条件が必要となる。
以下に本発明の実施例を表1にもとづき具体的に説明す
る。
る。
常法通り精錬され、特に真空処理等の2次精錬をされ、
介在物を少なくした13Cr、17Cr。
介在物を少なくした13Cr、17Cr。
18Cr−8Ni綱等のステンレス鋼を取鍋よりタンデ
ィツシュを経て内部冷却された双ロール鋳造機によって
4fi厚の鋳片を鋳造した。鋳造時の冷速は約100°
C〜300℃/secであり、18Cr−8Ni系ステ
ンレス鋼の例ではデンドライトの2次アームスベーシン
グは10μm以下である。
ィツシュを経て内部冷却された双ロール鋳造機によって
4fi厚の鋳片を鋳造した。鋳造時の冷速は約100°
C〜300℃/secであり、18Cr−8Ni系ステ
ンレス鋼の例ではデンドライトの2次アームスベーシン
グは10μm以下である。
鋳片は双ロール出側よりAr等の不活性ガス冷却とロー
ル冷却で冷却され、直接水による冷却はしないで、表面
の酸化を抑制し、かつ雰囲気は非酸化性に制御し、60
秒以内に熱間圧延機にかみ込ませる。かみ込み時の温度
は1150℃〜1180℃で25%の圧下を加えた。
ル冷却で冷却され、直接水による冷却はしないで、表面
の酸化を抑制し、かつ雰囲気は非酸化性に制御し、60
秒以内に熱間圧延機にかみ込ませる。かみ込み時の温度
は1150℃〜1180℃で25%の圧下を加えた。
17Crmには30%の圧下を加えた。又17Crfi
には第2スタンドで引きつづき1100°Cで20%の
圧下を加えたものもあるが他のものは第2スタンドでは
全く圧下をしなかった。
には第2スタンドで引きつづき1100°Cで20%の
圧下を加えたものもあるが他のものは第2スタンドでは
全く圧下をしなかった。
その後、13Cr−8Ni系ステンレス鋼は圧下後、す
ぐ冷却し600℃以下で巻取り、徐冷した。
ぐ冷却し600℃以下で巻取り、徐冷した。
13Cr鋼や17Cr鋼は圧下後30秒以下の空冷を行
なった後冷却し、750℃〜650℃で巻取り、徐冷し
た。
なった後冷却し、750℃〜650℃で巻取り、徐冷し
た。
その後コイルは高温にさらすことなく、軽度のメカニカ
ルデスケーリングと酸洗をおこなって表面に生じた薄い
酸化スケールを除去した。13Cr鋼やLTCr鋼は)
(ZSO,で18Cr−8Ni系ステンレス鋼は HN
O3/IFで酸洗した。
ルデスケーリングと酸洗をおこなって表面に生じた薄い
酸化スケールを除去した。13Cr鋼やLTCr鋼は)
(ZSO,で18Cr−8Ni系ステンレス鋼は HN
O3/IFで酸洗した。
この酸化スケールの程度はごく軽度であった。
比較材として5US430鋼で現状の130mmCCス
ラブを加熱炉で長時間加熱後、ホットストリップミルで
熱間圧延し、730℃程度で巻取り、その後1000℃
に加熱して熱延板焼鈍を行なった熱延板と比較すると酸
洗に要した時間は半分以下で大きな差である。又この酸
洗板の段階で表面の脱Cr層を調査した結果表1の通り
で、本発明法は従来法に比較して脱CrNは生じない。
ラブを加熱炉で長時間加熱後、ホットストリップミルで
熱間圧延し、730℃程度で巻取り、その後1000℃
に加熱して熱延板焼鈍を行なった熱延板と比較すると酸
洗に要した時間は半分以下で大きな差である。又この酸
洗板の段階で表面の脱Cr層を調査した結果表1の通り
で、本発明法は従来法に比較して脱CrNは生じない。
又本発明法の酸洗後の表面には従来法でみられた凹凸が
極めて少なく、凹凸の深さを光学顕微鏡により20点を
測定したが、従来材の173以下である。
極めて少なく、凹凸の深さを光学顕微鏡により20点を
測定したが、従来材の173以下である。
その後クンデムミルやゼンジミャミルで冷延し、最終焼
鈍条件をCr系鋼は第2図の条件内とし、Cr−Nr系
スステンレス鋼光輝焼鈍(BAと称す)条件として実施
した。5US430鋼については一部は光輝焼鈍を施し
てBA型製品した。これらの製品で Auge分析を実
施し表面のCr欠乏度を調査し、先に示したΔCrで表
示したが従来材では5%程度あるものが、本発明法では
1.0%程度で表面のCr濃度低下は大幅に減少してい
る。又、表面かぶさりは従来法では研削工程省略では多
数発生するが、本発明法では全くみられず、BA裏表面
もゴールドダストは発生しなかった。
鈍条件をCr系鋼は第2図の条件内とし、Cr−Nr系
スステンレス鋼光輝焼鈍(BAと称す)条件として実施
した。5US430鋼については一部は光輝焼鈍を施し
てBA型製品した。これらの製品で Auge分析を実
施し表面のCr欠乏度を調査し、先に示したΔCrで表
示したが従来材では5%程度あるものが、本発明法では
1.0%程度で表面のCr濃度低下は大幅に減少してい
る。又、表面かぶさりは従来法では研削工程省略では多
数発生するが、本発明法では全くみられず、BA裏表面
もゴールドダストは発生しなかった。
(発明の効果)
本発明によれば、表面にかぶさりがな(−1かつ表面C
r濃度の低下のない耐食性のすぐれたクロム含有鋼材を
、省工程で合理的に製造することができるので、産業界
に稗益することが極めて大である。
r濃度の低下のない耐食性のすぐれたクロム含有鋼材を
、省工程で合理的に製造することができるので、産業界
に稗益することが極めて大である。
第1図は本発明法と従来法による、5US304の冷延
用素材の表面粗さ結果を示すもので(alが従来法(熱
延コイル、メカニカルデスケーリング後、酸洗) 、(
blが本発明法(双ロール薄鋳片、25%圧下(1パス
)、軽メカニカルデスケーリング後、酸洗)による冷延
用素材の表面粗さを示す図、第2図は含クロム鋼冷延板
のクロム量と必要焼鈍温度、必要焼鈍雰囲気条件を示す
図、第3図は本発明法と従来法によって得られた5U3
4302B製品の表面層のクロム分析結果を示す図(A
:従来法、B:本発明法)である。 第1図 (α〕 手続補正書(自発) 昭和61年9月11日 特許庁長官 黒 1)明 雄 殿 1、事件の表示 昭和61年特許願第91066号 2、発明の名称 耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法3、補正を
する者 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 (665)新日本製鐵株式全社 代表者 武 1) 豊 4、代理人〒100 6、補正の対象
用素材の表面粗さ結果を示すもので(alが従来法(熱
延コイル、メカニカルデスケーリング後、酸洗) 、(
blが本発明法(双ロール薄鋳片、25%圧下(1パス
)、軽メカニカルデスケーリング後、酸洗)による冷延
用素材の表面粗さを示す図、第2図は含クロム鋼冷延板
のクロム量と必要焼鈍温度、必要焼鈍雰囲気条件を示す
図、第3図は本発明法と従来法によって得られた5U3
4302B製品の表面層のクロム分析結果を示す図(A
:従来法、B:本発明法)である。 第1図 (α〕 手続補正書(自発) 昭和61年9月11日 特許庁長官 黒 1)明 雄 殿 1、事件の表示 昭和61年特許願第91066号 2、発明の名称 耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法3、補正を
する者 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 (665)新日本製鐵株式全社 代表者 武 1) 豊 4、代理人〒100 6、補正の対象
Claims (2)
- (1)重量パーセントで5%以上のCrを含有するクロ
ム含有鋼を8mm厚以下の鋳片に鋳造し、鋳造後は加熱
することなく、かつ高温域は直接水冷することなく、8
00℃以上で50%未満の圧下を与えた後800℃未満
で巻き取り、焼鈍することなく、デスケールし、常法に
従って冷延し、焼鈍、酸洗することを特徴とする耐食性
のすぐれた含クロム鋼材の製造方法。 - (2)前記冷延後、得られた鋼板、線材等の鋼材をスケ
ールの生成しない条件で最終焼鈍することを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61091066A JPH0730403B2 (ja) | 1986-04-19 | 1986-04-19 | 耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61091066A JPH0730403B2 (ja) | 1986-04-19 | 1986-04-19 | 耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62247027A true JPS62247027A (ja) | 1987-10-28 |
JPH0730403B2 JPH0730403B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=14016125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61091066A Expired - Lifetime JPH0730403B2 (ja) | 1986-04-19 | 1986-04-19 | 耐食性のすぐれたクロム含有鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0730403B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114836684A (zh) * | 2022-04-01 | 2022-08-02 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 低铬软磁不锈钢及其制备方法和应用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106086353B (zh) * | 2016-08-29 | 2018-06-01 | 大冶特殊钢股份有限公司 | 控制大断面GCr15轴承钢网状碳化物析出的轧制方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5725203A (en) * | 1980-07-18 | 1982-02-10 | Nippon Steel Corp | Production of stainless steel plate and wire |
JPS60224715A (ja) * | 1984-04-23 | 1985-11-09 | Nippon Steel Corp | 熱延薄鋼帯の製造方法 |
-
1986
- 1986-04-19 JP JP61091066A patent/JPH0730403B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5725203A (en) * | 1980-07-18 | 1982-02-10 | Nippon Steel Corp | Production of stainless steel plate and wire |
JPS60224715A (ja) * | 1984-04-23 | 1985-11-09 | Nippon Steel Corp | 熱延薄鋼帯の製造方法 |
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---|---|
JPH0730403B2 (ja) | 1995-04-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |