JP2784026B2 - 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法 - Google Patents

表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法

Info

Publication number
JP2784026B2
JP2784026B2 JP5628189A JP5628189A JP2784026B2 JP 2784026 B2 JP2784026 B2 JP 2784026B2 JP 5628189 A JP5628189 A JP 5628189A JP 5628189 A JP5628189 A JP 5628189A JP 2784026 B2 JP2784026 B2 JP 2784026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
stainless steel
continuous casting
steel sheet
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5628189A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02236227A (ja
Inventor
二郎 原勢
亮 清水
繁 南野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP5628189A priority Critical patent/JP2784026B2/ja
Publication of JPH02236227A publication Critical patent/JPH02236227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2784026B2 publication Critical patent/JP2784026B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋳型壁面が移動更新される連続鋳造機によ
って厚み10mm以下の薄帯状鋳片を得、これを出発材とす
るCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法にあって、表面
品質に優れた製品を得ることができる製造方法に関する
ものである。
[従来の技術] 従来、連続鋳造法を用いてステンレス鋼薄板を製造す
るには、鋳型を鋳造方向に振動させながら厚さ100mm以
上の鋳片に鋳造し、得られた鋳片の表面手入れを行い、
加熱炉のおいて1000℃以上に加熱した後、粗圧延機およ
び仕上圧延機列からなるホットストリップミルによって
熱間圧延を施し、厚さ数mmのホットストリップとしてい
た。
こうして得られたホットストリップを冷間圧延するに
際しては、最終製品に要求される形状(平坦さ)、材
質、表面性状を確保するために、強い熱間加工を受けた
ホットストリップを軟化させるための熱延板焼鈍を行う
とともに、表面のスケール等を酸洗工程の後に研削によ
って除去していた。
この従来のプロセスにおいては、長大な熱間圧延設備
で、材料の加熱および加工のために多大のエネルギを必
要とし、生産性の面でも優れた製造プロセスとは言い難
かった。また、最終製品は、100mm以上の厚さの鋳片か
ら多くの加工が加えられて製造されるために集合組織が
発達し、製品に、ユーザーにおいてプレス加工等を加え
るときはその異方性を考慮することが必要となる等使用
上の制約も多かった。
処で、100mm以上の厚さの鋳片をホットストリップの
圧延するために、長大な熱間圧延設備と多大なエネル
ギ、圧延動力を必要とするという問題を解決すべく、最
近、連続鋳造の過程でホットストリップと同様か或はそ
れに近い厚さの鋳片(薄帯)を得るプロセスの研究が進
められている。たとえば、「鉄と鋼」85,A197〜85、A25
6において特集された論文に、ホットストリップを連続
鋳造によって直接的に得るプロセスが開示されている。
このような連続鋳造プロセスにあっては、得ようとする
鋳片(ストリップ)のゲージが1〜10mmの水準であると
きはツインドラム方式がまた、鋳片のゲージが20〜50mm
の水準であるときはツインベルト方式が検討されてい
る。
しかしながら、これらの連続鋳造プロセスにおいては
鋳造段階にも未だ問題があるとされ、製品の材質や表面
性状に関して問題が解決したという段階には至っていな
い。
[発明が解決しようとする課題] 新しいプロセスとして開発が進められている、ホット
ストリップと同等か或はそれに近い厚さの鋳片(薄帯)
を連続鋳造によって得ることを前提とするプロセスにお
いては、鋳造から製品までの工程が簡略化されるため
に、ステンレス鋼製品の表面特性が、鋳片性状に敏感に
影響されることになる。即ち、優れた表面性状を有する
製品を得るためには、優れた鋳片を得る必要がある。
本発明は、スレンレス鋼薄板製品に特有の光沢むらや
ローピング現象と呼ばれる表面欠陥のないCr−Ni系スレ
ンレス鋼薄板を得ることができる簡潔な製造プロセスを
提供することを目的としてなされた。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は下記の通りである。
例えば18%Cr−8%Ni鋼に代表されるCr−Ni系ステン
レス鋼を、鋳型壁面が移動更新される連続鋳造機によっ
て、凝固時の冷却速度を100℃/s以上として厚さ10mm以
下の薄帯状鋳片に連続し、得られた鋳片を加熱し或は加
熱することなく冷却して鋳片の一部をマルテンサイトに
変態させた後再加熱してマルテンサイトをオーステナイ
トに逆変態させた後、温間加工および冷間加工の1種ま
たは2種以上を施して製品とすることを特徴とする表面
品質が優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法。
以下に本発明の詳細を説明する。
SUS 304鋼を基本成分とする溶鋼を、内部水冷方式の
双ロール(ツインドラム)連続鋳造試験機によって鋳造
して2〜4mm厚さの薄帯とし、冷却して巻取った。
こうして得られた鋳片(薄帯)を、デスケーリングし
た後直接冷間圧延し、最終焼鈍し、酸洗して2B製品を得
た。これらの製品の表面性状を、従来の、溶鋼を連続鋳
造して100mm以上の厚さを有する鋳片とし、これを再加
熱後、ホットストリップミルによって熱間圧延し、冷間
圧延して得られた製品の表面性状と詳細に比較検討し
た。
その結果、溶鋼を、内部水冷方式の双ロール(ツイン
ドラム)連続鋳造試験機によって鋳造して2〜4mm厚さ
の薄帯とし、冷却して巻き取ったものをデスケーリング
後冷間圧延し、最終焼鈍し、酸洗して2B製品としたもの
は、次のような表面欠陥が発生する可能性があることが
判明した。
(1)ローピングやオレンジピール…冷延時または製品
加工時に表面に微細な凹凸を生じる。
(2)光沢むら…鋳片(薄帯)巻取り中の材料の組織鋭
敏化や粒界酸化またはγ粒粗大化による光沢むらが発生
する。
これらの製品表面性状に関する問題は、従来のプロセ
スではみられない、薄鋳片(薄帯)を直接、連続鋳造に
よって得る過程を含むプロセス固有の問題である。
発明者等は、これらの製品表面状に関する問題の原因
を詳細に検討した結果、冷間圧延前の材料のγ粒径が大
きい場合や、鋳片のCr炭化物析出温度域の冷却不充分の
場合にこれらの表面欠陥が顕著に生じることを解明し
た。
こうしてローピング対策としては、冷間圧延前の材料
のγ粒径を粒度No.6以上、即ち50μm以下とすること
が、また光沢むら対策としては、鋳片の高温域における
冷却を制御することが、薄鋳片を直接、連続鋳造によっ
て得る過程を含むプロセスを採るときに、望ましいこと
を明らかにした。
冷間圧延用の材料として、γ粒径が50μm以下の材料
とするための手段として、次のような種々の考え方があ
る。即ち、 薄鋳片そのもののγ粒を小さくする、 薄鋳片を、鋳造に引続き熱間加工して、再結晶細粒化
する、 薄鋳片を、冷間加工し、焼鈍して、再結晶細粒化す
る、 等である。
の方法は、効果が大きいけれども工程数が多く経
済的ではない。又、の方法については、鋳造後の鋳片
の冷却速度を特定とすることによって可能であり、本件
出願人から特願昭63−221472号にて提案している。
本発明は、特に上記の鋳片そのもののγ粒を小さく
しかつ、その結晶方位をランダムにすることにより、見
掛けの粒径が50μm以上である場合でも前述の問題を解
決できることを発明者等が見出したことに基礎を置いて
いる。
冷間圧延前のγ粒径を、γの平均粒度No.6以上、即ち
平均粒径として50μm以下のすることでローピングが発
生し難くなるが、発明者等は、ローピングの発生は、冷
間圧前のγ粒径そのものにも影響されるが、どのような
結晶方位のγ粒から構成されているかが重要であること
を知見した。
即ち、特定の方位をもった結晶が集団で存在している
場合は、粒径が小さくてもロービングが発生するし、逆
に粒径が50μm以上と大きくても個々の結晶粒の方位が
互いに異なる場合は、ローピングが発生しない。
発明者等は、フェライト系ステンレス鋼薄板のローピ
ング発生のメカニズムと同様、結晶の塑性異方性によっ
てローピングが発生することを発見した。そこで発明者
等は、冷間圧延前の材料の結晶粒相互の関係を可及的に
ランダムにするには、鋳造過程における溶鋼の凝固後に
δフェライトが存在する場合は鋳片を加熱してγ単相と
し、γ単相の凝固組織を有している場合は鋳片を加熱す
ることなく、凝固鋳片の一部にマルテンサイト変態が生
じる低温域まで冷却した後鋳片を再加熱してこのマルテ
ンサイトをオーステナイトに再変態させることにより、
変態前のオーステナイトの方位が約130種類の方位に変
化することを見出した。このγ→α→γ変態により、理
論的には528種類の結晶方位が発生する。現実にはどの
ような結晶方位粒が発生するか不明であったが、発明者
等がその変化を調べたところ、約130種類の方位の異な
る結晶方位が発生することが判明した。第1図に、1つ
の結晶方位から発生した新しい結晶方位の例(150発
生)を示す。本発明による方法で変態させると、粒大γ
結晶の中にこのような結晶方位が実質的にランダムな微
細結晶が発生することになり、大きなγ粒が実質的には
微細化されるため、このような鋳片を冷間圧延素材とし
て薄板を製造するときはローピングの発生がないことを
解明し、本発明を完成したものである。
[実施例] オーステナイト系ステンレス鋼を溶製し、内部水冷方
式の双ロール鋳造機を用いて1mmから7.5mm厚みの鋳片に
鋳造した後、そのまま或は再加熱によりγ単相組織とし
た後液体窒素に浸漬した。しかる後、1000℃に加熱し、
次いで冷却し、冷間圧延した。得られた製品の表面には
ローピングの発生は認められず、表面品質は良好であっ
た。一方このような処理を材料に施すことなく、冷間圧
延したものは、γ粒径が80μmを超え、ローピングが発
生し、表面光沢も不良であった。
本発明の実施例および比較例における成分系ならびに
プロセス条件を、第1表および第2表に示す。
[発明の効果] 本発明の、製品厚さに近い厚さの薄帯を連続鋳造によ
って直接的に得る簡潔なプロセスによって、表面品質と
材質に優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、γ→α′→γ変態により、1つの結晶方位が
実質的にランダムな結晶方位に分割された例を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/02 - 8/04 B22D 11/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr−Ni系ステンレス鋼を、鋳型壁面が移動
    更新される連続鋳造機によって、凝固時の冷却速度を10
    0℃/s以上として厚さ10mm以下の薄帯状鋳片に連続鋳造
    し、得られた鋳片を加熱し或は加熱することなく冷却し
    て鋳片の一部をマルテンサイトに変態させた後再加熱し
    てマルテンサイトをオーステナイトに逆変態させた後、
    温間加工および冷間加工の1種または2種以上を施して
    製品とすることを特徴とする表面品質が優れたCr−Ni系
    ステンレス鋼薄板の製造方法。
JP5628189A 1989-03-10 1989-03-10 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法 Expired - Fee Related JP2784026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5628189A JP2784026B2 (ja) 1989-03-10 1989-03-10 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5628189A JP2784026B2 (ja) 1989-03-10 1989-03-10 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02236227A JPH02236227A (ja) 1990-09-19
JP2784026B2 true JP2784026B2 (ja) 1998-08-06

Family

ID=13022708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5628189A Expired - Fee Related JP2784026B2 (ja) 1989-03-10 1989-03-10 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2784026B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02236227A (ja) 1990-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63421A (ja) 表面特性と材質のすぐれたオ−ステナイト系ステンレス鋼薄板の新製造法
JPH0742513B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH03100124A (ja) 表面品質の優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
EP0458987B1 (en) Process for producing thin austenitic stainless steel plate and equipment therefor
JP2784026B2 (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
US5030296A (en) Process for production of Cr-Ni type stainless steel sheet having excellent surface properties and material quality
EP0378705B1 (en) PROCESS FOR PRODUCING THIN Cr-Ni STAINLESS STEEL SHEET EXCELLENT IN BOTH SURFACE QUALITY AND QUALITY OF MATERIAL
EP0463182B2 (en) METHOD OF MANUFACTURING Cr-Ni STAINLESS STEEL SHEET EXCELLENT IN SURFACE QUALITY AND MATERIAL THEREOF
JP2532314B2 (ja) 表面品質と加工性の優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH0559447A (ja) 表面品質と加工性の優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH0730405B2 (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH0788534B2 (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JP2607187B2 (ja) 表面品質と加工性の優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH02263930A (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JP2983376B2 (ja) 表面品質の優れたオーステナイト系ステンレス鋼冷延板の製造方法
JP2730802B2 (ja) 加工性の優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JP2820298B2 (ja) オーステナイト系ステンレス薄板製造装置
JPH02133529A (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH0342150A (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH02263929A (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH0796684B2 (ja) 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JP2768515B2 (ja) オーステナイト系ステンレス薄板製造方法
JPH0559446A (ja) 表面品質と加工性の優れたCr−Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
JPH05269555A (ja) ステンレス鋼の双ロール鋳造方法
JPH03211237A (ja) 加工性が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees