JPS622469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は冷蔵庫の中仕切部構造に関し、特に
簡単な構成にて結露防止用パイプの密着性と取付
操作性及び冷蔵庫扉のヒンヂ中の取付操作性を改
良するものである。

中仕切部は冷蔵庫内を冷凍室と冷蔵室に分ける
もので、この中仕切部の前方部分、つまり中仕切
当板の裏面に結露防止用のコンデンサーパイプが
取り付けられている。

例えば、第２図、第４図において、従来の中仕
切部１Ａには中仕切体３Ａが冷蔵室側の内箱１０
Ａと真空成形等で一体に作られ、その中仕切体３
Ａに取付られる部品は、扉パツキング当り用の中
仕切当板２Ａと、中仕切体３Ａの結露を防止する
コンデンサーパイプ又はフレームパイプ４Ａと冷
凍室・冷蔵室の各扉を支持するヒンヂ中５Ａとか
ら構成されている。

各部品の取付けは第２図、第４図、第７図に示
すように中仕切当板２Ａに爪６Ａを形成し内箱１
０Ａで一体に作られた中仕切体３Ａの嵌合孔７Ａ
にひつかけてコンデンサーパイプ４Ａで押されて
も外れない様にし、一方コンデンサーパイプ４Ａ
は、中仕切当板２Ａに接触する様に弾性を有する
クツシヨン材８Ａ等で中仕切当板２Ａの後方から
コンデンサーパイプ４Ａを押えるようにしてい
た。

このようにコンデンサーパイプ４Ａをクツシヨ
ン材８Ａを用いて中仕切当板２Ａに圧接させてい
たため、コンデンサーパイプ４Ａが中仕切当板２
Ａに完全に接触しない場合もあり、コンデンサー
パイプ４Ａの発熱を効果的に結露防止に活用する
ことができなく、さらに中仕切当板２Ａに形成す
る爪６Ａもその形状が複雑で製作がしにくいとい
う問題があつた。

この考案はこれらの事情に鑑みなされたもの
で、その具体的な構成は、冷蔵庫のエバポレータ
マスクと一体に形成され、前方に開口する凹部を
有する中仕切部体とその凹部を被覆する中仕切当
板とからなり、更に中仕切体の凹部には、中仕切
当板の固定用係止片と、中仕切当板を前記固定用
係止片に係止することにより結露防止用コンデン
サーパイプを中仕切当板裏面に圧接保持するため
の結露防止用コンデンサーパイプの保持用リブ
と、冷蔵庫扉のヒンヂ中を中仕切当板を介してビ
スで固定するためのボスとを一体に形成してなる
冷蔵庫の中仕切部構造である。

すなわち、この考案は中仕切体の凹部に結露防
止用コンデンサーパイプ保持用リブと、中仕切当
板固定用係止片を一体に成形し、さらに中仕切当
板を係止片にコンデンサーパイプを介して嵌め込
むことによつて、中仕切当板にコンデンサーパイ
プが簡単に圧接でき、コンデンサーパイプの発熱
を効果的に結露防止に活用できるようにしようと
するものである。

また中仕切当板自体も係止片に嵌合させるた
め、爪を出す等の複雑な形状にすることなく単純
な屈曲又は箱曲げ加工だけで形成することができ
るようにするものである。

更にこの考案は、前記リブ及び係止片に加えて
中仕切体の凹部に冷蔵庫扉のヒンヂ中を中仕切当
板を介してビスで固定するためのボスを一体に形
成し、それによつてヒンヂ中を取付けるための専
用構造を省略して部品点数及び作業工数を減少で
きると共に前記ビスにより中仕切当板、更にはコ
ンデンサーパイプの固定構造を強化でき、更に扉
によつて加えられる大きな重量負荷と回転時のシ
ヨツクとに対抗できるよう強固にヒンヂ中を取け
ることができる。

なお、この考案において用いられるコンデンサ
ーパイプの保持用リブと、中仕切当板の固定用係
止片と、ヒンヂ中固定用ボスとを一体に形成した
中仕切体は射出成形等によつて成形するのが好ま
しい。

以下図に示す実施例に基づいてこの考案を詳述
する。なお、これによつてこの考案が限定される
ものではない。

まず第１・３・５・６図において、冷蔵庫Ｒは
前面を上下に開口する断熱箱体１４と、その前面
の開口を開閉する上・下扉体１５，１６とから主
として構成され、断熱箱体１４は、外箱１７と、
内箱１８と、両箱１７，１８内に一体に充填され
た発泡ポリウレタン樹脂による断熱層１９と、中
仕切断熱体２０とから構成されている。なお、２
１は冷蔵室、２２は冷凍室、２３はコンプレツサ
２４、コンデンサー２５等と共に冷凍サイクルを
構成するエバポレータである。

而して冷蔵庫の中仕切部構造１は、中仕切断熱
体２０の前部分に装着される中仕切体２と、この
中仕切体２の凹部１２に中仕切体２と一体に成形
された複数個からなる長方板状のコンデンサーパ
イプの保持用のリブ３と、このリブ３の凹部１３
に沿わしたコンデンサーパイプ４と、このコンデ
ンサーパイプ４を圧接し、中仕切体凹部１２を被
覆するために嵌入される中仕切当板６とから構成
され、その中仕切当板は上下辺を後方に折曲し、
折曲上辺に中仕切体係止片５に対応する嵌合用孔
１０を有する。なお、７はヒンヂ中８をビスで直
接固定する中仕切体２と一体成形されたボスであ
る。

この構造１は第６図に示す如くエバポレータマ
スク９と中仕切体２を射出成形等で一体に成形
し、中仕切当板６の取付は、第３図に示すように
中仕切当板６に嵌合用孔１０を設け、中仕切体２
側には、この部分に嵌合するような係止片５を設
けてあり、中仕切当板を扉１５，１６側より押し
込むだけで「中仕切体係止片５及び中仕切当板６
の弾性を利用して係止できる構造」となつてい
る。

コンデンサーパイプ４の取付は、中仕切体２に
このコンデンサーパイプ４が入る様に扉１５，１
６側に凹部１３を設けた結露防止用コンデンサー
パイプの保持用リブ３が設けられ、前記の中仕切
当板６とこのリブ３ではさみ込んで固定を行うも
ので、コンデンサーパイプ４と中仕切当板６は、
コンデンサーの保持用リブ３の設定寸法で圧接す
る様な構造である。

また第５図に示すようにヒンヂ中８の取付は、
これを取付るビス１１が止まるようにボス７が中
仕切体２に一体成形され、ヒンヂ中を取付けるた
めに通常用いられる複数の部品（第４図参照）を
一体にまとめ、部品点数及び作業工数を減少さ
せ、更に枠状であるために強靭となつているエバ
ポレータマスクにボスが一体に連なることになる
ので、ボスに集中して加わる、冷蔵庫扉による重
量負荷及び開閉のシヨツクをエバポレータマスク
に分散できる。またヒンヂ中を中仕切当板を介し
てボスにビス止めするので、中仕切当板及びコン
デンサーパイプの固定が強化できる。このボス７
の先端は発泡ポリウレタン１９が進入しない様盲
構造となつている。

以上のようにこの考案は、コンデンサーパイプ
の熱を効果的に利用できる効果に加え、部品点数
の削減、これに伴なう作業工数の低減、単純形状
部品のための作り易さ、冷蔵庫扉、中仕切当板及
びコンデンサーパイプの固定・支持強化等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に於ける冷蔵庫の断面略図、第２
図は従来仕様の中仕切体中央部の断面略図、第３
図は本案に於ける中仕切体中央部の断面略図、第
４図は従来仕様のヒンヂ中止め部の断面略図、第
５図は本案に於けるヒンヂ中止め部の断面略図、
第６図は本案のエバポレータマスク部の外観斜視
略図、第７図は従来仕様の中仕切当板の要部斜視
図である。 １……冷蔵庫の中仕切部構造、２……中仕切
体、３……結露防止用コンデンサーパイプの保持
用リブ、４……コンデンサーパイプ、５……中仕
切体係止片、６……中仕切当板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷蔵庫のエバポレータマスクと一体に形成さ
   れ、前方に開口する凹部を有する中仕切体と、そ
   の凹部を被覆する中仕切当板とからなり、更に中
   仕切体の凹部には、中仕切当板の固定用係止片
   と、中仕切当板を前記固定用係止片に係止するこ
   とにより結露防止用コンデンサーパイプを中仕切
   当板裏面に圧接保持するための結露防止用コンデ
   ンサーパイプの保持用リブと、冷蔵庫扉のヒンヂ
   中を中仕切当板を介してビスで固定するためのボ
   スとを一体に形成してなる冷蔵庫の中仕切部構
   造。