JPS6224088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、パイプ製手摺りの支柱と控え柱と
の結合部分に適用する抜止め具に関する。

＜従来の技術＞ パイプ製手摺り等では、第１図に示す如く、支
柱１の前または後方に控え柱２を配備して下端を
基礎に固定し、控え柱２の上端は屈曲し支柱１の
上部に連結固定し、支柱１を含む手摺全体の倒れ
を防いでいる。前記支柱１に対する控え柱２の結
合は、通常第３図に示す如く、控え柱２の上端に
ビス用皿孔が穿設された取付板５を溶接固定し、
一方、支柱１の柱面にビス孔を設けてビス６にて
固定している。この構造では、取付板５が外部に
露出し、ネジ部に錆を生じて美感を低下すると共
に、錆付きにより、以後の取外しが困難となる。

また、他の結合構造として、第４図に示す如
く、控え柱２の上端部に外周面を切削した結合筒
部２１を形成し、この筒部２１に抜止孔２３を穿
設し、一方、支柱１には、柱面に前記結合筒部２
１の適合する結合孔１１を穿設し、この結合孔１
１に控え柱２の結合筒部２１を嵌挿し、支柱１内
孔に位置した抜止孔２３に楔状の抜止材７を嵌着
して、結合固定することが考えられる。

＜考案が解決しようとする問題点＞ ところが、かかる抜止材７は、結合筒部２１の
上下抜止孔２３のうち、上部抜止孔２３に対応し
て楔用のテーパ７１を設けることができるが、下
部抜止孔２３ａに対しては単に嵌挿する構成とな
るため、早期のうちに緩み、結合部分にガタ付き
を生じるという問題がある。

そこで、この考案は極めて簡単な構成により、
支柱と控え柱の結合に好適する新規な抜止め具を
提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記の目的を達成するための、この考案の手段
を説明すると、この考案の抜止め具は、長さ半分
宛に互いに逆向ネジ溝、および軸端面に回転工具
の係合溝が形成されたネジ軸と、該ネジ軸の両ネ
ジ溝に係合され、一側面にネジ軸と平行な回止
面、反対側の側面にネジ軸の先端側が低い傾斜面
を有す一対の楔部材にて構成する。

＜作用＞ ネジ軸の係合溝に回転工具を係合し、両楔部材
の回転を止めた後、ネジ軸を軸回転するとき、両
楔部材は、ネジ軸の右回転、左回転に応じて互い
に接近または離間する方向に移動し、対向する２
つの抜止孔に対し、内側から楔状に圧入し、所期
の目的を達成した効果を奏する。

＜実施例＞ 第１図はパイプ製手摺りを示しており、支柱１
の壁面に結合孔１１が穿設され、一方、控え柱２
の上端部には、外周面を切削して段部２２および
前記結合孔に適合する結合筒部２１、該結合筒部
２１に対向する抜止孔２３が穿設されており、結
合筒部２１を結合孔１１に嵌挿し、支柱１内孔に
位置した抜止孔２３に対し本考案にかかる抜止め
具３を係合し、一体結合している。

この考案の特徴をなす抜止め具３は、長さ半分
宛に右、左ネジ溝３２，３３、軸の両端面に回転
工具の係合溝３４が形成されたネジ軸３１と、該
ネジ軸３１の両ネジ溝３２，３３に係合された一
対の楔部材３５，３５とから構成される。

楔部材３５は、抜止孔２３に適合する平面形状
の駒材であつて、一側面にはネジ軸３１と平行な
回止面３６、反対側の側面にネジ軸３１の先端側
が低い傾斜面３７を形成してなるものである。

然して、支柱１の結合孔１１に控え柱２の結合
筒部２１を嵌挿し、結合筒部２１の抜止孔２３に
対し、本願の抜止め材３を適用する場合、予め、
ネジ軸３１上の両楔部材３５，３５を接近させた
後、これを抜止孔２３より結合筒部２１内へ組込
む。次いで、ネジ軸３１端面の係合溝３４にドラ
イバー等の回転工具４を係合し、軸回転させると
き、軸上の楔部材３５，３５は、それぞれ回止面
３６が抜止孔２３の一辺に拘束されて回転しない
ため、互いにネジ軸３１の端側へ移動する。

従つて、両楔部材３５の傾斜面３７は高位部分
が抜止孔２３の対向辺に作用して楔状に圧入し、
強固な結合、抜止めを実現する。

＜考案の効果＞ この考案は上記の如く、長さ半分宛に互いに逆
向ネジ溝、および軸端面に回転工具の係合溝が形
成されたネジ軸と、該ネジ軸の両ネジ溝に係合さ
れ、一側面にネジ軸と平行な回止面、反対側の側
面にネジ軸の先端側が低い傾斜面を有す一対の楔
部材にて楔装置を構成したから、両楔部材は、ネ
ジ軸端面の係合溝に工具を係合して軸回転するこ
とにより互いに接近、離間し、各々傾斜面が対向
する抜止孔に対し、内側より楔状に係合し、強固
な結合および抜止めを実現する等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案抜止め具を用いた手摺りの正面
図、第２図は拡大断面図、第３図および第４図は
手摺りにおける支柱と控え柱の結合構造の従来例
を示す説明図である。 ３……抜止め具、３１……ネジ軸、３２，３３
……ネジ溝、３４……操作具の係合溝、３５……
楔部材、３６……回止面、３７……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長さ半分宛に互いに逆向ネジ溝、および軸端面
   に回転工具の係合溝が形成されたネジ軸と、該ネ
   ジ軸の両ネジ溝に係合され、一側面にネジ軸と平
   行な回止面、反対側の側面にネジ軸の先端側が低
   い傾斜面を有す一対の楔部材とから成る抜止め
   具。