JPS6223477Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば病院において熱傷患者その他
の重症患者を治療する場合、或いは一般家庭にお
いて寝たきり患者を寝かせるために有効に用いら
れる微細固体粒子を用いたエアーベツドに関する
ものである。

［従来の技術］ この種の微細固体粒子を用いたエアーベツド
は、例えば特開昭54−128196号公報、実開昭58−
108832号公報で知られている。即ち、このエアー
ベツドはセラミツクビーズ等の微細固体粒子を収
容した粒子室に、底部側から通気板を介して圧縮
空気を導入することにより微細固体粒子を流動化
し、その流動作用及び微細固体粒子層の上に設け
たフイルタシーツからの空気噴出作用によつて、
フイルタシーツ上に寝かされた患者を浮揚するよ
うにして支持するものである。この種のエアーベ
ツドは、患者に加わる接触圧力が均等化されるた
め、患者の苦痛を和らげると共に、治療効果を高
めるという優れた効能を有し、最近では病院等に
おいて主に熱傷患者用として使用され始めてい
る。

しかしながら、このようなベツドに使用される
微細固体粒子は、その直径が50〜150ミクロン程
度の細かなセラミツクス等の微粒子であるため、
供給される圧縮空気中の湿気、治療用薬液、患者
の分泌物等によつて固体状に固まり易く、その成
形物を時々除去しなければ微細固体粒子の流動性
が悪くなりエアーベツドの機能が劣化する。

このような微細固体粒子の固まりを除去するた
め、従来においても例えば英国特許第1174109号
明細書に開示されているように、粒子室の内部に
細かいメツシユを有するスクリーンを沈め、その
スクリーンの両側に設けたハンドルを粒子室を構
成する側壁の上縁に引つ掛けておき、このハンド
ルを持上げることによりスクリーンを引上げて微
細固体粒子を取り出すようにした方法が提案され
ている。しかし、この場合はハンドルを粒子室の
側壁上縁に引つ掛けるようにしているため、粒子
室の上側を覆うシートによつて粒子室を密封する
場合に、突出しているハンドルの引掛部が邪魔に
なるとか、ハンドルが間接的に患者に当接して不
快感を与える等の欠点がある。

［考案の目的］ 本考案の目的は、このような従来装置の欠点を
改善するため、粒子室の底部に沈めるふるいの引
上げ用把手が粒子室の密封の邪魔になつたり、患
者に不快感を与えたりしないようにしたエアーベ
ツドを提供することにある。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
微細固体粒子を収容した粒子室の底部の通気板を
介して流入する圧縮空気によつて前記微細固体粒
子を流動化させるエアーベツドにおいて、前記粒
子室の底部にそのほぼ全面を覆う程度の大きさで
周りに囲い部を有するかご形のふるいを、該ふる
いの両側に設けた引上げ用把手を前記粒子室の側
壁内面に接した状態で前記微細固体粒子内に沈設
するようにしたことを特徴とする微細固体粒子を
用いたエアーベツドである。

［考案の実施例］ 次に、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本考案に係るエアーベツドの一例とし
て、ベツド部と圧縮空気を供給する動力部とを別
個のユニツトとしたセパレート型のものを示し、
図面にはそのベツド部のみを示している。ただ
し、動力部をベツド部の下側に一体的に組込む場
合もあり、この場合にも本考案を適用できること
は勿論である。

第１図において、微細固体粒子１を収容した粒
子室２の下側には多孔性の通気板３を介して空気
室４が隣接されている。前述の動力部からエアー
ホース５を通つて適当に調温され乾燥した圧縮空
気が空気室４に供給されると、圧縮空気は通気板
３を通つて拡散されながら矢印に示すように粒子
室２内に流入し、微細固体粒子１を噴き上げて流
動化する。患者は微細固体粒子１の上側に敷かれ
たフイルタシーツ６の上に取替用シーツを介して
寝かされているので、微細固体粒子１の流動作用
及びフイルタシーツ６からの空気噴出作用によ
り、幾らか浮揚された状態で支持される。フイル
タシーツ６は空気だけを通し微細固体粒子１は通
さない性質の合成樹脂製織物が用いられ、その周
辺部は粒子室２の周縁のフランジ部２ａに気密に
保持されている。

ここで本実施例においては、第２図に例示する
ように周りに囲い部を有するかご形をなし、かつ
両側にそれぞれ引上げ用把手８を備えたふるい７
が粒子室２の底部に沈設されている。このふるい
７は個々の微細固体粒子１は十分に通すが、微細
固体粒子１の固まりは通さない程度の比較的細か
いメツシユを有する金網や合成樹脂製網或いは布
網等が用いられ、その大きさは粒子室２の底部の
略全面を覆い、引上げ用把手８が粒子室２の側壁
内面に接するように位置する程度の大きさのもの
とされている。

通常、このふるい７はその引上げ用把手８を含
む全体が微細固体粒子１の層の内部に完全に沈設
された状態にあるから、患者に接触して不快感を
与えることはない。しかし、フイルタシーツ６を
外して微細固体粒子１の中に手を突込めば、引上
げ用把手８を容易に探し出すことができ、その引
上げ用把手８を掴んでふるい７を持ち上げると、
微細固体粒子１の固まりだけが引き上げられ、１
回の操作によつて微細固体粒子１の固まりの殆ど
全てを除去することができる。

次に、ふるい７を粒子室２の底部に沈設する場
合には、ふるい７を微細固体粒子１の上に載置し
て微細固体粒子１を流動化させるだけでよい。微
細固体粒子１が流動すると、ふるい７は自重によ
り粒子室２の底部に自然に沈設することになる。
このように、ふるい７を微細固体粒子１中から引
出す場合も、沈設させる場合も操作は至つて簡便
である。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る微細固体粒子
を用いたエアーベツドは、粒子室内に沈設されて
いるふるいをその引上げ用把手を掴んで容易に引
き上げることができるため、１回の操作によつて
微細固体粒子内に存在する固まりの殆ど全部を簡
単に除去することができ、それにより微細固体粒
子の流動性の劣化を防止することが可能となる。
また、ふるいの引上げ用把手は微細固体粒子の層
内に完全に沈設されているので、粒子室の上端縁
で密封の邪魔になることもなければ、患者に不快
感を与えることもなく、完全に沈設されていても
引上げ把手は粒子室の側壁内面に接した状態にな
つているから、これを手探りで容易に探し出すこ
とができる。更に、ふるいは周りに囲い部を有す
るかご形になつているため、その機械的強度も充
分であり、微細固体粒子の固まりがこぼれること
なく効率よく引き上げることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る微細固体粒子を用いたエア
ーベツドの一実施例を示すものであり、第１図は
ベツド部の断面図、第２図はふるいの斜視図であ
る。 符号１は微細固体粒子、２は粒子室、３は通気
板、４は空気室、５はエアーホース、６はフイル
タシーツ、７はふるい、８は引上げ用把手であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 微細固体粒子を収容した粒子室の底部の通気板
   を介して流入する圧縮空気によつて前記微細固体
   粒子を流動化させるエアーベツドにおいて、前記
   粒子室の底部にそのほぼ全面を覆う程度の大きさ
   で周りに囲い部を有するかご形のふるいを、該ふ
   るいの両側に設けた引上げ用把手を前記粒子室の
   側壁内面に接した状態で前記微細固体粒子内に沈
   設するようにしたことを特徴とする微細固体粒子
   を用いたエアーベツド。