JPS6223317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は自動車トランクルームの内装材に係り、
内装作業を容易・迅速に行うことができるように
することを目的とする。

従来一般に自動車トランクルームの内装はトラ
ンクルームを構成するフロア及び周囲の各壁面に
つき夫々の面の外周形状・面形状に対応した形状
の内装材を各別体の内装材ピースとして打抜き・
真空成形・プレス成形等で製造し、その個々のピ
ースをトランクルームの対応各面にクリツプ止
め・貼付け等するものである。例えば、 ａ フロア＝シート材等の打抜き成形品を敷きつ
める。

ｂ フロント（インシユレータ、車室とトランク
ルームとを区画する隔壁）＝ボード材・シート
材等の打抜き成形品をクリツプ止めする。

ｃ リヤー（フロント壁と対面するトランクルー
ム手前側の壁）＝ABS樹脂等のボード材の真空
成形又はプレス成形品（ランプカバー、バツク
ランプカバー）をクリツプ止めする。

ｄ 左右の側壁（サイドトリム）＝シート材・ボ
ード材等の打抜き成形品を接着剤で貼付ける。

ｅ ホイルハウス面（ホイルハウスのトランクル
ーム内突入面）＝シート材の真空成形品を接着
剤で貼付ける。

従つてトランクルーム内全体の内装作業には比
較的多くの時間を要して手間がかかり、この点の
改善が望まれているものである。

本案はこの要望に応えるべく考案されたもの
で、従来のようにトランクルーム各面に対する内
装材を各別体のピースとするのではなく、トラン
クルーム内装用素材として自身の剛性で自立性を
有するシート材或は板材を用い、トランクルーム
のフロア面及び周囲壁内面の各面に対する内装材
部分を互いに折畳み・展開自在につなぎ折り線を
介して連設し全体一連のワンシート物として構成
し、トランクルーム内に突入しているホイルハウ
ス面に対応する内装材部分の面には該内装材部分
がホイルハウス面の曲面に略ならつて彎曲するよ
うに折り線を入れた、自動車トランクルームの内
装材を要旨とする。

トランクルーム内装用素材として用いる、自身
の剛性で自立性を有するシート材或は板材として
は、各種のプラスチツク・ゴム等の硬質或は半硬
質のシート類、プラスチツク段ボール板・ハード
ボード・レジンボード・強化紙製ダンボール板等
のボード類、各種ボード類を基材としてその面に
PEF・PPF・フエルト・ウレタン等のクツシヨ
ン材層、及びPVCやフアブリツク等の表皮材層
を貼合せたものなどの各種積層体、その他の各種
の単層或は積層のシート類・ボード類を利用し得
る。

図の実施例品は第３図示のようにポリプロピレ
ンシート等の硬質或は半硬質のプラスチツクシー
トを素材にして構成したプラスチツク製の段ボー
ル構造板ｍ１（図示例は両面ライナタイプである
が、片面ライナタイプでもよい）の表面にニード
ルベロア（不織布）、塩化ビニル等のレザー・発
泡シート・充実シート等その他適宜の表皮材層ｍ
２を貼り合せてなる大版（例えば３ｍ×1.6ｍ）
の内装材料を大型打抜き機で打抜き処理してトラ
ンクルームのフロア面に対応する部分１、同フロ
ント壁面に対応する部分２、同リヤー壁面に対応
する部分３、同左右のホイルハウス面に対応する
部分４・５、同左右の側壁に対応する部分６・７
を互に折畳み・展開自在につなぎ折り線ａ１〜ａ
６を介して連設して全体１〜７一連のワンシート
タイプの成形内装材としたもので、本例のものは
フロア面部分１の上辺と下辺に夫々フロント壁面
部分２及びリヤー壁面部分３を連設し、フロント
壁面部分２の左辺に左ホイルハウス面部分４と左
側壁面部分６とを順次に連設し、フロント壁面部
分２の右辺に右ホイルハウス面部分５と右側壁面
部分７とを順次に連設した各部分連設配置設計の
ものを示すが、例えば左右の側壁面部分６・７は
夫々フロア面部分１の左右辺に対して連設するな
ど、各部分１〜７の連設配置設計は材料取りロス
等を考慮して所望任意に設計できる。

８はフロア面部分１についてトランクルームフ
ロアのスペアタイヤ収納部Ｔに対応する部分に切
り込み９を入れて形成したタイヤ出入れ用開閉扉
部で、図示例はつなぎ折り線ａ７・ａ７を中心に
開閉することのできる観音開きタイプの扉部とし
てある。内装材料として例えばポリプロピレン樹
脂製のもの或は同樹脂を基板等の構成層として含
むものを用いると繰り返し開閉に耐久性のある扉
部とすることができる。又、トランクルームのフ
ロア部は壁部に工具入れやジヤツキハンドル入れ
などの物品収納部を有するときはそれ等の部品部
位置に対応する内装材部分に上記と同要領で物品
出し入れ用開閉扉部を形成する。或は単なる打抜
き開口部としてもよい。

ａ８は左右のホイルハウス面部分４・５につい
て該部分がホイルハウス面の曲面に略ならつて体
裁よく彎曲するように適宜に形成した補助折り
線、ａ９はリヤー壁面部分３の上辺に形成した段
部（第２図）形成用の補助折り線、１０・１０は
トランクルームのリヤー壁面からトランクルーム
内方へ突出している左右のバツクランプハウジン
グを逃げるためにリヤー壁面部分３の左右側に形
成した透孔を示す。

各つなぎ折り線・補助折り線ａ１〜ａ９、切り
込み線９、透孔１０・１０は内装材料の全体打抜
き処理と同時に形成することができる。

而して上記ワンシートタイプの内装材はフロア
面部分１に対してその面内に他の部分２〜７をつ
なぎ折り線ａ１〜ａ６を境に折畳んで全体小面積
の扁平物として梱包・出荷することができる。

トランクルームの内装に当つては上記折畳まれ
た内装材をそのままトランクルーム内にフロア面
部分１をルームフロア面に対応させて入れ、次い
でフロア面部分１上に折畳まれている他の部分２
〜７を夫々つなぎ折り線ａ１〜ａ６を境に立て起
して夫々対応するトランクルーム壁面に沿わせ
る。トランクルーム内に突入しているホイルハウ
ス面に対応する内装材部分４・５は該部分面に形
成してある折り線ａ８により折りぐせをつけて該
ホイルハウス面の曲面に略ならつて彎曲させる
（第３図）。そしてそのトランクルーム壁面に立て
起して沿わせた内装材部分が倒れ込まないように
要所要所についてトランクルーム壁面に対して例
えばクリツプ止めをする（１２はそのクリツプ止
めのために内装材に予め形成したクリツプ穴を示
す）。この場合本考案の内装材はワンシートタイ
プであるから各部分２〜７の夫々につき止め処理
をしなくとも要所だけを止めて処理すれば全体安
定に倒れが防止される。

要すれば組立て状態時の内装材各面部のつなぎ
折り線部以外の非つなぎ部、図示例のものでいえ
ばフロア面部分１の左右辺と、その左右辺側の側
壁面６・７の下辺及びホイルハウス面部分４・５
の下辺部の非つなぎ部についてこれを互につなぎ
状態にして全体安定組立て状態にする目的に於
て、予めつなぎ用のホツク１３・１４或は面フア
スナ等の適当な連結素子を内装材の所要部取付け
ておくのもよい。

内装材のフロア部１や側壁部２・３・６・７に
ついてもそれ等の内装材部分がトランクルームの
フロアや側壁の凹凸成形面に略ならつて敷設或は
添設されるように必要に応じて前述のホイルハウ
ス部４・５の場合と同様に補助折り線を入れた
り、真空成形やプレス成形等で所望の形付け処理
をするとよい。

又設計上、トランクルームの或る一部の面につ
いては内装材による内張り処理を行わない、或は
その面部分については都合により別に内張り処理
を行う等の場合には本案内装材は当然にそのトラ
ンクルーム面部分に対応する内装材部分について
は具備しない形態で構成される。

本案は前述したように大版の内装材を打抜き・
裁断等して所要各面全体一体物を得るを原則とす
るが、材料取りの都合によつていくつかに分割し
て製造し爾後一体物としてつなぎ処理する、或は
ホイルハウス部分等曲面部分についてはその部分
を分割部として真空成形等で曲面成形しその成形
品を爾後ウエルダ等で他の内装材部分につなぎ処
理して全体一体物を得るようにしてもよい。全体
を２分割或は３分割など大きく区分けして材料取
りした場合、例えば第１図に於てフロア部分１と
リヤー壁面部分３とを一緒にして、又フロント壁
面部分２と左右のホイルハウス部分４・５と左右
の側壁部分６・７とを一緒にして全体２分割の形
態で材料取りしたような場合に於ては爾後それ等
の大区分分割体を強いて一連につなぎ処理せず、
その大区分分割体を順次トランクルーム内へ持込
んでトランクルームの内張り処理を行うようにし
てもよい。この場合でも全体ワンシート物の場合
と同様に、内張り作業が容易で且つ作業時間を大
幅に短縮することができる等実質的に同じ効果が
得られる。本案はこのような構成形態も含む。

以上本案に依れば、トランクルーム内装用素材
として自身の剛性で自立性を有するシート材或は
板材を用い、トランクルーム各面に対する内装材
部分１〜７をつなぎ折り線ａ１〜ａ６を介して全
体一連に構成したワンシートタイプであるから、
前述したようにその折畳み物をトランクルームに
入れて各部分を対応するトランクルーム壁面に立
て起して沿わせ、要所をトランクルーム壁面に止
めるだけで作業を終ることができ、前述従来のト
ランクルーム各面に対する内装材を各別体の分割
ピースとして製造しそれ等を個々に止め作業する
ものに比べて作業が容易で且つ作業時間を大幅に
短縮することができる。

立て起した内装材部分２〜７は各部分何れも自
身の剛性で自立性を有し且つ相互に一連につなが
つているから、要所だけ止め処置すれば全体の組
立て形態（第２図）がたるみ部・しわ部・倒れ部
を生じることなく正規に安定に自己保持されて、
またトランクルーム内に突入しているホイルハウ
ス面に対応する内装材部分は該ホイルハウス面に
略ならつて彎曲して該ホイルハウス面を隠蔽する
ので、全体の仕上りの体裁がよく見た目に豪華で
あり、又遮音性も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の展開平面図、第２図は組立
てた状態の斜面図、第３図は素材板の一部拡大縦
断面図。 １〜７はトランクルームの各面に対応する面部
分、ａ１〜ａ６はつなぎ折り線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) トランクルーム内装用素材として自身の剛性
   で自立性を有するシート材或は板材を用い、ト
   ランクルームのフロア面及び周囲壁内面の各面
   に対する内装材部分１〜７を互に折畳み・展開
   自在につなぎ折り線ａ１〜ａ６を介して連設し
   全体一連のワンシート物として構成し、トラン
   クルーム内に突入しているホイルハウス面に対
   応する内装材部分４・５の面には該内装材部分
   がホイルハウス面の曲面に略ならつて彎曲する
   ように折り線ａ８を入れた、自動車トランクル
   ームの内装材。 (2) トランクルームフロアのスペアタイヤ収納部
   に対応する内装材部分に切り込み９を入れタイ
   ヤ出入れ用開閉扉部８を形成した、実用新案登
   録請求の範囲(1)項記載の自動車トランクルーム
   の内装材。