JPS6223277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は線材圧延機駆動用電動機の負荷電流が
増加あるいは減少すると、電動機速度を減少ある
いは増加するようにした垂下特性回路を備える速
度制御装置に関する。

一般に、機械の配置が、仕上スタンド（または
NTスタンド）の出口にホイルガイド（または仕
上ピンチロール）等の仕上げスタンドからの材料
を引き込む装置を設け、さらにそのホイルガイド
の出側にレーイングリール（またはポーリングリ
ール）等の巻取機を備えた線材圧延設備におい
て、ホイルガイド駆動用電動機の負荷電流が増
加・減少したら、この電動機の速度は逆に減少・
増加させるようにした、いわゆる垂下特性を有す
る電動機の速度制御装置が適用されている。

通常、ホイルガイド速度は仕上スタンド出側速
度に同期した速度に、さらに上積みした速度で線
材を引込みぎみにした方が、線材の先後端の切り
捨てる部分、つまりコブルの発生等に有効である
とされている。

圧延中の線材が仕上スタンドを抜けた際、この
ホイルガイド電動機の負荷電流が減少するのと同
時に、ホイルガイド速度はその電流に反比例して
増加する。

この結果、ホイルガイドが増速すると後方のレ
ーイングリールに線材を押し込むように作用し、
レーイングリールから吐き出された線材が形成す
るコイル径が大きくなり、後方のコイル処理に支
障を起す原因となつていた。

本考案は、これらの不具合を解決しようとする
もので、線材が仕上スタンドを抜けると同時に、
またはその直前に、ホイルガイド速度およびホイ
ルガイド負荷電流を記憶し、これとともにその記
憶されたホイルガイド負荷電流を垂下特性回路の
通常の入力と切り換えて入力させ、かつその記憶
されたホイルガイド速度を速度基準として速度制
御を行うものでこれにより圧延中の線材が仕上ス
タンドを抜けた後も速度変化を生ずることもな
く、正常な運転を行なうことができる。

以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は、本考案の一実施例のブロツクダイア
グラムである。負荷電流つまり負荷トルクと負荷
速度の対応について垂下特性をそなえた速度制御
装置は、第１図に示すように、速度制御回路１
０、マイナー電流制御回路１１、サイリスタ電源
装置１２、直流電動機Ｍ１３、速度帰還用回転計
発電機TG１４、電動機電流検出器１５、電動機
速度記憶回路１６、電動機負荷電流記憶回路１
７、第１の開閉装置１８、第２の開閉装置１９、
垂下特性可変回路２０から構成されている。

通常のマイナー電流制御付の速度制御を行なう
回路１０・１１において、電動機電流検出器１５
の電流検出出力を垂下特性可変回路２０に与え、
この出力信号を速度制御回路１０に加えて、電動
機１３の垂下特性を得るようにしてある。

いま、仕上スタンドを線材が抜けると同時に、
第１の開閉装置１８の通常開接点１８ａを閉に
し、それと連動の通常閉接点１８ｂを開にして、
電動機Ｍ１３の速度基準を記憶回路１６に記憶さ
れた速度に切り換える。

しかし一方では、仕上げスタンドを線材が抜け
るとともに、負荷電流が減少するので、電流検出
器１５・垂下特性可変回路２０によつてつくられ
る垂下特性信号が弱まり、電動機Ｍ１５の速度が
増加し、さきに述べたように巻取機出側の線材の
コイル径が大きくなつてしまう。

そこで、この実施例では、第２の開閉器１９を
設け、線材が仕上スタンドを抜ける際またはその
直前に、第２の開閉装置１９の通常閉接点１９ｂ
を開にして、電流検出器１５からの出力信号を切
り、それと連動で第２の開閉装置１９の通常開接
点１９ａを閉じる。

したがつて、それからの垂下特性可変回路２０
への入力は電流記憶回路１７の出力に切り換えら
れる。

このようにして、垂下特性可変回路２０の出力
および電動機の基準速度をそれぞれ線材が仕上ス
タンドを抜ける前の値に固定・保持して制御を行
うことができ、一定のコイル径の線材がえられ
る。

第２図は、本考案の他の実施例の略線図であ
る。第１図の電動機電流検出回路１５の検出電流
の代りに、垂下特性可変回路２０への入力とし
て、速度制御回路１０の出力すなわち電流基準を
適用したもので、その他は第１図に同じである。

ところで、負荷電流が減少したことの検出手段
としては、図示していないが、材料が有るか否か
を検出する荷重検出計、あるいは電動機Ｍ１５の
電流変化を検出する検出計などにより、検知でき
る。

本考案は上述のように、線材圧延機・駆動用電
動機における線材が仕上スタンドを抜けた際の負
荷軽減時に電流基準および速度基準を切換えて線
材送り速度の急上昇を防止するようにしたため、
スタンドの次において行われるコイル処理に不具
合を生じることがなく、線材圧延処理工程全体の
流れを良好にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のブロツクダイアグ
ラム、第２図は本考案の他の実施例の回路略線図
である。 １０……速度制御回路、１１……マイナー電流
制御回路、１２……サイリスタ電源装置、１３…
…直流電動機Ｍ、１４……速度帰還用回転計
TG、１５……電動機電流検出器、１６……電動
機速度記憶回路、１７……電動機負荷電流記憶回
路、１８・１９……第１・２の開閉装置、１８
ａ・１８ｂ，１９ａ・１９ｂ開閉装置、１８，１
９のａ・ｂ接点、２０……垂下特性可変回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 圧延機における電動機の速度検出信号と速度基
   準信号の偏差から速度制御信号を形成する速度制
   御回路と、この速度制御信号と前記電動機の電流
   検出信号との偏差から電流制御信号を形成する電
   流制御回路と、前記電動機の電流検出信号の電流
   変化に応じた垂下特性信号を前記速度制御回路に
   与える垂下特性可変回路とを備えた圧延機の電動
   機速度制御装置において、 前記電動機の負荷が減少した時に、前記速度基
   準に代えて前記速度制御回路に与えるべき速度信
   号を記憶する第１の回路と、 前記電動機の負荷が減少した時に前記電流検出
   信号に代えて前記垂下特性可変回路に与えるべき
   電流信号を記憶する第２の回路と、 前記電動機の負荷が急激に減少した時に前記第
   １の回路の記憶出力を前記速度制御回路に与え前
   記第２の回路の記憶出力を前記垂下特性可変回路
   に与える様に切替動作を行なう手段とを具えたこ
   とを特徴とする圧延機の電動機速度制御装置。