JPS6222896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は変速レバーの前方向き、後方向き振
替機構を小型化及び簡素化して製作コストを安く
するとともに、機体の高速後進走行を阻止して安
全な変速が可能となるように構成した変速レバー
の支持装置を提供するものである。

このためこの考案は次の技術的手段を講じた。
即ち、機体１を前後進又は高低速に切替連動すべ
き変速連動アーム２を一体的に連接し変速レバー
３を縦軸部回りに回動可能に挿通する筒状の支持
部材４に係合突起５を立設するとともに、ハンド
ル杆１６を前後向き変更自在に設けた移動農機に
おいて、上記変速レバー３の縦軸部に設ける鍔部
６の周縁に上記係合突起５を択一的に係合させる
前部側切欠部７と後部側切欠部８とを設け、上記
鍔部６に上記両切欠部７，８の間において、相対
向するように変速レバー３の前方回動によつて前
部側切欠部７が係合突起５に係合したときにハン
ドル杆１６の正規状態における変速レバー３の高
速前進位置ロへの切替を阻止する牽制機構２８，
３１に連動する係止部と変速レバーの後方回動に
よつて後部側切欠部８が係合突起５に係合したと
き上記連動を解除する解除部とを設けたことを特
徴とする移動農機の変速レバー支持装置の構成と
する。

この考案の一実施例を図面に基づき説明する。

機体１は、エンジン９載台１０、車輪１１軸１
２を突出支架する伝動ケース１３等からなり、エ
ンジン９動力がベルトカバー１４内プーリー乃至
ベルトを介して伝動ケース１３内変速機構に伝え
られ車輪１１軸１２を回動駆動すべく構成してい
る。上記伝動ケース１３上部にはハンドル枠１５
とこのハンドル枠１５に対して上下位置変更調節
自在のハンドル杆１６とが両者一体的に縦軸芯回
りに前後向き変更自在に設けてある。

上記変速機構は機体１を前進高低速の２段、後
進１段に切替える構成である。伝動ケース１３一
側には前進高低速切替用シフト軸１７、後進用シ
フト軸１８（いずれも後述変速レバー３後方向き
の正規状態において）を互いに平行状に設けてあ
る。シフト軸１７は伝動ケース１３側への軸方向
移動により低速側に切替え、これとは逆の移動に
より高速に切替える構成であり、シフト軸１８は
伝動ケース１３側への移動で上記前進低速と同等
の減速比のもとで後進に切替える構成である。

２は伝動ケース１３側壁に水平状に突設する支
軸１９回りに揺動自在なコ型枠２０に挾持状に保
持される筒状の支持部材４から突出させて設けた
変速連動アームで、この支持部材４の支軸１９回
りの上下揺動により前記シフト軸１７又は１８の
伝動ケース１３突出端に固着するシフターボス２
１又は２２に係合し、この支持部材４の縦軸芯回
りの回動によつてボス２１又は２２係合側のシフ
ト軸１７又は１８を軸方向移動させるものであ
る。

変速連動アーム２を支軸１９回りに揺動しかつ
縦軸芯回りに回動すべき変速レバー３は、その縦
軸部が上記筒状支持部材４並びコ型枠２０に縦軸
芯回りに回動自由で然も軸方向摺動自由に挿通さ
れ、かつこの縦軸部に溶接一体化する鍔部６の周
縁に前部側切欠部７と後部側切欠部８を設けると
ともに、この鍔部６に両切欠部７，８の間の内側
に係止部を、外側に解除部を設け、前部側切欠部
７と後部側切欠部８とが択一的に上記筒状支持部
材４から上方に延出する変速表示アーム２３基部
側に立設する係合突起５に係合させ、変速レバー
３と支持部材４とを一体化すべく構成する。２４
は上記鍔部６がコ型枠２０上面に接当すべく弾発
するばね、尚両者が接当する場合は鍔部６の切欠
部７乃至８と係合突起５とは係合保持される状態
にある。

上記変速表示アーム２３先端は、変速レバー３
の変速操作に応動して伝動ケース１３側面に固着
する変速案内板２５上面に穿設する変速案内溝２
６を移動し変速レバー３の変速切替位置を表示す
べく設けられる。尚、この変速案内溝２６におい
て符号イ，ロ，ハはハンドル杆１６が後方向きの
正規状態においる変速レバー３と一体に移動する
上記変速表示アーム２３の各変速位置を示し、イ
は前進低速位置、ロは前進高速位置、ハは後進位
置を示す。２７は変速レバー３貫通用長孔であ
る。

又、２８は、横軸２９回りに回動自由に設けた
牽制板で、先端側折曲部が前記変速案内溝２６の
ロ部分を閉塞すべく回動でき、常時はばね３０に
よりこのロ部分から退避回動して変速案内板２５
後方の下方折曲縁に接当すべく弾発されている。
この牽制板２８と一体に設けた作動アーム３１先
端は前記変速レバー３鍔部６の係止部の下面に変
速レバー３後方向きの正規状態では非係合、持上
反転後の前方向きでは係合して牽制板２８を回動
し変速案内溝２６のロ部分を閉塞する構成であ
る。

尚、３２は入力軸、３３はヒツチ、３４はスタ
ンド兼用のバンパーである。

上例の作用について説明する。

ハンドル杆１６を後方向きの正規状態（第１図
中実線）で使用する場合は、変速レバー３の鍔部
６の後部側切欠部８を係合突起５に係合させこの
変速レバー３も後方向きの状態とする。この場
合、変速レバー３の上下揺動は直接筒状支持部材
４を支軸１９回りに揺動し、縦軸回りの左右回動
は鍔部６・係合突起５を介して支持部材４を左右
回動し、変速連動アーム２にシフト軸１７乃至１
８への操作力を伝播するものである。尚、牽制板
２８は作動アーム３１が鍔部６の解除部に対向し
て鍔部６に係合しないためばね３０で変速案内溝
２６のロ部分から退避し、変速レバー３による変
速切替は、前進高低速・後進（低速）の３段に任
意に操作できる。

又、ハンドル杆１６を前方向きの状態（第１図
中仮想線）にて用いる場合は、変速レバー３の縦
軸部をばね２４に抗して上方へ摺動させて後部側
切欠部８を係合突起５から離脱させ、更に変速レ
バー３を縦軸回りに回動反転し鍔部６の前部側に
あつて後部側に移行した前部側切欠部７を係合突
起５に係合して変速操作する。この場合は、作動
アーム３１先端は鍔部６の係止部の下面に係合し
て押され牽制板２８をばね３０に抗して回動しこ
の牽制板２８の先端折曲部は変速案内溝２６のロ
部分を閉塞し変速表示アーム２３の当該ロ部分へ
の移行を阻止して、ハンドル杆１６の正規状態に
おける高速前進位置、即ちハンドル杆１６の前方
向きでの高速後進位置への変速表示アーム２３の
移行が牽制され、従つて変速レバー３前方向きで
の変速切替は、変速表示アーム２３の変速案内溝
２６のハ部分への移行による前進低速並びこの案
内溝２６のイ部分への移行による後進低速の２段
に操作できる。

尚、変速レバー３の鍔部６周縁に形成する切欠
部を複数個設ければ変速レバー３の向き変更角度
を任意に設定しうる。

この考案は前記の構成としたから次の技術的効
果を有する。即ち、支持部材の係合突起に対して
変速レバー縦軸部の鍔部周面の前部側乃至後部側
切欠部を択一的に係合させることにより変速レバ
ーの向き変更を行なうものであるから、従来の例
えば変速レバー縦軸部と支持部材とをセレーシヨ
ンあるいはスプライン嵌合して変速レバー向きを
変更する形態に比して精密加工を必要とせず、鍔
部の外周加工が容易で加工工数が少なくてすむた
め安価に提供できる。

また、変速レバー縦軸部に固着された鍔部を利
用して変速レバーを前方向きに変更した場合にハ
ンドル杆の正規状態での変速レバーの前進高速位
置への切替を阻止するように牽制機構を連動させ
ているので、構成が極めて簡素化でき操作を容易
に行なうことができる。

尚、本実施例のように鍔部６周縁を円形に形成
する場合は係合突起５から前部側乃至後部側切欠
部７乃至８を離脱したのち変速レバー３を回動す
るに際して係合突起５頭部に鍔部６の係止部の下
面は接触摺動しこの鍔部６は案内部材となり変速
レバー３の回動は円滑となる。

尚、本実施例では係合突起５を変速表示アーム
２３基部に設けたが、支持部材４に直接設けるも
よく、又変速連動アーム２に立設する形態とする
もよい。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すもので、第１図
は側面図、第２図は要部拡大断面図、第３図はそ
の一部平断面図、第４図はその一部背面図、第５
図は変速内板の平面図である。 図中、１は機体、２は変速連動アーム、３は変
速レバー、４は支持部材、５は係合突起、６は鍔
部、７は前部側切欠部、８は後部側切欠部を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体を前後進又は高低速に切替連動すべき変速
   連動アームを一体的に連接し変速レバーを縦軸部
   回りに回動可能に挿通する筒状の支持部材に係合
   突起を立設するとともに、ハンドル杆を前後向き
   変更自在に設けた移動農機において、上記変速レ
   バーの縦軸部に設ける鍔部の周縁に上記係合突起
   を択一的に係合させる前部側切欠部と後部側切欠
   部とを設け、上記鍔部に上記両切欠部の間におい
   て、相対向するように変速レバーの前方回動によ
   つて前部側切欠部が係合突起に係合したときにハ
   ンドル杆の正規状態における変速レバーの高速前
   進位置への切替を阻止する牽制機構に連動する係
   止部と変速レバーの後方回動によつて後部側切欠
   部が係合突起に係合したとき上記連動を解除する
   解除部とを設けたことを特徴とする移動農機の変
   速レバー支持装置。