JPS6222880B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、給油装置、特に車に燃料油を給油す
るのに適した給油装置に関する。

従来から給油装置は種々の形式のものが提案さ
れているが、従来のものは一般に自動給油には適
さないという欠点があつた。すなわちノズルバル
ブには給油タンクが満杯になるいわゆる「満タ
ン」を検知するために液面検知器が設けられてい
るが、給油作業中に油が給油口とタンク間の配管
壁面にぶつかつて戻るという吹返し現象により、
又、灯油、軽油等の泡が発生しやすいものは泡に
よつてノズルバルブに設けられている液面検知器
が作動し、この結果給油が停止してしまい、「満
タン」にするためには最終的には少量づつ給油す
る手動に頼らざるを得なかつた。

したがつて本発明の目的は、給油作業中に吹返
し現象や泡によつて液面検知器が作動しても油が
所定の液面まで上昇しない限り自動的に給油作業
を続けることのできる給油装置を提供するにあ
る。

本発明によれば、給油機本体内に給油停止手段
を設け、ノズルバルブに給油される油の泡および
油面により出力信号を出す液面検知器を設けた給
油装置において、液面検知器の出力信号により前
記給油停止手段で給油停止させ、かつ前記出力信
号により時間の計測を開始し、計測時間があらか
じめ設定した時間に達する前に前記出力信号が消
勢すると給油停止を解除させる制御手段を設けて
ある。

したがつて給油作業中に液面検知器が油の吹返
しや泡によつて出力信号を生じて給油停止手段を
作動させて給油を停止するが、油の吹返しや泡は
１又は２秒後には消えるので、液面検知器からの
出力信号は消勢する。すると給油停止手段は再び
給油可能の状態となり、給油が行われる。このよ
うな作業を数回繰返すと、液面は完全に所定の位
置、例えば「満タン」の位置まで上昇する。その
結果、液面検知器からの出力は消勢しないので、
その後給油作業は行われれない。

以上の如く、本発明によれば、所定の液位にな
るまで、給油作業は自動的に行われるので、作業
員は手作業を行わなくても、給油タンクを「満タ
ン」にすることができ、給油作業能率を向上させ
ることができる。

本発明の実施に際して、給油停止手段としては
弁を用いることができる。しかしながら、例えば
給油停止手段としてモータの制御装置を利用し、
モータを停止するようにしてもよい。

その場合モータの再起動時に回転数を遅くして
給油量を少なくすると吹返しや泡の発生が少ない
ので好適である。本発明の実施に際して使用する
制御装置は、前述の如く一旦液面検知器が出力信
号を生ずれば、給油停止作動し、次いで出力信号
が消勢すれば直ちに給油停止を解除するように作
動するものであればよい。したがつてかかる作動
を行う例えばマイコン・リレー回路等の任意のも
のを実施すればよい。

以下図面を参照して本発明の実施例につき説明
するが、図示の例では給油停止手段として弁が用
いられている。

第１図において、全体を符号Ｓで示す給油機の
給油管路１０は、その一端部は可撓性のホース１
１と接続され、そのホース１１の端部にノズルバ
ルブ１２が設けられ、給油管路１０の他端部は例
えば、地下に埋設されている油タンク（図示され
ず）に連結されている。そして給油管路１０の中
途には弁Ｖが設けられると共に、従来の給油装置
と同様に、流量計３、表示計１、ポンプ４が設け
られている。

またノズルバルブ１２には給油される油面、油
の吹返し現象による油或いは油面上に浮ぶ泡によ
つて出力信号を出す液面検知器１４が設けられ、
この検知器には詳細を後述する第２のスイツチ
SW２が組込まれている。第１のスイツチSW１
はスタンド側に設けられていて、ノズルバルブ１
２をノズル掛け１５から外すと閉に、そして掛け
ると開になるように構成され、また給油機Ｓの頭
部には給油終了を示すランプ２が設けられてい
る。

次に第２図を参照して、本発明に実施される給
油停止手段すなわち図示の実施例では弁Ｖの制御
手段の一例について説明する。

第２図において、第１のスイツチSW１が閉じ
ると、すなわちノズルバルブ１２をノズル掛け１
５から外すと、ポンプ４を駆動するモータ回路２
０が形成され、給油可能状態となるようになつて
いる。そしてこのモータ回路２０と並列にリレー
回路２１と、弁作動回路２２及び給油終了表示ラ
ンプ回路２３とが設けられ、リレー回路２１には
第２のスイツチSW２と接点TR′が並列に、また
弁作動回路２２には接点R′が直列にさらに給油
終了表示ランプ回路２３には接点TR″が直列に設
けられている。

作動に際し、今ノズルバルブ１２をノズル掛け
１５から外すと、第１のスイツチSW１が閉じ、
ポンプ４は起動し給油できる状態になる。そこで
給油される自動車の給油タンク（図示されない）
にノズルバルブを所望位置まで挿入してセツトし
たのち、バルブを開いて給油を開始する。以下給
油時に泡が発生する場合を例にとつて説明する
と、まず油面に浮んだ泡が液面検知器１４に接触
し、第２のスイツチSW２が閉じる。するとこの
出力信号によりリレーＲが働いて接点R′が閉じ
る。従つて弁Ｖは閉じて給油が停止される。しか
しながら数秒後（１秒後）泡が消えると、第２の
スイツチSW２が開くので、リレーＲは消勢し接
点R′が開き、弁Ｖが開となつて給油が再開され
る。以下同様にして給油の停止と再開が繰返さ
れ、最後に油面が液面検知器１４に達する。する
と、第２のスイツチSW２が閉じ、リレーＲが働
き、接点R′が閉じ、弁Ｖも閉じ、給油は再開さ
れることなく停止される。すなわち、リレーＲの
接点R′が閉じると泡が消滅する時間（例えば１
秒）より長くセツトされている（例えば２秒間）
タイマリレーTRが作動するので、第２のスイツ
チSW２がセツトされた時間に達しても開かなけ
ればタイマーリレーTRの接点TR′が閉じられ、
リレーＲは自己保持され接点R′が閉じ続けられ
るので、弁は閉じられたままとなり、給油される
ことはない。またタイマーリレーTRにより接点
TR″が閉じると、給油終了ランプ２が点灯して、
給油終了を知らせる。このようにして所定量或い
は所定高さ給油されると、ノズルバルブを閉じて
ノズル掛け１５に掛ける。すると第１のスイツチ
SW１は開き、ポンプ４は停止し、リレーＲ、タ
イマーリレーTRは消勢され、すべて元の状態に
戻る。

本発明によると、例えば給油中に泡が発生して
も又、油の吹返しがあつても所望量或いは所定の
液面まで完全に自動的に給油できる。

泡が液面検知器に接したのちの給油量は徐々に
絞られることが一般に望ましいので、本発明の第
２の実施例では流量制御弁を給油回路に介装して
ある。その実施例が第図、第４図および第５図に
示されているが、第１実施例と同じ構成要素には
同じ符号を付して重複説明は省略する。この実施
例では給油管路１０に開閉弁Ｖ１と流量制御弁Ｖ
２が設けられている。そしてこの流量制御弁Ｖ２
は弁Ｖ１が閉じる毎に流量が絞られるようになつ
ている。すなわち第４図は本発明に実施される制
御手段の他の例を示し、第４図において、泡が液
面検知器１４に接すると、第２のスイツチSW２
が閉じ、リレーＲが働いて接点R′が閉じる。

すると開閉弁Ｖ１が閉じると同時に流量制御弁
Ｖ２は一段絞られる。泡が消えると前述したよう
に、給油は再開されるが、今度は絞られた量が給
油される。そして以下同様に給油と停止が繰返さ
れる。第５図は給油流量を縦軸に、給油時間を横
軸にしてその関係を示すものであるが、同図から
明らかなように本実施例によると、泡が最初に液
面検知器に達する時間Ｔ１に給油される瞬間流量
はＱ１であるが、泡によつて給油が停止ｔ１され
たのち次の泡によつて停止されるまで給油される
瞬間流量はＱ２に減少している。以下同様に順次
絞られた量が供給される。

以上は、給油停止手段として弁を使用した実施
例で説明したが、ポンプ４の駆動モータの回転制
御により給油制御をしても同様の効果が得られる
ことは自明である。

尚、液面検知器が吹返し現象による油又は泡を
検知して給油が停止し、次に液面検知器に付着し
た油又は泡が消えて給油が再開されるまでの給油
停止時間は、タンクが「満タン」近くになるにつ
れて長くなり、「満タン」近くになるほど瞬間流
量を絞つた方が吹返し現象を防ぎ、又泡の発生が
少なく、「満タン」に給油しやすいから、給液停
止時間に比例して瞬間給油量を制限するようにし
て、給油するとなお好適である。

以上説明したように、本発明は液面検知器が吹
返し現象による油、又は泡を検知すると給油が停
止し、液面検知器に付着した油、又は泡が消える
と自動的に再開され、「満タン」になると給油が
完全に停止するから、給油中に給油員が他のサー
ビスをしても不安がなく、また給油に不馴れな客
が自分で給油をするセルフサービス給油所でも安
全に使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す正面図、第
２図は第１図の実施例に適用される制御手段の一
例を示す回路図、第３図は本発明の第２実施例を
示す正面図、第４図は第３図の実施例に適用され
る制御手段の一例を示す回路図、第５図は流量と
給油時間の関係を示すグラフである。 １０……給油管路、１２……ノズルバルブ、１
４……液面検知器、Ｖ……弁、Ｖ１……開閉弁、
Ｖ２……流量制御弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 給油機本体内に給油停止手段を設け、ノズル
   バルブに給油される油の泡および油面により出力
   信号を出す液面検知器を設けた給油装置におい
   て、液面検知器の出力信号により前記給油停止手
   段で給油停止させ、かつ前記出力信号により時間
   の計測を開始し、計測時間があらかじめ設定した
   時間に達する前に前記出力信号が消勢すると給油
   停止を解除させる制御手段を設けたことを特徴と
   する給油装置。