JPS622286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、LPG機関用の燃料レギユレータに関
する。

従来、LPG機関においては、低温状態における
運転性能の向上や、急加速時の燃料気化の追従性
の向上や、タールの発生によるゴム部品への影響
をなくす目的で、燃料タンクとLPG燃料レギユレ
ータとの間に予熱室を設けるか或いはレギユレー
タの燃料入口から一次バルブまでの間に長行程の
燃料予熱流路を設けている。しかし、この前者の
ものにおいては、予熱室の設置場所の確保と配管
設備が必要であり、高価となる。更に予熱室から
燃料が洩れた場合でもエンジン不調として現われ
ないので火災につながるおそれがある。また後者
のものにおいては、タールが捕集されたときのそ
のタールの除去ができない欠点がある。

本考案は上記の欠点を解消することを目的とす
るもので、すなわち、レギユレータの本体２に、
該本体に形成した凹所にカバー６を着脱自在に装
着して予熱室１を設け、燃料を、該予熱室１を通
じて一次減圧室３に流入させるようにし、しかも
該予熱室１に隣接して加熱室２０を設けたことを
特徴とするものである。

次に図面に示す本考案の実施例について説明す
る。

第１図に示す本考案の実施例において、１は予
熱室で、レギユレータの本体１内において、一次
減圧室３側が開放する凹状に形成されており、そ
の一端に燃料入口４が、他端に一次減圧室３側へ
連通する燃料通路５が夫々形成されている。６は
前記予熱室１の一次減圧室３側の開口部を塞さぐ
カバーで、ボルト７により取脱可能に本体２に取
り付けられている。８は本体２とカバー６との間
に介在され、該間隙をシールするＯリングであ
る。２ａ，６ａは、本体２とカバー６に形成した
突壁で、これらの突壁２ａ，６ａにより予熱室１
が蛇行する室に形成され、燃料中に含有するター
ルを捕集するようになつている。９は前記燃料通
路５の出口部を開閉する一次バルブで、一次減圧
室３内の気化燃料圧力により作動するダイアフラ
ム１０の動作と連動して開閉するようになつてい
る。１１は一次減圧室３と二次減圧室１２とを連
通する連通路である。１３は前記連通路１１の出
口側を開閉する二次バルブで、二次減圧室１２内
の気化燃料圧力により作動するダイアフラム１４
の動作と連動して開閉するようになつている。１
５は気化燃料出口である。１６は一次減圧室３
を、前記ダイアフラム１０を介して閉塞するカバ
ーで、ボルト１７により本体２に対し取脱可能に
固着されている。１８は二次減圧室１２を、前記
ダイアフラム１４を介して閉塞するカバーで、ボ
ルト１９により本体２に対し取脱可能に固着され
ている。２０は前記予熱室１に隣接して本体２に
形成した加熱室で、その入口部２０ａより、高温
の機関冷却水が流入するようになつている。

以上のようであるから、燃料入口４から流入し
た燃料は、予熱室１を蛇行流通して、燃料通路５
を通り、一次バルブ９の開口時に一次減圧室３に
流入する。この燃料が予熱室１を通過することに
より、その燃料は、隣接する加熱室２０内に流入
されている高温水の熱を、壁を介して吸収し、そ
の流動燃料は気化しつゝ一次減圧室に流入するこ
とになる。そして該予熱室１内において燃料が気
化することにより、燃料中に含有されたタールは
該予熱室１内に蓄積される。そして一次減圧室３
内に流入した気化燃料は、その圧力が所定圧以上
の場合はダイアフラム１０を外方へ押して一次バ
ルブ９を閉じ、所定圧以下の場合はダイアフラム
１０がスプリング２１の力によつて内方へ押圧さ
れることにより一次バルブ９を開き、一次減圧室
３内の気化燃料を所定の圧力に制御する。一次減
圧室３内の気化燃料は連通路１１を通つて二次減
圧室１２内に入り、その圧力により、ダイアフラ
ム１４を前記ダイアフラム１０と同様に作動して
二次減圧室１２内の気化燃料の圧力を所定圧にす
る。そして該二次減圧室１２内の気化燃料は気化
燃料出口１５より気化器へ供給される。予熱室１
内に一定以上のタールが蓄積された場合には、ボ
ルト１７によりカバー１６を外して、ダイアフラ
ム１０を外し、更にボルト７によりカバー６を外
して、蓄積されたタールを除去する。また、Ｏリ
ング８によるシール効果が不良となつて、予熱室
１内の燃料が一次減圧室３内に洩出した場合に
は、一次減圧室３内の圧力が上昇し、二次バルブ
１３を介して気化燃料出口１５から異常圧力状態
の燃料が気化器に供給されることになるので、エ
ンジンは停止する。

第２図に示す実施例は、予熱室１を二次減圧室
１２側に設けると共にそのカバー６を二次減圧室
１２内に設けたもので、その作用、効果は前記第
１図に示す実施例と同様である。

以上のように本考案においては、レギユレータ
の本体内に予熱室１を設けて、燃料に含有するタ
ールを該予熱室１内に蓄積させると共に該タール
を、カバー６を開いて除去するようにしたから、
従来のように、レギユレータとは別個に予熱室を
設けたものにみられる予熱室の設置場所の確保や
配管設備の必要性が不要となる上に、従来のよう
な予熱通路内のタールが除去しえない欠点も解消
できる。更に予熱室で燃料洩れが生じた場合は、
その燃料が減圧室に流入し、かつエンジンが停止
されるので、燃料洩れによる火災の発生を防止で
きて安全であり、更にその構造も簡易で小型にで
きるなど実用上有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の２つの実施例を示
す各断面図である。 １……予熱室、２……レギユレータ本体、３…
…一次減圧室、４……燃料入口、５……燃料通
路、６……カバー、７……ボルト、８……Ｏリン
グ、９……一次バルブ、１２……二次減圧室、１
３……二次バルブ、１５……気化燃料出口、１
６，１８……カバー、１７，１９……ボルト、２
０……加熱室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レギユレータの本体２に、該本体に形成した凹
   所にカバー６を着脱自在に装着して、予熱室１を
   設け、燃料を、該予熱室１を通じて一次減圧室３
   に流入させるようにし、しかも該予熱室１に隣接
   して加熱室２０を設けたことを特徴とするLPG機
   関の燃料レギユレータ。