JPS62228224A - 乳酸菌醗酵食品の製造法 - Google Patents

乳酸菌醗酵食品の製造法

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JPS62228224A
JPS62228224A JP4288585A JP4288585A JPS62228224A JP S62228224 A JPS62228224 A JP S62228224A JP 4288585 A JP4288585 A JP 4288585A JP 4288585 A JP4288585 A JP 4288585A JP S62228224 A JPS62228224 A JP S62228224A
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milk
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hydrogen peroxide
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永 川本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ア、産業上の利用分野 本発明は食品に係るものであって、カビ、細菌、ウィル
ス等の微生物による腐敗の防止、変異原物質、発ガン性
物質の除去、解毒作用を有する乳酸菌醗酵食品の製造法
に係るものである。
イ、従来の技術 古くから獣乳、血液、果汁あるいは野菜汁などの生物体
液には、抗菌、制菌あるいは解毒作用を有する物質が含
Y丁されていることが知られていた。その後、研究がす
すむにつれ、これは生物体内に広く存在している酵素パ
ーオキシダーゼを中心とした生物体液の抗菌、解毒作用
系であり、この作用系が働くためには、パーオキシダー
ゼの他に、生物体液に広く含有されているチオンアン酸
イオン(SCN)、あるいはハロゲノイオン(C1)と
、外的要因により含有され易い過酸化水素の三要素が共
存することが必要であることが解明された。
パーオキシダーゼは、乳、唾液、胃液、涙のような生物
の分泌液に多く含まれ、チオシアン酸イオン及びハロゲ
ノイオンら動物の組織、分泌液、生果物、生野菜、新鮮
魚介類等に含まれている。
この作用系のことを、パーオキシダーゼ−チオシアン酸
イオン(又はハロゲノイオン)−過酸化水素システムあ
るいは単にパーオキシダーゼシステムとも呼び、そのシ
ステムの所在と酵素名により牛乳であればラクトパーオ
キシダーゼシステム、血液中であればミニロバ−オキシ
ダーゼシステムとら呼ばれる。
この作用系のメカニズムや特異性については多くの研究
がなされているが、未だその詳細は解明されていない。
この作用系を有効に利用したものとして、牛乳が最ら知
られている。牛乳中のラクトパーオキンダーゼは乳腺で
生成され30mg/L程度の濃度で存在し、又チオシア
ン酸イオンも乳牛の肝臓や、腎臓中での代謝反応の産物
として、0.07〜0.26mM程度含有されているが
、第三の要素たる過酸化水素は生来には乳中には存在し
ない。従って、パーオキシダーゼシステムが働くために
は、自然界においてはストレプトコッカス等の細菌が乳
中に入り、その代謝産物として過酸化水素を生成する。
人為的にはラクターゼ、グルコースオキシダーゼを添加
し、その酵素作用により過酸化水素を生成させろ。ある
いは直接過酸化水素溶液を添加することによりパーオキ
シダーゼシステムを成立さけるのである。具体例として
は、冷蔵設備のない熱帯地方において、過酸化水素溶液
を添加したパーオキシダーゼシステムを利用した生牛乳
の保存、輸送方法が知られている。
つ3発明が解決しようとする問題点 然し乍ら、先に述べたパーオキシダーゼシステムの利用
法には欠点がある。
過酸化水素を乳に直接添加する方法は、その分解速度が
速いため、パーオキシダーゼシステムとしての持続性に
難があり、又食品の安全性の見地からも問題がある。尚
、酵素を用いて乳を殺菌ずろ方法及び過酸化水素を乳に
直接添加ずろ方法は我国では許可されていない。
低温段間によりラクトパーオキシダーゼが失活していな
い乳を用いた乳酸菌飲料あるいは醗酵孔の製造は、乳酸
菌とラクトパーオキシダーゼの拮抗作用のため、醗酵時
間が著しく遅滞し、やがてはラクトパーオキシダーゼも
失活して、システムとしては成立しえない。
工1問題を解決するための手段 発明者は、前記のような欠点がなく、日本においてら使
用しうるパーオキシダーゼシステムの利用という見地か
ら、乳酸菌を使用するパーオキシダーゼシステムを研究
する中で、次のような発明をなした。
牛乳に乳酸菌が働くと、その代謝過程において乳糖のラ
クターゼ反応によりグルコースが生成する。これにグル
コースオキノダーゼが作用し、グルコースは酸化され過
酸化水素が生成する。
本発明はこのような乳酸菌醗酵液に山来し、持続性ある
代謝産物としての過酸化水素を利用する点に特徴がある
本発明の構成は次の通りである。
パーオキシダーゼとチオシアン酸イオンあるいは又ハロ
ゲノイオンを豊富に含有する食品、例えば獣乳、乳清、
果汁、野菜汁、上記二要素を配合した溶液等を用意する
。これを系内のパーオキシダーゼが失活しない範囲の加
熱殺菌処理(例えば約63℃30分間加熱保持)を行い
、これを約10℃以下であって凍結しない品温まで冷却
する。これを原料Aとする。
一方牛乳、脱脂乳等の乳及び脱脂粉乳、全粉乳、濃縮乳
等の乳製品を還元した乳性原料であって、乳糖を含有し
たものを、加熱殺菌処理(例えば約90℃10分間加熱
保持)を行い、これを直ちに冷却して乳酸菌醗酵適温度
約30〜45℃に保持し培地とする。これにラクトバチ
ルス属、ストレプトコツカス属等の乳酸菌スターターを
添加し培養する。乳酸醗酵が対数増殖期(t、0X10
”個/ml)以上の生育段階に達したら、約10℃以下
であって凍結しない品温まで冷却する。これを原料Bと
する。
次いで、原料A−Bを約10℃以下の温度域で充分攪拌
し混合する。混合の比率は三要素が長期間存在し、パー
オキシダーゼシステムが持続する範囲で適宜定める。
以上が所望とする乳酸菌醗酵食品の製造法である。この
ものに要ずれば蔗糖、糊料、着香料等任意に加えればよ
い。
才1作用 所望の乳酸菌醗酵食品は、パーオキシダーゼ、チオシア
ン酸イオン及び又はハロゲノイオンを豊富に含有してお
り、乳酸菌醗酵液から過酸化水素が生成し、かつ消費さ
れつづけることにより、持続的にパーオキシダーゼが作
用し続ける。
この乳酸菌醗酵食品を約10℃以下の温度にすることに
より、過酸化水素の生成と消費のバランスがとれて、系
中の過酸化水素の量は最大となり、更に乳酸菌とパーオ
キシダーゼシステムの拮抗作用が防止できる。
本発明の乳酸菌醗酵食品は当初からの微生物の一次汚染
、あるいは外部からの二次汚染に対し、パーオキシダー
ゼシステムが働き、微生物を死滅させる。大腸菌、シュ
ドモナス、サルモネラ等の細菌、カビ、ウィルス等の種
々の微生物に対し、制菌、殺菌作用を有する。
パーオキシダーゼシステムの制菌、殺菌作用について記
した文献を参考までに以下に掲載しておく。
■ 清水 誠、山内邦男:乳技協資料、31 、 2 
(19g2)■ ブルーノ、レイチル、ゴーラン、ハー
ヌルブ「ジャーナルオブフードフロテクションJ(Jo
urnal orFoodProtection)  
47. 724(1984)■ ブルーノ、レイチル、 [ジャーナルオブデーリイ リサーチJ(Journa
l of’ D−airy Re5earch)  4
5 、 131 (1978)パーオキシダーゼシステ
ムは微生物に対する抗菌作用のみでなく、加熱調理によ
って生成する変異原物質であるT rp −P −1(
3−アミノ−1,4−デメチル−51−1−ピリド(4
,3−b)インドール)、Trp −P −2(3−ア
ミノ−1−メチイル−50−ピリド〔4,3−b)イン
ドール)あるいは、カビ汚染で生成する発ガン物質であ
るアフラトキシン等の種々の毒物を不活性物に解毒する
ものである。
パーオキシダーゼシステムの解毒作用について記した文
献を参考までに以下に記載しておく。
■ ミチュキャマダ、 ミッヒロツダ、 ミナコナガオ
、ミドリ モリ、 タカシスギムラ、「バイオケミカル
&バイオフィジカルリサーチコミニュケイションJ(B
 t。
−chemical & Biophysical R
e5earch Communicati。
−ns)  90. 769(1979)■ フオナー
ス、アップルバウム、エルマーH,マース[ジャーナル
オブフードブロテクションJ (Journalor 
Food Protection)  45. 557
(19g2)力6実施例 〈実施例−1〉 生脱脂乳10L(20℃)を90℃10分間加熱保持の
殺菌処理を施こす。この殺菌処理により、乳中のラクト
パーオキシダーゼは失活する。このものにラクトバチル
ス、ブルガリカススターター(29X10’個/ml)
100mlと、ストレプトコッカス、サーモフィラス(
65X1G’個/ml)200mlを接種し、37℃6
時間醗酵培養し、これを急冷し、品温7℃とした。本乳
酸菌醗酵乳にラクトパーオキシダーゼ溶液(250Un
it/ml)を50m1と、0.1Mチオシアン酸ナト
リウム溶液を10m1を無菌的に添加し、7℃で保存し
た。
本乳酸閑醗酵乳は過酸化水素が持続的に生成され、かつ
消費され、パーオキシダーゼシステムが良好に持続した
。各要素の消長は表−1の通りである。対称物Aはいわ
ば従来法による乳酸菌醗酵乳であり、初発からラクトパ
ーオキシダーゼ活性がなく、Bはいわば生乳の保存法に
あたるが初発には高蟲度の過酸化水素が残留するが持続
性がなく消滅した。
(表−■) (注)■ 対称物 A:同一条件で殺菌処理された脱脂乳であって、ラクト
パーオキシダーゼとチオシアン酸塩を加えないで、乳酸
菌醗酵させた乳酸閑醗酵乳B:牛乳に過酸化水素をlo
oppm濃度に添加したしの■ 分析法 ラクトパーオキシダーゼ・・・・・・・・ABTS法ノ
ンドラ−J、S、、W、G、ブロードスレイ[バイオケ
ミカル&バイオフイノカルリサーチコミニコケイノヨン
J (B iochcmical& B 1ophys
icalResearch Communicatio
n)67、  l 307(+975) ヂオソアン酸イオン・・・ピリジン、ピラゾロン法過酸
化水素・・・・・・・ガスクロマトグラフ法乳酸菌数・
・・・・・・・13CP培地法〈実施例−2〉 生脱脂乳8 L(20℃)を65°C30分間加熱の低
温殺菌処理を施し、これをただちに5℃に冷却した。こ
の処理によって乙脱脂乳中のラクトパーオキシダーゼは
活性であった。
一方生脱脂乳4 L(20℃)を90°C10分間加熱
殺菌処理し、これを40℃まで冷却し、これにラクトバ
ヂルスアンドフィラススターター(22X10’個/m
l)100ml接種し、37℃で8時間培養した後、5
°Cに急冷し、乳酸菌醗酵孔を得た。
先に低温殺菌処理を施こされた脱脂乳と乳酸菌醗酵孔と
を混合し、品温5℃で保存した。得られた乳酸醗酵孔は
パーオキシダーゼシステムが持続し、カビの一種である
ペニンリュームクリソゲノムに対する抗菌作用を示した
結果は表−2の通りである。
(表−2) (注)分析法 l、抗カビ活性・・・・・・本発明食品
中へ50〜1100f1/ml濃度にペニシリュームク
リソゲノムを加え、7℃で24時間保存し、その殺菌率
をPDA培地法で求めた。
2、その他  表−!の場合と同じ。
〈実施例−3〉 (表−3) (注)分+f’r法 Trp−P−2の変異株の測定■
 Trp−P−2を本発明食品中へ各種濃度のTrp−
P−2のDMSO溶液を加え、振とうしながら37℃で
30分間処理しfコ。これを10.00Or、+)、m
 5分間の遠心分離し、続いて0.45μmフィルター
濾過し、その濾液を変顆原試験にかけた。
■ 変異原性試験 サルモネラ トリフィミュリームTA100を用い、次
の文献の試験法によった。
K ヨシカワ19M、ナカダテ、 T、ワタベM イノ
ダテ、S カント [ミュティションリサーヂJ(Mutation Re
5earch)79、 319(1980) 結果は、i’rp−P−2単一で発生した変異株数を1
00とした場合のサンプル接種処理後の変異株数(%)
とじて表した。
■ その他は22−1に同じ。
キ 発明の効果 実施例でら明確な通り、本発明のパーオキシダーゼシス
テムを打ずろ乳酸醗酵食品は、細菌、カビ等、微生物に
対する殺菌、制菌作用を汀し、かつ有毒といわれる物質
の解毒作用を存していた。
本発明は乳酸菌の対数増殖期及びそれ以降の生育期にあ
る乳酸菌醗酵孔を約10℃以下の温度域でパーオキシダ
ーゼとチオシアン酸イオン及び又はハロゲノイオンを含
む系と混合するとき、醗酵孔は代謝産物である過酸化水
素をこの温度において最良に生成し続けるから、パーオ
キシダーゼシステムが安定的に持続する。
このような特徴を°有する本発明は、チルド(冷蔵)流
通経路が整備されてきている今日において、広く食品工
業に利用できる乙のである。
特に賞味期間表示が要求され、多少乱暴な取扱いをされ
たときでも、品質を保証しなければならない現況におい
て、微生物汚染に対し、抗菌作用を有するパーオキシダ
ーゼシステムの持つ意義は大きい。
尚、パーオキシダーゼシステムは、人体の消化酵素に対
し、耐性であり、本発明による乳酸菌醗酵食品をf丁毒
性のある食品、例えばTrp−P−2を含む焼魚のよう
な変異原物質、発ガン性物質を含む食品と併仕摂取する
ことにより消化管内での解毒作用効果は充分に推測する
ことができる。
(以上) 特許出願人  グリコ協同乳業株式会社(自発)手続h
li正書 昭和61年11月Jq口 特許庁長官  宇 賀 道 部 殿 1、事件の表示  特願昭60−42885号2、発明
の名称  乳酸菌醗酵食品の製造法3、hli正をずろ
箭 事件との関係   特許出寧人 〒196 東京都昭島市」二用13if町300番地(
’rl:L、、0425−44−2222)4h11正
の対象 明細7’、F l−発明の詳細な説明」の欄5、Nli
正の内容 (別 紙) 明    細    書 1、発明の名称 乳酸菌醗酵食品の製造法 2、特許請求の範囲 乳酸菌醗酵液であって、約10℃以下の温度にあるしの
に、パーオキシダーゼとチオシアン酸イオン及び又はハ
ロゲノイオンを打ずろ系を添加し、約10℃以下の温度
に保つことを特徴とするパーオキシダーゼ−チオシアン
酸イオン及び又はハロゲノイオン−過酸化水素系 乳酸
菌醗酵食品の製造法。
3、発明の詳細な説明 ア、産業上の利用分野 本発明は食品に係るものであって、カビ、細菌、ウィル
ス等の微生物による腐敗の防止、変異原物質、発ガン性
物質の除去、解111作用をffする乳酸菌醗酵食品の
製造法に係る乙のである。
イ、従来の技術 古くから獣乳、血液、果t1・あるいは野菜lヒなどの
生物体液には、抗菌、制菌あるいは解111作用を打“
4′ろ物質が含r1されていることが知られていた。そ
の後、研究がすすむにつれ、これは生物体内に広<77
(lている酵素パーオキシダーゼを中心とした生物体液
の抗菌、解毒作用系であり、この作用系が働くためには
、パーオキシダーゼの他に、生物体液に広く含有されて
いるチオシアン酸イオン(80反)、あるいはハロゲノ
イオン(Cσ)と、外的要因により含(fされ易い過酸
化水素の三要素が共存ずろことが必要であることが解明
された。
パーオキシダーゼは、乳、唾液、胃液、涙のような生物
の分泌液に多く含まれ、チオシアン酸イオン及びハロゲ
ノイオン乙動物の組織、分泌液、生果物、生野菜、新鮮
魚介類等に含まれている。
この作用系のことを、パーオキシダーゼ−チオンアン酸
イオン(又はハロゲノイオン)−過酸化水素システムあ
るいは単にパーオキシダーゼシステムとら呼び、そのシ
ステムの所在と酵素名により牛乳であればラントパーオ
キシダーゼシステム、血液中にあればミニロバ−オキシ
ダーゼシステムとら呼ばれる。
この作用系のメカニズムや特異性については多くの研究
がなされているが、未だその詳細は解明されていない。
この作用系をq効にflI用した乙のとして、牛乳が最
ら知られている。牛乳中のラントパーオキシダーゼは乳
腺で生成され30mg九程度0濃度で存在し、又チオシ
アン酸イオンら乳牛の肝臓や、腎臓中ての代謝反応の産
物として、0.07〜0.26n+M程度含f丁されて
いるが、第三の要素たる過酸化水素は生来には乳中には
存在しない。従って、パーオキシダーゼシステムが働く
ためには、自然界においてはストレプトコッカス等の細
菌か乳中に入り、その代謝産物として過酸化水素を生成
ケろ。人為的にはラクターゼ、グルコースオキンダーゼ
を添加し、その酵素作用により過酸化水素を生成さU゛
ろ。あるいは直接過酸化水素溶液を添加することにより
パーオキシダーゼシステムを成立させるのである。具体
例としては、冷蔵設備のない熱帯地方において、過酸化
水素溶液を添加したパーオキシダーゼシステムを利用し
た生牛乳のCRn、輸送方法が知られている。
ウ 発明が解決しようとする問題点 然し乍ら、先に述べたパーオキシダーゼシステムの(1
団I法には欠点がある。
過酸化水素を乳に直接添加する方法は、その分解速度が
速いため、パーオキシダーゼシステムとしての持続性に
錐があり、又食品の安全性の見地からら問題がある。尚
、酵素を用いて乳を殺菌する方法及び過酸化水素を乳に
直接添加する方法は我国では許可されていない。
低温殺菌によりラントパーオキシダーゼが失活していな
い乳を用いた乳酸閑飲ネ4あるいは醗酵孔の製造は、乳
酸菌とラン!・パーオキシダーゼの拮抗作用のため、醗
酵時間か苦しく遅滞し、やがてはラクトバーオキノダー
ゼ乙失活して、システムとしては成立しえない。
工 問題を解決するための手段 発明者は、面記のような欠点がなく、日本においてら使
用しうろパーオキシダーゼシステムの利用という見地か
ら、乳酸菌を使用するパーオキシダーゼシステムを研究
ずろ中で、次のような発明をなした。
牛乳に乳酸菌が働くと、その代謝過程においてNADf
I(還元型ニコチンアミドアデニンジヌ”クレオチド)
が酸化され過酸化水素が生成する。
本発明はこのような乳酸菌醗酵液に山来し、持続性ある
代謝産物としての過酸化水素を利用する点に特徴がある
本発明の構成は次の通りである。
パーオキシダーゼとチオシアン酸イオンおるいは又ハロ
ゲノイオンを豊富に含有する食品、例えば獣乳、乳清、
果汁、野菜汁、上記二要素を配合した溶液等を用意する
。これを系内のパーオキシダーゼが失活しない範囲の過
熱殺菌処理 (例えば約63℃30分間過熱保持)を行
い、これを約10℃以下であって凍結しない品温まで冷
却する。これを原料Aとする。
一方牛乳、脱脂乳等の乳及び脱脂粉乳、全粉乳、濃縮乳
等の乳製品を還元した乳性原料であって、乳糖を含有し
たものを、加熱殺菌処理(例えば約90℃10分間加熱
保持)を行い、これを直r、に冷却して乳酸菌醗酵適温
度約30〜45℃に保持し培地とする。これにラクトバ
チルス属、ストレプトコツカス属等の乳酸菌スターター
を添加し培養する。乳酸醗酵が対数増殖期(1,0xl
O11個/ml)以上の生育段階に達したら、約10℃
以下であって凍結しない品温まで冷却ずろ。これを原料
Bとする。
次いで、原料A−Bを約10℃以下の温度域で充分攪拌
し混合ずろ。混合の比率は三要素が長期間存在し、パー
オキシダーゼシステムが持続する範囲で適宜定める。
以上が所望とずろ乳酸菌醗酵食品の製造法である。この
乙のに要ずれば蔗糖、糊料、着香料等任意に加えればよ
い。
才9作用 所望の乳酸菌醗酵食品は、パーオキシダーゼ、チオシア
ン酸イオン及び又はハロゲノイオンを豊富に含有してお
り、乳酸菌醗酵液から過酸化水素が生成し、かつ消費さ
れつづけることにより、七lf続的にパーオキシダーゼ
が作用し続ける。
この乳酸菌醗酵食品を約10℃以下の111度にするこ
とにより、過酸化水素の生成と消費のバランスがとれて
、系中の過酸化水素の債は最大となり、更に乳酸菌とパ
ーオキシダーゼシステムの拮抗作用が防止できろ。
本発明の乳酸菌醗酵食品は当初からの微生物の一次汚染
、あるいは外部からの二次汚染に対し、パーオキシダー
ゼシステムか働き、微生物を死滅させる。大腸菌、シュ
ドモナス、ザルモネラ等の細菌、カビ、ウィルス等の種
々の微生物に対し、制菌、細菌作用を有する。
パーオキシダーゼシステムの制菌、殺菌作用について記
した文献を参考までに以下に掲載しておく。
■ l/J水 誠、山内邦男;乳技協資料、31 、 
2 (+982)■ ブルーノ、レイチル、ゴーラン、
ハーヌルブ「ジャーナルオブフードフロテクションJ(
Journal ofFood P rotecLio
n)  47 、724 (1984)■ ブルーノ、
レイチル、 r’/ヤ−ナルオブデーリイ リザーチj(Journ
al of D−airy Re5aearch)  
45 、 l 31 (1978)パーオキシダーゼシ
ステムは微生物に対オろ抗菌作用のみでなく、加熱調理
によって生成4゛る変51a原物質であるT rp −
P −1(3−アミノ−1,4−ジメチル−5[1−ピ
リドC4,3−b )インドール)、’rrp −P 
−2(3−アミノ−1−メヂルー5 N−ピリド(4,
lb )インドール)あるいは、カビ汚染で生成する発
ガン物質であるアフラトキノン等の種々の毒物を不活性
物に解ijiずろらのである。
パーオキシダーゼシステムの解毒作用について記した文
献を参考までに以下に記載しておく。
■ ミチュキャマダ、ミツヒロツダ、ミナコナガオ、ミ
トリ モリ、タカノスギムラ、[バイオケミカル&バイ
オフィノカルリザーチコミニュケイションJ([3i。
−chemical & Biophysical R
e5earch Communicati。
−ns)  90. 769(1979)■ フオナー
ス、アップルバウム、エルマーH、マース「ジャーナル
オブフードブロテクションJ(Journalo「F’
oodprotection)  45. 557(1
9g2)力、実施例 〈実施例−1〉 生脱脂乳10L(20℃)を90℃IO分間加熱保持の
殺菌処理を施こす。この殺菌処理により、乳中のラクト
パーオキシダーゼは失活する。このものにラクトバチル
ス、ブルガリカススターター(29XIO’個/ml)
100mlと、ストレプトコヅカス、サーモフィラスス
ターター(65xtO’個/ml)200mlを接種し
、37℃6時間醗酵培養し、これを急冷し、品温7℃と
した。本乳酸菌醗酵乳にラクトパーオキシダーゼ溶液(
250Unit/ml)を50m1と、O,1Mチオン
アン酸ナナトリウム溶液l0m1を無菌的に添加し、7
℃で保存した。
本乳酸閑醗酵乳は過酸化水素が持続的に生成され、かつ
消費され、パーオキシダーゼシステムか良好に持続した
。各要素の消長は表−1の通りである。対象物Aはいわ
ば従来法による乳酸菌b3酵乳であり、当初からラクト
パーオキシダーゼ活性がなく、Bはいわば生乳の保存性
にあたるが初発には高濃度の過酸化水素が残留する持続
性がなく消滅した。
(表−り (注)■ 対称物 A:同一条件で殺菌処理された脱脂乳であって、ラクト
パーオキシダーゼとチオンアン酸塩を加えないで、乳酸
菌醗酵さけた乳酸菌醗酵乳B:牛乳に過酸化水素をLと
y濃度に添加したらの■ 分析法 ラクトパーオキシダーゼ・・・・・・・ABTS法シン
ドラ−J、S、 、W、G、ブロードスレイ「バイオケ
ミカル&バイオフィジカルリサーチコミニュケイション
J (I3 iochemical& 131ophy
sicalResearchi Communicat
ion)67 、 1307(1975) チオシアン酸イオン・・・ピリジン、ピラゾロン法過酸
化水素・・・・・・・ガスクロマトグラフ法乳酸菌数・
・・・・・・・BCP培地法〈実施例−2〉 生脱脂乳8 L(20°C)を65°C30分間加熱の
低温殺菌処理を施し、これをただちに5℃に冷却した。
この処理によっても脱脂乳中のラクトパーオキシダーゼ
は活性であった。
一方生脱脂乳4 L(20°C)を90℃IO分間加熱
殺菌処理し、これを40℃まで冷却し、これにラクトバ
ヂルスアシドフィラススターター(22X1.0’個/
+n1)loO+nl接種し、37℃で8時間培養した
後、5°Cに急冷し、乳酸菌醗酵孔を得た。
先に低温殺菌処理を施こされた脱脂乳と乳酸閑醗酵乳と
を晶合し、品温5°Cで保存した。得られた乳酸醗酵乳
はパーオキシダーゼシステムが持続し、カビの一種であ
るペニンリューノークリノゲノムに対ずろ抗菌作用を示
しiこ。
結果は表−2の通りである。
(表−2) (注)分析法 1.抗カビ活性・・・・・・本発明食品
中へ50〜100個/+++16度にペニシリュームク
リソゲノムを加え、7℃で24時間保存し、その殺菌率
をI) I) A培地法で求めた。
2、その他 表−1の場合と同じ。
〈実施例−3〉 生脱脂乳5 L(20℃)を90℃10分間加熱殺菌処
理し、乳中のラクトパーオキシダーゼを失活させ、これ
を40°Cに冷却した。
これにラクトバヂルスアシドフィラススターター(90
XIO7個/ml)50mlを接種し、37°C121
寺間培養し、醗酵ずろ。これを7°Cに急冷し、乳酸醗
酵乳を得た。
一方、細切したキャベツ1.7kl!に0.71.の水
を加え、ミギサーで粉砕処理し、これをto、0001
N P M 5分間の遠心分離後、得られた上清を0.
45μmフィルターで除菌し、L、7L(20℃)の1
二ヘノ抽出液を得た。このキャベツ抽出液には至上<1
山来のパーオキシダーゼが活性で1.51Jnit/m
l含有されていた。二の抽出液を先に準備された乳酸醗
酵乳と混合し、品温7℃にて保存した。
ここに得られたキャベツエキス入り乳酸醗酵孔は、ノく
一オキンダーゼシステムが安定に持続し、焼魚等;こ含
まれる変異原物質Trp−P−2に対する解毒作用を存
して−た。
この結果は表−3に示す通りである。
(表−3) (注)分析法 [3,N、エームス他 「ミュディンクンリサーチJ (Muration 1
easearch)尚、変異原の抑制率の算出は次の式
により算出する。
本発明食品接触処理のコロニー数 ■ その他は表−1に同じ キ 発明の効果 実施例でも明確な通り、本発明のパーオキシダーゼンス
テムを有する乳酸醗酵食品は、細菌、カビ等、微生物に
対する殺菌、制菌作用を汀し、かつ存毒といわれる物質
の解毒作用を有していた。
本発明は乳酸菌の対数増殖期及びそれ以降の生育期にあ
る乳酸醗酵食品約10℃以下の温度域でパーオキシダー
ゼとチオンアン酸イオン及び又はハロゲノイオンを含む
系と混合ずろとき、醗酵孔は代謝産物である過酸化水素
をこの温度において最良に生成し続けるから、パーオキ
ソグーゼシステムが安定的に持続する。
このような特徴を存する本発明は、チルド(冷蔵)流通
経路が整備されてきている今日において、広く食品工業
に利用できる乙のである。
特に賞味期間表示が要求され、多少乱暴な取扱いをされ
たときでも、品質を保証しな+)ればならない現況にお
いて、微生物汚染に対し、抗菌作用を(Tするパーオキ
ノダーゼンステムの)、′fつ0義は大きい。
尚、パーオキソダーゼンステムは、人体の消化酵素に対
し耐性であり、本発明による乳酸菌醗酵食品を有毒性の
ある食品、例えばTrp−P−2を含む焼魚のような変
異原物質、発ガン性物質を含む食品と併せ摂取すること
により消化管内での解11#作In効果は充分に推測す
ることができろ。
(以上) 特許出願人  グリコ協同乳業株式会社手続補正書 昭和62年3月ノ乙日

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 乳酸菌醗酵液であって、約10℃以下の温度にあるもの
    に、パーオキシダーゼとチオシアン酸イオン及び又はハ
    ロゲノイオンを有する系を添加し、約10℃以下の温度
    に保つことを特徴とするパーオキシダーゼ−チオシアン
    酸イオン及び又はハロゲノイオン−過酸化水素系乳酸菌
    醗酵食品の製造法。
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