JPS6222327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は原料となる丸太原木を、スピンドル等
により、その木口端面を挾持して、原木を回転さ
せながら原木の全長にわたる切削用刃物を前記原
木外周面に喰い込ませつつ前進させ、広幅の薄い
ベニヤ単板を得るベニヤレースに関し、ベニヤ単
板の剥き削りと共に発生する所定幅寸法に満たな
い端切れ単板や、木屑、木粉等の各種屑類を前記
単板切削を続け乍ら、製品単板と分離して搬送さ
せ良質単板を得ようとするものである。

従来の原木を把持回転して単板を旋削するベニ
ヤレースにおいては、切削刃物を装填した鉋台を
下方に配置し、鉋台に接近して上方にプレツシヤ
ーバーを装填したプレツシヤーバーボデーを配し
両者一体に左右端面を鉋台ガイド等により挾持さ
れて原木の１回転に対応して、所要切削単板厚だ
け原木へ向つて前進するように構成されている。
そして前記鉋台とプレツシヤーバーボデーに装填
された刃物およびプレツシヤーバーの各々の先端
（刃口と称される）の相関関係は切削単板の厚さ
に応じて設定され、略その間隙は切削単板厚に近
い。そして、この極めて狭隘な刃口部分から隘出
されるベニヤ単板は、遅滞なくベニヤレースの機
外へと搬出されねばならず従つて前記刃口より後
方へ向つての、鉋台上面と、プレツシヤーバーボ
デーの下面とにより構成される単板搬送路は、前
記刃口を起点に末広がりに設定され、さらに下り
勾配になるよう配慮されている。また前記プレツ
シヤーバーボデーの下面は、切削製出される単板
のカール現象や、高速切削による単板の跳ね上り
を規制するべく、下面の全面が平坦に成形され、
また一方鉋台の上面は、該部を単板が摺擦しなが
ら滑り下りて搬送されるためプレツシヤーバーボ
デーの下面と同様に全面が遮蔽されてフラツトに
仕上げられている。以上の従来型ベニヤレースに
おける実施態様は、原木が通常100％以上もの含
水率を有し、切削される単板も当然水浸しの状態
で製出される事、切削単板の幅決めをする罫引ナ
イフ（原木を回転させながら切削単板厚さ以上常
時原木に突刺されている）等により木屑、木粉が
絶えず発生している事、原木の割れ、または凸凹
部等により単板製品にならない小幅状や細片状の
木屑が断続的ではあるが常時発生する事、等々に
よつて製品となるベニヤ単板と一緒に前記狭雑物
が搬送され、次工程の例えば裁断装置の単板検出
信号を誤らせる等の各種不具合が惹起されるので
ある。

本考案はこれらの障害を解決したものであり、
以下図面に基ずき一実施例を詳述する。

第１図は本考案に係るベニヤレースの側断面図
であり、１は原料となる丸太原木であり、ベニヤ
レースのスピンドル（図示省略）により左右木口
端面を挾持されて矢符Ａ方向に回転される。２は
鉋台であり、充分な肉厚で箱形枠状に構成されそ
の上部先端部に単板切削用の刃物３を備えてい
る。４は刃物ホルダーであり、本実施例において
は、刃物高さを予め、機外でセツトしておくプレ
セツテイング方式を示している。５は鉋台上部先
端部の刃物取付面を規制している口金であり、６
は切削刃物３を予めセツトした刃物ホルダー４と
共に鉋台に緊締固着する刃押えであり、高さ方向
の略中間部を支軸として、下方に配置された例え
ば油圧シリンダー等（図示省略）により前記シリ
ンダーのロツドの突出により該刃物を鉋台に固着
緊締するものである。２１は鉋台２の上部傾斜面
であり単板Ｐは原木１より切削分離されて刃口部
分を通り抜け前記傾斜外表面を搬送路として、単
板Ｐの裏面が該部を摺擦しながら矢符Ｂ方向に滑
り下りるのである、この傾斜面２１は従来単板の
搬送に支障のないよう、全面に亘り平坦な斜面を
構成し、僅かな鋳バリもハンドグラインダー等に
よつて平滑に仕上げられていたのであるが本考案
においては、第２図の鉋台平面図に示すように傾
斜面２１を形成する面積の少なく共半分以上を、
リブ２２′を適宜残存配置して、抜孔２１′として
割愛するのである。２２は、前記傾斜面２１に開
口された抜孔２１′に切削されて搬出する単板Ｐ
を支受けする滑り板であり、単板摺擦に対応して
滑り易く、また、単板の水分による影響を受けな
いステンレス鋼等の帯鉄状のものが用いられ搬送
路２１の上表面から突出しないように同一面にな
るようその先、後端部を前記搬送路に埋込み皿ボ
ルト等により前記鉋台の搬送路２１に固定され
る。２３は鉋台２を構成する肉厚箱形枠体の底部
分であり、搬送路面２１に開口された抜孔２１′
と同様に、底部面積の少なく共半分以上抜孔２
３′が開口されている。

３０は鉋台２の上方附近に配置されたプレツシ
ヤーバーボデーであり、その先端部の刃物３の刃
先きと相対峙してプレツシヤーバー３１の先端を
所定寸法間隔に保持して取付けられている。３２
はプレツシヤーバー３１をプレツシヤーバーボデ
ー３０に固着するプレツシヤーバー押えである。
３３は罫引台であり、プレツシヤーバー押え３２
の原木側に面する傾斜面に穿設された蟻溝３６等
により幅方向（原木の軸線方向）に移動可能に設
置され、通常複数個の罫引台３３が各々配備され
る。３４は罫引ナイフであり、前記罫引台３３に
抱持されて、例えば調節ネジ３５等により原木へ
の突刺量を調節可能に設置される。４１はベニヤ
レースのベツドであり、強固な鋼板を組み合わせ
て通常一体物に構成され、その左右端にフレーム
（図示省略）を各々固定設置されている。４２
は、ウエストコンベアであり、ベツド４１の一
側、端末を終点にベニヤレースのスピンドル中心
（ベニヤレースに把持された原木の軸中心と合致
する）附近を起点として、鉋台の前後走行範囲内
を含み、鉋台の下方にブラケツト４３，４４によ
りベツド４１に取付けられ、電動機等により回転
駆動される。

ウエストコンベアは、鉋台全幅に亘る範囲に設
けられ、好ましくは、全幅１枚の幅広ベルトを用
いるのが最適であるが通常の平ベルトを複数条配
置しても良い。４５は、木屑処理コンベアで通常
幅広コンベアを、ベニヤレースのベツド後端部に
平行して配置されウエストコンベア４２から搬出
される木屑等を工場隅に配置したチツパー等に移
送するものである。以上の構成により原木１から
単板を切削搬送すると製品となる単板Ｐは、リブ
２１′および滑り坂２２の僅かな接触面を軽く通
過して第１図の矢符Ｂ方向に搬出され、一方製品
単板と共に派生的に生ずる屑単板類は、高速切削
による製品単板の震動作用により適当に振り落さ
れ抜孔２１′を矢符Ｃ方向に自重落下し同じく抜
孔２３′を経てウエストコンベア４２上に載置さ
れ前記コンベアの回転により矢符Ｄ方向に移送さ
れ引き続きコンベア４５により所定個所へと運ば
れるのである。従つて製品単板に木屑類が混在す
る事もなく、また従来の鉋台の搬送路面２１を万
遍なく平滑に仕上げる手間も省ける等の利点が生
じたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の側断面図、第２図は、プレ
ツシヤーバーボデーを省略した鉋台の平面図であ
る。 １……原木、２……鉋台、３……切削用刃物、
６……刃押え、２１……搬送路面、２１′，２
３′……抜孔、２２……リブ、２２′……滑り坂、
３０……プレツシヤーバーボデー、３１……プレ
ツシヤーバー、３３……罫引台、４２……ウエス
トコンベア、４３，４４……ブラケツト、４５…
…木屑処理コンベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原木を回転させながらベニヤ単板を旋削するベ
   ニヤレースにおいて、切削用刃物の刃先を上にし
   て装填した鉋台の単板搬送路面と、鉋台下面の
   各々に抜孔を設けた事を特徴とするベニヤレー
   ス。