JPS6222271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブランクがその両端を把持した状態で
ブランク準備位置からプレス機内に搬送されるプ
レス用ブランク供給装置に関するものである。

通常、ブランク（板状素材）のプレス成形にお
いてワークを金型からはずすと、浅絞り等の加工
形状や材料の特性に起因して僅かながら板の加工
形状が戻り、目的の形状に一致しなくなるスプリ
ングパツク現象が生じるので、その対策としてブ
ランクの両端部を把んで引つ張りながら成形する
ストレツチフオーミングが行われている。この場
合、ブランクをクランプするための把持装置は従
来、プレス機金型の両側位置に配置されており、
この把持装置にブランクを供給するには、まず、
遠隔位置にあるブランクを第１の搬送手段によつ
てプレス機近傍のブランク準備位置まで一次搬送
し、このブランク準備位置においてブランクの装
入方向その他を整えたのち、第２の搬送手段によ
つてプレス機の金型位置まで２次搬送し、把持装
置に渡しているが、２系統の搬送手段を用い、ブ
ランク準備位置を中継点としてブランクの受渡し
を行なう搬送ラインは、機械配置のための大きな
空間を占有し、かつ時間と労力の損失が多くなる
欠点がある。

本考案はかかる欠点に鑑みてなされたものであ
り、ブランクはブランク準備位置においてクラン
プ手段によりクランプしておき、このクランプ状
態のままで、クランプ手段がブランク準備位置か
らプレス機の金型位置までレール上を移動するこ
とにより、ブランク供給の簡素化と迅速化を図つ
たプレス用ブランク供給装置を提供することを目
的とする。

以下、本考案の構成を一実施例について詳細に
説明する。

１はブランク供給装置であつて、レール２，
２、該レール上で移動自在に配置したクランプ手
段３，３…および駆動機構４を主要構成要素とし
て包含し、第１図においてその片端部のみを示し
た。

レール２，２は、基台５の両端部に設けたスラ
イドベース６，６上に該スライドベースと直角な
方向に配置され、摺動部材７，７，７，７を介し
てスライドベース６，６の長手方向に移動自在に
乗架されるとともに、上型８および下型９でなる
金型１０の両側方の金型位置Ａからブランク１１
をクランプするブランク準備位置Ｂまで平行に配
置され、スライドベース６，６の各両端部と摺動
部材７，７，７，７との間には該摺動部材を互い
に近づく方向へ弾発するためのスプリング１２，
１２，１２，１２が介設されたものである。

クランプ手段３，３…は、それぞれ固定爪部材
１３、可動爪部材１４および支点軸１５を有し、
かつその外側面が金型１０の後述する傾斜面４
２，４３に摺動する山形のカム状に形成された開
閉アーム１６と、リンク１７，１８、枢支ピン１
９，２０および連結ピン２１を結合してなるトグ
ルジヨイント２２と、該トグルジヨイントを介し
て開閉アーム１６を開閉する進退シリンダ２３
と、該進退シリンダの基端部を枢支する支持アー
ム２４とを包含して構成されたものであり、クラ
ンプ手段３，３…を支持するフレーム２５は、各
開閉アーム１６，１６…のカム状外側面を互いに
対向せしめてその固定爪部材１３，１３…の基部
を固定する取付座２６，２６と、上部に圧縮スプ
リング２７，２７…を具備して取付座２６，２６
の両端部を昇降自在に支承するポスト２８，２８
…と、レール２，２の上方位置で該レールに平行
して配置され、その各両端部にポスト２８，２８
…を固定して支承する基板２９，２９と、該両基
板の各両端部に設けたガイドローラ３０，３０…
に移動自在に挾持されて両基板２９，２９間に橋
架状に配置され、該両基板を長手方向へ同時に移
動せしめる横部材３１，３１と、各下面がそれぞ
れレール２上部に係合して移動可能なありみぞ状
の係合溝３２に形成され、各上面に前記基板２
９，２９を平行状に支承して固定するガイドシユ
ー３３，３３，３３，３３とを包含したものであ
つて、各開閉アーム１６，１６…は、スプリング
１２，１２，１２，１２に付勢された摺動部材
７，７，７，７、レール２，２およびフレーム２
５とともに互いに近づくように設けられ、その最
小間隔はスライドベース６，６に固設したストツ
パ３４，３４，３４，３４で規制されている。

駆動機構４は（第２図参照）、レール２，２の
配列の中心に沿つて基台５上の両端部に設置した
支持枠３５，３５にそれぞれ枢支されたガイドシ
ーブ３６，３６と、前記金型位置Ａからブランク
準備位置Ｂまでの距離に匹敵するストロークＳを
有する複動シリンダ３７と、前記横部材３１，３
１のいずれかの下面に連設してフレーム２５を移
動せしめる連結片３８が中間部に固定され、両端
部３９，４０をそれぞれ複動シリンダ３７に接続
して、前記ガイドシーブ３６，３６に掛合された
エンドレスロープ４１とを結合したものである。

前記金型１０の上型８および下型９は、そのブ
ランク１１を引つ張る方向の両側がそれぞれ傾斜
面４２，４３に形成されて、型閉じの際には、傾
斜面４２，４３によりＶ形の空間４４を割面４
５，４６に沿つて形成するものである。

なお、前記ガイドシーブ３６，３６およびエン
ドレスロープ４１は、必要に応じてガイドスプロ
ケツトおよびエンドレスチエーンに変える場合も
ある。

上記の構造において、予めクランプ手段３，３
…をブランク準備位置Ｂに位置せしめ、進退シリ
ンダ２３，２３…を後退駆動して各開閉アーム１
６，１６…を開いておき、次に、遠隔位置にある
ブランク１１をローダ等の搬送手段（図示せず）
で保持してブランク準備位置Ｂの上方まで移送
し、各開閉アーム１６，１６…の開口部にブラン
ク１１の両端部を嵌挿したのち、各進退シリンダ
２３，２３…を前進駆動して各開閉アーム１６，
１６…を閉じ、ブランク１１を把持して固定す
る。

続いて複動シリンダ３７を駆動してクランプ手
段３を金型位置Ａまで移送して、ブランク１１を
上型８と下型９の中間位置にセツトしたのち、上
型８を下降動作させる。この場合、上型８の傾斜
面４２は各開閉アーム１６，１６…の可動爪部材
１４，１４…の外側（第３図において上側）面に
当接して該各開閉アームを押し下げるとともに、
各開閉アーム１６，１６…の固定爪部材１３の先
端部下面が下型９の傾斜面４３に当接することに
よつて各開閉アーム１６，１６…の山形のカム状
面が傾斜面４２，４３の摺動による押圧で横移動
し、ブランク１１は、その弾性限度を超える引張
力を受けたのち上型８の下降ストローク端でプレ
ス成形される。なお、この上型８が下降ストロー
ク端よりわずか上方の位置にあるとき、クランプ
を解除する。次に上型８を上昇動作させたのち、
他の取出し装置を作動させてプレス製品を取出す
一方、複動シリンダ３７を駆動してクランプ手段
３，３…を金型位置Ａからブランク準備位置Ｂま
で移送し、以後、前記動作を繰り返す。

本考案は上記の構成により、レールがブランク
をプレス成形する金型位置からブランクのクラン
プを脱着するブランク準備位置まで、金型の両側
方で平行して敷設され、該両レール上にブランク
を保持して引つ張るクランプ手段を支持するフレ
ームが駆動機構によつて往復動自在に乗架され、
しかもクランプ手段の開閉アームが金型の傾斜面
に摺動する山形のカム状に形成されているので、
ストレツチフオーミングにおける歩留りが向上
し、ブランクを搬送してセツトするための搬送作
業が簡素化、省力化されてその作業空間を有効利
用できるようになり、作業性、生産性ともに向上
するという優れた効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の実施態様を例示するもので
あり、第１図はブランク供給装置の片端部を示す
外形斜視図、第２図は駆動機構の概略図、第３図
はクランプ手段の片側分を示す側面図、第４図は
開閉アームを省略した同平面図である。 １……ブランク供給装置、２……レール、３…
…クランプ手段、４……駆動機構、１０……金
型、１１……ブランク、１３……固定爪部材、１
４……可動爪部材、１６……開閉アーム、２２…
…トグルジヨイント、Ａ……金型位置、Ｂ……ブ
ランク準備位置、３７……複動シリンダ、４１…
…エンドレスロープ、４２，４３……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ストレツチフオーミング用の金型にブランクを
   供給するためのもので、該金型の両側には、その
   金型位置からブランク準備位置まで延びるレール
   が平行に配置され、ブランクをその両端で引つ張
   るためのクランプ手段がフレームに支持され、該
   両クランプ手段とフレームは、互いに向い合つて
   前記両レール上にそれぞれ配置され、両クランプ
   手段はブランク引つ張り方向に移動自在に設け
   て、かつ互いに近づく方向に付勢され、クランプ
   手段の開閉アームは、前記金型に形成した傾斜面
   に摺動する山形のカム状に形成され、該クランプ
   手段を金型位置とブランク準備位置との間で往復
   動させる駆動機構が具備されたことを特徴とする
   プレス用ブランク供給装置。