JPS6222237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成羽毛（ダウン）状構造体に関す
る。

従来から、枕、クツシヨン、ふとん、防寒衣な
どの詰綿として、羽毛、木綿、合成繊維が用いら
れてきたが、なかでも羽毛は、嵩高で風合が柔か
く、暖かくて圧縮に対する回復特性が優れてお
り、適度のドレープ性、形態適応性を有している
ことから、高級品として愛用されている。しかし
ながら、羽毛は高価であるうえ、虫や微生物によ
る害を受け易く、しかも家鴨、鵞鳥等の乱獲を招
くことは、自然保護の立場からも好ましくないと
いう問題がある。このような問題点を解消すべ
く、これまでに各種の合成羽毛が提案されている
が、いまだに天然羽毛に匹敵するだけの性能を有
するものは得られていない。例えば、実開昭48−
3715号には、コンジユゲート繊維からなる芯材表
面に、短繊維を植毛した充填材が記載されている
が、この充填材は、風合がやや硬く、かつ充填材
同志の絡み合いが生じ易く、ドレープ性、形態適
応性に劣るという欠点がある。

本考案者らは、かかる従来の羽毛状構造体の欠
点を解消すべく鋭意検討を重ねた結果、円状若し
くは球状の芯体の周囲に捲縮繊維を接合させれ
ば、天然羽毛に劣らない性能の合成構造体が得ら
れることを見出し、本考案に到達した。

即ち、本考案は、円状若しくは球状の発泡体、
フイルム体、あるいは網目構造体からなる芯体の
周囲に捲縮繊維を接合させたことを特徴とする羽
毛状構造体である。

以下、図面により、本考案を説明する。第１図
は芯体として、球状の発泡体を用いた例を示すも
のであり、発泡体１の周囲には多数の捲縮繊維２
が植毛されている。３は発泡体１に存在する空隙
を示す。第２図は、芯体として、フイルム体を用
いた例を示すもので、６角形のフイルム体１′の
角部に捲縮繊維２が接合されている。また、第３
図は、芯体として、網目構造体を用いた例を示す
もので円形の編物１″の周囲に多数の捲縮繊維２
が植毛されている。

芯体の大きさは、用途、要求特性に応じ、適宜
選定することができるが、、通常は直径３mm〜60
mm程度の円状若しくは球状体が用いられる。な
お、本考案でいう「円状若しくは球状」とは、真
円、又は完全な円球のみを意味するのではなく、
多角形、卵形、まゆ形、多面体、等をも含むもの
である。芯体の内部が空洞ないしは低密度になつ
ているものが嵩高性の点から好ましい。芯体に用
いられる発泡体の例としては、発泡スチロール、
発泡ポリウレタン等があり、フイルム体としては
各種合成樹脂フイルムを用いることができ、更
に、網目構造体としては織編物、ネツト、不織
布、多孔網目状フイルム等を用いることができ
る。

芯体に接合させる捲縮繊維としては、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリ
ル繊維、ポリオレフイン繊維等任意の繊維を用い
ることができるが、ヤング率が高く、耐へたり性
に優れ、価格も安いところから、ポリエステル繊
維が好ましい。捲縮繊維の太さ、長さ、捲縮数、
植毛密度等は、用途及び要求される性能に応じて
選定することができる。また、平滑性、吸水性、
吸湿性、難燃性等を有する繊維を用いてもよい。

芯体に捲縮繊維を接合させるには、接着、融
着、その他従来公知の植毛技術を応用することが
できる。

以上の如く、本考案の羽毛状構造体は、円状若
しくは球状の芯体（発泡体、フイルム体、網目構
造体）の周囲に捲縮繊維を接合させたものである
から、構造体同志の絡み合いが起りにくく、流動
性、ドレープ性が良好で形態適応性が優れてお
り、芯体に発泡体、フイルム体、網目構造体を用
いていることから、保温性、圧縮回復特性が良好
であり、更に、芯体の表面には、捲縮繊維を接合
させているので、保温性、嵩性及び柔軟な風合が
維持される。従つて、本考案の構造体を詰綿に使
用した場合は、天然羽毛に優るとも劣らない性能
を示し、かつ、大量に安価に供給することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の羽毛状構造体の実施
態様を示す拡大側面図である。 １……芯体（発泡体）、１′……芯体（フイルム
体）、１″……芯体（網目構造体）、２……捲縮繊
維。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円状若しくは球状の発泡体、フイルム体、ある
   いは網目構造体からなる芯体の周囲に捲縮繊維を
   接合させたことを特徴とする羽毛状構造体。