JPS6221612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉄筋コンクリートを主体としたPC梁
に関するものである。

従来、上下にそれぞれ水平状態に各４本ずつの
梁主筋を配筋した梁において、中央部の各２本の
梁主筋を柱鉄骨のフランジに穿設した貫通孔を貫
通させて、柱を挾んで対向する隣接の梁の中央部
の梁主筋に接続し、応力を直接伝達させているも
のがある。しかしながら、柱鉄骨に梁主筋を通す
ための貫通孔を穿設することは、これだけ加工の
手間とコストがかかるばかりでなく、柱鉄骨の断
面欠損が生ずる不都合がある。

本考案の目的は上記の不都合を除去することに
あり、本考案の特徴は、PC梁体内下部に例えば
４本の下側の梁主筋を配筋し、PC梁体の上面外
方に上側の梁主筋を配筋し、この梁主筋および下
側の梁主筋にスターラツプを掛回し、上記PC梁
体の端部に接合鉄骨を取り付け、この接合鉄骨の
一側端部をPC梁体の端面より、上端部をPC梁体
の上面よりそれぞれ突出し、この接合鉄骨に上記
中央に位置している上下の梁主筋の両端部を固着
したことである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１〜３図において、PC梁体１の内部下部に
は４本の下側の梁主筋２ｅ，２ｆ，２ｇ，２ｈが
水平状態に配筋してあり、またこのPC梁体の上
面外方にも同様に４本の上側の梁主筋２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄが配筋してある。両外側に位置す
る梁主筋２ａ，２ｄ，２ｅ，２ｈの端部に継手パ
イプ３…が接続してある。梁主筋２ａ〜２ｈには
スターラツプ４が掛回してある。なお、上側の梁
主筋２ａ〜２ｄは予めスターラツプ４に取り付け
ておいても、またはPC梁体１を柱間に仮止めし
てから、スターラツプの上端部内側に配筋するよ
うにしても、いずれであつてもよい。また第１，
２，４図に示すように、PC梁体１の両端部には
図示の例ではＩ形状の接合鉄骨５，５が取り付け
てある。この接合鉄骨の上フランジ部５ａ，５ａ
はPC梁体１の上面より上方に突出している。上
下両フランジ部５ａ，５ｂには梁主筋２ａ〜２ｄ
および２ｅ〜２ｈのうち中央に位置する梁主筋２
ｂ，２ｃおよび２ｆ，２ｇの両端部がそれぞれ固
着してある。接合鉄骨５，５の側端部はPC梁体
１の端面より突出している。

次にPC梁の架設作業について説明する。まず
柱６，６の間にPC梁体１をクレーンにより吊り
込み、両側の接合鉄骨５，５のウエブを、柱の側
面に取り付けてあるガセツトプレート７，７を重
合し、重合部分をボルトで結合して、PC梁体を
仮止めする。そしてスターラツプ４の上端部内側
に上側の梁主筋２ａ〜２ｄを通し、その後上下外
側の梁主筋２ａ，２ｄおよび２ｅ，２ｈを、柱
６，６を挾んで対向するPC梁体（図示せず。）の
梁主筋に継手パイプ３…およびアンカー筋８…を
介して接続する。その後、接合鉄骨５，５の突合
せ面を溶接して柱６，６に接合鉄骨を完全に固着
させる。最後に後打ちスラブコンクリートＣを打
設する。

以上説明したように本考案によれば、PC梁に
おける上下両側の中央に位置する梁主筋の両端部
を接合鉄骨に固着するようにしたので、従来のよ
うな柱鉄骨に貫通孔を設ける加工が不要となり、
断面欠損も生ぜず、そして中央の梁主筋も上端筋
としての効果が生ずる。また上側の梁主筋および
接合鉄骨の少なくとも上端部がPC梁体の上面よ
り外方に位置しているので、PC梁は後打ちスラ
ブコンクリートとの拘束性を確保することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は架設状態を示す一部断面正面図、第２図は第１
図−線断面図、第３図は第１図−線断面
図、第４図は第１図−線断面図である。 １……PC梁体、２ａ〜２ｈ……梁主筋、４…
…スターラツプ、５……接合鉄骨、５ａ，５ｂ…
…フランジ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 PC梁体と、 上下にそれぞれ少なくとも各４本ずつ水平に配
   筋してあつて、上側の４本が上記PC梁体上面よ
   り外方に配筋してある梁主筋と、 上記梁主筋に掛回してあるスターラツプと、 上記PC梁体の両端部に取り付けてあり、一側
   端部がPC梁体の端面より突出し、少なくとも上
   端部がPC梁体の上面より突出している接合鉄骨
   と を具備し、上記梁主筋のうち中央の各２本の梁
   主筋の両端部が接合鉄骨のフランジ部に固着して
   あることを特徴とするPC梁。