JPS62215673A

JPS62215673A - 水性インキの製造方法

Info

Publication number: JPS62215673A
Application number: JP61056990A
Authority: JP
Inventors: Eiichiro Shirato; 白土　榮一郎
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1986-03-17
Filing date: 1986-03-17
Publication date: 1987-09-22

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、耐水性が良好で、染料の滲みが起りにくい水
性インキの製造方法に関するものである。

直接染料または（および）酸性染料を水に溶かして水性
インキを製造することは容易である。

しかし、得られる水性インキの耐水性は極めて悪い。

本発明者は、この欠点を改良するために種々研究した結
果、水溶液において直接染料または（および）酸性染料
と２価以上の多価金属の水溶性化合物および水溶性重合
体を混合し、機械的に均質な微分散液（または溶液）に
することにより、耐水性が良好で染料の滲みが起りにく
く、安定性も良好な水性インキが容易に得られることを
見出し、本発明に到達した。

本発明において使用される酸性染料並びに直接染料の種
類や使用量および濃度などは、製造する水性インキの使
用目的に応じて適当に選定される。

また、本発明に使用される２価以上の多価金属の水溶性
化合物としては、水溶性の酸性染料や直接染料と反応し
て、染料を水に溶けにくい凝集物または凝固物に変化さ
せ易いものが好ましく、たとえば、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウム、亜鉛、銅、カドミウム、アルミニウ
ム、マンガン、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、鉛な
どの水溶性の硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩複塩、塩化物、臭
化物、弗化物、沃化物などがある。

これらの２価以上の多価金属の水溶性化合物の使用量は
、水溶性中に未反応の直接染料または（および）酸性染
料が残留しないように決定しなければならない。

もし、前記の２価以上の多価金属の水溶性化合物の使用
量が足りないときには、得られる水性インキ中に未反応
の直接染料または（および）酸性染料が残留し、水性イ
ンキの耐水性が低下する。

本発明において使用される水溶性重合体には、たとえば
、カルボキシメチルセルロ−ズ、ロジン疫性マレイン酸
樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、スチレン
−アクリル酸共重合樹脂、アクリル酸エステル−アクリ
ル酸共重合樹脂などのアルカリ塩がある。

更に水溶性重合体として好適なものに、炭素数１０以下
の一塩基性酸を主成分とする不飽和カルボン酸６〜３０
重量％とそれ以外のラジカル重合性不飽和化合物９４〜
７０重量％からなるカルボキシル基含有共重合体（Ａ）
のアルカリ塩がある。

しかも、これらカルボキシル基含有共重合体（Ａ）のう
ち特に好ましいものは、カルボキシル基含有共重合体（
Ａ）の［■］（ジメチルホルムアミドを溶媒として、２
５℃で測定した値）が０．３以下で、そのアルカリ塩水
溶液の乾燥塗膜が撥水性を示すものである。

前記のカルボキシル基含有共重合体（Ａ）には、たとえ
ば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安
息香酸、桂皮酸、などで例示される炭素数１０以下の一
塩基性酸を主成分とする不飽和カルボン酸６〜３０重量
％とそれ以外の単量体９４〜７０重量％から構成される
ものがある。

この不飽和カルボン酸以外の単量体としては、たとえば
、炭素数１〜１８位のアルキル基を有する各種のアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの不飽和カル
ボン酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどのビニルシアン化合物、エチレン、イソブチレン
などのα−オレフイン、スチレン、α−メチルスチレン
、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、ブタジエ
ン、イソブレン、ジメチルブタジエンなどの共役ジオレ
フイン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ−サチッ
ク酸ビニルなどのビニルエステル、（メタ）アクリルア
ミド、ヒドロキシエチル（メタ）アクリレ−ト、ヒドロ
キシプロピル（メタ）アクリレ−ト、グリシジル（メタ
）アクリレ−ト、Ｎ−メチロ−ル（メタ）アクリルアミ
ド、Ｎ−ブトキシメチロ−ル（メタ）アクリルアミド、
ジメチルアミノエチル（メタ）アクリレ−ト、ジアセト
ン（メタ）アクリルアミド、ビニルピリジン、Ｎ−ビニ
ル−２−ピロリドンなどがあり、これらのうち疎水性の
単重体が主成分となることが好ましい。

これらのカルボキシル基含有共重合体（Ａ）は、揮発性
の塩基性物質と反応して水溶性のアルカリ塩になる。

揮発性の塩基性物質としては、たとえば、アンモニア（
水）、トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエチル
アミン、ジメチルエタノ−ルアミン、モノエタノ−ルア
ミンなどがあるが、アンモニア（水）が最も安価であり
好ましい。

また、これら揮発性塩基性物質の一部分を不揮発性塩基
性物質たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどで置換してもよい。

カルボキシル基含有共重合体（Ａ）のアルカリ塩水溶液
の溶解状態をよくするためには、カルボキシル基含有共
重合体（Ａ）の［■］（ジメチルホルムアミドを溶媒と
して２５℃で測定した値）は０．３以下、特に０．２以
下であることが好ましい。

また、不飽和カルボン酸含量は６重量％以上、特に８重
量％以上であることが好ましい。

この含量が３０重量％より多くなると、カルボキシル基
含有共重合体（Ａ）のアルカリ塩水溶液から形成される
乾燥塗膜の撥水性が低下する。

撥水性の乾燥塗膜を形成するカルボキシル基含有共重合
体（Ａ）のアルカリ塩水溶液とは、そのアルカリ塩水溶
液（約２０重量％）をコンクリ−ト平板（３０×３０×
５．５ｃｍ）の表面に塗布し、約５０℃で十分に乾燥し
たのち、その塗面の上に水を流したとき、撥水性を示す
ものである。

本発明において使用される水溶性重合体の使用量や濃度
は、製造する水性インキの使用目的に応じて適当に選定
される。

その水溶性重合体の大部分は、カルボキシル基含有重合
体であるが、更にこれらと共に、たとえば、ヒドロキシ
エチルセルロ−ズ、ヒドロキシプロピルセルロ−ズ、メ
チルセルロ−ズ、ポリビニルアルコ−ルなどのようなカ
ルボキシル基を含有しない水溶性重合体を使用すること
も可能である。

しかし、これらの使用量が多くなると、水性インキの耐
水性は低下する。

本発明によって製造される水性インキには、必要に応じ
て界面活性剤、ＰＨ調整剤、可塑剤、防腐剤、防かび剤
、消泡剤、香料、粘度調整剤、ドライアップ延長剤など
が添加される。

従来、水に不溶性の顔料を着色剤として使用し、耐水性
が良好で筆跡の滲みが起りにくい水性インキの製法が種
々考案されているが、水に不溶性の顔料を使用する場合
には、その粉砕や分散などに手間がかかる。

ところが、本発明の水性インキの製造方法は、極めて簡
単であり、大量生産に適している。

また、本発明は、有機溶剤を必要としないために、引大
の危険がなく、労働衛生や公害に関する心配もなく、更
に省資源の観点からも好ましい。

本発明によって製造される水性インキは、筆記具用、ス
タンプ用、記録計用、印刷用、ジェットプリンタ−用、
ぬり絵用、表示またはマ−キング用などのインキとして
利用出来るばかりでなく、捺染用および浸染用の染液や
水性染料の着色液など、染料や染色液的な利用も可能で
あり、広範な用途が期待出来る。

次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。

なお、以下において、部および％は、夫々重量部および
重量％を示す。

比較例　１シリヤスブラックＬ（直接染料）の１０％水溶液１８０
部と、硫酸第一鉄（ＦｅＳＯ４・７Ｈ２Ｏ）の１０％水
溶液１２０部を混合し、激しい撹拌によって均質な水性
インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で半紙、タイプ用紙、新聞用
紙、コ−ト紙などに文字を書いたところ、いずれも、筆
跡の輪郭から染料が滲み出た。

比較例　２シリヤスブラックＬの１０％水溶液の１８０部と、ＷＳ
Ｐ−１の１０％水溶液１８０部とを混合し、安定性良好
な水性インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で半紙、タイプ用紙、新聞用
紙、コ−ト紙などに文字を書き、室温で乾燥したのち水
で濡らしたところ、いずれも、染料が溶出し、耐水性が
不良であった。

なお、ＷＳＰ−１はメタクリル酸１３％、メチルメタク
リレ−ト６７％、スチレン２０％からなる共重合体（〔
η〕＝０．１２）のアンモニウム塩である。その２０％
水溶液（ＰＨ＝１０．２）をコンクリ−ト平板（３０×
３０×５．５ｃｍ）の表面に塗布し、約５０℃で７日間
乾燥したのち、塗面に水を流したところ、撥水性が認め
られた。

実施例　１シリヤスブラックＬの１０％水溶液１８０部に、硫酸第
一鉄の１０％水溶液１２０部および水１００部を混合し
、更にＷＳＰ−１の１０％水溶液１８０部を混合したの
ち、激しい撹拌によって均質な水性インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で半紙、タイプ用紙、新聞用
紙に文字を書き、室温で乾燥した。いずれも、筆跡の輪
郭から染料が滲み出なかった。

また、乾燥した筆跡を水で濡らし耐水性を調べたが、い
ずれも、染料の溶出は認められず、良好な耐水性を示し
た。

実施例　２シリヤスブラックＬの１０％水溶液１８０部に、明ばん
［Ａｌ２（ＳＯ４）３・Ｋ２ＳＯ４・２４Ｈ２Ｏ］の５
％水溶液２００部および水１００部を混合し、更にＷＳ
Ｐ−２の１０％水溶液１００部を混合したのち、激しい
撹拌によって均質な水性インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で半紙、新聞用紙、タイプ用
紙、コ−ト紙に文字を書き、室温で乾燥した。いずれも
、筆跡の輪郭から染料が滲み出なかった。

また、乾燥した筆跡を水で濡らし、耐水性を調べたが、
いずれも、染料の溶出は認められず、良好な耐水性を示
した。

なお、ＷＳＰ−２は、メタクリル酸　８％、メチルメタ
クリレ−ト１２％、スチレン２０％、ブチルアクリレ−
ト６０％からなる共重合体（〔η〕＝０．１０）のアン
モニウム塩である。

その２０％水溶液（ＰＨ＝１０．１）をコンクリ−ト平
板（３０×３０×５．５ｃｍ）の表面に塗布し、約５０
℃で７日間乾燥したのち、塗面に水を流したところ、撥
水性が認められた。

実施例　３シリヤスブラックＬの１０％水溶液１８０部に、水１５
０部および塩化アルミニウム（ＡｌＣｌ３）の１０％水
溶液１００部を混合し、更にＷＳＰ−３の１０％水溶液
１００部を混合したのち、激しい撹拌によって均質な水
性インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で半紙、タイプ用紙、新聞用
紙、コ−ト紙などに文字を書き、室温で乾燥した。いず
れも、筆跡の輪郭から染料が滲み出なかった。

なお、ＷＳＰ−３は、メタクリル酸２５％、スチレン２
５％、ブチルアクリレ−ト５０％からなる共重合体（〔
η〕＝０．１５）のアンモニウム塩である。

その２０％水溶液（ＰＨ＝１０．０）をコンクリ−ト平
板（３０×３０×５．５ｃｍ）の表面に塗布し、約５０
℃で７日間乾燥したのち、塗面に水を流したところ、撥
水性が認められた。

実施例　４シリヤスブラックＬの１０％水溶液１８０部に、硫酸亜
鉛（ＺｎＳＯ４・７Ｈ２Ｏ）の１０％水溶液１００部お
よび水１００部を混合し、更にＷＳＰ−１の１０％水溶
液１００部を混合したのち、激しい撹拌によって均質な
水性インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で半紙、タイプ用紙、新聞用
紙などに文字を書き、室温で乾燥した。いずれも、筆跡
の輪郭から染料が滲み出なかった。

実施例　５イルガノ−ルブリリアントブル−ＧＬ（酸性染料）の１
０％水溶液１８０部に、明ばんの５％水溶液２００部を
混合し、更にＷＳＰ−１の１０％水溶液１００部を混合
したのち、激しい撹拌によって均質な水性インキを作成
した。

この水性インキを用いて筆で半紙、新聞用紙、タイプ用
紙などに文字を書き、室温で乾燥した。

いずれも、筆跡の輪郭から染料が滲み出なかった。

実施例　６シリヤスブラックＬの１０％水溶液１８０部に、硫酸第
一鉄の１０％水溶液１００部および水５０部を混合し、
更にセロゲンＷＳＡ（カルボキシメチルセルロ−ズ　第
一工業製薬社製）の４％水溶液２５０部を混合したのち
、激しい撹拌によって均質な水性インキを作成した。

この水性インキを用いて筆で新聞用紙、タイプ用紙など
に文字を書き、室温で乾燥した。いずれも、筆跡の輪郭
から染料が滲み出なかった。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）水溶液において、直接染料または（および）酸性
染料と２価以上の多価金属の水溶性化合物と水溶性重合
体を混合し、機械的に均質な微分散液（または溶液）に
することを特徴とする水性インキの製造方法
（２）水溶性重合体が、主としてカルボキシル基含有重
合体のアルカリ塩から選ばれたものである特許請求の範
囲第１項記載の水性インキの製造方法
（３）水溶性重合体が、炭素数１０以下の一塩基性酸を
主成分とする不飽和カルボン酸６〜３０重量％と、それ以外のラジカル重合性不飽和化合物
９４〜７０重量％からなるカルボキシル基含有共重合体
（Ａ）のアルカリ塩から選ばれたものである特許請求の
範囲第１項記載の水性インキの製造方法
（４）カルボキシル基含有共重合体（Ａ）が〔η〕＝０
．３以下（ジメチルホルムアミドを溶媒として測定した
値）であり、そのアルカリ塩の水溶液が撥水性の乾燥塗
膜を形成するものから選ばれたものである特許請求の範
囲第１項記載の水性インキの製造方法