JPS6221133Y2 - - Google Patents

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JPS6221133Y2
JPS6221133Y2 JP1981167924U JP16792481U JPS6221133Y2 JP S6221133 Y2 JPS6221133 Y2 JP S6221133Y2 JP 1981167924 U JP1981167924 U JP 1981167924U JP 16792481 U JP16792481 U JP 16792481U JP S6221133 Y2 JPS6221133 Y2 JP S6221133Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 この考案はドラムブレーキのシユーリターン装
置に係り、特にU字状のスプリングによつて一対
のシユーを非作用位置へ戻すものに関する。
ドラムブレーキにおけるシユーリターン装置
に、ばね用線材をU字形に湾曲させて成るリター
ンスプリング(以下Uスプリングという)の付勢
力によつて、ドラムに摺接させられた一対のシユ
ーをこれから一定距離離れた非作用位置へ戻すも
のがある。この種のシユーリターン装置は、Uス
プリングの各先端部をU字状本体部を含む平面に
対して略直角に折曲げて一対の脚部とし、この脚
部をシユーウエブに形成した係合用の切欠に係合
させるのであるが、脚部が切欠から離脱すること
を防止することが必要であり、そのために一対の
脚部の互に対向する側に係合溝を設けてこの溝を
シユーウエブの切欠の縁に係合させることが行な
われている。
ところで、かかる装置において、上記係合用の
切欠は一般にプレス打抜き加工によつて形成され
るため、第8図に示すように切欠端面が傾斜する
ことを避け得ず、その結果他より突出した部分1
00が生じ、この突部100が係合溝の底面10
2に突き当つて同溝底面とシユーウエブの切欠部
端面との全面的な接触を妨げ、両者の係合が点接
触に近い状態となるのである。このためUスプリ
ングの本体部の姿勢が不安定となつて車両走行中
の振動により異音を発生させたり、他部材と干渉
したりする不具合を生じる。そのため、かかる形
式のシユーリターン装置においては、Uスプリン
グの略中間位置を保持して同スプリングの姿勢を
安定化する保持装置がシユーウエブやアンカに設
けられるが、この場合、部品点数及び組付け作業
の工数がその分だけ増加する他、ブレーキシユー
の摩耗に伴うUスプリングの変位によつて保持装
置が無理な変形を強いられ、またこの保持装置に
よつてUスプリングの自然な動きが阻害されて一
対のブレーキシユーに付与される付勢力の大きさ
及びその方向が不均一となり、引きずりの原因と
なる不都合があつた。
本考案は、Uスプリングとシユーウエブとを安
定な状態で係合させ得て上記保持装置を省略し得
るシユーリターン装置を提供することを目的とし
て為されたものである。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体的
に説明する。
第1図はデユオサーボ型のドラムブレーキを示
しており、車輪とともに回転するブレーキドラム
10はドラムブレーキの内部構造を示すために取
除かれ、その位置が2点鎖線にて示されている。
図示しない非回転部材に固定されたバツキングプ
レート12には半月形状を有する一対のブレーキ
シユー14,16がシユーホールドダウン18,
20によつて一定の押圧力を加えられつつ摺動可
能に保持されている。ブレーキシユー14,16
は、夫々円弧状のシユーウエブ22,24と、シ
ユーウエブ22,24の外周縁に固定されたシユ
ーリム26,28と、シユーリム26,28の外
面に固着されたライニング30,32とから成
り、その各一端がアジヤステイングホイール34
を含むリンク36によつて相互に連結されてい
る。一方、その各他端はバツキングプレート12
に固定されたホイールシリンダ38から互に反対
方向に突き出すピストン40,42に当接させら
れ、同ピストン40,42がシリンダ38から押
出されるとき、これとともに移動してドラム10
の内周面に押付けられ、以てドラム10の回転が
抑制されるようになつている。
シユーウエブ22,24のリンク36側端部に
は同端部を互に接近する方向に付勢するコイルス
プリング44が張設され、またホイールシリンダ
38側端部にはシユー14,16を互に接近させ
る方向に付勢するUスプリング46が掛け渡され
ている。尚、48はパーキングレバー49と係合
してシユー14,16を作動させるリンクであ
る。
Uスプリング46は、ブレーキ作用時にドラム
10に摺接させられた一対のシユー14,16を
非作用位置へと戻す作用を為すもので、ばね用線
材が略U字状に湾曲成形されて成り、その各先端
部(図中上端部)は第2図に示すようにU字を含
む平面に対して略直角に折曲げられてシユーウエ
ブ22,24に形成された切欠50,52に係合
する脚部54,56とされている。一方の脚部5
4の他方の脚部56に対向する側には、第3図に
示すように、脚部54の軸線に対して直角な方向
(シユーウエブ22に沿つた方向)に延びる係合
溝58が形成され、この溝58はその断面が開口
において巾の広い等脚台形状として形成されてい
る。そして上記シユーウエブ22は切欠50の縁
部においてこの係合溝58の内部に突入してその
表面側及び裏面側の各端縁が同溝58の等長且つ
等傾斜度の傾斜面60,62と接触している。こ
れら傾斜面60,62はUスプリング46がシユ
ーウエブ22に与える付勢力の作用線Lに対して
鋭角をなしている。尚、Uスプリング46の他方
の脚部56にも同じく係合溝が形成されている
が、その形状、作用は上記一方のそれと同じであ
るので図示及び詳しい説明は省略し、以下一方の
係合溝58の作用を中心として説明する。
係合溝58がこのような形状で形成されたUス
プリング46を用いれば、シユーウエブ22の切
欠を打抜形成する際に、表側或いは裏面側の一方
の端縁にかえり63が生じ、または切欠端面が傾
斜しても、Uスプリング46を組付ける際に脚部
54の係合溝58がシユーウエブ22の表面側或
いは裏面側に僅かにずれるのみで、シユーウエブ
22における切欠50両端縁が係合溝58の2つ
の傾斜面60,62に確実に接触係合する。この
結果Uスプリング46の脚部54は自身の軸線方
向に離れた2つの部分においてシユーウエブ22
に接触することとなる。しかも、本実施例におい
ては、切欠50の縁が湾曲させられているため、
脚部54は自身の円周方向についても一定距離離
れた2つの部分でシユーウエブ22に接触するこ
ととなる。従つて切欠50と係合溝58が予定通
りの形状寸法に形成されておれば4点、最悪の場
合でも2点において脚部54とシユーウエブ22
とが係合することとなる。
ところで、シユーウエブ22のUスプリング4
6に対する係合部分は、同スプリング46の動き
を規制する部分となるものであり、そして本装置
においては切欠50の表裏両側の端縁部がスプリ
ング付勢力の作用線Lを挾む両側において作用線
Lと鋭角をなす係合溝58の2つの傾斜面60,
62に係合させられることによつて、Uスプリン
グ46がブレーキシユー14,16との係合部を
中心としてUスプリング46の中間部(第1図中
下部)がバツキングプレート12と接近離隔する
方向において揺動することを妨げ、その姿勢を拘
束する作用を為している。何故なら、Uスプリン
グ46が揺動するためには、係合溝58の傾斜面
60,62と切欠50の端縁との間に生ずる摩擦
抵抗に打勝つて脚部54がシユーウエブ22に対
して相対移動しなければならず、且つそのために
はUスプリング46が比較的強い弾性力に抗して
拡げられなければならないことからである。この
ためUスプリング46は車両走行時において係合
部のずれに基づく揺動が抑制されて安定した姿勢
で保持され、前述した保持装置の省略が可能とな
る。
尚、ライニング30,32は重なるブレーキ作
用によつて漸次摩耗し、これによつてシユー1
4,16の非作用位置もアジヤステイングホイー
ル34等の作用によつて次第に変化するが、上記
装置はUスプリングを保持する装置を要しないた
めに、シユー14,16の非作用位置の変化に伴
うUスプリング46とシユー14,16との相対
変位によつて保持装置に無理な変形を強いられた
り、この保持装置によつてUスプリング46及び
ブレーキシユー14,16の自然な動きが阻害さ
れて引きずりが発生したりすることのない利点を
有している。
次に、第4図、第5図は本考案の他の実施例を
示したものであり、この実施例ではスプリング脚
部64に設けられた係合溝66は、シユーウエブ
68の切欠70の湾曲した端面に沿つて脚部64
の円周方向に切欠70の端面より大きい曲率半径
で湾曲して形成されるとともに、その軸心方向に
半円状を成すように形成され、シユーウエブ68
の切欠70の縁部はこの係合溝66の内部に突入
して表裏両端縁部がこれの傾斜した側壁面に係合
させられるようになつている。即ち、本実施例に
おいても係合溝66と係合切欠70とはスプリン
グ付勢力の作用線の両側において最高4点、少な
くとも2点で係合し、これによつて前記実施例に
おけると同様の効果を生ぜしめる。しかも係合溝
66が浅くて済むため、溝の形成が容易であり、
かつ溝の形成による脚部64の強度低下が少なく
抑えられる利点が生ずる。
尚、係合溝、係合切欠はその他種々の形状が可
能であり、第6図はその例として係合切欠72を
矩形状に形成するとともに、係合溝74を切欠7
2の端面に沿つて直線状に、且つ脚部76の軸心
方向に対しては半円状を成すように形成した例を
示している。係合切欠72の縁部と係合溝74の
傾斜面とがほぼ線接触するため接触部の摩耗が軽
減される利点が生ずる。
また、第7図は切欠78の端面が切欠の底部側
から開口側に向つて互に離間するように傾斜した
傾斜面80,82を含む凹面状に形成され、その
凹部内にスプリング脚部84が突入させられて、
断面が半円状の係合溝85が切欠78に係合させ
られた例を示している。
これらいずれの実施例においてもスプリング脚
部とシユーウエブとの係合はスプリング付勢力の
作用線を挾む少なくとも2個所で為されており、
それによつてUスプリングの揺動が抑制される。
尚、上記実施例は、本考案をデユオサーボ型の
ドラムブレーキに適用した例を示すものである
が、本考案はリーデイング・トレーリング型等他
の型式のドラムブレーキにも適用可能であり、ま
た本考案の趣旨を逸脱しない範囲において種々な
る変形を施した態様で実施し得る。
以上詳記したように、本考案に係るシユーリタ
ーン装置は、一本のばね用線材をU字状に湾曲さ
せるとともに、該U字の先端部を該U字を含む平
面にほぼ直角に曲げて一対の脚部を形成し、かつ
該脚部の互いに対向する部分に該脚部の軸線に直
角な方向の係合溝をそれぞれ形成して成るシユー
リターンスプリングを、ドラムブレーキの一対の
ブレーキシユーを各ウエブに形成した係合切欠に
前記係合溝を係合させることによつて取付け、該
一対のブレーキシユーをドラム内面から離れる方
向に付勢するシユーリターン装置において、前記
係合溝および前記係合切欠の少なくとも一方に、
前記シユーリターンスプリングの付勢力の作用線
の両側において該作用線に対してそれぞれ鋭角を
成した状態で互いに対向し且つ相手の係合溝又は
係合切欠と該対向方向において所定距離隔たつた
少なくとも2点で互いに係合する一対の傾斜面を
設けたことを特徴とするものである。
かかる装置はUスプリングのブレーキシユーと
の係合部を中心とする揺動が係合部自身の作用で
抑制されるため、保持装置を別途設ける必要がな
く、これによつて部品点数、作業工数の削減を可
能とするとともに、ブレーキシユーの円滑な作動
を妨げず、引きずりの発生を防止するなど優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例を含むドラムブレーキ
の正面図、第2図は第1図におけるUスプリング
とシユーウエブとの係合状態を示す側面図、第3
図は第2図におけるUスプリングの係合溝を示す
要部断面図、第4図は第3図に示す係合溝を他の
態様で形成した例を示す要部断面図、第5図は第
4図に示す係合溝と係合切欠との係合状態を示す
斜視図、第6図は同じく係合溝と係合切欠とを他
の態様で係合させた例を示す斜視図、第7図は係
合溝と係合切欠とを更に他の態様で係合させた例
を示す要部断面図、第8図は従来の係合溝と係合
切欠との係合状態を示す断面図である。 10:ブレーキドラム、14,16:ブレーキ
シユー、22,24,68:シユーウエブ、4
6:U字状シユーリターンスプリング、50,5
2,70,72,78:係合切欠、54,56,
64,76,84:脚部、58,66,74,8
5:係合溝、60,62,80,82:傾斜面。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一本のばね用線材をU字形に湾曲させるとと
    もに、該U字の先端部を該U字を含む平面にほ
    ぼ直角に曲げて一対の脚部を形成し、かつ該脚
    部の互いに対向する部分に該脚部の軸線に直角
    な方向の係合溝をそれぞれ形成して成るシユー
    リターンスプリングを、ドラムブレーキの一対
    のブレーキシユーの各ウエブに形成した係合切
    欠に前記係合溝を係合させることによつて取付
    け、該一対のブレーキシユーをドラム内周面か
    ら離れる方向に付勢するシユーリターン装置に
    おいて、 前記係合溝および前記係合切欠の少なくとも
    一方に、前記シユーリターンスプリングの付勢
    力の作用線の両側において該作用線に対してそ
    れぞれ鋭角を成した状態で互いに対向し且つ相
    手の係合溝又は係合切欠と該対向方向において
    所定距離隔たつた少なくとも2点で互いに係合
    する一対の傾斜面を設けたことを特徴とするド
    ラムブレーキにおけるシユーリターン装置。 (2) 前記係合溝が該溝の底部から開口側に向かつ
    て幅が広くなる形状の溝であつて、該係合溝の
    傾斜した両側壁面が前記傾斜面として前記係合
    切欠のウエブ表側の縁とウエブ裏側の縁とにそ
    れぞれ係合させられたものであり、前記脚部が
    自身の軸線方向に所定距離隔たつた少なくとも
    2点で前記ウエブに係合させられたものである
    実用新案登録請求の範囲第1項に記載のドラム
    ブレーキにおけるシユーリターン装置。
JP16792481U 1981-11-11 1981-11-11 ドラムブレ−キにおけるシユ−リタ−ン装置 Granted JPS5872538U (ja)

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JPS5872538U JPS5872538U (ja) 1983-05-17
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4486283B2 (ja) * 2001-08-02 2010-06-23 豊生ブレーキ工業株式会社 デュアルモードドラムブレーキ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS545171A (en) * 1977-06-13 1979-01-16 Toyota Motor Corp Drum break for automobile

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS545171A (en) * 1977-06-13 1979-01-16 Toyota Motor Corp Drum break for automobile

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