JPS6220440Y2

JPS6220440Y2 -

Info

Publication number: JPS6220440Y2
Application number: JP1984121376U
Authority: JP
Priority date: 1984-08-09
Filing date: 1984-08-09
Publication date: 1987-05-25
Also published as: JPS6139148U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はスラブ等の鋼材を所望の温度に加熱す
るための下部装入式誘導加熱装置の改良に関する
ものである。

（従来の技術）連続鋳造したスラブ等の鋼材を熱間圧延工程に
送る場合に、予め所要温度に加熱する必要がある
が、この加熱には誘導加熱炉が用いられる。この
誘導加熱炉には、例えば連続鋳造設備から直接鋳
造された鋼材の温度差あるいは燃料燃焼炉から抽
出された鋼材の上下面の温度差によつて、いわゆ
る初期温度分布が生じやすい。

従来、誘導加熱炉においては、この初期温度分
布があつた場合には、鋼材温度を均一に焼き上げ
るために、長時間の在炉時間をとつて、均一化を
図つていた。

（考案が解決しようとする問題点）しかしながら、初期温度分布のある状態で誘導
加熱炉に鋼材を装入して加熱すると、鋼材の初期
温度のまま昇温し、鋼材が均一に焼き上がらず、
材質上問題が発生し、また偏平鋼材（スラブ）の
ような場合においては、スラブの上下面に著しい
温度差があつたときには、特に上面の温度が低け
れば圧延途中スラブは上反りし、また反対に下面
が上面より低ければ鋼材は下反りを起こし、圧延
ミス等の原因となる。また長時間の在炉は、熱経
済上および生産性，品質上問題がある。

本考案は上述したような問題点を解決し、炉内
で鋼材温度分布を簡単に解消することができる誘
導加熱装置を提供することを目的とするものであ
る。

（問題点を解決するための手段，作用）本考案は前述した如き問題点を解決する誘導加
熱装置として、側面および天井部を断熱材にて構
成した炉本体と、被加熱部材を取りまくように巻
かれた誘導加熱コイルと、被加熱部材を載置して
前記炉本体の下部に対し装入・離脱自在にした昇
降可能な鋼材置台とを有する誘導加熱装置におい
て、前記鋼材置台を、炉本体の長手方向およびこ
れに交差する方向に水平移動可能な如く駆動装置
に連設した構成を採用する。

本考案は上記の鋼材置台を適宜移動することに
より、鋼材と加熱コイルとの距離を調整し、鋼材
の不均一温度分布を解消すると共に、場合によつ
ては所望の温度偏差を鋼材に付与することができ
るものである。

（実施例）以下に本考案の一実施例について図面にもとず
いて説明する。

第１図は本考案に係る竪型誘導加熱炉の一例を
示す正面断面図、第２図はその側面断面図であ
る。図示するように竪型誘導加熱炉本体１０は、
その側面および天井部を耐火断熱材（例えば耐火
レンガ）によつて形成した炉壁部５から構成さ
れ、該炉壁部５の側面外壁にそつて加熱コイル４
が巻着されている。該炉本体の下部は、昇降装置
８によつて保持される昇降架台７上に乗載する鋼
材置台６が設けられ、被加熱材となるスラブ３は
この鋼材置台６によつてその長尺側面の一方を下
にした姿勢で載置され、炉内に装入され加熱され
る。なお、９は炉本体上部に設けた炉体シールで
ある。

上記の誘導加熱炉において、前記鋼材置台６
は、それを乗せた架台７に対し炉本体の長手方向
（鋼材厚み方向）およびその交差方向（鋼材長さ
方向）に移動自在に構成されている。すなわち、
鋼材置台６の下面には車輪又はコロ等が設けら
れ、また鋼材置台６には架台７に設置した二つの
シリンダ、即ち鋼材厚み方向移動シリンダ１およ
び鋼材長さ方向移動シリンダ２が夫々連設されて
いる。これらシリンダは複数個設置することが好
ましく、また互いに一方のシリンダの駆動が他方
に影響しないように、シリンダと架台あるいはシ
リンダと鋼材置台とは接続されている。

本考案の誘導加熱装置にて鋼材を加熱するに際
し、まず鋼材の初期温度分布を炉前又は炉内で表
面放射温度計あるいは表面接触式の温度計によつ
て把握し、その温度差に応じて鋼材置台６の位置
をシリンダ１又は２を駆動することにより調整
し、鋼材の温度差を短時間で解消して焼き上げる
ことができる。また、場合によつては後続する工
程での要求により誘導加熱炉において故意に鋼材
に温度偏差を付して送り出すこともあり得るの
で、このような場合にも本考案の装置を利用でき
る。

（考案の効果）以上の如く、本考案の誘導加熱装置によつて、
従来のこの種の炉において最大の欠点であつた鋼
材の初期温度分布を誘導加熱炉にて解消すること
が可能となり、鋼材の材質確保が一段と向上し、
熱間圧延工程における上反り，下反り等により発
生していた圧延ミス材が皆無となつた。さらに、
均熱状態を確保するために要した長時間の均熱も
必要なくなり、熱経済的にも非常に省エネルギー
化を図ることが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の誘導加熱装置の一実施例を示
す断面図、第２図は第１図の側面断面図である。１，２……移動シリンダー、３……鋼材、４…
…加熱コイル、５……炉壁、６……鋼材置台、７
……昇降架台、８……昇降装置、９……炉体シー
ル、１０……誘導加熱炉本体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

側面および天井部を断熱材にて構成した炉本体
と、被加熱部材を取りまくように巻かれた誘導加
熱コイルと、被加熱部材を載置して前記炉本体の
下部に対し装入・離脱自在にした昇降可能な鋼材
置台とを有する誘導加熱装置において、前記鋼材
置台を、炉本体の長手方向およびこれに交差する
方向に水平移動可能な如く駆動装置に連設したこ
とを特徴とする誘導加熱装置。