JPS6219957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば冷凍機器用配管の耐圧テスト
等に用いるパイプ端面のシールキヤツプに関する
ものである。

（従来の技術とその問題点） 一般に冷凍機器、空調機器の生産或いはメンテ
ナンス工程において、各種のパイプ接続作業を行
なうのが通常であり、特にこの作業時にパイプの
開口端部をキヤツプで密封してパイプの耐圧テス
ト、漏洩テスト又はガス充填に際して行なわれる
真空引き等が行なわれている。

このようなキヤツプは、パイプへの着脱が迅速
かつ確実であることはもとより気密性に優れ、し
かも耐久性を有していることが要求されている。

本考案は、上記の必要条件を満足するパイプ端
面のシールキヤツプを提供することを目的とした
もので、具体的には、キヤツプとレバを片手で同
時に把持し、１回のレバ操作でパイプへの着脱を
迅速にかつ確実に行ない、パイプ装着時に流体が
漏洩することなくシール性能を有し、しかもキヤ
ツプの構造を簡略化して長期間使用しても摩耗に
よる損傷を防止でき、耐久性に富むことを目的と
したものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案は、端部を
密封したキヤツプ本体内にシール環を嵌装し、こ
のシール環にパイプ端面をシールするための環状
のパツキンを装着し、このパツキンをシール環に
設けた圧縮ばねでパイプ挿入側に弾発させると共
に、上記シール環に対向させて設けた環状のチヤ
ツクの周縁をキヤツプ本体内に固着し、このチヤ
ツクには、複数個の挟着爪を求心方向に向けて設
け、この挟着爪は、キヤツプ本体の開口側より挿
入したスライドパイプの内端部とキヤツプ本体内
に装着したばねで挟持され、基部をキヤツプ本体
の開口側端部に支持したレバの長孔をスライドパ
イプの外端部に嵌合係止し、このレバの自由端を
キヤツプ本体の軸心方向外周に導いて設け、レバ
の押圧操作で挟着爪を押し拡げ、かつ、ばねの弾
発力で挟着爪を挿入パイプの外周に挟着するよう
に構成した。

（作用） 配管の耐圧テスト等をする場合、まずキヤツプ
本体を把持した手でレバを押圧操作すると、レバ
の一部は支持ピンを支点としてスライドパイプを
押圧するので、スライドパイプはキヤツプ本体内
にスライドし、チヤツクを押圧して挟着爪を押し
拡げるとともにチヤツクホルダを介して圧縮ばね
を圧縮せしめる。この状態で、パイプをスライド
パイプに挿入し、パイプの先端がパツキンに当接
するまで差込んだ後に、把持していたレバを手よ
り離すと、スライドパイプは押圧力を開放されて
圧縮していた圧縮ばねの弾発力で復元するととも
に前記の圧縮ばねにより挟着爪の先端が求心方向
に沿つて復帰するので、挟着爪はパイプの外周に
食込むように挟着する。このようにして、パイプ
にキヤツプが嵌められると、パイプ端面に密着し
ているパツキンで完全に気密性が保持されると同
時に圧縮ばねの復元力で一方ではパツキンがパイ
プの端面に確実に密着してシールし、他方ではチ
ヤツクの食込力を増大させパイプの挟着力を高め
ることになる。

（実施例） 本考案におけるパイプ端面のシールキヤツプの
実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、本考案の一実施例を示す図であり、
１はキヤツプ本体であつて、このキヤツプ本体１
は外筒２の一端に密閉筒３を螺着することにより
形成されている。

４は密閉筒３の内部にＯリング５を介して嵌装
したシール環であつて、このシール環４には、パ
イプ６の端面をシールするためのパツキン７が装
着されている。このパツキン７は、一端を密閉筒
３内に他端をシール環４に取付けた圧縮ばね８に
よつてパイプ６のシール方向にその弾発力で押圧
されている。

９はシール環４に対向させて設けた環状のチヤ
ツクであつて、このチヤツク９には先端が求心方
向に向つた複数個の嵌着爪１０を有し、かつこの
挟着爪１０はパイプ６のシール方向に折曲して板
ばね状に形成され、しかもチヤツク９は、その周
縁を外筒２の段部と外筒２に嵌挿した支持筒１１
とによつて挟着されている。

更に、チヤツク９の両側面は、チヤツクホルダ
１４を介在した圧縮ばね１２とスライドパイプ１
３とで挟持され、この圧縮ばね１２は一端を支持
筒１１に他端をチヤツクホルダ１４に取付けてキ
ヤツプ本体１の内部方向からチヤツク９の挟着爪
１０を押圧し、パイプ６の装着時にこの挟着爪１
０がパイプ６の外周を食込む如く挟着するように
設けられている。スライドパイプ１３は、キヤツ
プ本体１の開口位置に設けられ、このスライドパ
イプ１３の内端側は、少なくとも挟着爪１０の先
端部よりに当接するように設けられている。

１５はレバであつて、このレバ１５は、その基
部をキヤツプ本体１に螺着した頭部１６を有する
支持ピン１７に遊合支持され、かつレバ１５の自
由端をキヤツプ本体１の軸線方向外周に導いて略
く字形状に形成するとともに、レバ１５の一部に
あけた長孔１８をスライドパイプ１３の外端側近
傍に嵌合係止している。

１９はスライドパイプ１３にあけたパイプ挿入
孔、２０はスライドパイプ１３の段部に取付けた
ストツプリング、２１は支持筒１１の内周にパイ
プ６の外径に応じて形成した支持孔である。

次に上記実施例の作用を説明する。

例えば、空調機器における配管の耐圧テストを
する場合、まずキヤツプ本体１を把持した手でレ
バ１５を第１図の矢印に示す方向に押圧し、同図
の鎖線の位置まで操作すると、レバ１５の一部は
支持ピン１７を支点としてスライドパイプ１３を
押圧するので、スライドパイプ１３はキヤツプ本
体１内にスライドし、チヤツク９を押圧して挟着
爪１０を押し拡げるとともにチヤツクホルダ１４
を介して圧縮ばね１２を圧縮せしめる。

この状態で、パイプ６をパイプ挿入孔１９より
挿入し、第１図に示すようにパイプ６の先端がパ
ツキン７に当接するまで差込んだ後に、把持して
いたレバ１５を手より離すと、スライドパイプ１
３は押圧力を開放されて圧縮していた圧縮ばね１
２の弾発力で第１図に示す状態に復元するととも
に前記の圧縮ばね１２により挟着爪１０の先端が
求心方向に沿つて復帰するので、挟着爪１０はパ
イプ６の外周に食込むように挟着する。

このようにして、パイプ６にキヤツプが嵌めら
れると、パイプ端面に密着しているパツキン７で
完全に気密性が保持されると同時に圧縮ばね８の
復元力で一方ではパツキン７がパイプ６の端面に
確実に密着してシールし、他方ではチヤツク９の
食込力を増大させパイプ６の挟着力を高めること
になる。

（考案の効果） 従つて、本考案によれば、挟着爪の押し開き復
元力でパイプを確実に挟着でき、かつキヤツプを
握るだけでレバを操作できるので、キヤツプはパ
イプに迅速かつ確実に装着でき、極めて作業性が
良好であり、しかもパイプの装着と同時にパイプ
の端面が完全にシールされるとともに、高い流体
圧がかかつても挟着爪を有するチヤツクを設けた
から、パイプが抜け出すおそれが全くないので、
冷凍機器、空調機器の生産やメンテナンス工程に
おけるパイプの耐圧テスト等に最適なキヤツプを
提供することができる。

更に、本考案は構造が簡素化され部品点数が少
ないので、安価に量産でき得るばかりでなく摩耗
よる損傷がなく長期間の使用に耐え、耐久性に富
んだキヤツプを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は本考案の一部切欠き側面図、第２図は同上の
正面図、第３図は本考案におけるチヤツクの拡大
正面図、第４図は第３図の側面図である。 １……キヤツプ本体、４……シール環、６……
パイプ、８……ばね（圧縮ばね）、９……チヤツ
ク、１０……挟着爪、１２……ばね（圧縮ば
ね）、１３……スライドパイプ、１５……レバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端部を密封したキヤツプ本体内にシール環を嵌
   装し、このシール環にパイプ端面をシールするた
   めの環状のパツキンを装着し、このパツキンをシ
   ール環に設けた圧縮ばねでパイプ挿入側に弾発さ
   せると共に、上記シール環に対向させて設けた環
   状のチヤツクの周縁をキヤツプ本体内に固着し、
   このチヤツクには、複数個の挟着爪を求心方向に
   向けて設け、この挟着爪は、キヤツプ本体の開口
   側より挿入したスライドパイプの内端部とキヤツ
   プ本体内に装着したばねで挟持され、更に、基部
   をキヤツプ本体の開口側端部に支持したレバの長
   孔をスライドパイプの外端部に嵌合係止し、この
   レバの自由端をキヤツプ本体の軸心方向外周に導
   いて設け、このレバの押圧操作で挟着爪を押し拡
   げ、かつ、ばねの弾発力で挟着爪を挿入パイプの
   外周に挟着するように構成したことを特徴とする
   パイプ端面のシールキヤツプ。