JPS6219394B2 - - Google Patents
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- JPS6219394B2 JPS6219394B2 JP55033539A JP3353980A JPS6219394B2 JP S6219394 B2 JPS6219394 B2 JP S6219394B2 JP 55033539 A JP55033539 A JP 55033539A JP 3353980 A JP3353980 A JP 3353980A JP S6219394 B2 JPS6219394 B2 JP S6219394B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
この発明は、高硬度、並びにすぐれた耐摩耗
性、靭性、および耐食性を有し、特にこれらの特
性が要求される高硬度鋼やNi基あるいはCo基ス
ーパーアロイなどの切削用工具や、さらには軸受
や線引ダイスなどの耐摩耗工具などの製造に使用
した場合にすぐれた性能を発揮する超高圧焼結硬
質材料に関するものである。 従来より、この種の切削工具や耐摩耗工具の製
造には炭化タングステン(以下WCで示す)基超
硬材料が、比較的すぐれた靭性をもつことから広
く使用されてきているが、前記WC基超硬材料は
耐摩耗性が十分でないため、増々苛酷になりつつ
ある最近の使用環境下では、十分に満足する性能
を発揮し得ず、かかる点から、よりすぐれた工具
用材料の開発が望まれている。 最近、かかる要望に即した工具用材料として、
立方晶窒化硼素(以下c―BNで示す)焼結材料
や、これに少量のAlおよび鉄族金属を含有させ
たc―BN基焼結材料が提案され、市販されてい
るが、前者の材料はすぐれた耐摩耗性を有するも
のの、靭性の点で問題があり、また後者の材料は
比較的低温では良好な靭性および耐摩耗性を示す
ものの、これを高熱発生を伴なう条件下で使用す
ると、著しい耐摩耗性劣化をきたすなど、いずれ
も満足する特性を備えた材料ではないのが現状で
ある。これら従来焼結材料における特性不足の原
因は、c―BN粒子と添加含有粒子間での熱膨脹
係数の差が大きすぎることによる残留歪、さらに
異種粒子間における著しい濃度変化による焼結性
の低下、ひいては粒子界面強度の低下にあるもの
と思われる。 この発明は、上述のような要望に即した工具用
焼結材料、すなわちすぐれた靭性と耐摩耗性を兼
ね備え、かつ切削用工具や耐摩耗性工具などの製
造に使用した場合に、これら工具がすぐれた性能
を発揮するようになる焼結材料を提供するもの
で、 c―BN:10〜80%、 ダイヤモンド:5〜60%、 周期律表の4aおよび5a族金属の炭化物、窒化
物、および炭窒化物、並びに同6a族金属の炭化物
からなる群(以下これらを総称して金属の炭・窒
化物という)のうちの1種または2種以上:5〜
60%、 立方晶炭窒化硼素(以下c―B(CN)で示
す)および不可避不純物:残り、 (以下容量%、以下%はすべて容量%を意味す
る)からなる組成を有する超高圧焼結硬質材料に
特徴を有するものである。 つぎに、この発明の超高圧焼結硬質材料におい
て、成分組成範囲を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (a) c―BN c―BN成分は、温度:1200℃以上、圧力:
40Kb(キロバール)以上、望ましくは温度:
1800℃以上、圧力:60Kb以上の条件で合成さ
れるもので、ダイヤモンドに次ぐ高硬度(ビツ
カース硬さ:6000〜7000Kg/mm2)を有し、かつ
常温から約1000℃以上の高温まで高い硬さを維
持するなどダイヤモンドより安した高温特性を
もち、さらに例えば被削材としての鉄族金属を
反応しにくい性質をもつことから、このc―
BN成分を含有するこの発明の硬質材料はすぐ
れた耐摩耗性を具備するようになるのである
が、その含有量が10%未満では、c―BNのも
つ特性を硬質材料に十分に付与することができ
ず、一方80%を越えた含有は、他の含有成分の
含有量を相対的に低くし、これらの含有成分に
よつてもたらされる特性改善効果が十分でなく
なることから、その含有量を10〜80%と定め
た。 (b) ダイヤモンド ダイヤモンドは、周知のようにモース硬さ:
10、ヌープ硬さ:8000Kg/mm2以上の現存する物
質中最も高い硬さを有し、かつ焼結時に、c―
BN粉末およびc―B(CN)粉末の表面に付着
している酸素分と反応してこれを還元除去し、
もつてその粉末表面を活性化して焼結性を向上
させると共に、c―BN粉末の表面部分におい
て、これの構成成分であるBおよびNと反応し
て、より活性なc―B(CN)を形成し、もつ
て粒子相互間の結合強度を向上させる作用をも
つが、その含有量が5%未満では、前記作用が
不十分であると共に、ダイヤモンドのもつ高硬
度を材料に付与することができず、一方60%を
越えて含有させると、ダイヤモンド粒子相互間
の接触度合が大きくなり、粒子間の結合強度が
低下するようになつて、所望のすぐれた靭性を
確保することができなくなることから、その含
有量を5〜60%と定めた。 (c) 金属の炭・窒化物 これらの成分には、焼結時に粒界拡散を促進
させて強固な粒子間結合を形成すると共に、そ
れ自体が焼結性にすぐれたものであるため、緻
密な組織を形成して靭性を向上させる均等的作
用があるほか、それ自身も高融点および高硬度
を有し、かつ高温における耐酸化性にもすぐれ
た成分であるが、その含有量が5%未満では、
前記作用に所望の効果が得られないばかりでな
く、それ自体のもつ特性を材料に十分付与する
ことができず、一方60%を越えて含有させる
と、相対的に他の成分の含有量が少なくなりす
ぎて所望の特性を確保することができなくなる
ことから、その含有量を5〜60%と定めた。 (d) 不可避不純物 不可避不純物は、c―BNおよびc―B
(CN)合成時に混合される少量の鉄族金属や、
焼結材料製造に際して原料粉末の混合時に混合
容器などから混入する鉄族金属やWCなどから
構成されるものであるが、これらの不可避不純
物は5%まで含有しても焼結材料の特性に何ら
の悪影響も及ぼさないので、5%までの含有は
許容される。しかし5%を越えて含有するよう
になると焼結材料の特性劣化は避けることがで
きなくなるので、その上限値を5%とするのが
望ましい。 (e) c―B(CN) c―B(CN)は、結晶構造が六方晶系ある
いは無定形のB(CN)粉末(以下化学式:
BxCyNzで表わす)を、少量の鉄族金属と混合
した状態で、焼結用金属製容器内に封入し、公
知の超高圧高温発生装置を用いて、温度:1200
℃以上、圧力:40Kb以上、望ましくは温度:
1500℃以上、圧力:70Kb以上の条件で所定時
間保持し、これを立方晶結晶構造に変換合成す
ることによつて製造されるもので、高硬度を有
し、かつ化学的に安定な性質をもつものであ
る。 また、この発明の硬質材料は、c―BN粉末
と、ダイヤモンド粉末と、金属の炭・窒化物粉
末のうちの1種または2種以上と、c―B
(CN)粉末とを、所定の割合に配合し、長時間
混合して均質な混合粉末とした後、前記混合粉
末を通常の条件で圧粉体に成形するか、あるい
はこれを一旦金属製容器内に入れて、800〜
1200℃の適当な温度で脱ガスして封入するか
し、ついで前記圧粉体あるいは密封容器を、例
えば特公昭38−14号公報に記載されるような超
高圧高温発生装置に装入し、圧力:40Kb以
上、温度:1200℃以上の超高圧高温条件下に約
5分以上保持した後、冷却し、圧力開放のプロ
セスによつて製造することができる。 ついで、この発明の超高圧焼結材料を実施例に
より比較例と対比しながら説明する。 実施例 1 まず、原料粉末としてのc―B(CN)粉末を
調製する目的で、無定形のB0.35C0.32N0.33粉
末:90%、Ni粉末:10%からなる混合粉末をTa
製容器内に密封し、公知の超高圧高温発生装置に
装入し、圧力:80Kb、温度:1600℃の条件で20
分間保持した後、冷却して圧力を解放し、取出
し、酸洗し、引続いて比重差を利用した分離法に
て分離することによりc―B(C0.95N)粉末を
製造した。 ついで、この結果得られたc―B(C0.95N)
粉末:50%、市販のc―BN粉末:30%、ダイヤ
モンド粉末:10%、TiN粉末:10%からなる配合
粉末を、ボールミル中で48時間湿式混合し、混合
組成が、c―B(C0.95N)粉末:49.5%、c―
BN粉末:29.5%、ダイヤモンド粉末:9.5%、
TiN粉末:9.5%、鉄族金属:0.5%、および
WC:1.5%からなる混合粉末を得た。なお、この
混合粉末における鉄族金属およびWCは混合中に
混合容器などから混入したものである。 つぎに、上記混合粉末を、外径12mmφのステン
レス鋼製容器に詰め、圧力:10-4torrの真空中、
温度:1100℃に15分間保持して脱気した後、密封
し、引続いて公知の超高圧高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:45Kb、最高加熱温度:1450
℃の条件に30分間保持した後、冷却し、圧力を解
放することによつて、実質的に上記混合組成と同
一の最終成分組成をもつた本発明硬質材料を製造
した。 また、比較の目的で、原料粉末を、それぞれ上
記c―B(C0.95N)粉末だけ、あるいは上記c
―BN粉末だけで構成する以外は、上記本発明硬
質材料の製造条件と同一の条件にて、比較B(C
0.95N)材料および比較BN材料をそれぞれ製造し
た。 引続いて、上記本発明硬質材料、比較B(C0.
95N)材料、および比較BN材料について、被削
材:SNCM―8(硬さHRC:52)、切削速度:
100m/min、送り:0.10mm/rev.、切込み:0.5mm
の条件で切削試験を行ない、その使用寿命に到る
までの切削時間を測定した。この結果、比較B
(C0.95N)材料は150分、比較BN材料は100分の
寿命時間しか示さなかつたのに対して、本発明硬
質材料は、すぐれた靭性および耐摩耗性を具備す
ることから、330分のきわめて長い寿命時間を示
し、すぐれた切削性能を発揮するものであつた。 実施例 2 公知の超高圧高温発生装置を用い、無定形のB
(CN)粉末より、圧力:70〜80Kb、温度:1500
〜1700℃の条件にて、c―B(C0.12N)粉末、
c―B(C0.5N)粉末、c―B(C2.0N)粉
末、およびc―B(C4.5N)粉末をそれぞれ製
造した。 ついで、この結果得られた4種のc―B
(CzN)粉末、いずれも市販のc―BN粉末、ダイ
ヤモンド粉末、および各種組成の金属の炭・窒化
粉粉末を原料粉末として用い、これら原料粉末を
第1表に示される最終成分組成をもつように配合
すると共に、公知の超高圧高温発生装置における
最高加熱温度を1500℃とする以外は、実施例1に
おける本発明硬質材料の製造条件と同一の条件に
て本発明硬質材料a〜pおよび比較硬質材料a〜
fをそれぞれ製造した。
性、靭性、および耐食性を有し、特にこれらの特
性が要求される高硬度鋼やNi基あるいはCo基ス
ーパーアロイなどの切削用工具や、さらには軸受
や線引ダイスなどの耐摩耗工具などの製造に使用
した場合にすぐれた性能を発揮する超高圧焼結硬
質材料に関するものである。 従来より、この種の切削工具や耐摩耗工具の製
造には炭化タングステン(以下WCで示す)基超
硬材料が、比較的すぐれた靭性をもつことから広
く使用されてきているが、前記WC基超硬材料は
耐摩耗性が十分でないため、増々苛酷になりつつ
ある最近の使用環境下では、十分に満足する性能
を発揮し得ず、かかる点から、よりすぐれた工具
用材料の開発が望まれている。 最近、かかる要望に即した工具用材料として、
立方晶窒化硼素(以下c―BNで示す)焼結材料
や、これに少量のAlおよび鉄族金属を含有させ
たc―BN基焼結材料が提案され、市販されてい
るが、前者の材料はすぐれた耐摩耗性を有するも
のの、靭性の点で問題があり、また後者の材料は
比較的低温では良好な靭性および耐摩耗性を示す
ものの、これを高熱発生を伴なう条件下で使用す
ると、著しい耐摩耗性劣化をきたすなど、いずれ
も満足する特性を備えた材料ではないのが現状で
ある。これら従来焼結材料における特性不足の原
因は、c―BN粒子と添加含有粒子間での熱膨脹
係数の差が大きすぎることによる残留歪、さらに
異種粒子間における著しい濃度変化による焼結性
の低下、ひいては粒子界面強度の低下にあるもの
と思われる。 この発明は、上述のような要望に即した工具用
焼結材料、すなわちすぐれた靭性と耐摩耗性を兼
ね備え、かつ切削用工具や耐摩耗性工具などの製
造に使用した場合に、これら工具がすぐれた性能
を発揮するようになる焼結材料を提供するもの
で、 c―BN:10〜80%、 ダイヤモンド:5〜60%、 周期律表の4aおよび5a族金属の炭化物、窒化
物、および炭窒化物、並びに同6a族金属の炭化物
からなる群(以下これらを総称して金属の炭・窒
化物という)のうちの1種または2種以上:5〜
60%、 立方晶炭窒化硼素(以下c―B(CN)で示
す)および不可避不純物:残り、 (以下容量%、以下%はすべて容量%を意味す
る)からなる組成を有する超高圧焼結硬質材料に
特徴を有するものである。 つぎに、この発明の超高圧焼結硬質材料におい
て、成分組成範囲を上記の通りに限定した理由を
説明する。 (a) c―BN c―BN成分は、温度:1200℃以上、圧力:
40Kb(キロバール)以上、望ましくは温度:
1800℃以上、圧力:60Kb以上の条件で合成さ
れるもので、ダイヤモンドに次ぐ高硬度(ビツ
カース硬さ:6000〜7000Kg/mm2)を有し、かつ
常温から約1000℃以上の高温まで高い硬さを維
持するなどダイヤモンドより安した高温特性を
もち、さらに例えば被削材としての鉄族金属を
反応しにくい性質をもつことから、このc―
BN成分を含有するこの発明の硬質材料はすぐ
れた耐摩耗性を具備するようになるのである
が、その含有量が10%未満では、c―BNのも
つ特性を硬質材料に十分に付与することができ
ず、一方80%を越えた含有は、他の含有成分の
含有量を相対的に低くし、これらの含有成分に
よつてもたらされる特性改善効果が十分でなく
なることから、その含有量を10〜80%と定め
た。 (b) ダイヤモンド ダイヤモンドは、周知のようにモース硬さ:
10、ヌープ硬さ:8000Kg/mm2以上の現存する物
質中最も高い硬さを有し、かつ焼結時に、c―
BN粉末およびc―B(CN)粉末の表面に付着
している酸素分と反応してこれを還元除去し、
もつてその粉末表面を活性化して焼結性を向上
させると共に、c―BN粉末の表面部分におい
て、これの構成成分であるBおよびNと反応し
て、より活性なc―B(CN)を形成し、もつ
て粒子相互間の結合強度を向上させる作用をも
つが、その含有量が5%未満では、前記作用が
不十分であると共に、ダイヤモンドのもつ高硬
度を材料に付与することができず、一方60%を
越えて含有させると、ダイヤモンド粒子相互間
の接触度合が大きくなり、粒子間の結合強度が
低下するようになつて、所望のすぐれた靭性を
確保することができなくなることから、その含
有量を5〜60%と定めた。 (c) 金属の炭・窒化物 これらの成分には、焼結時に粒界拡散を促進
させて強固な粒子間結合を形成すると共に、そ
れ自体が焼結性にすぐれたものであるため、緻
密な組織を形成して靭性を向上させる均等的作
用があるほか、それ自身も高融点および高硬度
を有し、かつ高温における耐酸化性にもすぐれ
た成分であるが、その含有量が5%未満では、
前記作用に所望の効果が得られないばかりでな
く、それ自体のもつ特性を材料に十分付与する
ことができず、一方60%を越えて含有させる
と、相対的に他の成分の含有量が少なくなりす
ぎて所望の特性を確保することができなくなる
ことから、その含有量を5〜60%と定めた。 (d) 不可避不純物 不可避不純物は、c―BNおよびc―B
(CN)合成時に混合される少量の鉄族金属や、
焼結材料製造に際して原料粉末の混合時に混合
容器などから混入する鉄族金属やWCなどから
構成されるものであるが、これらの不可避不純
物は5%まで含有しても焼結材料の特性に何ら
の悪影響も及ぼさないので、5%までの含有は
許容される。しかし5%を越えて含有するよう
になると焼結材料の特性劣化は避けることがで
きなくなるので、その上限値を5%とするのが
望ましい。 (e) c―B(CN) c―B(CN)は、結晶構造が六方晶系ある
いは無定形のB(CN)粉末(以下化学式:
BxCyNzで表わす)を、少量の鉄族金属と混合
した状態で、焼結用金属製容器内に封入し、公
知の超高圧高温発生装置を用いて、温度:1200
℃以上、圧力:40Kb以上、望ましくは温度:
1500℃以上、圧力:70Kb以上の条件で所定時
間保持し、これを立方晶結晶構造に変換合成す
ることによつて製造されるもので、高硬度を有
し、かつ化学的に安定な性質をもつものであ
る。 また、この発明の硬質材料は、c―BN粉末
と、ダイヤモンド粉末と、金属の炭・窒化物粉
末のうちの1種または2種以上と、c―B
(CN)粉末とを、所定の割合に配合し、長時間
混合して均質な混合粉末とした後、前記混合粉
末を通常の条件で圧粉体に成形するか、あるい
はこれを一旦金属製容器内に入れて、800〜
1200℃の適当な温度で脱ガスして封入するか
し、ついで前記圧粉体あるいは密封容器を、例
えば特公昭38−14号公報に記載されるような超
高圧高温発生装置に装入し、圧力:40Kb以
上、温度:1200℃以上の超高圧高温条件下に約
5分以上保持した後、冷却し、圧力開放のプロ
セスによつて製造することができる。 ついで、この発明の超高圧焼結材料を実施例に
より比較例と対比しながら説明する。 実施例 1 まず、原料粉末としてのc―B(CN)粉末を
調製する目的で、無定形のB0.35C0.32N0.33粉
末:90%、Ni粉末:10%からなる混合粉末をTa
製容器内に密封し、公知の超高圧高温発生装置に
装入し、圧力:80Kb、温度:1600℃の条件で20
分間保持した後、冷却して圧力を解放し、取出
し、酸洗し、引続いて比重差を利用した分離法に
て分離することによりc―B(C0.95N)粉末を
製造した。 ついで、この結果得られたc―B(C0.95N)
粉末:50%、市販のc―BN粉末:30%、ダイヤ
モンド粉末:10%、TiN粉末:10%からなる配合
粉末を、ボールミル中で48時間湿式混合し、混合
組成が、c―B(C0.95N)粉末:49.5%、c―
BN粉末:29.5%、ダイヤモンド粉末:9.5%、
TiN粉末:9.5%、鉄族金属:0.5%、および
WC:1.5%からなる混合粉末を得た。なお、この
混合粉末における鉄族金属およびWCは混合中に
混合容器などから混入したものである。 つぎに、上記混合粉末を、外径12mmφのステン
レス鋼製容器に詰め、圧力:10-4torrの真空中、
温度:1100℃に15分間保持して脱気した後、密封
し、引続いて公知の超高圧高温発生装置に装入
し、最高付加圧力:45Kb、最高加熱温度:1450
℃の条件に30分間保持した後、冷却し、圧力を解
放することによつて、実質的に上記混合組成と同
一の最終成分組成をもつた本発明硬質材料を製造
した。 また、比較の目的で、原料粉末を、それぞれ上
記c―B(C0.95N)粉末だけ、あるいは上記c
―BN粉末だけで構成する以外は、上記本発明硬
質材料の製造条件と同一の条件にて、比較B(C
0.95N)材料および比較BN材料をそれぞれ製造し
た。 引続いて、上記本発明硬質材料、比較B(C0.
95N)材料、および比較BN材料について、被削
材:SNCM―8(硬さHRC:52)、切削速度:
100m/min、送り:0.10mm/rev.、切込み:0.5mm
の条件で切削試験を行ない、その使用寿命に到る
までの切削時間を測定した。この結果、比較B
(C0.95N)材料は150分、比較BN材料は100分の
寿命時間しか示さなかつたのに対して、本発明硬
質材料は、すぐれた靭性および耐摩耗性を具備す
ることから、330分のきわめて長い寿命時間を示
し、すぐれた切削性能を発揮するものであつた。 実施例 2 公知の超高圧高温発生装置を用い、無定形のB
(CN)粉末より、圧力:70〜80Kb、温度:1500
〜1700℃の条件にて、c―B(C0.12N)粉末、
c―B(C0.5N)粉末、c―B(C2.0N)粉
末、およびc―B(C4.5N)粉末をそれぞれ製
造した。 ついで、この結果得られた4種のc―B
(CzN)粉末、いずれも市販のc―BN粉末、ダイ
ヤモンド粉末、および各種組成の金属の炭・窒化
粉粉末を原料粉末として用い、これら原料粉末を
第1表に示される最終成分組成をもつように配合
すると共に、公知の超高圧高温発生装置における
最高加熱温度を1500℃とする以外は、実施例1に
おける本発明硬質材料の製造条件と同一の条件に
て本発明硬質材料a〜pおよび比較硬質材料a〜
fをそれぞれ製造した。
【表】
なお、この結果得られた硬質材料のそれぞれに
おける不可避不純物は、主として粉末混合あるい
は粉砕時に容器などから混入した鉄族金属とWC
からなるものであり、比較硬質材料a〜fはいず
れもこの発明に定めた成分組成から外れた成分組
成をもつものである。 つぎに、この結果得られた本発明硬質材料a〜
pおよび比較硬質材料a〜fのそれぞれについ
て、実施例1おけると同一の条件で切削試験を行
ない、その寿命時間を測定した。この測定結果を
第1表に合せて示した。 第1表に示されるように、本発明硬質材料a〜
pは、いずれも比較硬質材料a〜fに比して著し
く長い寿命時間を示し、これらの結果からすぐれ
た靭性と耐摩耗性とを兼ね備えた材料であること
が明らかである。また、市販のTiN含有のc―
BN基硬質材料は、同一条件での切削試験で155分
の寿命時間を示すにすぎないものであつた。 上述のように、この発明の超高圧焼結硬質材料
は、すぐれた靭性と耐摩耗性とを兼ね備えている
ので、これらの特性が要求される高硬度鋼やNi
基あるいはCo基スーパーアロイなどの被削材を
切削するための刃先として、また軸受や線引ダイ
スなどの耐摩耗工具として、さらに堀削用ビツト
刃先などとして使用した場合に、きわめてすぐれ
た性能を発揮するのである。
おける不可避不純物は、主として粉末混合あるい
は粉砕時に容器などから混入した鉄族金属とWC
からなるものであり、比較硬質材料a〜fはいず
れもこの発明に定めた成分組成から外れた成分組
成をもつものである。 つぎに、この結果得られた本発明硬質材料a〜
pおよび比較硬質材料a〜fのそれぞれについ
て、実施例1おけると同一の条件で切削試験を行
ない、その寿命時間を測定した。この測定結果を
第1表に合せて示した。 第1表に示されるように、本発明硬質材料a〜
pは、いずれも比較硬質材料a〜fに比して著し
く長い寿命時間を示し、これらの結果からすぐれ
た靭性と耐摩耗性とを兼ね備えた材料であること
が明らかである。また、市販のTiN含有のc―
BN基硬質材料は、同一条件での切削試験で155分
の寿命時間を示すにすぎないものであつた。 上述のように、この発明の超高圧焼結硬質材料
は、すぐれた靭性と耐摩耗性とを兼ね備えている
ので、これらの特性が要求される高硬度鋼やNi
基あるいはCo基スーパーアロイなどの被削材を
切削するための刃先として、また軸受や線引ダイ
スなどの耐摩耗工具として、さらに堀削用ビツト
刃先などとして使用した場合に、きわめてすぐれ
た性能を発揮するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 立方晶窒化硼素:10〜80%、 ダイヤモンド:5〜60%、 周期律表の4aおよび5a族金属の炭化物、窒化
物、および炭窒化物、さらに同6a族金属の炭化物
からなる群のうちの1種または2種以上:5〜60
%、 を含有し、残りが立方晶炭窒化硼素と不可避不純
物からなる組成(以上容量%)を有することを特
徴とする靭性および耐摩耗性を具備した超高圧焼
結硬質材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3353980A JPS56129672A (en) | 1980-03-17 | 1980-03-17 | Tenacious antiabrasive sintered hard material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3353980A JPS56129672A (en) | 1980-03-17 | 1980-03-17 | Tenacious antiabrasive sintered hard material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56129672A JPS56129672A (en) | 1981-10-09 |
JPS6219394B2 true JPS6219394B2 (ja) | 1987-04-28 |
Family
ID=12389361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3353980A Granted JPS56129672A (en) | 1980-03-17 | 1980-03-17 | Tenacious antiabrasive sintered hard material |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS56129672A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63150929U (ja) * | 1987-03-24 | 1988-10-04 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4090245T (ja) * | 1989-02-13 | 1992-01-30 |
-
1980
- 1980-03-17 JP JP3353980A patent/JPS56129672A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63150929U (ja) * | 1987-03-24 | 1988-10-04 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56129672A (en) | 1981-10-09 |
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