JPS6219354Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、洗濯機の洗剤溶解装置に関するも
のである。

本出願人は、先に、ヤシ油や牛脂等の天然油脂
を主材とする所謂「粉石鹸」を短時間のうちに効
果的に溶かすことのできる洗剤溶解装置を提案し
ている（例えば、特開昭57−188293号参照）。す
なわち、この洗剤溶解装置は、洗濯機の操作箱に
組込まれた隔室を有し、この隔室内に水車と、給
水源から供給される水を水車に向けて吹付ける水
噴射ノズルとを設け、そして、金網等からなる多
孔性の洗剤収納容器を水車内にセツトした状態で
ノズルより水を噴射させて水車とともにその容器
を回転させることにより、容器内に入れられてい
る洗剤を水にさらしながら撹拌溶解して、その洗
剤溶解液を洗濯槽内に供給するように構成されて
いる。この装置によれば、比較的溶けにくいとさ
れていた粉石鹸を温水によることなく冷水にて溶
かすことができる。しかしながら、例えば、水道
水圧の低い地域やバスポンプにて残り湯を汲上げ
て使用する場合等においては、ノズルからの噴出
水に勢いがなく容器を高速にて回転させることが
できないため、容器に未溶解の石鹸粒（表面のみ
がゼリー状に溶けたもの）が残つてしまう虞れが
ある。この未溶解の粒は粘着性が高いため、容器
の網目を目詰りさせる許りでなく、その容器を計
量カツプとして用いる場合には使用者に不快感を
与えることになる。

したがつて、この考案の目的は、洗剤を残溜さ
せることなくきれいに溶かすことができ、容器へ
の洗剤のベタ付きや、網目の目詰りが生じないよ
うにした洗濯機の洗剤溶解装置を提供することに
ある。

以下、この考案を添付図面に示された実施例に
したがつて詳細に説明する。

まず、第１図および第２図を参照してこの洗剤
溶解装置を概略的に説明する。この装置は、金網
等からなる多孔性の洗剤収納容器１を有し、この
容器１は操作箱２内に組込まれている隔室３内に
着脱自在かつ回転可能に取付けられるようになつ
ている。すなわち、隔室３は、操作箱２内に形成
された仕切壁４と、ウレタン樹脂等の適当なシー
ル手段５を介して仕切壁４に水密的に組合せられ
るカバー６とによつて囲まれており、この場合、
カバー６は、フツク７によつて着脱自在に装着さ
れている。仕切壁４には、前記容器１を着脱自在
に保持するように形成された水車８がやや斜め上
方に向けられた支軸９を介して回転可能に取付け
られている。一方、カバー６には容器１を水車８
に向けて出し入れするための開口１０が形成され
ている。また、この隔室３内には、水道蛇口等の
給水源から図示しない注水コツクを介して供給さ
れる水を水車８に向けて吹付けるノズル１１が設
けられている。さらに、隔室３には、洗剤溶解液
を流出させるための下部開口１２が形成されてお
り、この下部開口１２は、緩衝室１３を介して洗
濯槽上部に連通している。第３図を併せて参照す
ると、水車８は、円形基板１４と、これに所定の
間隔をもつて対設された同径のリング部材１５
と、それらの間に連結された複数の羽根１６とか
らなり、円形基板１４の背面中心部には、前記し
た支軸９が挿通される軸受けボス１７が形成され
ている。また、容器１は、水車８内に着脱自在に
挿入される有底円筒状をなし、その周壁は、きわ
めて目の細いステンレス製の網体１８から構成さ
れている。そして、この考案においては、容器１
内の底壁と周壁とが交わる隅部に、ほぼ三角形状
のリブ１９が形成されている。なお、容器１の開
口部には、蓋体２０が着脱自在に嵌着されるよう
になつている。

上記した構成において、容器１に粉石鹸等の洗
剤を適量入れ、蓋体２０を被せて、カバー６の開
口１０を通して容器１を水車８内に挿入保持させ
る。この状態で、水道蛇口等の給水源から図示し
ない注水コツクを介して供給される水をノズル１
１によつて、水車８の羽根１６および容器１の周
壁をなす網体１８に向けて吹付ける。これによつ
て、水車８が回転するとともに網体１８を通して
容器１内に水が吹込まれる。したがつて、洗剤
は、容器１内において撹拌溶解され、溶解液とな
つて、隔室３の下部開口１２からその下方に形成
されている緩衝室１３を通つて図示しない洗濯槽
へと供給される。ところで、給水手段としてバス
ポンプの如き水圧の低いものを使用し、ノズル１
１からの噴出水に勢いがない場合には、水車８の
回転が遅くなるので、石鹸粒子が容器１の下部、
この実施例では容器１内の底壁と周壁とが交わる
隅部に溜つてしまい、そこで転々として強力な撹
拌作用を受けにくい状態となる。しかしながら、
この考案においては、容器１内にリブ１９が形成
されているため、このような石鹸粒子は、リブ１
９によつてすくい上げられ、激しい撹拌流に強制
的にさらされるようになる。したがつて、石鹸粒
子を残留させることなくきれいに溶解することが
できる。

第４図には他の実施例が示されており、これに
よれば、リブ１９′が容器１の底壁より開口縁に
かけて板状に形成されており、水車８の支軸９が
水平に設置されている場合に適した態様となつて
いる。また、第５図にはさらに他の実施例が示さ
れており、これによれば容器１の内壁にくし刃状
の突起２１が形成されており、これによつても容
器１の下部に溜ろうとする石鹸粒子を強制的に撹
拌させることができる。

なお、前記した各実施例において、容器１のリ
ブ１９，１９′や突起２１は、複数箇所に設けら
れていてもよく、その場合には、ノズル１１から
の噴出水による水車８の回転を速める作用も期待
し得る。また、この考案による洗剤溶解装置は、
水車８に容器１を着脱自在に保持させる構造のも
のに限られず、例えば容器１の周壁に羽根を設
け、容器１を隔室３内に直接回転可能に取付ける
ようにしたものであつてもよい。

以上説明したように、この考案によれば、多孔
性洗剤収納容器の内壁に撹拌用のリブが形成され
ていることにより、容器の下部に溜り易い石鹸粒
子等をすくい上げて強制的に撹拌することがで
き、洗剤を残留させることなくきれいに溶解する
ことができる。したがつて、容器への洗剤のベタ
付きや、容器の網体の目詰りが生じる虞れは殆ど
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による洗剤溶解装置を一部切
欠いて示した正面図、第２図はその−線に沿
つた断面図、第３図は同装置の要部を摘出して示
す分解斜視図、第４図および第５図はそれぞれ他
の実施例を示す洗剤収納容器の斜視図である。 図中、１は洗剤収納容器、２は操作箱、３は隔
室、４は仕切り壁、５はシール手段、６はカバ
ー、７はフツク、８は水車、９は支軸、１０は開
口、１１はノズル、１２は下部開口、１３は緩衝
室、１４は円形基板、１５はリング部材、１６は
羽根、１７は軸受けボス、１８は網体、１９，１
９′はリブ、２０は蓋体、２１はくし刃状の突起
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 給水源から洗濯槽に至る給水径路内に回転可
   能に支持された多孔性洗剤収納容器と、前記給
   水径路を通つて供給される水を前記容器に向け
   て吹付けるノズルとを含み、前記ノズルより噴
   射される水により前記容器を回転させてその内
   部の洗剤を水にさらしながら撹拌溶解する装置
   であつて、前記容器は、その内壁に形成された
   撹拌用のリブを備えていることを特徴とする洗
   濯機の洗剤溶解装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)において、前記リ
   ブは、前記容器の底壁と周壁との交差する隅部
   においてほぼ三角形状に形成されていることを
   特徴とする洗濯機の洗剤溶解装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲(1)において、前記リ
   ブは、前記容器の軸線方向に沿つて延びる矩形
   板からなることを特徴とする洗濯機の洗剤溶解
   装置。