JPS6219242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキツチンキヤビネツトに関する。

従来のキツチンキヤビネツトは、第７図に示す
ような箱形であるため、シンク取付部ｂ、排水ト
ラツプ取付部ｃ、排水管取付部ｄ等が水漏れした
ときキツチンキヤビネツトａの側面部と底板との
継目ｅ等から漏水して、床ｆ等を腐食させてい
た。

本考案はこのような問題点を解決し、キツチン
キヤビネツト内で漏水が発生した場合でも、水を
受止められ、該キヤビネツトの外部に流出するの
を防止するキツチンキヤビネツトを提供すること
を目的とし、そこで、本考案の特徴とするところ
は、底板部の手前の一辺に連設されると共にその
下方開口部が外部に形成される横断面略倒立Ｕ字
状の低立上り部と、該底板部の残りの辺に連設さ
れると共に該低立上り部の上面より高位置となる
ように外へ水平状に突出した上方端面部を有する
横断面略倒立Ｌ字状の高立上り部と、でもつて上
記底板部の周囲を包囲状とすると共に、外枠体に
内有される排出管を挿通するための貫孔を該底板
部に貫設して構成した防水パンを、該外枠体に付
設されたシンクの下方位置となると共に上記高立
上り部の端面部が該外枠体の内側面に当接するよ
うに、該内側面の下部に水平状に突設された受部
材に載置して該外枠体に取付けた点にある。

以下、実施例に示す図面に基づいて本考案を詳
説する。

第１図におてい、１はキツチンキヤビネツトで
あつて、上面部２を有する角筒体の外枠体３と、
FRP等の樹脂類からなる防水パン４とで構成さ
れ、床面Ｆに設置されている。具体的には、防水
パン４は第２図と第３図に示すように略矩形の底
板部５の手前の一辺６に横断面略倒立Ｕ字状かつ
その下方開口部７が外部に形成される低立上り部
８が設けられ、残りの３つの辺９に、その上方端
面部１０が水平状に外方へ突出する横断面略倒立
Ｌ字状の高立上り部１１が設けられている。さら
に両立上り部８，１１により上記底板部５の周囲
を包囲状とし、かつ底板部５から高立上り部１１
の上方端面部１０までの高さ寸法Ａは底板部５か
ら低立上り部８の上面１２までの高さ寸法Ｂより
も大きく設定する。１３は底板部５に設けられる
貫孔である。なお、角筒体３の側壁の一部（つま
り手前側）は開口状とされ、その開口部に図示省
略の扉が付設される。次に、１４は上記外枠体３
の内側面１５の下部に水平に突設された受部材で
あつて、上記上方端面部１０が該内側面１５に当
接するように、上記防水パン４を受け止めてい
る。そして、該防水パン４の高立上り部１１と外
枠体３の内側面１５とが当接するすべての継目に
シリコンコーキング等のシール材Ｓを塗付してい
る。次に、１６は上記外枠体３の上面部２を開口
状として取付けられたシンクであつて、その底面
部に排水トラツプ１７が取付けられ、さらに該排
水トラツプ１７の底部に排水管１８が取付けられ
ている。該排水管１８は上記防水パン４の底板部
５の貫孔１３に挿通されている。具体的には、貫
孔１３の縁部にパツキン１９が嵌入され、排水管
１８を貫孔１３に挿通して、さらに排水管１８と
貫孔１３とをすきまなく上記シール材Ｓを塗付す
る。２０は排水口である。なお、貫孔１３の径は
排出管１８の径よりも僅かに大きく設定する。

以上の実施例によれば、排出管１８と貫孔１３
との間及び防水パン４の高立上り部１１と外枠体
３の内側面１５の継目にシリコンコーキング等の
シール材Ｓを使用したので、防水と接着を兼ねさ
せることができる。さらに防水パン４をFRP等
の樹脂類で形成したので、耐水性及び耐蝕性に勝
れたものとなり、長く美しく保つことができる。

次に、第４図と第５図は他の実施例であつて、
このキツチンキヤビネツトの防水パン４の底板部
５には、突隆部２１が形成されており、具体的に
は、防水パン４の低立上り部８に対面する高立上
り部１１に、上面が該高立上り部１１の上方端面
部１０との上面略同一平面である平面図に見て略
半楕円形形状の突隆部２１を連続状に形成してい
る。さらにその突隆部２１の上面に上記実施例と
同様な貫孔１３を形成して同様に排水管１８を挿
通する。なお、突隆部２１の形状は、勿論自由で
あり、例えば、平面的に見て略矩形状とするも好
ましい。

次に第６図は、防水パン４の突隆部２１を高立
上り部１１の角に扇状に形成したものであつて、
第４図と第５図の実施例同様に突隆部２１の上面
に貫孔１３に形成して排水管１８を挿通する。

しかして、第４図と第５図に示す実施例及び第
６図に示す実施例によれば、もし排水管１８から
外部に水が漏れた場合、その漏水した水は、該排
水管１８の外周面を伝わり突隆部２１の上面に到
達するが、該水は該突隆部２１の上面（つまり、
貫孔１３の周囲）には溜らず、当然、該突隆部２
１より低位置である底板部５に溜る。つまり、漏
水した水は外部へ流出しない。

本考案は以上詳述した構成であつて所期目的を
有効達成出来たものである。特に、防水パン４の
底板部５の周囲を低立上り部８及び高立上り部１
１…により包囲状に形成したことにより、万一キ
ツチンキヤビネツト内で漏水が発生した場合でも
該防水パン４に水を溜めることができ、床、土
台、壁等を腐蝕させない。また防水パン４上の醤
油、ソース等の調味料がこぼれた場合でも、防水
パン４がそのこぼれた調味料を受止めるので、清
掃が容易に行える。さらに、底板部５の手前の一
辺６に低立上り部８が設けられ、残りの辺９…に
該低立上り部８の上面１２より高い上方端面部１
０を有する高立上り部１１が設けられることによ
り、シンク１６と排水トラツプ１７との継目、排
水トラツプ１７と排水管１８との継目管から水漏
すれば、漏水のために溜つた水は常に手前側にの
みこぼれて使用者は漏水事故を発見し易いと共
に、低立上り部８より上方である高立上り部１１
の上方端面部１５へは溜つた水は到達しないの
で、該上方端面部１０から外枠体３の内側面１５
へは漏水しない。従つて、水漏れがあつた場合で
もキヤビネツト１の外枠体３の内側面１５は腐蝕
せず、さらには、このキヤビネツト１を設置して
いる床面Ｆをも腐蝕させることはなくなる。さら
に、防水パン４の手前側は低立上り部８により前
壁面が形成されるので、この前壁面を外枠体３に
付設される扉が当接する前壁面とすることがで
き、至便である。

また、防水パン４は、高立上り部１１の端面部
１０が該外枠体３の内側面１５に当接するよう
に、該内側面１５の下部に水平状に突設された受
部材１４に載置して、該外枠体３に取付けられる
ので、この防水パン４の外枠体３への取付け、取
外しが極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面正面図、
第２図は防水パンの斜視図、第３図は第２図のＸ
−Ｘ拡大断面図、第４図は他の実施例の防水パン
の斜視図、第５図は第４図の実施例のキツチンキ
ヤビネツトの要部断面正面図、第６図はさらに別
の実施例の防水パンの斜視図、第７図は従来のキ
ツチンキヤビネツトの断面正面図である。 ３…外枠体、４…防水パン、５…底板部、６…
辺、７…下方開口部、８…低立上り部、９…辺、
１０…上方端面部、１１…高立上り部、１２…上
面、１３…貫孔、１４…受部材１、１５…内側
面、１６…シンク、１８…排水管、２１…突隆
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板部５の手前の一辺６に連設されると共にそ
   の下方開口部７が外部に形成される横断面略倒立
   Ｕ字状の低立上り部８と、該底板部５の残りの辺
   ９に連設されると共に該低立上り部８の上面１２
   より高位置となるように外方へ水平状に突出した
   上方端面部１０を有する横断面略倒立Ｌ字状の高
   立上り部１１と、でもつて上記底板部５の周囲を
   包囲状とすると共に、外枠体３に内有される排出
   管１８を挿通するための貫孔１３を該底板部５に
   貫設して構成した防水パン４を、該外枠体３に付
   設されたシンク１６の下方位置となると共に上記
   高立上り部１１の端面部１０が該外枠体３の内側
   面１５に当接するように、該内側面１５の下部に
   水平状に突設された受部材１４に載置して該外枠
   体３に取付けたことを特徴とするキツチンキヤビ
   ネツト。