JPS6219172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、経内視鏡的に使用される鉗子装置
に関するものであり、特に収納保管時に吊下げる
形態の鉗子装置に関するものである。

周知のように、経内視鏡的に生体腔内の生体組
織片を採取したり処置したりする鉗子装置は、内
視鏡に設けられた鉗子部挿通チヤンネルを通して
挿入使用される。そして、このような鉗子装置
は、特に十二指腸鏡のように挿入部が長尺の内視
鏡に適用可能とするために極めて長いものとなら
ざるを得ないものと云える。また、このような鉗
子装置は、収納保管スペースの制限あるいは収納
及び取り出しやすさという点から吊下げて収納保
管するのが最も合理的であると云える。しかしな
がら、取扱い者の身長等を考慮した場合には、鉗
子装置を吊下げる吊下げ具の高さに制限があり、
例えば全長約2.5ｍ位の長さの鉗子装置の場合に
は約1/3位に相当する先端側が床に横たえられた
状態となり、汚れたり、足で踏まれて破損したり
する不具合が多々生じていたのが実情である。

そこで、この発明は、上述した実情に鑑みて、
従来使用されているロツカー型収納保管庫等内に
吊下げ可能であると共に汚れたり、足で踏まれて
破損したりすることがないように改良された鉗子
装置を提供するものである。

以下、この発明による鉗子装置を添付図面に示
した一実施例に基づき詳細に説明する。

第１図において、１は手元操作部を構成する軸
状操作体を示し、この操作体１には、その頭部に
回動自在に枢支された親指挿通用リング２が設け
られていると共に両端面に指掛け用フランジ３及
び４が設けられた筒状操作子５が摺動自在に嵌装
されている。上記操作子５は、上記操作体１内に
滑動自在に嵌装された滑子６と操作体１の側壁に
形成した長穴１ａを介して連結ピン７によつて連
結されている。このような構成からなる手元操作
部は、その操作体１の基部が密着コイルあるいは
合成樹脂製チユーブ等からなる内視鏡の鉗子挿通
チヤンネル（図示せず）に挿通可能な外径寸法の
可撓管８の基端に連結固着されている。上記可撓
管８の先端部には、鉗子部９が設けられている。
この鉗子部９は、上記可撓管８の先端に固装され
た保持部材１０と、この保持部材１０の先端側に
支軸１１によつて略中央部が交叉して枢支された
一対の鉗子部材１２ａ及び１２ｂと、この鉗子部
材１２ａ及び１２ｂの後端に一端が支軸１３及び
１４によつて枢支された一対のリンク部材１５及
び１６と、このリンク部材１５及び１６の他端を
支軸１７によつて枢支した連結子１８とからな
る。上記連結子１８は、保持部材１０に進退自在
に装着され、可撓管８内を通し基端が上記滑子６
に固着された操作ワイヤー１９の先端に連結固着
されている。

以上の構成は、これまでに知られた鉗子装置の
構成であり、このように構成された鉗子装置は、
上記内視鏡の鉗子挿通チヤンネルに挿通して内視
鏡の先端部より鉗子部９を突出させ、その鉗子部
９を目的部位へ誘導した後に操作子５を第１図に
て下方向（先端側方向）へ移動操作することによ
り操作ワイヤー１９を送り込み連結子１８を前進
させリンク部材１５及び１６をもつて鉗子部材１
２ａ及び１２ｂを相互に離間させる如く開成し、
続いて目的部位の生体組織を挾む状態にした後、
操作子５を第１図にて上方向へ移動操作させ鉗子
部材１２ａ及び１２ｂを相互に閉じるようにして
生体組織片を切除し取り込み採取するようにした
所謂カツプ型両開き鉗子装置である。

そして、この発明による鉗子装置の一実施例に
おいては、上記操作子５のフランジ４に、係合孔
２０が設けられている。この係合孔２０は鉗子部
９を第１図に示すように閉成した状態にて挿通可
能な内径寸法に形成され、鉗子部９が開成すなわ
ち生体組織を挾み得るような状態に開成した状態
にあつては、挿通不能である。尚、第２図にて、
符号２１は、鉗子装置の収納保管ケースの一部を
示すものであり、この収納保管ケース２１の内壁
面には符号２２及び２３で代表して示されたＬ字
型の吊下げ具が設けられている。

以上のように構成された鉗子装置は、第２図に
示すように収納保管ケース２１内に収納保管する
に際し、吊下げ具２２に手元操作部の親指挿通用
リング２を引つ掛けて吊下げると共に鉗子部９を
閉成した状態にして操作子５のフランジ４に形成
した係合孔２０内へ下側から貫通挿入させる。こ
の収納保管作業により、鉗子部９を係合孔２０に
係合させることにより操作子５は、可撓管８等の
自重によつて第１図及び第２図にて下方向へ移動
し鉗子部９を常時開成した状態とする。従つて鉗
子部９は、係合孔２０から抜け止めされた状態と
なり、鉗子装置がループ状にして吊り下げられ
る。

以上に述べたところより明らかなように、この
発明によれば従来周知構成の鉗子装置の操作子に
係合孔を穴あけ加工することのみで従来使用され
ている収納保管ケース内等に吊り下げ保管するに
際し鉗子装置を略1/2の長さにして吊り下げるこ
とができる。

従つて、この発明を採用した鉗子装置は、先端
側を床に横たえることなく吊り下げることができ
るために衛生的な保管ができるものであつて、こ
の発明による効果は極めて大きいものである。

なお、上記係合孔は、操作子の二つのフランジ
の内のいずれか一方に設けられれば充分である
が、勿論両者に設けても良く、また、この操作子
に固着あるいは着脱自在な別部材に設けても良い
ものである。更にこの発明を適用可能な鉗子装置
としては、上記実施例に示したような所謂両開き
鉗子装置のみならず、所謂片開き鉗子装置等の開
成状態と閉成状態とによつて係合孔に関して貫通
可能な状態と貫通不能な状態とに形態変化するも
のであれば良いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明による鉗子装置の一実施例
を示す要部説明図であり、第２図は、その鉗子装
置を収納保管ケースに吊下げ収納保管した状態を
示す要部斜視図である。 １……軸状操作体、５……操作子、８……可撓
管、９……鉗子部、４……フランジ、２０……係
合孔、２２……吊下げ具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ロツカー型収納ケース等に設けられた吊下げ
   可能な軸状操作体にその軸方向に沿つて摺動自在
   な操作子が設けられた手元操作部と、軸状操作体
   に基端が接続された可撓管と、この可撓管の先端
   に設けられ上記操作子を先端側方向へ摺動操作す
   るに伴い操作ワイヤーを介して開成される鉗子部
   とからなる鉗子装置において、上記操作子に鉗子
   部が閉成した状態では貫通可能であり開成した状
   態では貫通不能な係合部を設けたことを特徴とす
   る鉗子装置。