JPS621901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、手元部及び穂先部とから成る釣竿に
関する。

従来釣竿により、該釣竿に設ける釣仕掛を投擲
すべく振込むような場合に、釣竿には大きな空気
抵抗が作用するのであつて、特に風が強いときに
は、前記釣竿への空気抵抗も非常に大となつて、
釣竿の振込み操作が行ないにくくなる問題があつ
た。

この問題点に対処するには、釣竿の断面円形状
を円形とすることなく、長軸と短軸とをもつ楕円
形状となし、釣竿の振込み時に前記長軸側を振込
み方向に指向させて振込むべく成すことが考えら
れるが斯くすれば空気抵抗を減少させ得る反面、
次の問題が生じる。即ち、前記釣竿の全体を楕円
形とすれば長軸側の曲げ強度が強く、短軸側の曲
げ強度が弱くなり、従つて、振込み時に釣竿が途
中で短軸方向に彎曲して、釣糸の正確な投擲がで
きなかつたり、また、魚が掛かつたとき短軸方向
に横振れして魚の取込みが行ないにくいという問
題が生じる。

本考案は以上のごとき問題に鑑みて考案したも
ので、空気抵抗が小さくて振込み易く、しかも振
込み時に横方向に彎曲したりすることなく、振込
み操作が容易に行なえ釣糸を目的地点に正確に、
且つ、投擲距離を大きく延ばすことができ、ま
た、魚が掛かつたときには横振れを起すことがな
く、魚を取込み易いようにした釣竿を提供するに
ある。

さらに詳しくは、釣竿の手元部の外形をほぼ楕
円形の易握持形状とし、中間部の外形を流線形と
し、且つ、穂先部の外形を円形としたことを特徴
とするものである。

以下本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。

第１図は釣竿の一例として継竿を示し、複数本
のテーパー状単一竿体１ａ，１ｂ，１ｃ…を継ぎ
合わせて竿本体１を形成するもので、太径の単一
竿体１ａにより手元部ａを、また細径の単一竿体
１ｃにより穂先部ｃを形成すると共に、中間径の
単一竿体１ｂにより、前記手元部ａと穂先部ｃと
を連結する中間部ｂを形成している。

しかして、前記竿本体１は内部中空となし、か
つ、竿本体１の手元部ａから穂先部ｃにかけて
徐々に先細となるように形成する。

そして、前記竿本体１の手元部ａの外形は、第
２図に示すごとく、互に直交する長軸Ｄと短軸ｄ
とをもち、その長軸Ｄと短軸ｄとを中心として線
対称となる楕円形状に形成し、前記長軸Ｄと短軸
ｄとの比率を1.1〜1.3：１としてある。

また、竿本体１の中間部ｂの外形は、第３図に
示すごとく、互に直交する長軸Ｄと短軸ｄとをも
ち、前方側が半円形状で、後方側は前記の半円形
状の外径曲率よりも小径の円弧面２を形成し、こ
の円弧面２に向かうに従つて徐々に幅狭とするこ
とで、流線形状としてある。

更に、竿本体１の穂先部ｃの外形は、第４図に
示すごとく断面円形状としてあつて、前記の手元
部ａから中間部ｂに至る外形は、手元部ａの楕円
形状から中間部ｂの流線状態に徐々に変形させて
あり、また、中間部ｂから穂先部ｃに至る外形
は、中間部ｂの流線形状から穂先部ｃの円形状に
徐々に変形させてある。

前述のように、外形が異なる手元部ａと中間部
ｂ及び穂先部ｃは前記各部材の長軸Ｄと短軸ｄと
を合致するごとく連結させて釣竿となし得るので
ある。

尚、上記実施例では竿本体１の手元部ａから中
間部ｂに至る外形を徐々に変形させ、中間部ｂか
ら穂先部ｃに至る外形も徐々に変形させるように
説明したが竿本体１の各部の外形を各々独立した
状態、即ち手元部ａ全体を楕円形状に、中間部ｂ
全体を流線形状に、穂先部ｃ全体を円形状にし、
各部を組み合わせて竿本体１を構成させてもよ
く。

また、前記竿本体１の手元部ａの外形は楕円形
状として説明したが、手元部ａの外形を第５図に
示すごとく、短軸ｄの一方の壁部を曲線形状に
し、他方の壁部を略垂直状にし、変形の楕円形状
としてもよい。この場合、手元部ａに手を添え持
ち握りした際、握り具合或は竿の操作性が更に良
好となるのである。

更に、また本実施例として説明した各部の形状
のものと、尚書で説明した各部の形状のものとを
組み合わせて竿本体１を構成させてもよい。

斯くのごとく、手元部ａの外形をほぼ楕円形の
易握持形状とし、中間部ｂの外形を流線形とし穂
先部ｃの外形を円形とした竿本体１であつて、こ
の竿本体１を振込み時に手元部ａの長軸Ｄ側を振
込み方向に向けると共にこの振込み時に中間部ｂ
の流線形の半円形状の前方側を振込も方向に指向
させ、この状態で竿本体１を振込むことにより、
釣糸が投擲される。この時竿本体１に受ける空気
抵抗は中間部ｂの流線形の外形によつて非常に少
なくなりしたがつて、振込み操作が容易となり、
しかも、釣糸を目的地点に正確に且つ投擲距離を
大きく延ばすことができる。

また、前記中間部ｂより穂先部ｃはその外形を
円形となし方向性のない形状としている。

つまり、竿本体１の穂先部ｃは竿本体１の基方
部分に較べて細径であるため、空気抵抗の影響は
少なく前記した振込み性を損なうことがない。

したがつて、方向性の伴なわない形状となし、
魚の喰い込み時における魚の微妙な当りが取り易
く、しかも魚の取込みも横振れを起すことなく容
易にできる。

尚、図面には前記手元部ａと中間部ｂ及び穂先
部ｃを内部中空としたが、本考案ではムク状とし
てもよく、また、前記実施例として継竿を示した
が、この継竿に限らず１本竿にも適用できる。

以上説明したごとく、本考案の釣竿は、手元部
と中間部及び穂先部とから成り、前記手元部の外
形をほぼ楕円形の易握持形状とし、前記中間部の
外形を流線形とし、かつ前記穂先部の外形を円形
としたことを特徴とするものであるから、手元部
では竿本体を持ち握りした際の握持具合や、竿の
振込みなどの操作性が良好で、手にしつくりした
感触を与えることができ、また竿本体の振込み時
には、竿本体の中間部の流線形状の半円形状前方
側を振込み方向に向けて振込むことにより、前面
から後方に廻り込もうとする空気が後方側円弧面
によつて後方にスムーズに案内され、竿本体に受
ける空気抵抗は非常に少ないものであつて、振込
み操作性を非常に良好にすると共に投擲距離も大
きく延ばすことができ、漁場性を広範囲にするこ
とができる。しかも手元部及び中間部はほぼ楕円
形から流線形としているが、この部分では外径は
短軸側でも大きい径となつているので横振れに影
響されることがないと共に中間部に連結される穂
先部を円形としているので竿全体としての横振れ
も起らないものである。

また、穂先部を円形としたことで方向性が損な
われるようなことがなく、魚の喰込み時における
微妙な当りが取り易く、しかも魚の取込みも横振
れを起すことなく容易となるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる釣竿の一部切欠側面
図、第２〜第４図はそれぞれ第１図のイ−イ、ロ
−ロ、ハ−ハ線の断面図、第５図は他の実施例を
示す手元部（イ−イ線）の断面図である。 １……竿本体、ａ……手元部、ｂ……中間部、
ｃ……穂先部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手元部と中間部及び穂先部から成る釣竿であつ
   て、前記手元部の外形をほぼ楕円形の易握持形状
   とし、前記中間部の外形を流線形とし、かつ、前
   記穂先部の外形を円形としたことを特徴とする釣
   竿。