JPS6219018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は陰極線管型表示装置においてその表示
面の傾斜角度を監視者の体格等に応じた目の位置
に合せ或いは照明等による表示面からの反射光を
避けるために調整する、陰極線管（以下CRTと
略称）表示面の角度調整機構に関するものであ
る。

この種の機構としては、CRT保持枠の回動支
軸に固定されたセクターギヤと噛合い装置筐体に
軸支されたピニオンをこれと一体の回転盤によつ
て操作する方式のものや、装置筐体の一部にねじ
込まれたつまみ付きねじの回転運動からリンク機
構を介してCRT保持枠に所要の回転運動を得る
方式のものなどが提案されているが、前者の方式
では被調整位置の保持を摩擦に依存しているため
保持が不安定であり、摩擦力を増大すれば操作が
困難となる欠点があつた。また、後者の方式で
は、回転操作によりつまみ自身が軸線方向に移動
するほか、リンク機構を用いる関係上枢軸数が多
いために遊びが大きく高精度の調整が困難となる
嫌いがあつた。

本考案はこのような従来の難点を解消して、安
定精確に動作して操作しやすい簡潔な構成の角度
調整機構を供することを目的とし、CRT保持枠
の一支軸に固着した角筒状の揺動レバーに円柱形
のナツトを嵌合させ、これと螺合する水平ねじ軸
を一定位置に軸支してつまみ操作により回転させ
ることによりCRT保持枠を回動させることを提
案するものである。

以下、その一実施例を示す添付図面について本
考案を詳細に説明する。

第１図において、符号１はCRT型表示装置の
筐体２の一側延長部２ａに組込まれた本考案によ
るCRT表示面の角度調整機構、３はCRT４を保
持する枠体、５はCRT保持枠３の両側中央部に
突設されて装置筐体２の両側壁２ｂ，２ｃにそれ
ぞれ枢支される左右一対の水平支軸である。

一方の支軸５の外端には角板を折曲げて形成さ
れた角筒状の揺動レバー６が上端で固定されてお
り、下端部の前後両壁６ａ，６ｂに切欠き７を有
する。符号８はレバー６の下端部に摺動回転可能
に嵌合する円柱形のナツトであつて、その中心軸
線は支軸５と平行し直径と長さはそれぞれ角筒状
レバー６の前後方向および左右方向の内径に相当
する。また、ナツト８にはその一直径上に貫通ね
じ穴９が設けられている（第２図）。符号１０は
装置筐体の一側延長部２ａに軸受ブラケツト１１
を介して回転可能に軸支された水平ねじ軸であつ
て、ナツト８と螺合し切欠き７を通してレバー６
を前後方向に貫通している。切欠き７はレバー６
の揺動時におけるねじ軸１０に対する逃げとな
る。

軸受ブラケツト１１はほぼＥ字形を呈し三つの
互に平行に対向する軸受部１１ａ，１１ｂ，１１
ｃを有して筐体側壁２ｂに固定され、軸受部１１
ｂ，１１ｃは軸支穴１２，１３（第２図）を介し
てねじ軸１０の両端部をそれぞれ回転自在に支承
している。ねじ軸１０の軸受部１１ｂ，１１ｃか
ら突出する前後両端にはそれぞれ被動歯車１４と
抜止め環１５が固着され、ねじ軸１０は軸線方向
の位置を固定されている。また、軸受部１１ａ，
１１ｂはそれぞれ軸支穴１６，１７を有してこれ
に操作軸１８が回転自在に支承されている。符号
１９は操作軸１８に嵌着されねじ軸１０上の被動
歯車１４と噛合つている駆動歯車、符号２０は操
作軸１８の後端に取付けられた抜止め環である。
符号２１は装置筐体の延長部２ａの前面に装着さ
れた操作用回転つまみであつて、つまみ２１は操
作軸１８の前端に嵌着されており、これを回転操
作することにより歯車１９，１４を介してねじ軸
１０を回転させナツト８を前後方向に移動させる
ことができる。第３図は本考案を適用したコンソ
ール型表示装置の一例を示す。符号４ａはCRT
４の表示面を示す。

次に、上述のように構成された本考案機構によ
るCRT表示面の角度調整操作を第４図について
説明する。

つまみ２１を矢Ａ（第１図）方向に回転操作す
ると、操作軸１８上の駆動歯車１９と噛合つてい
る歯車１４を介してねじ軸１０が反対方向に回転
駆動され、これと螺合するナツト８は前方に例え
ば鎖線位置８′まで移動する。従つて、ナツト８
と摺動回転可能に嵌合しているレバー６が支軸５
を中心として時計方向に鎖線位置６′まで揺動
し、支軸５を介してレバー６と一体に結合されて
いるCRT保持枠３が鎖線位置３′まで回動し、
CRT表示面はやや上方から監視するに好都合な
傾斜角を呈する。

また、つまみ２１を反対方向に回転させれば、
逆にCRT表示面が不向きとなるので、つまみ２
１の操作によつて表示面の角度を任意に調整する
ことができる。また、調整後は、CRT保持枠３
に振動その他の外力により支軸５を中心として回
転させようとする力が働いても、揺動レバー６と
嵌合するナツト８とねじ軸１０との螺合によつて
ねじ軸１０に軸線方向の力が加わるだけで、つま
み２１を操作しない限りナツト８の前後位置は不
変であるから、いつたんセツトされたCRT表示
面の傾斜角度は安定確実に保持される。

なお、本実施例において歯車１４，１９は
CRT表示面の可変角度に対するつまみ２１の回
転数を任意に設定するためのものであつて、精細
な調整を可能にすると共に操作を軽快ならしめる
に役立つが、ねじ軸１０を筐体前面まで突出させ
てこれに直接につまみ２１を固着させるなど、つ
まみ２１とねじ軸１０との連動方式には種々の変
型が可能であり、つまみは用途に応じ筐体の底面
等に設けることもできる。

また、前記実施例ではねじ軸１０および操作軸
１８を装置筐体の一側部に軸支する手段としてＥ
字形の軸受ブラケツト１１を用いているが、各軸
受部ごとにそれぞれ独立のブラケツトを筐体底面
に立設するなど、任意の軸受手段を用いることが
できるこというまでもない。

以上の説明から明らかなように、本考案機構に
よれば、簡単な操作でCRT表示面に所望の傾斜
角度を精確且つ安定に設定することができて監視
者の業務遂行が容易となり、しかもその構造が簡
潔であるなど、本考案は実用上多大の利用価値を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すCRT型表示
装置の一部欠切斜視図、第２図はその角度調整機
構の要部分解斜視図、第３図は本考案を適用した
コンソール型表示装置の一例を示す正面斜視図、
第４図は第１第２両図の角度調整機構の動作説明
図である。 １：角度調整機構、２，２ａ：CRT型表示装
置筐体、３：CRT保持枠、４：陰極線管
（CRT）、５：水平支軸、６，７：角筒状の揺動
レバーとその下端部前後両壁の切欠き、８，９：
円柱形のナツトとその貫通ねじ穴、１０：水平ね
じ軸、１１：軸受ブラケツト、１４：被動歯車、
１５：抜止め環、１８：操作軸、１９：駆動歯
車、２０：抜止め環、２１：操作用回転つまみ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陰極線管型表示装置において、陰極線管保持枠
   の両側中央部に突設されて装置筐体の側壁に枢支
   される左右一対の水平支軸のうち一方の前記支軸
   の外端に上端で固着され下端部の前後両壁に切欠
   きを有する角筒状レバーと、前記レバーの下端部
   に摺動回転可能に嵌合し一直径上に貫通ねじ穴を
   有する中心軸線が前記支軸と平行な円柱状ナツト
   と、装置筐体の一側壁に固定された軸受ブラケツ
   トの軸受部に回転可能に軸支されて前記ナツトと
   螺合し前記切欠きを通して前記レバーの下端部を
   前後方向に貫通する水平ねじ軸と、装置筐体に装
   着され前記ねじ軸と連動する回転つまみとを具
   え、前記回転つまみを操作して前記ナツトを前後
   方向に移動させることにより前記支軸を中心とし
   て陰極線管保持枠を回動させることを特徴とする
   陰極線管表示面の角度調整機構。