JPS621809A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JPS621809A
JPS621809A JP13973485A JP13973485A JPS621809A JP S621809 A JPS621809 A JP S621809A JP 13973485 A JP13973485 A JP 13973485A JP 13973485 A JP13973485 A JP 13973485A JP S621809 A JPS621809 A JP S621809A
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tuyere
blast furnace
raceway
coke
diameter
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Application number
JP13973485A
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English (en)
Inventor
Kenji Tamura
健二 田村
Morimasa Ichita
一田 守政
Katsuya Ono
斧 勝也
Yoichi Hayashi
洋一 林
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高炉の操業方法の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
高炉の送風制御たとえば、送風温度、送風湿度、送風圧
力、補助燃料吹込量および羽口風速の操作条件は、装入
制御の操作条件と並んで、高炉操業に重要な影響を及ぼ
すが、このうち、羽目風速は、後述のように、レースウ
ェイと炉芯の形成挙動およびレースウェイ近傍での粉コ
ークスの発生と堆積挙動に大きな影響を及ぼし、結果と
して、高炉内の通気性と充填物の降下状態に重要な影響
を及ぼす。
ところで、この羽口風速は、詳しくは後述するが、基本
的には、送風量と、設備条件である羽口数と羽口径で決
定される。第2図に、羽口部の構造図の例を示す。11
は送風羽口で、通常羽目または単に羽口ともいう。12
は大羽口で大量ともいう、13は羽口受金物、14は鉄
皮で、マンテルともいう。15はスタンプ、1Gは煉瓦
である。
このうち、羽口数については、炉内円周方向のガス流分
布を均一にする目的で、炉体の強度ならびに構造上可能
なかぎり多くするように設計されている。また、羽口径
についての従来例では日本鉄鋼協会編:鉄鋼便覧第3版
(■製銑・製鋼)、p。
283  (1979)、丸善)によれば羽口風速が2
00〜250m/sの範囲に入ることを目安として定め
られてきた。
つまり、羽口径は、羽口風速の目標設定値より決定する
方法が従来の技術であった。
たとえば、送風条件として、送風量Vb(Nn?/ m
in ) 、送風温度Tb(℃)、送風湿度Mb(g/
Nrd) 、送風圧力P b (kg/cIIt、ゲー
ジ)および羽目風速の目標イ直utt(m/3)が与え
られ、設備条件として、羽口数Nt(−)が与えられる
と、羽口径Dt(m>を、(1)式で算定できる。
しかし、従来技術の問題点は、いうまでもなく羽口風速
の目標値をどのように設定するかということである。す
でに述べたように、羽口風速は、レースウェイの形成な
らびにレースウェイ近傍における粉コークスの発生に重
要な影響を及ぼすため、レースウェイでの粉コークスの
発生とこれに関連して羽口風速もしくは送風量を制御す
る従来技術を説明し、あわせて、その問題点を以下に説
明する。
高炉の送風羽口前面に形成されるレースウェイ内では、
コークスが送風中の酸素により燃焼し最終的には消滅す
るが、この燃焼過程において、衝風によりコークスはレ
ースウェイ内を旋回するため、コークスどうしの衝突や
摩耗によっても、コークスが破壊され、細粒化する。す
なわち、燃焼と摩耗によってコークスは劣化ならびに細
粒化し、たとえば3u以下の粒径の微粉コークス(粉コ
ークスという)が発生するため、レースウェイ近傍には
、粉コークスが堆積し、該粉コークスの堆積が大量に蓄
積した場合には、高炉内の通気性を阻害するため高炉操
業を円滑に行うことが困難になることが経験的に確認さ
れている。
ところで、このコークスの劣化をひき起す要因としては
、従来より、コークス強度の低下、たとえば、冷間での
ドラム回転強度DI  指数あるいは、熱間でのCO2
による反応後強度C3R指数の低下、もしくはレースウ
ェイ内でのコークスの旋回速度に影響を及ぼす羽口風速
の過大のいずれかが主たる原因と考えられてきた。
したがって、従来の高炉操業における基本的な考え方は
、前記のコークス強度を極力高めることであった。そし
て実際に、高炉の大型化および高羽口風速化に伴って、
高強度のコークスを使用するようになってきた。
一方、高炉操業要因としての羽口風速については、羽口
風速を過大にすると、レースウェイ内のコークスの旋回
速度が増大するため、コークスの摩耗量が増加して、粉
コークスの発生量も増加することは、後述のように公知
であったが、高炉操業における羽口風速の役割としては
、レースウェイ内での粉コークスの発生の抑制よりは、
レースウェイ深度の増大のための手段としての方がより
重要視されてきた。というのは、高炉祖操業では、炉の
中心部に降下速度のきわめて小さいコークス停滞層、す
なわち通常炉芯と称せられる不活性帯が形成されるため
、この炉芯をできるだけ小さくし、高炉内の活性帯をで
きるだけ広げることが重要と一般に信じられてきたから
である。ここで、炉芯が形成されるメカニズムは、送風
羽口より吹込まれた送風中の酸素によって、コークスが
燃焼する際のコークスの燃焼速度がきわめて大きいため
、炉内のレースウェイ先端近傍つまり、羽口先端から1
mないし高々2mの範囲で酸素が消費されてしまい、そ
れより炉の中心側ではコークスがもはや燃焼しなくなる
ためコークスが、固体として安定に存在するため、前記
のような炉芯が形成されるのである。したがって、炉芯
を小さくするためには、羽口風速を大きくし、その衝風
エネルギーによってレースウェイ深度を大きくすること
が必要との考え方がこれまでの通念であって、羽目風速
の増大に伴う粉コークス発生量の増加に対しては、前記
のように、コークス強度の向上で対処してきたのが、高
炉操業の従来の基本的な考え方であった。ただし、羽口
風速を増大するといっても、羽口風速の上限値は経験的
に約320m、/S程度に押えて、高炉操業は行われて
きた。
さて、レースウェイおよび炉芯の形成挙動とレースウェ
イ近傍の粉コークスの発生と堆積の挙動の重要性は、以
上説明したように明白であるが、以下、羽口風速の制御
なかんずくレースウェイ近傍の粉コークスの発生と堆積
挙動の制御に関する最新の従来技術の概要を説明し、該
従来技術の問題点を説明する。
まず、最初にレースウェイでの燃焼と摩耗によるコーク
スの劣化に伴うコークス粒子の細粒化現象を予測し、送
風量を制御する従来技術の例として、たとえば、特開昭
53−117623号公報の概要について以下説明する
。該公報に記載の技術(以下中技術という)の概要は、
サイクロンの原理を応用した旋回摩耗試験装置を用いて
、実高炉レースウェイ部にできるだけシミュレートした
条件下でコークスを一定時間旋回させた後、粒度分布を
測定し、送風量、コークスの初期粒径等の要因を考慮し
た粒度分布の推定式を導き、該推定式に基づいて実高炉
のレースウェイ部のコークスの平均粒径を算出して、炉
内の通気性を制御しようとするものである。
ところで、前記甲技術の第1の問題点は、旋回摩耗試験
装置を用いて実高炉のレースウェイ部をシミュレートし
ているといっても、温度や羽口風速の条件は試験装置と
実高炉では大幅に異っており、また、コークスの燃焼反
応によるコークス粒径の変化をも論理的に考慮している
が、あくまでもレースウェイ部でのコークスの平均粒径
を推定したものであり、レースウェイ部のコークス粒径
の実測値に基づいて、炉内の通気性を判定し、送風量を
制御する方法ではないことである。何故ならば、炉内現
象は複雑であって、レースウェイの形成挙動一つをとっ
てみても、たとえば、羽ロ一本あたりの送風量が同じで
あっても、羽口径が違えば、後述のようにレースウェイ
の大きさが異なり、粉コークスの発生量も違ってくるか
らである。
したがって、相似則や燃焼反応などの点で高炉内状況を
十分に再現したシミュレーション実験結果もしくは実測
値によって検証されてない推定値のみで、適切な送風量
制御ができるかどうかは問題といわざるを得ない。つぎ
に、甲技術の第2の問題点は、炉内のコークス粒径の変
化を推定できるとしているが、炉内の粉コークスの堆積
状態を全く考慮していないことである。というのは、粉
コークスは炉内で完全に消滅するわけではなく、必ず、
炉芯や炉壁近傍などの充填層内に堆積するものであり、
むしろ、このような炉内の粉コークスの堆積状況こそが
、付着物の形成や、後述のように炉芯の肥大化などに作
用し、装入物の降下状態や通気性を決定すると言っても
過言ではないからである。つまり、高炉内の通気性は、
コークスの平均粒径以上に、むしろ、レースウェイ近傍
での粉コークスの発生とその堆積挙動によって大きく影
響を受けるからである。
そこで、本発明者らは、前記甲技術のかかる問題点を解
決するための羽口風速の制御に関する高炉操業法を発明
し特許(特願昭58−219791)をすでに出願して
いる(以下、該特許出願の技術を乙技術という)。以下
、該乙技術の概要と問題点を説明する。すなわち、乙技
術の特徴とするところは、高炉送風羽口よりレースウェ
イ先端部から炉芯表層部におけるコークスのサンプリン
グを行い、粒径3f1未満の粉コークス量が、サンプリ
ングコークス量の5M量%以下になるように羽口風速を
制御し、もし、前記の粉コークス量が5M量%をこえた
場合には、羽口風速を200m/秒以下にすることを特
徴とする高炉操業法である。ところで、乙技術の問題点
を列挙するとすれば、高炉の設備条件たとえば、炉内容
積や羽口数もしくは羽口径および羽口風速以外の操業条
件、たとえば出銑比や風速温度あるいは使用するコ−ク
スの平均粒径の条件が与えられた場合に、適正な羽口風
速をある計算式に基づいて、定量的に推定できないこと
である。すなわち、乙技術の方法では、前記のごとく炉
芯表層部のコークスサンプリングを行って、粉コークス
量が5M量%以下になるような適正な羽口風速を試行錯
誤で決定しなければならないという不便さ、もしくは、
無条件に羽口風速を200m/秒以下にすることによる
操業上への予期できぬ悪影響を蒙る可能性があったこと
である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、任意の設備条件すなわち内容積および
羽口数を備える高炉において、出銑比ならびに送風温度
および装入コークスの平均粒径などの操業条件が任意に
設定された場合の適正な羽口風速の条件を試行錯誤して
決定することなく、かつ乙技術のように一律に200m
/秒以下にするのではなく、前記の高炉操業条件に応じ
て、もっとも適切な羽口径を選択することにより適正な
羽口風速も策定する方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前述の問題点を解決するためにレースウェイ深
度が設定値以下になるように特定の式に基づいて羽口径
を制御することに特徴があり、その要旨は以下のとおり
である。
(1)高炉の送風羽口前面に形成されるレースウェイ深
度が設定値DR以下となるように、次式に基づいて羽口
径Dtを調整することを特徴とする高炉操業方法。
Dt≧k・γ・vi/(Nt−DR) ここで、Dt二羽ロ径(m) 、k :高炉操業条件に
よって定まる定数、γ:出銑比(t・d−m)、vi:
内容積(n?)、Nt:羽口数()、DR:レースウェ
イ深度の設定値(m)。
(2)高炉の送風羽口前面に形成されるレースウェイ深
度DRを測定し、もしくは次式に基づいて算定し、該D
Rが、1.4m以下になるように、羽口径を調整する前
記(1)項記載の高炉操業方法。
ここで、ut二羽ロ風速(m/s) 、P b :送風
圧力(kg / ci 、ゲージ)、Tb:送風温度(
”C)、ρc:コークスのみかけ密度(kg/n?) 
、d p :装入コークスの平均粒径(m)。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明者等は、第3図に示す縮尺が約1/10の高炉下
部二次元模型を使用し、主に高炉下部における充填物の
充填降下特性に及ぼす出銑比および羽口風速の影響につ
いて実験解析し、出銑比ならびに高炉の設備条件が与え
られた場合の適正な羽口径、及び羽口風速の策定法に関
して、従来にはない新しい高炉操業方法の知見を得た。
すなわち、本実験装置は、充填物の降下とガス流れは勿
−のこと、粉コークスの堆積挙動に関して、実際の高炉
内現象とできる限り相似となるように相似則つまり、フ
ルード数等の無次元数を検討して、装置の製作と実験条
件の設定を行った。
すなわち、後述のフルード数を模型と実高炉とで一致さ
せた。つぎに実験方法を概説すると、装置上部(装入部
)1より平均粒径5鶴のコークスと擬似鉱石を交互に装
入する。ここで、擬似鉱石は融点が100〜123℃の
低融点合金により製造したものである。一方、装置下部
の両端に設置した2本の羽口8より約180℃の熱風を
吹きこみ、前記の擬似鉱石を溶融滴下させる。そして、
上部より装入された前記のコークスと溶融滴下する擬似
鉱石は、羽口8の前方に形成されるレースウェイ9の直
下に設置したロータリーフィーダー7を介して、下部の
密閉貯蔵庫10へ排出させる。そして、本実験装置を用
いて、出銑比のレベルを3水準変更し、羽口風速を後述
のフルード数に基づく実炉の羽口風速への換算値(以下
実炉換算羽口風速という)で100〜330m/秒の範
囲で7水準変更して実験した。すなわち、送風量とそれ
に比例したコークスの排出量を変更することにより、炉
内における充填物の降下速度を基準にした実炉換算の出
銑比を1.6. 2.0. 2.7 t −d  ・m
−3と3水準変更し、各出銑比のレベルで、羽口径を変
更することにより、同一の送風量でも羽目風速を変更さ
せることにより、後述のように、出銑比と適正な羽目風
速の関係を解析した。なお第3図で2は熱電対、3は熱
風炉、4は流量調整器、5は送風機、6は熱風(最大2
00℃、20ONn?/h、)、7はロータリーフィー
ダー、10は密閉貯蔵庫である。
以下、主要な実験結果について説明する。第4図は、レ
ースウェイの無次元深度Yと前記のフルード数Xとの関
係を示したもので、両者の間には明確な直線関係があり
、実験データの最小自乗性近似により、直線回帰式とし
て(2)式を得た。
Y=0.48X           ・・・・・・(
2)ただし、Y=DR/Dt         ・・・
・・・(3)・・・・・・(4) ここで、DR:レースウェイ深度(m)二羽ロ軸上の羽
口先端とレースウェイ最深部間の水平距離である、Dt
=羽口径(m) 、X :フルード数(=)、ut=羽
口風速(m/ s )、ρ :空気密度(kg/r+?
)、φ:形状係数り (=0.33)、ρ :コークスみかけ密度(kg/n
?)、  二重力加速度(= 9.8 m/ 52)d
p:装入コークス平均粒径(m) なお、ρ は、(5)式で表される。
ρ、 =352 (P、+、1) / (T、 +27
3 )・・・・・・(5) ただし、P :送風圧力(kg / ell! 、ゲー
ジ)、T。
:送風温度(’C)ここで、(3)〜(5)式を(2)
式へ代入して整理すると、レースウェイ深度DRの推定
式として(6)式が得られる。
DR= 5.0ODt−ut (Pb+1)/(a、]
冴b+273))・・・・・・(6) なお、第4図に実験データーとともに、実炉データをプ
ロットしたが、実炉データも(2)式の直線の近傍に散
布している。したがって、(6)式により、実高炉のレ
ースウェイ深度を精度よく推定することができることが
確認された。
第5図は、レースウェイ深度と羽口水準の炉芯表層部に
おける1鶴以下の微粉コークスの堆積量との関係を示し
たものであるが、本発明を生むきっかけとなうたグラフ
である。
すなわち、第5図はレースウェイ深度の増大とともに炉
芯表層部、換言すればレースウェイ近傍における微粉コ
ークスの堆積量が指数関数的に増加することを示してい
る。ちなみに(6)式より明らかなごとく、レースウェ
イ深度は羽口風速utに正比例する。また、出銑比の増
加は送風量の増加を伴うため、羽口径Dtもしくは羽口
風速utを増大する必要があり、やはりレースウェイ深
度が増大する。すなわち、出銑比や羽口風速の増加によ
り、レースウェイ深度が増大するが、炉芯表層部におけ
る粉コークスの堆積量との関係については、レースウェ
イ深度DRで整理することができることが見出されたわ
けである。そして、通気性の観点から、微粉コークス堆
積量の許容最大値は約10wt%であることが判明した
。したがって、第5図に示すように、炉芯表層部の微粉
コークスの許容堆積量を10wt%とおくことにより、
レースウェイ深度の許容最大値は105flないしは高
々140鶴であることが判明した。この数値を前記のフ
ルード数Xが模型実験と実炉で同一とみなして実高炉の
レースウェイ深度に換算すると、本実験の縮尺比が1/
10であるから、実験結果の数値を10倍すれば良く、
実高炉のレースウェイ深度の上限値は約Im〜1.4m
と推定された。
第6図は、トラベリングタイムとレースウェイ深度の関
係を示したものである。ここで、トラベリングタイムと
は、第3図において、装置の上部lより装入したコーク
スがレースウェイ9に到達するまでの滞留時間である。
ここで、出銑比が増加するほど、トラベリングタイムが
短縮する理由は、高出銑比はど装置下部からのコークス
の排出量が大きいためであるが、重要なことは、出銑比
が同一の場合でも、レースウェイ深度がある一定値、つ
まり100〜110fiを越えると、トラベリングタイ
ムが急激に減少する現象である。このように、レースウ
ェイ深度が100〜110mm以上になると充填物の滞
留時間が短縮する理由は、炉芯が肥大化し、充填物の降
下領域が縮少するからである。ここで、炉芯肥大化の理
由を、さらに詳しく説明すると、前記のように、レース
ウエイ深度が100flを越えると、炉芯表層部の微粉
コークス堆積量が増大し、炉芯内にガスが流通できなく
なる。その結果、ガスが炉芯表層部に沿って上方へ流れ
るため、レースウェイ内で発生した粉コークスはそのガ
ス流によって上方へ搬送され、その過程で炉芯上部の表
層部に逐次粉コークスが堆積してゆくため、徐々に、炉
芯肥大化現象が進行するのである。ところで、実高炉内
で、トラベリングタイムが短縮すると、鉄鉱石の還元や
昇温が十分に行われなくなるため、高炉操業の効率が低
下することは説明するまでもないことである。
以上の通り、本実験の結果レースウェイ深度には上限値
が存在し、その上限値は約105 tm (Max。
140+n)であることが判明した。そこで、第7図に
示す、レースウェイ深度と実炉換算羽口風速の関係図に
おいて、レースウェイ深度の上限値を105謳と設定す
ると、各出銑比における実炉換算羽口風速の上限値を決
定できることを見出した。
すなわち、出銑比が1.6t−d−’・m−5の場合の
羽口風速の上限値は280m/sであり、同様に、2.
0. 2.7 t −d−’−m−’の出銑比に対する
羽口風速の上限値はそれぞれ230m/s、180m/
Sと推定された。つまり、高出銑比はど羽口風速を減少
すべきことが判明した。
ところですでに述べたように、羽目風速に関する通念は
できるだけレースウェイ深度を大きくするため、羽口風
速は大きくすべきであるということであり、出銑比を増
加する場合には、羽口風速を減少すべきとの技術思想は
これまでまったくなかった。
そこで、以上の実験結果の知見をふまえて、実際の高炉
において、任意の設備条件、たとえば内容積と羽口数の
条件と、任意の操業条件たとえば出銑比と送風温度の条
件が与えられた場合に、適正な羽口径と羽口風速を定量
的に策定する方法を発明したので、その詳細を以下説明
する。
まず、羽口数Nt(本)および羽口径Dt(m)が既知
の場合、送風量V b (N rl / min ) 
、送風温度Tb (”C) 、送風湿度Mb (g/N
rr?) 、送風圧力P b (kg/an!、ゲージ
)の送風条件が与えられると、(1)式をutについて
整理し直すと羽口風速ut(m/s)は(7)式で表さ
れる。
ここで、送風量vbを、出銑比r (t−d−’・m 
’)および内容積Vt(n?)の関数として表示すると
(8)式が成り立つ。
Vb=Fp・r・Vi/1400    ・−・−(8
1ここで、Fp:銑鉄tあたりの所要送風量(Nrrr
/l) つぎに、(7)式および(8)式を前記(6)式に代入
して、羽口径Dtについて整理すると、(9)式が得ら
れる。
Dt≧k・γ・Vi/(Nt−DR)  ・・・・・・
(9)ただし、 したがって、レースウェイ深度の設定値、すなわち目標
値もしくは上限値DRが設定されると、(9)式より、
羽口径Dtを求めることができる。(9)式より明らか
なように適正な羽口径を算定するために、従来技術たと
えば(1)式と比較すると明らかなように、羽口風速の
目標値を設定する必要がない。
なお、(9)式において、不等号〉を付した理由は、レ
ースウェイ深度DRの設定値が適正上限値であれば、(
9)式で算定される羽口径が下限値となるからである。
このように、(9)式により、適正な羽口径DRを算定
することができるが、さらに羽口径を決定することによ
って高炉操業上重要な羽口風速utの適正値を決定する
ことができる。
すなわち、(9)式を(6)式へ代入し、羽口風速ut
〔発明の作用〕 (9)式に基づいて、羽口径Diを策定することができ
るが、以下、実施例に基づいて、本発明の作用と効果を
説明する。
第1図は、4000n?級の高炉を想定して(9)式に
基づいて作成した羽口径Dt(下限値)と出銑比Tの関
係を示したものである。ここで計算条件は、内容積Vi
=389On?、羽目数Nt=34本、送風温度Tb=
1250℃、送風圧力pb−4、1kg / crA、
ゲージ、送風湿度Mb=30 g/Nn(、:] −ク
スノ平均粒径d p= 48 X l 0−3m、k=
8X10’r+?−d−win/lである。第1図にお
いて、パラメータとして、3種類のレースウェイ深度D
R,ずなわち1.2. 1.3. 1.4rnを採用し
た理由は、すでに述べたように、模型実験の結果、レー
スウェイ深度の適正な上限値が実炉換算で約1m〜1.
4mであると想定されたためである。
さて、(9)式および第1図より、以下のことが容易に
理解できる。すなわち、出銑比を変化する場合、レース
ウェイ深度を同一に保持するためには、羽口径は、出銑
比に正比例して増減すべきことである。このように、羽
口風速の目標値を設定しなくても、羽口数、内容積およ
び出銑比とレースウェイ深度の目標値から適正な羽口径
を一義的に決定しうろことは従来技術にはない画期的な
方法である。たとえば、第1図の条件で、レースウェイ
深度を1.4mに保持して、出銑比を2.Qt−d−1
、、−3から2.4t−d  −m−3へ増加するため
には、羽口径を13111から1570へ増大すればよ
いことが、容易に算定しうる。
また、前記の模型実験結果から容易に類推できるように
、同一出銑比の場合でもレースウェイ深度を小さくした
方が、レースウェイ近傍における粉コークスの堆積量の
減少およびトラベリングタイムの観点からは望ましいこ
とが判明しており、たとえば、出銑比が2t−a  −
m  の場合、レースウェイ深度を1.4mから1.3
mへ小さくするためには、第1図に示すように、羽口径
を131鰭から141nへ拡大することにより、第8図
から羽目風速を257m/sから221m/sへ減少す
ればよいこと、すなわち、羽口径ならびに羽目風速の変
更量をレースウェイ深度との関係で定量的に推定できる
利点を有している。
なお第8図は、第1図の場合と同じ条件で69式に基づ
いて算定した羽口風速く上限値)と出銑比の関係の例を
示したものである。すなわち、高炉の内容積や羽口数な
どの設備条件および出銑比や送風温度などの操業条件が
任意に設定された場合に、(115式もしくは第8図の
ような関係図によって、適正な羽目風速の条件を求める
ことができる。従って前述したように第1図によって羽
口径が決定すればこの第8図から羽口径に対応した、レ
ースウェイ深度との関係から羽口風速を制御すれば良い
以上の説明はレースウェイ深度を確認することなしに予
め設定してそれに基づいて羽口径を決定する例について
のべたが、レースウェイ深度を実測するか、あるいは前
述の(6)式によって算定して、レースウェイ深度を確
認しながらレースウェイ深度が1.4m以下になるよう
に(9)式に基づいて羽口径を制御するのがより望まし
い。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明考らは模型実験により出銑比の増加
に伴い、羽目風速を低減すべきとの新事実を見出し、さ
らに、これを定量化する目的で任意の高炉の設備・操業
条件の与件のもとで、出銑比と適正な羽口径ならびに羽
目風速との定量的な関係式を導出し、該関係式に基づい
て羽口径と羽口風速を制御する高炉操業方法を発明した
。そこで、実施例に基づいて、本発明の詳細な説明する
第9図は、最近2年間にわたって当社で稼動していた1
2基の高炉の主9操業指標の月平均値の推移図を示した
ものである。第9図より明らかなように、出銑比を1.
7 t −d−1−m−3より2.1t・a−1・m−
3へ増加したにもかかわらず前記69式に基づいて羽口
風速を260m/sより230m/Sへと減少させた。
この場合、羽目風速の変更が、(9)式に基づいて、羽
口径を拡大することによって行われたことはいうまでも
ない。その結果、炉内の通気抵抗を表わす指標に値は着
実に低下し、つまり通気性は改善され、充填物の降下異
常性を表わすスリップ回数が減少した結果、高炉操業の
安定化および、溶銑品質の安定化、とりわけ溶銑中のS
i濃度を低下させることができ、銑鉄製造コストの低減
に大きく貢献した。以上のように、本発明の効果は、非
常に大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は出銑比と適正な羽口径の関係をレースウェイ深
度をパラメータとして表わした図、第2図は送風羽口部
の構造概略図、第3図は高炉下部二次元模型の装置構成
図、第4図は、実験によって求められた、レースウェイ
の無次元深度とフルード数の関係図、第5図は、炉芯表
層部の微粉コークスの堆積量とレースウェイ深度の関係
図、第6図は、トラベリングタイムとレースウェイ深度
の関係図、第7図はレースウェイ深度と実炉換算羽口風
速の関係図、第8図は出銑比と適正な羽口風速の関係図
、第9図は、最近2年間の高炉の主要操業指標の月平均
値の推移図である。 1:装置の装入部、 2:熱電対、 3:熱風炉、 4
:流量調整器、 5:送風機、 6:熱風、  7:ロ
ータリーフィーダー、  8:羽口、9:レースウェイ
、  10:密閉貯蔵庫、11:送風羽口、  12:
大羽口、  13:羽口受金物、  14:鉄皮、  
15ニスタンプ、16:レンガ。 出 願 人  新日本製鐵株式会社 代理人弁理士  青 柳    稔 (,82,02,22゜4   2.6   2.8出
を比(尤・d−1・m−3) 第1図 第2図 レースウェイ 深浅DR(mm) 5,0 10.0 15.0 20.0 25.0フル
ード蚊 第4図 レースウェイラ招洩DR(mm) 第5図 し−スフエイ坩1支DR(mm) 第6図 手続補正書(自発) 昭和60年 8月9日 特許庁長官 宇 賀 道 部 殿 1、事件の表示 昭和60年特許願第139734号 2発明の名称 高炉操業方法 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 住所 東京都千代田区大手町二丁目6番3号名称 (6
65)新日本製鐵株式会社 代表者 武 1)  豊 4、代理人 〒101 5、補正命令の日付  な し 6、補正によシ増加する発明の数  な し7、補正の
対象 明細書の発明の詳細な説明の欄8、補正の内容 (1)明細書第6頁6行の「高炉祖操業」を「高炉操業
」に補正する。 (2)同第8頁下から5行の「論理的」を「理論的」に
補正する。 (3)同第10頁20行の「風速温度」を「送風温度」
に補正する。 (4)同第16頁1行の「二重力加速度」を「g:重力
加速度」に補正する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高炉の送風羽口前面に形成されるレースウェイ深
    度が設定値D_R以下となるように、次式に基づいて羽
    口径Dtを調整することを特徴とする高炉操業方法。 Dt≧k・γ・Vi/(Nt・D_R) ここで、Dt:羽口径(m)、k:高炉操業条件によっ
    て定まる定数、γ:出銑比(t・d^−^1、m^−^
    3)、Vi:内容積(m^3)、Nt:羽口数(−)、
    D_R:レースウェイ深度の設定値(m)。
  2. (2)高炉の送風羽口前面に形成されるレースウェイ深
    度D_Rを測定し、もしくは次式に基づいて算定し、該
    D_Rが、1.4m以下になるように、羽口径を調整す
    る特許請求の範囲第1項記載の高炉操業方法。 D_R=5.00Dt・u_t√{(P_b+1)/{
    ρ_c・d_p・(T_b+273)}}ここで、u_
    t:羽口風速(m/s)、Pb:送風圧力(kg/cm
    ^2、ゲージ)、Tb:送風温度(℃)、ρ_c:コー
    クスのみかけ密度(kg/m^3)、dp:装入コーク
    スの平均粒径(m)。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255438A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Nippon Steel Corp 二次元型シミュレーション装置、シミュレーション方法及び高炉の操業方法
JP2015025153A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 Jfeスチール株式会社 高炉の羽口部構造
JP2021017644A (ja) * 2019-07-24 2021-02-15 日本製鉄株式会社 高炉操業方法

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