JPS6217283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、走行装置としてクローラー装置を装
備した農用又は建設用の運搬車輌に関する考案で
ある。

農作業等において車輪形の運搬車の入り難い圃
場内で穀稈や籾袋等を運搬したり、堆肥や土壌を
運搬したりする為に、乗用ダンプ形のクローラー
運搬車が要望されている。

これらクローラー形運搬車は不整地や軟弱地盤
での運搬を目的としており、荷物の運搬の他に被
牽引車輌の牽引も役目の一つである。トレーラー
や橇の牽引の他に湿地帯に沈み込んだ他車輌の引
き出し等にも使われるのである。

(ロ) 従来技術 従来の車輌の牽引装置としてはトラクターのド
ローバーヒツチ装置があつたが、トラクターの場
合には車輪を装備しており、車高が高かつたので
ドローバーヒツチ装置が使えたが、クローラー形
の車輌の場合には車高や重心が低いのでそれに見
合つた牽引装置を考案する必要があつた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は、このようなクローラー形の運搬車輌
に適した被牽引車輌の牽引装置を提供しようとす
るものであり、特にクローラー式の走行装置であ
る為に、ドローバーヒツチが低い位置となり、非
使用時における収納が困難となるのである。

本考案はこの点を改善したものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成する為の構成を説明すると。

クローラー形運搬車輌の後車軸ケース１３の中
心を牽引点とし、該後車軸ケース１３の外周にお
いて上下に回動自在で、かつ被牽引車輌との間を
フツク体６ａにて脱着可能とした後部牽引杆６を
設けると共に、該後部牽引杆６を上方に回動させ
た位置で保持できる格納装置を具備させたもので
ある。

(ホ) 実施例 本件考案の目的は以上の通りであり添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて本件考案の構成
を説明すると。

第１図はクローラー形運搬車輌の平面図、第２
図は同じく側面図である。

運転室１内にステアリングハンドル２と座席３
が備えられており、該運転室１はシヤーシー１１
の前部に載置されている。シヤーシー１１の最後
部に荷台４のダンプ支点５が設けられ、荷台は油
圧リフトにより持ち上げ傾動される。

運転室１の座席３下部にエンジン１２がシヤー
シーに固定されて載置されており、エンジン１２
の後面に付設したクラツチハウジング１０を介し
て動力が後部のミツシヨンケース９へ向けて伝動
される。クラツチハウジング１０とミツシヨンケ
ース９の間にユニバーサルジヨイント及び連結軸
１４が介装されている。ミツシヨンケース９はシ
ヤーシー１１の間に固定され、両側面より後車軸
１６，１６が突出してクローラー装置７の駆動ス
プロケツト８，８を回転させている。

後車軸１６，１６を後車軸ケース１３，１３で
被覆しており該後車軸ケース１３，１３に後部牽
引杆６の取付体１７が固設されている。

後部牽引杆６は車軸ケース１３の外周に固定し
た取付体１７に枢支され、回転自在に構成されて
いるのである。

第３図は後部牽引杆６の回動状態を示す図面、
第４図は後部牽引杆６の平面図、第５図は後部牽
引杆６の収納状態を示す図面、第６図は収納状態
の他の実施例を示す図面、第７図は後部牽引杆６
の取付体１７を示す図面である。

後部牽引杆６は基部が６ｃと６′ｃの２又に別
れており、ミツシヨンケース９を挟んで両側に設
けた取付体７の溝内に回動可能に枢支されてい
る。車軸ケース１３は内部に後車軸１６，１６を
嵌装し、外側に取付体１７，１７を固設してい
る。

２又基部６ｃ，６′ｃを横杆６ｅで連結し、該
横杆６ｅの中央部にフツク体６ａを固設してい
る。又、該フツク体６ａの一部に枢支ピン６ｄを
設け係合体６ｂを係合・開放可能に枢支してい
る。該フツク体６ａに被牽引車輌の先端フツク部
を係合させるのである。

クローラー形運搬車輌の後車軸１６の位置は車
輪形運搬車の後車軸中心位置より低いので牽引の
中心にすると後部牽引杆は被牽引車軸の位置が高
い場合に斜後方へ牽引点が持上げられるので取付
体１７を中心に回動が可能である必要が生ずるの
である。しかし、回動自由とした為に非牽引時に
フツク体６ａ部分が圃場面に引きずられたり、振
動したりするので第３図，第５図，第６図の如く
格納装置を設けたものである。

第３図の場合はチエーン１５により係合させて
おり、第５図の場合はチエーン又はロープ１８に
より持ち上げ、該ロープ１８を鉤体１９に結んで
いる。第６図はカバー体１９を設け、該カバー体
１９によりフツク体６ａを持ち上げ鉤体１９にカ
バー体を掛合して格納している。

(ヘ) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、荷台やシヤーシー部に牽引点を設けた
場合に比較して、車軸に牽引中心を位置させてい
るので車体に重心位置に近い位置に牽引力が作用
し、車体後部が持ち上げられたり前部が浮いたり
することなく、被牽引車輌の牽引作業を行うこと
ができるのである。

第２に、後部牽引杆を回動可能にしたので、ク
ローラー式走行装置の後車軸ケース１３の部分と
いう低い位置から、後方へ突出した後部牽引杆６
でありながら、後端を上方へ回動して大形の被牽
引車輌の牽引が可能となり、クローラー式走行車
輌の使用用途を拡大することが出来たものであ
る。

第３に、後部牽引杆６の後端にフツク体６ａを
構成したので、下方から上方のへ伸ばした場合に
どの位置の被牽引車輌のヒツチ部をも係止するこ
とができるのである。また上下に回動可能で、か
つ後部牽引杆６の格納装置を設けることにより、
後部牽引杆が地面と接することもなくなつたので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はクローラー形運搬車輌の平面図、第２
図は同じく側面図、第３図は後部牽引杆６の回動
状態を示す図面、第４図は後部牽引杆６の平面
図、第５図は後部牽引杆６の収納状態を示す図
面、第６図は収納状態の他の実施例を示す図面、
第７図は後部牽引杆６の取付体１７を示す図面で
ある。 ６……後部牽引杆、６ａ……フツク体、７……
クローラー装置、８……駆動スプロケツト、１３
……後車軸ケース、１６……後車軸、１７……取
付体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クローラー形運搬車輌の後車軸ケース１３の中
   心を牽引点とし、該後車軸ケース１３の外周にお
   いて上下に回動自在で、かつ被牽引車輌との間を
   フツク体６ａにて脱着可能とした後部牽引杆６を
   設けると共に、該後部牽引杆６を上方に回動させ
   た位置で保持できる格納装置を具備させたことを
   特徴とするクローラー形運搬車輌。