JPS6217262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は背部材に取り付けた板ばねの一端部
を押圧することにより蝶番状に連結した背部材を
開き紙葉とじ込み用部材に紙葉の出し入れを行
い、この背部材をその両外側より内方に押圧して
閉じ、紙葉とじ込み用部材に紙葉を保持するフア
イルに関する。

〔従来技術〕

従来、この種のものには第１図に示すように、
背部に設けた押圧片１，２を同時に押圧すること
により、突き合せ状に係合した半リング状の紙葉
とじ込み用角部材３ａ，３ｂをその中央係合部４
から左右に開いて紙葉の出し入れを行ないその後
は紙葉とじ込み用角部材３ａ，３ｂを両外側から
押圧して係合させ紙葉を保持するものがあつた
が、押圧片１，２を同時に両手の指を使用して押
圧しなければならず、不便であつた。また紙葉と
じ込み用角部材３ａ，３ｂが多数設けてあるた
め、これと合致する多数の孔をあけた紙葉でなけ
れば使用できないために使用する用紙が限られ、
また紙葉枚数が多いと紙葉とじ込みに際し、これ
らが紙葉とじ込み用角部材３ａ，３ｂからはずれ
易くとじ込みにくい欠点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は上記欠点を解消するもので、その目
的は、背部材に取り付けた板ばねの一端部一箇所
を押圧するだけで背部材を開き紙葉の出し入れを
することができ、しかも紙葉は出し入れに際し紙
葉とじ込み用角部材から簡単にはずれてしまうよ
うなことはなく、また背部材の両外側からこれを
押圧するだけで紙葉とじ込み用角部材に紙葉を確
実に容易に保持することができるフアイルの提供
にある。

〔考案の構成〕

かかる目的を達成するために本考案において
は、Ｕ字状の背部材の両端にそれぞれ表紙を連結
し、背部材の両端の内壁面に、複数個の紙葉とじ
込み用部材を設けた基板を固着し、背部材の底部
に形成された肉厚部を背部材の長手方向の中心線
に沿つて二分して２つの肉厚部に形成し、これら
２つの肉厚部を薄い柔軟な貼着部材により蝶番状
に連結し、背部材の一方の底部内面に、背部材の
長手方向に対し直角の方向に間隔をおいて並設さ
れた２つの係合孔を有する被係合部材を、背部材
の長手方向と直角の方向に延びるように取り付
け、背部材の他方の底部内面にこの背部材の長手
方向に沿つて取り付けられた板ばねにＬ字形に形
成されその一端が引掛け部とされた係合体を、前
記板ばねの長手方向に対し直角方向に前記係合孔
に対応し得る箇所に位置して設け、かつ前記板ば
ねの下方に位置する肉厚部を切欠いて間隙を形成
し、板ばねの上下動により被係合部材の２つの係
合孔縁を前記係合体の引掛け部に選択的に係脱可
能とした構成としてある。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例を図面に基づいて説明
すれば、第４図に示すように背部材１１を断面Ｕ
字形に形成し、この背部材１１の両端部１２，１
３に表紙１４を布または紙などの柔軟な薄い貼着
部材１５により蝶番状に開閉自在に連結する。ま
た、背部材１１の両端部１２，１３のそれぞれの
内面に略長方形の基板１６，１６を背部材１１の
長手方向に沿つて固定し、この基板１６，１６の
それぞれに第３図に示すように先端部を稍尖ら
せ、弧状に湾曲させた紙葉とじ込み用角部材（紙
葉とじ込み用部材）１７，１７を所定の間隔をお
いて複数（この実施例においては各２本）背部材
１１の長手方向に対し直角に、かつ背部材１１の
長手方向に交互にその先端部を反対方向に向け、
その基部を固着する。一方第４図に示すように背
部材１１の底部１８の肉厚を厚くして所定の高さ
を保持するように肉厚部１９をつくり、この肉厚
部１９を背部材１１の長手方向の中心線に沿つて
縦に二分し、その二分した分割面間に断面Ｖ字状
の空間部２０が生じるように肉厚部１９を２つの
肉厚部１９ａ，１９ｂに形成し、これら２つの肉
厚部１９ａ，１９ｂを前記布または紙などの薄い
柔軟な貼着部材１５により蝶番状に開閉自在に連
結する。上記二分した背部材１１の一方の底部内
面２１（この実施例においては肉厚部１９ａの内
面）の所定位置には、端部に２つの長方形孔（係
合孔）２２ａ，２２ｂをあけた長方形板からなる
被係合部材２３を背部材１１の長手方向に対し直
角方向に延びるように取り付ける。被係合部材２
３は、長方形板の先端部を山形に折曲し、その斜
面部に後記する係合体２５の引掛け部２５ａが孔
縁に係脱する長方形孔２２ａ，２２ｂをあけられ
たものである。長方形孔２２ａ，２２ｂは背部材
１１の長手方向に対し直角の方向に間隔をおいて
並設されている。また二分した背部材１１の他方
の底部内面２１（この実施例においては肉厚部１
９ｂの内面）に背部材１１の長手方向に沿つて略
長方形の板ばね２４を取り付ける。この板ばね２
４は第６図に示すように先端部２４ａを上方へ段
状に折曲したもので、第３図において板ばね２４
の上記被係合部材２３の長方形孔２２ａ，２２ｂ
の下方位置には係合体２５を固定する。この係合
体２５は第４図に示すように板材を略Ｌ字形（鉤
形）に形成してその一端を引掛け部２５ａとし第
４図における左側面を円弧面２６に形成し、さら
に上面の右半部を第４図において右下り状に傾斜
させ、板ばね２４の長手方向に対し直角方向に向
けて板ばね２４に固定する。また、板ばね２４の
下方の肉厚部１９ｂは第６図に示すように一部傾
斜状に切欠き板ばね２４との間に間隙２７を設け
る。また肉厚部１９ｂへの板ばね２４の取付部と
係合体２５との間部には孔をあけこの孔に止ねじ
２８を嵌挿してこの止ねじ２８を肉厚部１９ｂに
ねじ込み、板ばね２４の自由端側と一緒に係合体
２５を所定の範囲上下動可能とするとともに上記
被係合部材２３の長方形孔２２ａ，２２ｂの孔縁
を係合体２５の引掛け部２５ａに選択的に係脱可
能とする。また、肉厚部１９ａと肉厚部１９ｂと
を閉状態とした第３図における基板１６，１６の
各紙葉とじ込み用角部材１７の先端部に対向する
部分にはこの紙葉とじ込み用角部材１７が遊嵌し
得る孔２９があけてある。また背部材１１の底部
１８の両端部１８ａ，１８ｂは内側から外側にか
けて斜め下方に肉厚部１９を傾斜させてある。

以上のように構成されたフアイルの作用につい
て説明すれば、背部材１１の底部１８の肉厚部１
９ａと１９ｂとを閉状態にした第３図の状態にお
いて、板ばね２４の先端部２４ａを下方に押圧す
ると、被係合部材２３の長方形孔２２ａの縁部か
ら係合体２５の引掛け部２５ａが外れ、長方形孔
２２ｂの縁部に係合体２５の引掛け部２５ａが引
掛かり、背部材１１が第７図に示すように半開状
態となつて記帳するのに便利となる。そして、さ
らに先端部２４ａを下方に押圧すると、被係合部
材２３と係合体２５との係合が長方形孔２２ｂか
ら係合体２５が離脱することによりはずれ、背部
材１１は全開し、第５図に示す全開状態になる。
そこでパンチにより所定位置４箇所に適宜の孔３
０をあけた第２図に想像線で示した紙葉３１をそ
の孔３０を紙葉とじ込み用角部材１７に嵌合し、
背部材１１をその外側から内方に向けて押圧する
と、被係合部材２３と係合体２５とが接近し被係
合部材２３の端部に係合体２５の円弧面２６が接
触して滑動し長方形孔２２ａに係合体２５が嵌入
し、長方形孔２２ａの縁部に係合体２５の引掛け
部２５ａが引掛かり、背部材１１および紙葉とじ
込み用角部材１７は第４図に示す閉状態となり紙
葉３１は紙葉とじ込み用角部材１７により確実に
保持される。

この実施例によれば板ばね２４の先端部２４ａ
を押圧するだけで背部材１１を半開状態として記
帳に便ならしめることができ、また背部材１１を
全開状態にして紙葉３１を出し入れすることがで
き、かつその紙葉３１は紙葉とじ込み用角部材１
７が長いため紙葉とじ込み用角部材１７から簡単
にはずれてしまうようなことがなく、従つてこの
紙葉とじ込み用角部材１７に紙葉３１を確実に容
易に保持することができる。また紙葉とじ込み用
角部材１７は多数を必要とせず（この実施例では
４本）従つて各紙葉とじ込み用角部材１７の間隔
に合つた孔３０をあけることができるパンチを用
意し、このパンチを用いて各用紙に孔３０をあけ
ることにより使用用紙に限定されることなく、ど
の用紙でもとじ込むことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、Ｕ字
状の背部材の両端にそれぞれ表紙を連結し、背部
材の両端の内壁面に複数個の紙葉とじ込み用部材
を設けた基板を固着し、背部材の底部に形成され
た肉厚部を背部材の長手方向の中心線に沿つて二
分し２つの肉厚部に形成し、これら２つの肉厚部
を薄い柔軟な貼着部材により蝶番状に連結し、背
部材の一方の底部内面に、背部材の長手方向に対
し直角の方向に間隔をおいて並設された２つの係
合孔を有する被係合部材を背部材の長手方向と直
角の方向に延びるように取り付け、背部材の他方
の底部内面に背部材の長手方向に沿つて取り付け
られた板ばねに、Ｌ字形に形成されその一端が引
掛け部とされた係合体を、前記板ばねの長手方向
に対し直角方向に前記係合孔に対応し得る箇所に
位置して設け、かつ前記板ばねの下方に位置する
肉厚部を切欠いて間隙を形成し、板ばねの上下動
により被係合部材の２つの係合孔縁を前記係合体
の引掛け部に選択的に係脱可能とした構成とした
ので、被係合部材と、係合体が設けられた板ばね
の２部材だけの着脱により背部材を開閉でき、し
かも背部材に取り付けた板ばねの一端部一箇所を
押圧するだけで、背部材をひいてはフアイルを半
開状態として記帳に便ならしめることができ、か
つ全開状態にして紙葉とじ込み用角部材に紙葉を
出し入れすることができ、しかも紙葉はその出し
入れに際し、紙葉とじ込み用部材が長いため、紙
葉の枚数が多くなつても紙葉とじ込み用部材から
簡単にはずれてしまうような事がなく、また背部
材の両外側からこれを押圧するだけの簡単な操作
で背部材および紙葉とじ込み用部材を閉状態に
し、紙葉とじ込み用部材に紙葉を確実に容易に保
持することができ、構造が極めて簡単となり、製
造コストを安くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフアイルの一例を示す斜視図、
第２図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第３
図は同要部の一部切欠平面図、第４図は第３図の
−線縦断正面図、第５図はこの考案の背部材
を全開した状態を示す縦断正面図、第６図は第４
図の−線縦断側面図、第７図はこの考案の背
部材の半開状態を示す縦断正面図である。 １１……背部材、１２，１３……端部、１４…
…表紙、１５……貼着部材、１６……基板、１７
……紙葉とじ込み用角部材（紙葉とじ込み用部
材）、１８……底部、１９，１９ａ，１９ｂ……
肉厚部、２１……底部内面、２２ａ，２２ｂ……
長方形孔（係合孔）、２３……被係合部材、２４
……板ばね、２５……係合体、２５ａ……引掛け
部、２７……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面Ｕ字状に形成した背部材１１の両端部１
   ２，１３にそれぞれ表紙１４，１４を連結し、前
   記背部材１１の両端部１２，１３の内側壁面に、
   複数個の紙葉とじ込み用部材１７，１７を設けた
   基板１６，１６を、前記背部材１１の長手方向に
   固着し、前記背部材１１の底部に所定の高さを保
   持するように肉厚部１９を形成し、この肉厚部１
   ９を前記背部材１１の長手方向の中心線に沿つて
   二分し、２つの肉厚部１９ａ，１９ｂに形成し、
   これら２つの肉厚部１９ａ，１９ｂを薄い柔軟な
   貼着部材１５により蝶番状に開閉自在に連結し、
   前記二分した背部材１１の一方の底部内面２１
   に、前記背部材１１の長手方向に対し直角の方向
   に間隔をおいて並設された２つの係合孔を有する
   被係合部材２３を前記背部材１１の長手方向と直
   角の方向に延びるように取り付け、前記二分した
   背部材１１の他方の底部内面２１に板ばね２４
   を、前記背部材１１の長手方向に沿つて取り付
   け、この板ばね２４に、その長手方向に対し直角
   方向にＬ字形に形成されその一端が引掛け部２５
   ａとされた係合体２５を、前記係合孔に対応し得
   る箇所に位置して設け、かつ前記板ばね２４の下
   方に位置する前記肉厚部１９を切欠いて間隙２７
   を形成し、前記板ばね２４の上下動により被係合
   部材２３の２つの係合孔縁を前記係合体の引掛け
   部２５ａに選択的に係脱可能としたことを特徴と
   するフアイル。