JPS6217150B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静置式穀物乾燥装置の改良に係る。静
置式乾燥装置は、簡単な構造により穀物を斑なく
乾燥でき、しかも乾燥を施した穀類の取出し操作
を容易に行うことのできるものが所望される。

静置式穀物乾燥装置の一例として、長方形箱形
の容器の中央に対向する垂直両側壁面に多数の小
孔を穿設した垂直風道管を一定間隔に配設し、そ
の間隔内に穀類を充填し、該風道管を相対応する
隙板に差込んで固着させ、前後いずれかの一端を
密閉し、かつ交互に他端を開放して前後の空気室
に連結し、一方の空気室を燃焼室に連結して熱風
発生用火炉より温風を撹拌混和して風道管に導入
し、他方の空気室には排風機を取付け、排気用風
道管より排風を吸引して機外に排出せしめること
により相対応する風道管の間隔内に充填された穀
類の間隔を温風が通過して穀類の加熱乾燥、水分
の除去をして排風機により吸引排風するように構
成され、更に底部に取付けた底板は中央部の中心
線において蝶番装置に着脱具を用いて支持され、
かつ相当の傾斜角度でもつて左右両側に穀類を排
出する傾斜路となり、箱形容器上部の穀類充填部
分には穀類充填量の調節と該重点部分密閉を兼ね
たＵ字形蓋板を設けた水平箱形吸引式穀類乾燥装
置が特開昭53―44352号公報として知られている
が、このものは、穀物量が少量で乾燥を施すこと
ができる利点を有するが、穀類を各風道間隔内に
充填した後にＵ字形蓋板をそれぞれに載置せねば
ならず、また乾燥の終了した穀類は、底板の着脱
の操作により箱形容器の下部両側に放出されるも
のであるから、放出された穀類を集穀する点等に
人手を煩す問題点を有していた。

本発明は、上記問題点に鑑みて改良を施したも
のであり、簡単な構造で構成費を廉価とし、穀物
を斑なく乾燥させると共に、小量の穀物量でも簡
単に乾燥が行え、さらに乾燥終了した穀物の機外
取出しの作業性を改善するために、穀物量が小量
のときには通風用開閉弁を閉成して乾燥室に通風
する面積を制限し、また、穀物を機外に排出する
際には、乾燥穀物を排出用開閉弁の開成操作のみ
で排穀用コンベヤーに乾燥穀物を流下させること
ができ、多孔壁床部に残る穀物は通風により多孔
壁床部の合流部に滑流排出するようにし、穀物の
機外取出しに手数の掛らない静置式穀物乾燥装置
を提供することを目的とする。

本発明の実施例を第１図および第２図に基づき
説明する。

箱形機枠１の内部の左右両側方に通気性側壁１
０，１０を立設し、該側壁１０，１０に接続して
箱形機枠１内部中央に向けて傾下する多孔壁床部
２，２を装架し、多孔壁床部２，２の傾下側合流
部に排出用開閉弁５を回動自在に軸架し、該合流
部の下部に凹陥部６を設けてその内部に排穀用コ
ンベア７を横架し、通気性側壁１０，１０と箱形
機枠１の両側壁３，３との空間を通風室１２，１
２に形成し、多孔壁床部２，２の下方を火熱発生
機１６を一側部に備えた熱風室４となし、該熱風
室４と通風室１２，１２で包囲した内部を穀物乾
燥室１１に形成する。さらに穀物乾燥室１１の内
部中央部には一側端を排風機１４に連結した多孔
壁排風筒１３を横設し、熱風室４と通風室１２，
１２との境界部８，８に通風用開閉弁９，９を回
動自在に軸架し、箱形機枠１の上部には、その中
央に開閉可能にした給穀口（図示してない）のあ
る密閉用天蓋１７を装脱自在に装着してあり、１
５は箱形機枠１側部に装設した排穀口である。

以下に上記実施例における作用につき説明す
る。穀物乾燥室１１床部の排出用開閉弁５を開塞
状態にして該乾燥室１１の上部から原料穀物を投
入すると、穀物は多孔壁排風筒１３の周壁面に沿
つて下部の多孔壁床部２，２に流下し、該穀物は
その傾斜床面を滑流して中央部の排風筒１３下方
から漸次床面に累積する。前記排風筒１３下方の
穀物層は、その上面を多孔壁排風筒１３下端から
穀粒安息角による凹陥面を形成し、また続いて投
入される穀物は、第１図の符号Ｈに示すように、
多孔壁排風筒１３に対して各通風室１２，１２、
天蓋１７および多孔壁床部２，２間の穀物層を略
均等厚に形成する。次に、熱風室４と通風室１
２，１２の境界部８，８に設けた通風用開閉弁
９，９を開成操作し、火熱発生機１６に点火して
排風機１４を回転すると、多孔壁排風筒１３を介
して排風機１４に吸風する作用により、火熱発生
機１６で発生した乾燥高温空気を熱風室４から多
孔壁床部２，２および通風室１２，１２から穀物
乾燥室１１に図中矢印のように多方向から略均等
的に流入する。穀物乾燥室１１内の穀物粒間を通
気して穀物を乾燥したその排気は多孔壁排風筒１
３に流出し、穀物乾燥室１１内の穀物粒をそれぞ
れ均一に乾燥作用を施すものである。所望水分値
に乾燥を施された穀物の取出しは、排出用開閉弁
５の開成操作のみで穀物乾燥室１１から排穀用コ
ンベア７に流出させ、多孔壁床部２，２は中央に
向けて傾下しているので穀物はその傾斜と通風と
により排穀用コンベア７に向けて滑流し、穀物を
機内に残留させることなく箱形機枠の一側部の排
穀口１５から排出できる。

なお、穀物乾燥室１１に供給された穀物量が少
ないときには、通風用開閉弁９，９を閉成操作し
て熱風室４から乾燥高温空気を多孔壁床部２，２
のみから通風に制限して穀物を乾燥すればよい。

上記に説明した如く本発明によれば、多孔壁排
風筒を穀物乾燥室の中央部に横設したので、穀物
乾燥室内に供給した穀物は多孔壁排風筒を中心と
して各方位に均等厚に形成され、穀物粒を全粒斑
なく安全かつ効率的に乾燥を施すことができる。
また穀物乾燥室内に供給した穀物量が少量である
ときには、通風用開閉弁を閉成する操作により対
応することができる。そして乾燥完了した穀物の
取出しは、排出用開閉弁を開成操作するだけで穀
物を排穀用コンベアに流出させて箱形機枠の側部
に集められて排出されるので、袋体あるいは容器
に乾燥穀物を受取ることができる。また、各部の
構成を簡単にしてその構成費を廉価とするととも
に操作を容易として人手を省略できる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実態様を例示し、第１図は本装
置の立断面図、第２図はその一部を切開した斜視
図である。 １……箱形機枠、２……多孔壁床部、３……側
壁、４……熱風室、５……排出用開閉弁、６……
凹陥部、７……排穀用コンベア、８……境界部、
９……通風用開閉弁、１０……通風性側壁、１１
……穀物乾燥室、１２……通風室、１３……多孔
壁排風筒、１４……排風機、１５……排穀口、１
６……加熱発生機、１７……天蓋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 箱形機枠内部の左右両側方に立設した通気性
   側壁の下端部からそれぞれ多孔壁床部を中央に向
   けて傾下し、これら両多孔壁床部の傾下端部の間
   を合流部となし、前記合流部の下部に凹陥部を設
   けてその内部に排穀用コンベアを横架し、前記通
   気性側壁と前記多孔壁床部で包囲した内部を穀物
   乾燥室に形成し、該穀物乾燥室の中央部には排風
   機に連結した多孔壁排風筒を横設し、前記多孔壁
   床部の下方を火熱発生機を備えた熱風室に、また
   前記箱形機枠の両側壁面と前記通気性側壁との空
   間をそれぞれ通風室に形成し、前記通風室に高温
   空気を供給または遮断する通風用開閉弁を前記通
   風室と前記熱風室との境界部に設けるとともに、
   前記多孔壁床部の傾下側合流部に排出用開閉弁を
   回動自在に設けたことを特徴とする静置式穀物乾
   燥装置。 ２ 上記箱形機枠の上部に密閉用天蓋を設けた特
   許請求の範囲第１項記載の静置式穀物乾燥装置。