JPS6216767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は回転精度、トルク、耐久寿命、およ
び潤滑剤洩れ防止等に優れ、音響機器、家電機
器、およびコンピユータ関連機器等に適したスピ
ンドルユニツトに関する。

従来のスピンドルユニツトは軸部材のラジアル
荷重を一対のラジアルすべり軸受で支え、軸部材
のスラスト荷重をスラストすべり軸受で支えてい
た。

従つて軸部材はラジアルすべり軸受の軸受すき
まの分だけ振れるので回転精度が悪く、また軸部
材のスラスト荷重をスラストすべり軸受で支えて
いるが、軸部材の回転精度が悪いのでトルクが高
く、さらに境界潤滑下ですべることが多いので耐
久寿命が短く、また軸受すきまから潤滑剤が洩れ
やすいという欠点があつた。

この考案は回転精度、トルク、耐久寿命、およ
び潤滑剤洩れ防止等に優れたスピンドルユニツト
を提供することを目的とする。

次にこの考案の実施例を図面に基いて説明す
る。第１図において、軸部材１には円筒状のラジ
アル外面２，３が軸方向に適当な距離を隔てて二
ケ所に設けられ、このラジアル外面２，３にはヘ
リングボーン状のみぞ４，５がそれぞれ設けられ
ている。前記軸部材１にはラジアル外面２，３の
両側で潤滑剤だまり用の周みぞ６，７，８，９が
ヘリングボーン状のみぞ４，５とつながつてそれ
ぞれ設けられ、また軸部材１には二ケ所のラジア
ル外面２，３の間でローター１１が固定されてい
る。前記軸部材１は軸１ａと軸１ａの軸端にろう
づけによつて固定した球体１ｂとを備え、この球
体１ｂが軸端スラスト受部１２となつている。従
つて軸端スラスト受部１２は軸部材１の軸端に設
けられている。前記軸部材１の外周にハウジング
１３が配設され、このハウジング１３は上方の支
持部材１３ａと上方の支持部材１３ａに固定した
中央の支持部材１３ｂと中央の支持部材１３ｂに
固定した下方の支持部材１３ｃとから構成されて
いる。前記ハウジング１３はラジアル外面２，３
と共働してラジアル軸受部１４，１５を構成する
ラジアル内面１６，１７と、軸端スラスト受部１
２と共働してスラスト軸受部１８を構成する平面
状の底側スラスト受部１９とを備えており、軸端
スラスト受部１２と底側スラスト受部１９とが点
接触している。前記ハウジング１３にはローター
１１の外周でステーター２１が固定され、また二
ケ所のラジアル軸受部１４，１５およびスラスト
軸受部１８に潤滑剤が存在している。

以上のような構成で軸部材１が回転すると、ラ
ジアル軸受部１４，１５の両端の潤滑剤はヘリン
グボーン状のみぞ４，５のポンピング作用によつ
てラジアル軸受部の軸受すきま２２，２３に流入
するのでラジアル軸受部の軸受すきま２２，２３
にラジアル方向の圧力が発生し、軸部材１のラジ
アル荷重はラジアル軸受部１４，１５で支持され
ている。また軸端スラスト受部１２と底側スラス
ト受部１９とは点接触しているので軸部材１のス
ラスト荷重はスラスト軸受部１８で支持されてい
る。

第２図はこの考案の他の実施例であるが、軸部
材１は周みぞ６，７，８，９を中心としてラジア
ル外面２，３の反対側にシール作用を行うスパイ
ラル状のみぞ３１，３２，３３，３４をそれぞれ
有し、また軸部材１の一方の軸端は凸球面の軸端
スラスト受部１２となつている。前記軸端スラス
ト受部１２にスパイラル状みぞ３５が設けられ、
また軸端スラスト受部１２と共働して動圧形のス
ラスト軸受部１８を構成する底側スラスト受部１
９は凹球面となつている。前記軸部材１の他方の
端部に断面がコ字状の胴体３６が固定され、この
胴体３６の内周にローター１１が固定されてい
る。そしてハウジング１３にはローター１１の内
周でステーター２１が固定されている。

このようにすると、周みぞ６，７，８，９を中
心としてラジアル外面２，３の反対側の流体はス
パイラル状のみぞ３１，３２，３３，３４のポン
ピング作用によつて周みぞ６，７，８，９にそれ
ぞれ流入するのでラジアル軸受部の軸受すきま２
２，２３から外方への潤滑剤洩れ防止により有効
である。

この考案のスピンドルユニツトによると、軸部
材１は軸方向に距離を隔てて二ケ所に設けた円筒
状のラジアル外面２，３と、該ラジアル外面２，
３に設けたヘリングボーン状のみぞ４，５とを備
え、ラジアル軸受部１４，１５に潤滑剤が存在し
ているのでラジアル軸受部の軸受すきま２２，２
３にラジアル方向の圧力が発生すると共に油膜の
形成が充分になされ、回転精度が良好であり、ト
ルクが低く、すべりおよび摩耗が少いので耐久寿
命が長く、負荷容量が高く、かつラジアル内面１
６，１７の材質を特に考慮する必要がないのでコ
ストの安価を図ることができる。また軸部材１は
ラジアル外面２，３の両側にヘリングボーン状の
みぞ４，５とつながつて設けた周みぞ６，７，
８，９を備えているのでラジアル軸受部の軸受す
きま２２，２３から潤滑剤の外方への流出は周み
ぞ６，７，８，９によつて抑制され、潤滑剤洩れ
防止が有効になされている。さらに軸端スラスト
受部１２と底側スラスト受部１９とが点接触して
いると、起動トルクが低く、動トルクも低く、か
つ調心性を有するという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すスピンドル
ユニツトの断面図、第２図はこの考案の他の実施
例を示すスピンドルユニツトの断面図である。 図中、１は軸部材、２，３はラジアル外面、
４，５はヘリングボーン状のみぞ、６，７，８，
９は周みぞ、１２は軸端スラスト受部、１３はハ
ウジング、１４，１５はラジアル軸受部、１６，
１７は内周の受部、１８はスラスト軸受部、１９
は底側スラスト受部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 軸部材１は軸方向に距離を隔てて二ケ所に設
   けた円筒状のラジアル外面２，３と、該ラジア
   ル外面２，３に設けたヘリングボーン状のみぞ
   ４，５と、前記ラジアル外面２，３の両側にヘ
   リングボーン状のみぞ４，５とつながつて設け
   た周みぞ６，７，８，９と、一方の軸端に設け
   た軸端スラスト受部１２とを備え、前記軸部材
   １の外周に配設したハウジング１３はラジアル
   外面２，３と共働してラジアル軸受部１４，１
   ５を構成するラジアル内面１６，１７と、前記
   軸端スラスト受部１２と共働してスラスト軸受
   部１８を構成する底側スラスト受部１９とを備
   え、前記ラジアル軸受部１４，１５およびスラ
   スト軸受部１８に潤滑剤が存在していることを
   特徴とするスピンドルユニツト。 (2) 軸端スラスト受部１２と底側スラスト受部１
   ９とが点接触している実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のスピンドルユニツト。