JPS6216394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、履帯のマスターピン連結部における
マスターピン頭受構造に関するものである。

(ロ) 従来の技術 従来、動力作業機等の走行部に設けられた履帯
においては、キヤタピラ片を外側に固設したトラ
ツクリンクを互いにピンにて連結して無端状の履
帯に構成しているが、かかる無端状形成を行うた
めのマスターピン連結部においては、ピン先端受
部とピン頭受部とがあり、ピン頭受部では連結用
のマスターピンの頭部を支持すべく、ピン頭部嵌
着溝を設けており、具体的構造は、第５図に示す
ように、ピン頭受部が外形を円状にし、その円状
の中央を横断する状態に横溝を設けており、ピン
頭部は同横溝に嵌着しうる長方形状に形成してい
るものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 ところが、走行部の作動時にピンが摺動してピ
ン頭受部の横溝においてピン頭部が摺動し、外周
円形のピン頭受部の横溝端部、すなわちピン頭受
部の幅狭端部がめくれたり、摩耗したりして、い
わゆる「へたり」状態となり、横溝とピン頭部と
のガタが生起しやすい欠点を有していた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 そこで、本考案では、左右トラツクリンクを有
する多数のキヤタピラ片を、各トラツクリンクの
両端部に設けたピン挿通孔中に連結ピンを挿通す
ることにより帯状に連結し、両側自由端にマスタ
ーピンにより連結して無端状の履帯とするマスタ
ーピン連結部において、一側方のトラツクリンク
の一側端をマスターピン頭受部として、同ピン頭
受部の外側端に、マスターピン頭部嵌合用の横溝
を切欠形成すると共に、同横溝の左右横幅と上下
縦幅とを略同一幅広状に形成してなる履帯のマス
ターピン連結部におけるマスターピン頭受構造を
提供せんとするものである。

(ホ) 作用・効果 履帯が無端回動作動した際には、マスターピン
連結部のマスターピンが振動を受けて摺動するも
のであるが、同マスターピンの頭部は左右横幅と
上下縦幅とを略同一幅広状に形成した横溝中に嵌
合させているために、ピン端受部の左右端を横溝
に接する部分が損壊したり、めくれたり、摩耗、
「へたり」を生起するおそれがなく、確実にマス
ターピンの頭部を固定することができるものであ
る。

(ヘ) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
第１図に示すＡは動力作業機等の一例としてのバ
ツクホーを示しており、ａは走行部である。

走行部ａには、駆動輪１、遊動輪２等に懸架さ
れて履帯３が回動自在に装着されている。

履帯３は、第１図〜第３図に示すように、左右
トラツクリンク５，５′を有する多数のキヤタピ
ラ片４を、連結ピン６により帯状に連結し、両側
自由端をマスターピンＭにより連結して無端状と
しているものである。

すなわち、キヤタピラ片４の内側面左右側部に
左右トラツクリンク５，５′を左右対向状態に突
設し、同トラツクリンク５，５′の一側端に肉厚
の左右ピン端受部７，７′を設けると共に、他側
端に左右ピン受けフランジ部８，８を設けて、同
フランジ部８，８とピン端受部７，７′に各々ピ
ン挿通孔９，１０を設けている。

従つて、隣設するキヤタピラ片４を連結する際
には、ピン端受部７とピン受けフランジ部８の各
ピン挿通孔９，１０を符合させて、同ピン挿通孔
９，１０中に連結ピン６を挿通すればよいもので
ある。

なお、第３図中、１１は、カラーを示してい
る。

かかる構成において、本考案の要旨は、マスタ
ーピンＭのピン頭部受構造にあり、以下この構造
を第２図〜第４図にもとづき詳述する。

すなわち、マスターピンＭにより連結すべきマ
スターピン連結部Ｐにおいて、マスターピン頭受
部としての右側ピン端受部７′の外側端に断面コ
字状の横溝１３を切欠形成して、同ピン端受部
７′の外側端に上下縁部ｎ，ｍを設け、同上下縁
部ｎ，ｍ間の間隔、換言すれば、横溝１３の上下
縦幅Ｈと、同横溝１３の左右横幅Ｌとを略同一の
幅広状に形成しているものである。

そして、上記右側ピン端受部７′に対向するマ
スターピン先端受部としての左側ピン端受部７
に、抜止めピン挿通孔１４を横断貫通状態に穿設
している。

また、マスターピンＭは、ピン頭部１２が、上
記横溝１３に密着状態に嵌合すべく、同ピン頭部
１２の上下面１２ａ，１２ｂを平行な扁平面に形
成すると共に、同上下面１２ａ，１２ｂの横幅ｌ
と、横溝１３の左右横幅Ｌとが同一となり、か
つ、同上下面１２ａ，１２ｂ間の間隔である縦幅
ｈと、横溝１３の上下縦幅Ｈとが同一となるよう
に構成している。

なお、マスターピンＭのピン頭部１２の左右側
縁部は、半円弧状に形成して、横溝１３から同半
円弧状部が左右側方へ突出するように構成してい
る。

しかも、マスターピンＭの先端部には抜止めピ
ン挿通孔１５を設けて、同ピン貫通孔１５が、ピ
ン頭部１２を右側ピン端受部７′の横溝１３中に
嵌合させた状態で、左側ピン端受部７の抜止めピ
ン挿通孔１４と符合すべく構成している。

第３図中、１６は抜止めピンである。

なお、第２図、第３図に示すように、右側ピン
端受部７′には全て横溝１３を設けて、連結ピン
６の頭部も、マスターピンＭのピン頭部１２と同
様に同横溝１３に嵌合するようにしている。そし
て、連結ピン６の本体は左右ピン端受部７，７′
のピン挿通孔１０中に圧入して、容易に抜けない
ように構成している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案構造のバツクホーの側面図。第
２図は、機体側からみた履帯の一部側面図。第３
図は、同履帯の一部切欠平面図。第４図は、マス
ターピン連結部の分解斜視図。第５図は、従来構
造の説明図。 Ａ：バツクホー、１：駆動輪、２：遊動輪、
３：履帯、４：キヤタピラ片、５：トラツクリン
ク、６：連結ピン、７：ピン端受部、８：ピン受
けフランジ部、９：ピン挿通孔、１０：ピン挿通
孔、１１：カラー、１２：ピン頭部、１３：横
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右トラツクリンク５，５′を有する多数のキ
   ヤタピラ片４を、各トラツクリンク５，５′の両
   端部に設けたピン挿通孔９，１０中に連結ピン６
   を挿通することにより帯状に連結し、両側自由端
   をマスターピンＭにより連結して無端状の履帯３
   とするマスターピン連結部Ｐにおいて、一側方の
   トラツクリンクの一側端をマスターピン頭受部と
   して、同ピン頭受部の外側端に、マスターピン頭
   部嵌合用の横溝１３を切欠形成すると共に、同横
   溝１３の左右横幅Ｌと上下縦幅Ｈとを略同一幅広
   状に形成してなる履帯のマスターピン連結部にお
   けるマスターピン頭受構造。