JPS6216363Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラツクの前方をジヤツキアツプす
ることによりトラツクを傾斜させて荷物の積み降
しを行う傾斜式トラツクに関するものである。こ
の種の傾斜式トラツクは荷物の積み降しが容易且
つ迅速に行なえるために広く用いられているもの
であるが、従前のものは、トラツクのキヤビンと
荷台の間の左右一対のシヤシサイドフレームにト
ラツクの前方をジヤツキアツプする一対のジヤツ
キ装置を直接垂設固着したものであつた。このた
め、各ジヤツキ装置間の間隙が狭く、ジヤツキア
ツプ時のトラツクの高度の安定を確保し難いもの
となつていた。

本考案は、ジヤツキアツプ時のトラツクの安定
性を高度に確保することのできる新規な傾斜式ト
ラツクを提供しようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。

第１〜第４図において１は、左右一対の前方前
輪２と後方前輪３を有する前輪軸二軸式のトラツ
クである。４はトラツク１のキヤビン、５は荷
台、６および７は夫々左右一対の後輪、８はトラ
ツク１のシヤシフレームである。シヤシフレーム
８は周知の如く適当間隔をおいてトラツク１の前
後方向に伸びる左右一対のシヤシサイドフレーム
９，１０を有している。１１は、それにジヤツキ
装置１８，１９を取付けるための横梁であるが、
この考案にしたがつた横梁１１は、それが、併列
された一対の横梁部材（例えばチヤンネル材）１
２，１２でもつて構成されると共に、該横梁１１
は、上記一対の横梁部材１２，１２が、その下側
においてそれに直交せしめた一対の取付部材１
３，１４の上へと、橋架して固着されており、ま
た取付部材１３，１４は、それが、トラツク１の
キヤビン４と荷台５間のシヤシサイドフレーム
９，１０へと、夫々Ｕボルトのような緊締部材１
５により着脱自在に取り付けられていて、これに
より、横梁１１は、トラツク１のキヤビン４と荷
台５との間で、しかも前方前輪２と後方前輪３間
のシヤシサイドフレーム９，１０へと横架固定さ
れ、その両端の突出部１６，１７が、夫々シヤシ
サイドフレーム９，１０から車巾に沿つて外方へ
と突出せしめられている。１８，１９は、上記横
梁１１に取付けられたジヤツキ装置であるが、こ
れらジヤツキ装置１８，１９は、夫々、外筒２
０、外筒２０内へ伸縮自在に嵌挿されて先端に接
地板２１を有する内筒２２、および、外筒２０と
内筒２２間へ内装配設されて外筒２０に対して内
筒２２を伸縮駆動する複動油圧シリンダ２３から
なつていて、これらのジヤツキ装置１８および１
９は、この考案にしたがい、各外筒２０の中間位
適所を、次のような構成でもつて横梁１１に止着
されている。すなわち、横梁１１は、一対の横梁
部材１２，１２が、その両端部を前記せる如くシ
ヤーシサイドフレーム９，１０よりも外側方へと
夫々突出１６，１７せしめられていて、その長さ
をキヤビン４の車巾に近い長さに形成されてお
り、前記突出部１６，１７に、一対のジヤツキ装
置１８，１９の、各外筒２０の中間位の適所が、
夫々前後の横梁部材１２，１２間に挾持された状
態でもつて、横梁１１に止着されているのであ
る。

このようにして、一対のジヤツキ装置１８およ
び１９は、その接地板２１を下にして、夫々横梁
１１の突出部１６および１７に垂設固着されてい
るのであるが、ジヤツキ装置１８および１９は、
その車巾方向外側端が制限車巾にできるだけ近ず
くようにその止着位置を設定されていて、このた
め、ジヤツキ装置１８および１９の接地板２１
は、夫々左右の前後前輪２，３間に位置してい
る。２４は、ジヤツキ装置１８と１９の各外筒２
０の上端間を、門型ラーメン構造となるように連
結している補強梁、２５は、トラツク１の荷台５
後端に上下方向に回動自在に設けた渡り板であ
り、走行時には上方に回動して格納してある。

作用について説明すると、荷物の積み降しをす
る場合は、第１図の走行状態から、複動油圧シリ
ンダ２３，２３によりジヤツキ装置１８，１９を
伸長してその接地板２１，２１を地面に接地押圧
してトラツク１の前方をジヤツキアツプし、トラ
ツク１を傾斜させる。次に渡り板２５を荷台５後
端と地面間にかけ渡し、この渡り板２５と傾斜状
態にある荷台５の斜面に沿つて荷物の積み降しを
行う（第２図）。走行状態にするには、上記操作
の逆を行う。

このように、この考案に係る傾斜式トラツク
も、その操作の面では、従来の傾斜式トラツクと
同様に作用するものであるが、この考案にしたが
つた傾斜式トラツクは、上記のような構成である
から、その強度、安定性及びメンテナンス等の面
では、従来の傾斜式トラツクでは得られなかつ
た、次のような作用効果を奏しうる長所をもつて
いる。

すなわち、先づ第１に、ジヤツキ装置１８，１
９をシヤーシサイドフレーム９，１０に直付けし
ていないが故に、シヤーシサイドフレーム９，１
０の間隔に制約されることなく、一対のジヤツキ
装置１８，１９間に車巾によつて許容されうる最
大巾を附与して、これをシヤーシサイドフレーム
に取付け得ており、したがつて、一対のジヤツキ
装置１８，１９の接地板２１，２１間の間隔が大
であるから、ジヤツキアツプ時のトラツク１の安
定を高度に確保し得ている。

第２に、横梁１１が、、キヤビン４の車巾に近
い長さを与えられた一対の横梁部材１２，１２で
もつて構成されていて、ジヤツキ装置１８，１９
は、その外筒２０が、前後の横梁部材１２，１２
間に挾持されて横梁１１に強固に止着されている
が故に、車体の前部をジヤツキアツプして、それ
を傾斜させたときにおいても、車体が前後方向に
揺動し難く、ジヤツキ装置１８，１９と横梁１１
間の止着部に、車体の前後方向の揺れに起因する
過大な負荷を生ぜしめることがない。

第３に、前記せる如く、一対のジヤツキ装置１
８，１９は、その間隔に、キヤビン４の車巾に等
しい最大の巾を与えられ、またその外筒２０が、
一対の横梁部材１２，１２によつて、特に前後か
ら挾持されて横梁１１へと止着されているばかり
でなく、その外筒２０の上部間が補強梁２４によ
つて連結されていて、横梁１１、外筒２０及び補
強梁２４の三者でもつて、それが門型ラーメン構
造に形成されているが故に、ジヤツキ装置１８，
１９が、横梁１１とシヤーシサイドフレーム９，
１０に着脱自在な取付部材１３，１４と緊締部材
１５とを介して、簡単に、且つ強固にシヤーシサ
イドフレーム９，１０上へと取付けられているの
であつて、そのため、車体前部のジヤツキアツプ
時における、車体の横方向の揺れ及び傾斜に対す
る安定性と強度が、格段に向上せしめられてい
る。

第４に、ジヤツキ装置１８，１９の取付けられ
た横梁１１が、その下側に取付部材１３，１４を
備えていて、横梁１１が、この取付部材１３，１
４をシヤーシサイドフレーム９，１０へと着脱自
在に取付けている、緊締部材１５を介して、シヤ
ーシサイドフレーム９，１０に着脱自在であるか
ら、ジヤツキ装置のメンテナンスが非常に容易で
ある。

第５に、前記横梁１１がその下側にそれに直交
する一対の取付部材１３，１４を備えているの
で、この横梁１１は、それがこの取付部材１３，
１４を介して、取付部材１３，１４の高さ分だ
け、シヤーシサイドフレーム９，１０から上方へ
と遠ざかつた位置でシヤーシサイドフレーム９，
１０に取付けられることになる。したがつてこの
考案にしたがつた傾斜式トラツクにあつては、前
記取付部材１３，１４の高さを適当に設定するこ
とで、キヤビン４の後側のシヤーシサイドフレー
ム９，１０間から上方に突出しているミツシヨン
ケースその他の突起物を、容易に回避させるとい
つた効果を奏しうるものである。なお、これをよ
り効果的に行うためには、第５図に示すように、
横梁１１の取付部材１３，１４間を、上向きに凸
形に彎曲させてもよいことは勿論である。

尚、上記実施例においては、前輪軸二軸式のト
ラツク１のキヤビン４と荷台５との間で、しかも
前方前輪２と後方前輪３との間のシヤシサイドフ
レーム９，１０に横梁１１を介してジヤツキ装置
１８，１９を取り付け、ジヤツキ装置１８，１９
を夫々前後前輪２，３間に位置させているため、
ジヤツキ装置１８，１９の格納時（走行状態）に
はその接地板２１，２１が前後前輪２，３間に収
容されるので、前後前輪２，３間の空間を利用し
ながら走行時における地面と接地板２１との干渉
を合理的に防止し得る効果を達成できるのであ
る。しかしながら本考案は、必ずしも前輪二軸式
のトラツクにその実施を限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の傾斜式トラツクの走行状態の
側面説明図、第２図は同傾斜状態の側面説明図、
第３図は第１図の要部拡大図、第４図は第１図の
Ｆ−Ｆ断面の断面図（原動機、動力伝達装置、等
は省略している。）、第５図は第４図と同一部分の
断面を示した他の実施例の説明図である。 １……トラツク、４……キヤビン、５……荷
台、９，１０……シヤシサイドフレーム、１１…
…横梁、１２……横梁部材、１３，１４……取付
部材、１５……緊締部材、１６，１７……突出
部、１８，１９……ジヤツキ装置、２０……外
筒、２４……補強梁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラツクのキヤビン４と荷台５との間において
   シヤーシサイドフレーム９，１０に横架された横
   梁１１が、併列された一対の横梁部材１２，１２
   でもつて構成されると共に、該横梁１１は、上記
   一対の横梁部材１２，１２が、その下側において
   それに直交せしめた一対の取付部材１３，１４の
   上に橋架して固着されており、上記一対の取付部
   材１３，１４が、夫々緊締部材１５を介してシヤ
   ーシサイドフレーム９，１０の上に取付けられて
   おり、且つ上記一対の横梁部材１２，１２が、そ
   の両端部をシヤーシサイドフレーム９，１０より
   も外側方へと夫々突出１６，１７せしめられてそ
   の長さをキヤビン４の車巾に近い長さに形成され
   ていて、横梁１１の前記突出部１６，１７に、下
   端に接地板２１を有する内筒２２を外筒２０内へ
   と伸縮自在に嵌装し且つ両筒２０，２２間に油圧
   シリンダ２３を配設してなる、一対のジヤツキ装
   置１８，１９の、各外筒２０の上下方向における
   中間位の適所が、夫々前後の横梁部材１２，１２
   間に挾持されて横梁１１に止着されると共に、こ
   のジヤツキ装置１８，１９の各外筒２０の上部間
   が、門型ラーメン構造となるように補強梁２４に
   て連結されていること、を特徴としてなる傾斜式
   トラツク。