JPS6215712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は屋根の換気装置に関する。

屋根裏の湿気や熱気を排出して、屋根裏の結露
や眇漏れを防止するため、従来より屋根棟部に換
気装置が設置されている。従来の換気装置では、
湿気を含んだ空気を排出し雨水の侵入を防止する
ため特別の形状をした棟覆が使用されたりしてい
るので、コストが高いものになつたり、棟覆の取
付けが煩雑となる欠点があつた。又、屋根裏の湿
気を棟覆に導くため、野地板に切欠部を設けると
棟覆等が破損した時に建物内部に直接的に雨水が
入ることになる。

本考案は上記従来の欠点を解消するものであ
り、簡単な構造ながら、確実に換気効果が得ら
れ、棟覆等が破損した場合でも雨洩りが生じるこ
とがない換気装置を提供することを目的としてい
る。

以下、図面を参照しながら本考案の一例を説明
する。第１図、第２図は第３図のそれぞれ−
線、−線における縦断面図であり、第３図は
第２図−線における縦断面図であつて、屋根
棟部の本考案換気装置が示されている。

１は棟木であり、その上の両側に野地板２が傾
斜されて設けられている。野地板２の上に屋根下
地材３が敷設されている。屋根下地板３の上に屋
根瓦４が葺設されている。該屋根瓦４の断面形状
は波形状になされている。

野地板２の屋根瓦４山部下方の位置には開口部
が設けられ、換気管５が上端を屋根瓦４山部に向
けて突出されて挿着されている。換気管５は上端
部に径大部６が設けられ、径大部６は開口部の周
縁に係止され、開口部の周縁にコーキング７が設
けられている。

屋根瓦４，４の棟部付近の上面には、下面が屋
根瓦４，４の波形状に沿つて波形状にされた面戸
板８，８が設置されている。該面戸板８，８は上
面に複数個の切欠溝９，９が設けられている。該
面戸板８は合成樹脂発泡体により形成することが
できる。

該面戸板８，８の上には笠木１０，１０が設置
されている。１１，１１は長釘であり笠木１０、
面戸板８、屋根瓦４の山部を通して、野地板２に
挿通されている。

屋根瓦４，４の上端部及び面戸板８、笠木１０
を覆うように棟覆１２が設置されている。該棟覆
１２は両側に肩部１３，１３が設けられ、中央部
は上に突出されている。該棟覆１２の肩部１３，
１３には短釘１４，１４が打込まれ、笠木１０，
１０に挿通されており、棟覆１２が固定されてい
る。該棟覆１２の下縁と屋根瓦４，４の谷部の間
には空隙１５，１５が形成される。本考案の換気
装置においては、屋根瓦４と野地板２の間の湿
気、熱気は屋根瓦４の山部に沿つて上昇し、野地
板２下方屋根裏の湿気、熱気は換気管５から上昇
して棟覆１２下に至り、棟覆１２肩部１３と笠木
１０との間、面戸板８の切欠溝９から棟覆１２下
縁をくぐり空隙１５から外気へ無動力で排出され
るのである。

又、本考案の換気装置は、例えば棟覆１２が破
損した場合でも、雨水は屋根下地材３の上を流下
し、突出されている換気管５の中には入らず雨水
洩れは防止されるのである。尚換気管５に径大部
６が形成されれば野地板２の開口部への挿着は容
易であり、換気管５が下に抜け落ちることはない
のである。

本考案の換気装置に於ける波状屋根瓦の該波状
については、その波の形状やピツチ等特に限定さ
れない。

以上の通り、本考案は野地板の上に波状屋根瓦
を葺設すると共に、該野地板に換気管を取り付け
る丈であるから、工事が簡単であり、安価である
と共に、換気の必要量に応じて換気管の本数を増
減することが容易である。又、換気管の上部が野
地板から上方に突出しているので、棟覆が破損し
た場合でも雨洩りが生じることがないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案換気装置の一例を示す
縦断面図であり、第１図は第３図−線、第２
図は第３図−線、第３図は第２図−線に
おける縦断面図である。 １……棟木、２……野地板、３……屋根下地
材、４……屋根瓦、５……換気管、６……径大
部、７……コーキング、８……面戸板、９……切
欠溝、１０……笠木、１１……長釘、１２……棟
覆、１３……肩部、１４……短釘、１５……空
隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 野地板の上に波状屋根瓦が葺設され、屋根棟部
   附近に於ける波状屋根瓦の山部に対向する野地板
   に開口部が設けられ、該開口部に、換気管がその
   上部を野地板から上方に突出すると共にその下部
   を屋根裏に突出するようにして取着され、該換気
   管により波状屋根瓦の山部と野地板との間の空間
   と屋根裏とが連通せしめられ、棟部には棟覆が取
   付けられてなる換気装置。