JPS6215276Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、シヤトル刺しゆう機の布枠共振防
止装置に関するものであり、その特徴とするとこ
ろは、布枠の一部分を中空部材から成るビームに
より構成しビームの中空部分に張り渡したワイヤ
ーの張力を調節することにより、ビームの共振周
波数を適宜調節して振動を防止し、布枠の重量を
増すことなく歪や振動を抑制するようにした点で
ある。

従来、シヤトル刺しゆう機の布枠は所望の位置
へ迅速に移動させるためにその重量をできるだけ
小さく抑えることが望ましく、このため構成部材
を太くすることができないから強度を高くするこ
とが難しく、運転時に布枠全体が振動したり歪ん
だりしやすくいわゆる柄ずれの原因となつてい
た。

この考案の目的は、上記従来装置の欠点を改良
することであり、布枠の重量を増すことなく運転
時の振動や歪を抑制することである。

この考案の実施例について図面を参照しながら
説明する。

第１図は、布枠１の左半分の正面図を示したも
のであり、右半分はこれと全く対称である。

機枠のエンドウオール（図示されていない）に
上下方向に摺動可能に支持されたスライダー２の
上に、布枠１がその両側のサイドフレーム３から
突出した腕の部分でローラーを介して支持され、
周知のように、布枠駆動機構によりジヤカード信
号に従つて上下左右に駆動される。

両側のサイドフレーム３は、その上下両端部を
パイプ状の主ビーム４によりそれぞれ結合され、
上下の主ビーム４に沿つて適宜数設けられた駒部
材５の先端と両側のサイドフレーム３との間にワ
イヤーまたは棒状の張力ビーム６が架け渡され強
く張られている。

主ビーム４は、第２図に示されるように、パイ
プ４ａの中空部分にワイヤー４ｂを挿通し、その
両端部を張力調節ねじ４ｃを介してパイプ４ａに
結合したものであり、張力調節ねじ４ｃを回転さ
せてワイヤー４ｂの張力を加減することにより、
パイプ４ａの共振周波数を変化させることができ
る。

両側のサイドフレーム３の間には、基布を巻き
付けてピンと張つておく上下２組のフアブリツク
ビーム７が設けられている。

上下の主ビーム４の間には（布枠の長さに応じ
た）適宜数のステーパイプ８が垂直に設けられ各
フアブリツクビーム７と係合し、その上下方向へ
の移動を防止するとともに上下の主ビーム４の
（張力ビーム６からの力による）内側へのたわみ
を防止している。

布枠１の４隅には、サイドフレーム３の垂直部
分と主ビームを結合した腕の先端との間にすじか
い張力棒９が設けられ、布枠全体の歪を防止して
いる。

主ビーム４の共振周波数を最適値に設定するに
は、張力調節ねじ４ｃを種々の位置に移動させて
実際にシヤトル刺しゆう機を運転し、振幅が最も
小さくなるところを実験的に探し出してその位置
に設定すればよい。

最適値は、シヤトル刺しゆう機の運転速度や使
用時の気温によつても異なり、経年変化も起りう
るから、製造時だけでなく、使用する度に調節す
ることが望ましい。

なお、この共振防止装置は、上下の主ビームだ
けでなく、ステーパイプ、フアブリツクビーム、
すじかい張力棒等にも設けることができ、特にフ
アブリツクビームの振動は柄ずれに直結するから
フアブリツクビームに使用することは大きな効果
を期待しうるものである。

以上説明したように、この考案のシヤトル刺し
ゆう機の布枠共振防止装置は、布枠の一部分を中
空部材から成るビームにより構成しビームの中空
部分に張り渡したワイヤーの張力を調節すること
により、ビームの共振周波数を適宜調節して振動
を防止し、布枠の重量を増すことなく歪や振動を
抑制することができ、刺しゆうの柄ずれを防止し
ひいてはシヤトル刺しゆう機の運転速度を大きく
することができるという独特の効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図…この考案の実施例であるシヤトル刺し
ゆう機の布枠の正面図、第２図…その主ビームの
端部の断面図。 １……布枠、２……スライダー、３……サイド
フレーム、４……主ビーム、４ａ……パイプ、４
ｂ……ワイヤー、４ｃ……張力調節ねじ、５……
駒部材、６……張力ビーム、７……フアブリツク
ビーム、８……ステーパイプ、９……すじかい張
力棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤトル刺しゆう機の布枠の一部分を中空部材
   から成るビームにより構成し、ビームの中空部分
   に挿通したワイヤーの両端部をビームの両端部に
   それぞれ結合し、少なくとも一方の結合部にワイ
   ヤーの張力を調節する手段を設けたことを特徴と
   するシヤトル刺しゆう機の布枠共振防止装置。