JPS6214740B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は空気調和機における排水装置に関する
ものである。

従来例の構成とその問題点 従来より、冷房運転時に発生する凝縮水を、ス
リンガーアツプによつて、放熱用熱交換器にふり
かけたり、放熱用熱交換器の一部を凝縮水の中に
浸すことにより、放熱用熱交換器の性能向上が、
はかれることが知られている。

一方、暖房時には、冷房時放熱用であつた熱交
換器が吸熱用に変わり、そこで凝縮した水は、熱
交換器の性能低下につながるばかりか、凍結し、
氷が成長した時は、フアン等の損傷を引起こす。

したがつて、冷房時には、スリンガーアツプや
熱交換器を凝縮水に浸すためにある程度の水位を
必要とし、暖房時には、容易に凝縮水を排出する
ことが必要である。

従来、これらの目的を達成するために、凝縮水
がたまる基板の低位置と高位置に排水口を２ケ設
け、水位を必要とする冷房時には、低位置の排水
口に蓋をすることによつて、また凝縮水の不要な
暖房時には、低位置の排水口の蓋をはずすことに
よつて行なつた来た。

しかしながら、これらの排水口は容易に手のと
どく所に設置されることが少なく、排水口に蓋を
取付、取りはずしが不可能あるいは困難であり、
冷房時または暖房時での目的の一方が、犠牲とな
る場合があり、熱交換器性能低下あるいはフアン
などの損傷を引起していた。

発明の目的 本発明は、上記欠点に鑑み、冷房時にはスリン
ガーアツプおよび熱交換器の一部を浸すことによ
つて熱交換器の性能向上をはかり、暖房時には、
凝縮水の凍結によつてフアンなどの損傷を引起す
凝縮水の排水を容易に行うことを目的とするもの
である。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、基板に取
付けられる容器状で排水口を持つ排水装置本体に
開閉扉を設け、開閉扉に取付けられた形状記憶合
金の、冷房運転使用域および暖房運転使用域の外
気温の違いによる形状変化を利用することによ
り、開閉扉の開閉を行ない、基板にたまる凝縮水
の水位調整を行うものである。

この構成によつて、開閉扉を形状記憶合金の形
状変化を利用して開閉し、基板にたまる凝縮水の
水位調節を行うようにしたものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を図面第１図〜第４図
を参考に説明する。

同図において、１は基板で、この基板１上に
は、空内側熱交換器１１、室内側フアン１２、フ
アンモータ１３、室外側フアン１４、室外側熱交
換器１５および圧縮機１６を有し、周知の冷凍サ
イクルを形成している。冷房時には、室内側熱交
換器１１は、蒸発器として作用し、そこで凝縮し
た水は水受皿１７にたまり、ホース１８を通り、
仕切板１９を貫通し基板１にたまる。また、暖房
時は室外熱交換器１５は蒸発器として作用し、凝
縮水は同様に基板１上にたまる構造となつてい
る。３は前記基板１に溜つた凝縮水の水位調節を
行う排水装置である。

次に、第２図により排水装置３の構造について
説明する。

同図において、２は基板１に取付けられたコイ
ル取付具で、コイル取付穴２ａ，２ｂを有してい
る。合成樹脂製の排水装置３は、基板１のＵ字状
切欠き部に嵌合する突起部３ａを有し、基板１に
固定される。また排水装置３は、排水口３ｂと、
扉取付用の丸穴を有する突起部３ｃとで形成され
ている。４は開閉用扉で、上部コイル取付突起部
４ａと下部コイル取付突起部４ｂを有し、また排
水用穴４ｃと、開閉時支点となる円柱状突起部４
ｄとからなつており、開閉扉４は、排水装置３に
おいて丸穴を有する突起部３ｃの丸穴に、円柱状
突起部４ｂをはめ込むことにより取付られ、これ
を支点として開閉する。５は変態温度以上の高温
側でコイルの形態が記憶された形状記憶合金を示
し、一端は、コイル取付具２のコイル取付穴２ａ
に接続され、他端は開閉扉４のコイル取付突起部
４ａに接続されている。６は通常のばね材のコイ
ルで、一端は、コイル取付具２のコイル取付穴２
ｂに接続され、他端は開閉扉４のコイル取付突起
部４ｂに接続されている。

次に作用について第３図および第４図により説
明する。

ここで、形状記憶合金５の効果について説明す
る。

周知のように形状記憶合金５は、形状を記憶さ
せたい形に自由に記憶させることができ、変態温
度以下の低温側で自由に形状を変えても、変態温
度以上の高温になれば、記憶させた形状に復元す
る性質があり、低温で軟かく、高温で硬くなる性
質があることが一般に知られている。本発明はこ
の効果を利用している。

ここで使用する形状記憶合金５は、室外温度の
冷房運転域と暖房運転域の使用範囲の境界温度を
変態温度とする形状記憶合金を使用し、冷房域の
高温側でコイルの形状になるように設定されてい
る。

第３図は、冷房運転時の排水装置の状態を示し
形状記憶合金５は外気温が変態温度以上の高温側
になるため、コイル形常に復元されており、通常
のばね材のコイル６のばねの力に打勝ち、開閉扉
４の上端を引張る。これにより開閉扉４は基板取
付具３に押付けられ、シールされた状態になる。
そこで、基板１に凝縮水がたまつてくると、水位
が高くなり、開閉扉４の排水穴４ｃから流れ出る
まで、水位が高まる。

これにより、スリンガーアツプができ、また室
外側熱交換器１５が水に浸ることによつて室外側
熱交換器１５の性能の向上がなかれる。

第４図は、暖房運転時の排水装置の状態を示
す。

形状記憶合金５は、外気温が変態温度以下の低
温域になるため、軟かくなつて、通常ばね材のコ
イル６のばねの力に負け伸長する。したがつて、
開閉扉４は、通常ばね材のコイル６のばね力によ
つて下部が引張られ、開閉扉４が開く。すると、
暖房運転時、吸熱用熱交換器となつた熱交換器の
凝縮水は、排水装置３の下部を通り、排水口３ｂ
より排出される。

すなわち、暖房時、不用の凝縮水は、排出され
る。

次に形状記憶合金は、変態温度の高温側と低温
側の両方形状を記憶するものも知られており、こ
の効果を利用した他の実施例を第５図と第６図に
よつて説明する。ここで符号は、第３図、第４図
と同じものについては同じ符号を付して説明す
る。

同図において、５ａは冷房運転使用温度域で、
伸長したコイル形状を、また暖房運転温度域で収
縮したコイル形状を記憶させた可逆性形状記憶合
金を示し、開閉扉４の丸穴を有する突起部４ｅと
排水装置３の丸穴を有する突起部３ｄに取付けら
れる。

第５図は、冷房運転時の状態を示し、開閉扉４
は、形状記憶合金５ａにより閉じられ、凝縮水の
水位が高まり、放熱用熱交換器の性能向上がはか
れる。

第６図は、暖房運転時の状態を示し、開閉扉４
は開けられ、不要あるいは有害である凝縮水が流
れ出る。

発明の効果 上記実施例より明らかなように本発明は、冷房
運転時は基板にたまる凝縮水の水位が確保でき、
スリンガーアツプおよび熱交換器を凝縮水中に浸
すことによる放熱用熱交換器の性能向上がはか
れ、また暖房運転では、凍結などで有害あるいは
不要である凝縮水の排水が容易に行える効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における排水装置を
取付けた空気調和機の側断面図、第２図は同排水
装置の斜視図、第３図は同排水装置における冷房
時の断面図、第４図は同排水装置の暖房時の断面
図、第５図は本発明の他の実施例を示す排水装置
の冷房時の断面図、第６図は同排水装置の暖房時
の断面図である。 １……基板、３……排水装置本体、３ｂ……排
水口、４……開閉扉、５……形状記憶合金。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基板に取付けられる容器状で排水口を持つ排
   水装置本体に開閉扉を設け、開閉扉に取付けられ
   た形状記憶合金の、冷房運転使用域および暖房運
   転使用域の外気温の違いによる形状変化を利用す
   ることにより、開閉扉の開閉を行ない、基板にた
   まる凝縮水の水位調整を行う空気調和機の排水装
   置。