JPS6214626B2 - - Google Patents
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- JPS6214626B2 JPS6214626B2 JP55116124A JP11612480A JPS6214626B2 JP S6214626 B2 JPS6214626 B2 JP S6214626B2 JP 55116124 A JP55116124 A JP 55116124A JP 11612480 A JP11612480 A JP 11612480A JP S6214626 B2 JPS6214626 B2 JP S6214626B2
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Description
この発明は、高温ですぐれた耐酸化性を有する
フエライト系高温用鋼に関する。 高温下で使用される部品の材料、例えば加熱
炉、熱交換器等の部品、暖房用機器の燃焼部品、
自動車排ガス処理装置の構造部材などは、単に高
温下での使用による酸化が少ないということだけ
でなく、高温加熱と常温への冷却を繰返し受けて
もスケールの剥離がないということまで含めた耐
酸化性、複雑な形状の部品に加工成形されるため
に要求される冷間加工性、溶接性、更に常温、高
温における十分な機械的強度など、多くの特性が
要求される。また上記のような機器は、いわゆる
量産品であるため、その材料としては、できるだ
け安価なものが望まれる。 従来かかる用途に供されている比較的安価な材
料に、フエライト系耐熱鋼がある。周知の如くこ
の鋼は、Fe−Cr系の合金であり、組織的には高
温にあつてフエライト相、またはフエライト相+
オーステナイト相を呈する。基本的にオーステナ
イト鋼より高温強度が低い材料であるが、安価な
ため特に高温強度を必要としない用途に多用され
る傾向にある。具体的には17Cr系のSUS430や
11Cr系のSUS410Sなどがその代表として挙げら
れ、高温用としてはこれらをベースにTi、Nb、
ZrまたはAl、Siなどを添加して耐高温酸化性の改
善を図つたものの採用が多くみられる。 さてここでもし、上記のようなフエライト鋼に
おいて、その基本的な特徴を損うことなく耐高温
酸化性を更に改良することができれば、実際使用
上経済性の面できわめて大きな利益が期待でき
る。 本発明は、フエライト鋼の基本的特性、利点を
そのまま備えしかも高温での耐酸化性が著しく優
れたフエライト鋼を提供することを目的とする。 本発明者らは、フエライト鋼中に不可避的に混
入する不純分が鋼の性質に及ぼす影響について詳
細に実験、検討を重ねた結果、鋼中SおよびOが
耐酸化性に著しい弊害を与えていることを知見し
た。 本発明は上記知見に基いてなされたものであつ
て、C0.006〜0.15%、Cr10〜30%、含有するフ
エライト鋼中のS+Oが0.008%未満で、かつO
が0.005%未満であることを特徴とする耐高温酸
化性のすぐれたフエライト鋼を要旨とする。 この種の鋼中S量は、従来においても規制され
てはいたが、しかしそれは熱間加工性の点から耐
熱鋼、耐食鋼の何れにおいても0.03%以下にすべ
きである、といつた程度のきわめて緩い規制に過
ぎなかつた。またO量に関しては、特別には規制
自体とられていないのが現状である。市販のもの
では、S量は概ね0.010%前後、O量は約0.008%
程度である。つまり従来は、この程度のS、Oで
は、鋼の性質にそれほど重大な影響がないものと
考えられていた。 しかるに大発明者の多くの実験結果によれば、
これらS、Oは上記通常の場合より含有量が低い
ところで鋼の耐酸化性を著しく改善することが判
明した。 第1図は、17Cr系フエライト鋼について、加
熱温度を1000℃として30分加熱−冷却のサイクル
を500回繰り返したときの重量変化量と(O+
S)量の関係をプロツトしたものである。 同図から明らかなように、(O+S)量が低く
なるとともに酸化による重量減少量が少なくなつ
ており、特に(O+S)量が0.008%未満のとこ
ろでは重量変化量が、(O+S)量約0.015%市販
品の1/2以下にまでなつていて、極めて良好な耐
酸化性を示している。 上記OおよびS含有量の低下に基づ耐酸化性向
上の理由は、以下の如く考えられる。 通常、鋼中に0.01%前後含有されるSは、同じ
く鋼中に存在するMnと結合してMnSを形成して
いる。しかし、このMnSは、鋼が高温が使用さ
れている間に分解しCr−Mn−Oの酸化性に変化
して、遊離したSが鋼表面及び結晶粒界に濃化
し、かつ介在物周辺にCrの欠乏層に作り鋼の耐
高温酸化性に悪影響を及ぼす。Cr或いは更に
Si、Al等を含有する鋼の耐酸化性は、これら元素
の酸化によつて生ずる安定な酸化物の保護皮膜に
よるものであるが、上記のように鋼表面および結
晶粒界に遊離Sが濃化していると、Cr、Si等の
鋼表層部への拡散移動(特に結晶粒界を介して活
発に行われる)が阻害され、前記保護酸化膜の形
成、補修が迅速に行われ難くなる。また、鋼表面
および結晶粒界に存在する遊離Sはそれ自体、酸
素と結合して酸化の起点となり、粒界の脆化、酸
化スケールの剥離促進の原因にもなる。 一方Oは、通常鋼中に0.005〜0.010%含まれる
が、この大半はCr、Si、Al、Mn等の活性元素と
結合して酸化物乃至酸硫化物として存在する。こ
のため、上記同様Cr、Si、Al等の鋼表層部への
拡散が阻害され、その分鋼表面でのこれら元素の
酸化物の生成が抑えられることとなる。また鋼−
酸化スケール界面では、界面に生成している、例
えばCrの酸化物などの解離平衡に基く酸素分圧
だけ酸素が存在し、これは鋼中へ拡散して内部酸
化や粒界酸化の原因になる。 以上のような、SとOの好ましくない作用は、
鋼中SおよびOを完全に除去することで失くする
ことができると考えられるが、このような不純物
の完全除去は事実上不可能である。しかるに本発
明の規定に従つて、鋼中S、Oを低く抑えるなら
ば、上記の悪影響を排除することができるのであ
る。すなわち、本発明に基づく極く微量のS、O
は、鋼の溶製中に、炉材の耐火物、或いはスラグ
から混入してくるCa、Mg等と結合して、Ca−Al
−Mg−O−S系の化合物となつて鋼中に存在す
ることになる。このように硫酸化物は、高温でも
安定で、S、Oを固着しているため、先に述べた
O、Sの悪影響が取り除かれる結果となるものと
考える。 ここで高温でも安定とは、硫化物を含む介在物
が分解してSを遊離する反応を起こしにくい状態
をいい、その安定さの程度はMnSの分解の容易
さより困難であることが必要である。 このようなメカニズムからしても、鋼中(O+
S)0.008%未満、かつO0.005%未満の含有は、
実用効果上許容される。 上記のような現象を考慮すれば、本発明鋼にお
いて、(O+S)量が0.008%未満、O量が0.005
%未満でも、それらが上限に近い場合には、
Ca、Mg或いはこれらと同等の作用がある希土類
元素、Yを積極的に利用して、前記の安定な化合
物の生成を促進することは一層有利である。ま
た、溶製のとき鋼中のOをできるだけ下げるため
の精錬、または元素の添加を実施するのも、耐酸
化性の向上に有効なことである。 なお本発明鋼は、700〜1200℃程度で使用され
る、あらゆる鋼種のフエライト鋼に適用可能であ
り、通常フエライト鋼に含有される合金成分を含
ませることは勿論可能である。かかる合金元素の
種類および含有量は、Cr量とのバランスを考慮
して、鋼の使用条件、すなわち要求される耐用温
度、加工性、溶接性、機械的性質等に応じて選定
すればよい。何れにしても、S、Oが極めて低位
に抑えられる本発明鋼は、同一ベースでS、Oを
通常量含有すると鋼と較べ、耐酸化性が著しく勝
り、しかもその他の基本性質に関し少なくとも劣
るようなことはない。 以下、本発明フエライト鋼の基本成分につい
て、好ましい範囲とその理由を説明する。 Cは、鋼の高温での使用時に、或いは溶接後の
溶接部にCr23C6型の炭化物を形成して、Crの耐
酸化性向上の効果を減殺し、スケールの密着性を
劣化させる。また、過大量のCは、鋼の溶接性、
加工性にも悪影響を与え、特に炭化物の多量の析
出防止の点からも、上限は0.15%に止めるべきで
ある。耐酸化性の点からはこの量以下で、可及的
に少ない方がよいが、極度に低い必要はなく、コ
ストを考慮し現状の通常製鋼法で達成の容易な
0.006%を下限とする。機械的強度を重視する場
合には、上限近くまで含有させることもあり得
る。上記のようなCの弊害を除くには、Cと優先
的に結合して上記の害を減少させるTi、Nb、Zr
およびTaの利用が望ましい。これらの成分は作
用効果上均等なものであるから、その1種でも、
また2種以上の組合せでも使用でき、合計含有量
としてC(%)の4倍以上の含有が効果的であ
る。ただし、余り多量に添加すると、金属間化合
物の析出量が多くなり、鋼の清浄性、加工性を損
うから上限は1.5%までとするのがよい。 Siは、通常脱酸剤として使用され、その効果を
確かにするには0.1%以上必要である。Siはま
た、鋼の耐酸化性の向上にもすぐれた効果を発揮
する成分である。本発明者の実験結果によれば、
O、Sを本発明範囲内に抑制することによる耐酸
化性向上の効果は、特にSiを1%以上含有する鋼
において顕著であるから、Siの5%までの含有が
推奨される。しかし5%を越えるSiの含有は、鋼
の加工性および溶接性の劣化を招く。 Mnは、脱酸剤に用いられるが、耐酸化性から
すれば好ましい成分ではないから、3%以下とす
るのがよい。また3%を越えると熱間加工性をも
害し、更に製鋼時炉の耐火物を侵食する点が問題
となる。 Crは、耐酸化性を確保する上で10%以上必要
である。Cr含有量が多くなる程、耐食性は向上
するが、30%を越えると加工性に害を及ぼす。 なお本発明鋼は、先に述べたように、Crの含
有量が既知のフエライト鋼のそれと同じであつて
も、その耐酸化性は格段にすぐれているのである
から、同一基の耐熱鋼よりも高温での苛酷な使用
条件に耐えるものである。つまり、同一使用条件
には、Cr含有量の低い、つまりより安価な鋼が
使用できることになる。 以上の成分は、本発明に係るフエライト鋼の基
本成分であるが、この他にも鋼の使用目的によ
り、また製造上の必要から、各種の副成分の添加
が可能である。その副成分の主なものと、その好
ましい添加含有量は次のとおりである。 Alは、脱酸剤として必要となる場合が多い成
分である。特に、後述するCa、Mg等の積極添加
を行う場合、或いはスラグの効果を十分に発揮さ
せる場合、溶鋼中の酸素を予め十分に低下させて
おく必要があり、少量のAlの添加が行われる。
しかし鋼中に残留するAl量5%を越えると溶製
後の鋳造工程で、障害をおこすおそれがある。 Cuは、少量で鋼表面に生成する酸化スケール
の密着性向上に効果がある。しかし、1.5%を越
える含有は、反つて耐酸化性の劣化を招くことに
なる。 Moは、主に鋼の高温強度の向上に有効な成分
である。従つて高温で荷重のかかる用途に使用さ
れる場合には、その添加を行うべきであるが、5
%を越える含有は、耐酸化性に好ましくない影響
を及ぼし、また同時に材料コストの上昇を来た
す。 Ti、Nb、Zr、Taの使用目的は、先にCとの関
係で述べたとおりである。 Ca、Mg、希土類元素、Y、これらの元素はS
と結合して、高温でも分解しないきわめて安定な
硫化物、または酸硫化物を形成し、鋼の耐酸化性
の向上に寄与する。しかしこのような効果も、O
とSを本発明範囲内に抑制しておくことが前提と
なり、これら不純分を通常量含有する鋼に上記元
素を多量に加えると、生成する化合物の量が過多
となり、耐酸化性だけでなく機械的性質にも悪影
響を与える結果となる。OおよびSさえ本発明範
囲にすれば、Ca、Mg、希土類元素、Yは実質的
に存在しなくても耐酸化性の向上は達せられる。
通常、Ca、Mg等は、あえて積極的な添加を行わ
ずとも、溶鋼中に炉材、またはスラグから微少量
が侵入して来るものであり、これが上記の微量
O、Sと結合して、その害を除くことが期待でき
る。何れにしろ、これらの元素の添加によつて
O、S量を更に低位とした場合も、本発明の範疇
に含まれるものである。 以上の主成分、副成分の他に、鋼には不可避的
に混入する不純物が存在する。そのうち、耐酸化
性と重要な係わりをもつのは、OとSであるが、
その含有量は、O+Sで0.008%未満、かつOは
0.005%未満に抑えなければ、意図する耐酸化性
の改善が達せられないことは先に述べた。 次に、実用上最も望ましい本発明の実施態様を
掲げるとともにその具体的な実例について説明す
る。 なお以下の説明において、耐酸化性の試験は次
の条件で行なつた。 試験片サイズ:25mm×20mmW×1.5mmtの板 試験方法:各表示の温度に加熱した炉中に30分
間保持し、次いで大気中に30分間放置する加熱−
冷却サイクルを500回繰り返した後、酸化物が付
着したままの試験片の重量を測定し、試験前の重
量に対する増量分を求め、その大きさにより耐酸
化性を評価する。 第1表は、上記の試験を市販の代表的なフエラ
イト鋼について行なつた結果を示すもので、以下
に述べる説明の参考のために掲げる。
フエライト系高温用鋼に関する。 高温下で使用される部品の材料、例えば加熱
炉、熱交換器等の部品、暖房用機器の燃焼部品、
自動車排ガス処理装置の構造部材などは、単に高
温下での使用による酸化が少ないということだけ
でなく、高温加熱と常温への冷却を繰返し受けて
もスケールの剥離がないということまで含めた耐
酸化性、複雑な形状の部品に加工成形されるため
に要求される冷間加工性、溶接性、更に常温、高
温における十分な機械的強度など、多くの特性が
要求される。また上記のような機器は、いわゆる
量産品であるため、その材料としては、できるだ
け安価なものが望まれる。 従来かかる用途に供されている比較的安価な材
料に、フエライト系耐熱鋼がある。周知の如くこ
の鋼は、Fe−Cr系の合金であり、組織的には高
温にあつてフエライト相、またはフエライト相+
オーステナイト相を呈する。基本的にオーステナ
イト鋼より高温強度が低い材料であるが、安価な
ため特に高温強度を必要としない用途に多用され
る傾向にある。具体的には17Cr系のSUS430や
11Cr系のSUS410Sなどがその代表として挙げら
れ、高温用としてはこれらをベースにTi、Nb、
ZrまたはAl、Siなどを添加して耐高温酸化性の改
善を図つたものの採用が多くみられる。 さてここでもし、上記のようなフエライト鋼に
おいて、その基本的な特徴を損うことなく耐高温
酸化性を更に改良することができれば、実際使用
上経済性の面できわめて大きな利益が期待でき
る。 本発明は、フエライト鋼の基本的特性、利点を
そのまま備えしかも高温での耐酸化性が著しく優
れたフエライト鋼を提供することを目的とする。 本発明者らは、フエライト鋼中に不可避的に混
入する不純分が鋼の性質に及ぼす影響について詳
細に実験、検討を重ねた結果、鋼中SおよびOが
耐酸化性に著しい弊害を与えていることを知見し
た。 本発明は上記知見に基いてなされたものであつ
て、C0.006〜0.15%、Cr10〜30%、含有するフ
エライト鋼中のS+Oが0.008%未満で、かつO
が0.005%未満であることを特徴とする耐高温酸
化性のすぐれたフエライト鋼を要旨とする。 この種の鋼中S量は、従来においても規制され
てはいたが、しかしそれは熱間加工性の点から耐
熱鋼、耐食鋼の何れにおいても0.03%以下にすべ
きである、といつた程度のきわめて緩い規制に過
ぎなかつた。またO量に関しては、特別には規制
自体とられていないのが現状である。市販のもの
では、S量は概ね0.010%前後、O量は約0.008%
程度である。つまり従来は、この程度のS、Oで
は、鋼の性質にそれほど重大な影響がないものと
考えられていた。 しかるに大発明者の多くの実験結果によれば、
これらS、Oは上記通常の場合より含有量が低い
ところで鋼の耐酸化性を著しく改善することが判
明した。 第1図は、17Cr系フエライト鋼について、加
熱温度を1000℃として30分加熱−冷却のサイクル
を500回繰り返したときの重量変化量と(O+
S)量の関係をプロツトしたものである。 同図から明らかなように、(O+S)量が低く
なるとともに酸化による重量減少量が少なくなつ
ており、特に(O+S)量が0.008%未満のとこ
ろでは重量変化量が、(O+S)量約0.015%市販
品の1/2以下にまでなつていて、極めて良好な耐
酸化性を示している。 上記OおよびS含有量の低下に基づ耐酸化性向
上の理由は、以下の如く考えられる。 通常、鋼中に0.01%前後含有されるSは、同じ
く鋼中に存在するMnと結合してMnSを形成して
いる。しかし、このMnSは、鋼が高温が使用さ
れている間に分解しCr−Mn−Oの酸化性に変化
して、遊離したSが鋼表面及び結晶粒界に濃化
し、かつ介在物周辺にCrの欠乏層に作り鋼の耐
高温酸化性に悪影響を及ぼす。Cr或いは更に
Si、Al等を含有する鋼の耐酸化性は、これら元素
の酸化によつて生ずる安定な酸化物の保護皮膜に
よるものであるが、上記のように鋼表面および結
晶粒界に遊離Sが濃化していると、Cr、Si等の
鋼表層部への拡散移動(特に結晶粒界を介して活
発に行われる)が阻害され、前記保護酸化膜の形
成、補修が迅速に行われ難くなる。また、鋼表面
および結晶粒界に存在する遊離Sはそれ自体、酸
素と結合して酸化の起点となり、粒界の脆化、酸
化スケールの剥離促進の原因にもなる。 一方Oは、通常鋼中に0.005〜0.010%含まれる
が、この大半はCr、Si、Al、Mn等の活性元素と
結合して酸化物乃至酸硫化物として存在する。こ
のため、上記同様Cr、Si、Al等の鋼表層部への
拡散が阻害され、その分鋼表面でのこれら元素の
酸化物の生成が抑えられることとなる。また鋼−
酸化スケール界面では、界面に生成している、例
えばCrの酸化物などの解離平衡に基く酸素分圧
だけ酸素が存在し、これは鋼中へ拡散して内部酸
化や粒界酸化の原因になる。 以上のような、SとOの好ましくない作用は、
鋼中SおよびOを完全に除去することで失くする
ことができると考えられるが、このような不純物
の完全除去は事実上不可能である。しかるに本発
明の規定に従つて、鋼中S、Oを低く抑えるなら
ば、上記の悪影響を排除することができるのであ
る。すなわち、本発明に基づく極く微量のS、O
は、鋼の溶製中に、炉材の耐火物、或いはスラグ
から混入してくるCa、Mg等と結合して、Ca−Al
−Mg−O−S系の化合物となつて鋼中に存在す
ることになる。このように硫酸化物は、高温でも
安定で、S、Oを固着しているため、先に述べた
O、Sの悪影響が取り除かれる結果となるものと
考える。 ここで高温でも安定とは、硫化物を含む介在物
が分解してSを遊離する反応を起こしにくい状態
をいい、その安定さの程度はMnSの分解の容易
さより困難であることが必要である。 このようなメカニズムからしても、鋼中(O+
S)0.008%未満、かつO0.005%未満の含有は、
実用効果上許容される。 上記のような現象を考慮すれば、本発明鋼にお
いて、(O+S)量が0.008%未満、O量が0.005
%未満でも、それらが上限に近い場合には、
Ca、Mg或いはこれらと同等の作用がある希土類
元素、Yを積極的に利用して、前記の安定な化合
物の生成を促進することは一層有利である。ま
た、溶製のとき鋼中のOをできるだけ下げるため
の精錬、または元素の添加を実施するのも、耐酸
化性の向上に有効なことである。 なお本発明鋼は、700〜1200℃程度で使用され
る、あらゆる鋼種のフエライト鋼に適用可能であ
り、通常フエライト鋼に含有される合金成分を含
ませることは勿論可能である。かかる合金元素の
種類および含有量は、Cr量とのバランスを考慮
して、鋼の使用条件、すなわち要求される耐用温
度、加工性、溶接性、機械的性質等に応じて選定
すればよい。何れにしても、S、Oが極めて低位
に抑えられる本発明鋼は、同一ベースでS、Oを
通常量含有すると鋼と較べ、耐酸化性が著しく勝
り、しかもその他の基本性質に関し少なくとも劣
るようなことはない。 以下、本発明フエライト鋼の基本成分につい
て、好ましい範囲とその理由を説明する。 Cは、鋼の高温での使用時に、或いは溶接後の
溶接部にCr23C6型の炭化物を形成して、Crの耐
酸化性向上の効果を減殺し、スケールの密着性を
劣化させる。また、過大量のCは、鋼の溶接性、
加工性にも悪影響を与え、特に炭化物の多量の析
出防止の点からも、上限は0.15%に止めるべきで
ある。耐酸化性の点からはこの量以下で、可及的
に少ない方がよいが、極度に低い必要はなく、コ
ストを考慮し現状の通常製鋼法で達成の容易な
0.006%を下限とする。機械的強度を重視する場
合には、上限近くまで含有させることもあり得
る。上記のようなCの弊害を除くには、Cと優先
的に結合して上記の害を減少させるTi、Nb、Zr
およびTaの利用が望ましい。これらの成分は作
用効果上均等なものであるから、その1種でも、
また2種以上の組合せでも使用でき、合計含有量
としてC(%)の4倍以上の含有が効果的であ
る。ただし、余り多量に添加すると、金属間化合
物の析出量が多くなり、鋼の清浄性、加工性を損
うから上限は1.5%までとするのがよい。 Siは、通常脱酸剤として使用され、その効果を
確かにするには0.1%以上必要である。Siはま
た、鋼の耐酸化性の向上にもすぐれた効果を発揮
する成分である。本発明者の実験結果によれば、
O、Sを本発明範囲内に抑制することによる耐酸
化性向上の効果は、特にSiを1%以上含有する鋼
において顕著であるから、Siの5%までの含有が
推奨される。しかし5%を越えるSiの含有は、鋼
の加工性および溶接性の劣化を招く。 Mnは、脱酸剤に用いられるが、耐酸化性から
すれば好ましい成分ではないから、3%以下とす
るのがよい。また3%を越えると熱間加工性をも
害し、更に製鋼時炉の耐火物を侵食する点が問題
となる。 Crは、耐酸化性を確保する上で10%以上必要
である。Cr含有量が多くなる程、耐食性は向上
するが、30%を越えると加工性に害を及ぼす。 なお本発明鋼は、先に述べたように、Crの含
有量が既知のフエライト鋼のそれと同じであつて
も、その耐酸化性は格段にすぐれているのである
から、同一基の耐熱鋼よりも高温での苛酷な使用
条件に耐えるものである。つまり、同一使用条件
には、Cr含有量の低い、つまりより安価な鋼が
使用できることになる。 以上の成分は、本発明に係るフエライト鋼の基
本成分であるが、この他にも鋼の使用目的によ
り、また製造上の必要から、各種の副成分の添加
が可能である。その副成分の主なものと、その好
ましい添加含有量は次のとおりである。 Alは、脱酸剤として必要となる場合が多い成
分である。特に、後述するCa、Mg等の積極添加
を行う場合、或いはスラグの効果を十分に発揮さ
せる場合、溶鋼中の酸素を予め十分に低下させて
おく必要があり、少量のAlの添加が行われる。
しかし鋼中に残留するAl量5%を越えると溶製
後の鋳造工程で、障害をおこすおそれがある。 Cuは、少量で鋼表面に生成する酸化スケール
の密着性向上に効果がある。しかし、1.5%を越
える含有は、反つて耐酸化性の劣化を招くことに
なる。 Moは、主に鋼の高温強度の向上に有効な成分
である。従つて高温で荷重のかかる用途に使用さ
れる場合には、その添加を行うべきであるが、5
%を越える含有は、耐酸化性に好ましくない影響
を及ぼし、また同時に材料コストの上昇を来た
す。 Ti、Nb、Zr、Taの使用目的は、先にCとの関
係で述べたとおりである。 Ca、Mg、希土類元素、Y、これらの元素はS
と結合して、高温でも分解しないきわめて安定な
硫化物、または酸硫化物を形成し、鋼の耐酸化性
の向上に寄与する。しかしこのような効果も、O
とSを本発明範囲内に抑制しておくことが前提と
なり、これら不純分を通常量含有する鋼に上記元
素を多量に加えると、生成する化合物の量が過多
となり、耐酸化性だけでなく機械的性質にも悪影
響を与える結果となる。OおよびSさえ本発明範
囲にすれば、Ca、Mg、希土類元素、Yは実質的
に存在しなくても耐酸化性の向上は達せられる。
通常、Ca、Mg等は、あえて積極的な添加を行わ
ずとも、溶鋼中に炉材、またはスラグから微少量
が侵入して来るものであり、これが上記の微量
O、Sと結合して、その害を除くことが期待でき
る。何れにしろ、これらの元素の添加によつて
O、S量を更に低位とした場合も、本発明の範疇
に含まれるものである。 以上の主成分、副成分の他に、鋼には不可避的
に混入する不純物が存在する。そのうち、耐酸化
性と重要な係わりをもつのは、OとSであるが、
その含有量は、O+Sで0.008%未満、かつOは
0.005%未満に抑えなければ、意図する耐酸化性
の改善が達せられないことは先に述べた。 次に、実用上最も望ましい本発明の実施態様を
掲げるとともにその具体的な実例について説明す
る。 なお以下の説明において、耐酸化性の試験は次
の条件で行なつた。 試験片サイズ:25mm×20mmW×1.5mmtの板 試験方法:各表示の温度に加熱した炉中に30分
間保持し、次いで大気中に30分間放置する加熱−
冷却サイクルを500回繰り返した後、酸化物が付
着したままの試験片の重量を測定し、試験前の重
量に対する増量分を求め、その大きさにより耐酸
化性を評価する。 第1表は、上記の試験を市販の代表的なフエラ
イト鋼について行なつた結果を示すもので、以下
に述べる説明の参考のために掲げる。
C0.15%以下、Si0.1〜5.0%、Mn3%以下、
Cr10〜15%で、その他必要に応じてAl、Cu、
Mo、Ti、Nb、Zr、Ta、Ca、Mg、希土類元素、
Y等を含有し、不純物としてのS+Oが0.008%
未満で、かつOが0.005%未満である高温用フエ
ライト鋼。 この鋼は、市販鋼のSUS410Sに対応するるも
のである。 第2表にこの実施態様に属する鋼および同一鋼
種でS+O量が本発明範囲より高い比較鋼の組成
および加熱温度900℃での耐酸化試験の結果を示
す。 第2表において、本発明鋼1〜7と、比較鋼を
較べると、重量変化は前者が後者の1/5〜1/4程度
であることが分る。
Cr10〜15%で、その他必要に応じてAl、Cu、
Mo、Ti、Nb、Zr、Ta、Ca、Mg、希土類元素、
Y等を含有し、不純物としてのS+Oが0.008%
未満で、かつOが0.005%未満である高温用フエ
ライト鋼。 この鋼は、市販鋼のSUS410Sに対応するるも
のである。 第2表にこの実施態様に属する鋼および同一鋼
種でS+O量が本発明範囲より高い比較鋼の組成
および加熱温度900℃での耐酸化試験の結果を示
す。 第2表において、本発明鋼1〜7と、比較鋼を
較べると、重量変化は前者が後者の1/5〜1/4程度
であることが分る。
C0.15%以下、Si0.1〜5.0%、Mn3%以下、
Cr15〜20%で、その他必要に応じてAl、Cu、
Mo、Ti、Nb、Zr、Ta、Ca、Mg、希土類元素、
Yの1種以上を含有し、不純物としてのS+Oが
0.008%未満で、かつOが0.005%未満である高温
用フエライト鋼。 この鋼は、実施態様1の鋼のCr含有量を高め
て耐酸化性の向上を図つたもので、市販品の
SUS430に対応する。 第3表にこの実施態様に属する鋼および同一鋼
種でS+O量が本発明範囲を上廻る比較鋼の組成
および加熱温度950℃での耐酸化試験の結果を示
す。 第3表において、本発明鋼の重量変化は、比較
例に較べて1/3〜1/7程度に減少している。
Cr15〜20%で、その他必要に応じてAl、Cu、
Mo、Ti、Nb、Zr、Ta、Ca、Mg、希土類元素、
Yの1種以上を含有し、不純物としてのS+Oが
0.008%未満で、かつOが0.005%未満である高温
用フエライト鋼。 この鋼は、実施態様1の鋼のCr含有量を高め
て耐酸化性の向上を図つたもので、市販品の
SUS430に対応する。 第3表にこの実施態様に属する鋼および同一鋼
種でS+O量が本発明範囲を上廻る比較鋼の組成
および加熱温度950℃での耐酸化試験の結果を示
す。 第3表において、本発明鋼の重量変化は、比較
例に較べて1/3〜1/7程度に減少している。
【表】
C0.15%以下、Si0.1〜5.0%、Mn3.0%以下、
Cr10〜20%、Al 5%以下で、その他必要に応じ
てCu、Mo、Ti、Nb、Zr、Ta、Ca、Mg、希土類
元素、Yの1種以上を含有し、不純物としてのS
+Oが0.008%未満、かつOが0.005%未満である
高温用フエライト鋼。 この鋼は、市販品のシクロマル鋼に対応するも
のであるが、これに属する鋼および同一鋼種でS
+O量が本発明範囲外の比較鋼の組成および加熱
温度1200℃での耐酸化試験の結果をまとめて第4
表として示す。 本発明鋼は、比較鋼の1/3程度の重量変化に止
まつている。 以上の説明から明らかなように本発明は、フエ
ライト鋼において、その基本的な特徴を損なうこ
となく、耐高温酸化性を大巾に改良することがで
き、従つて耐熱鋼としてのフエライト鋼の経済性
を更に向上させる上で著しい効果を発揮する。
Cr10〜20%、Al 5%以下で、その他必要に応じ
てCu、Mo、Ti、Nb、Zr、Ta、Ca、Mg、希土類
元素、Yの1種以上を含有し、不純物としてのS
+Oが0.008%未満、かつOが0.005%未満である
高温用フエライト鋼。 この鋼は、市販品のシクロマル鋼に対応するも
のであるが、これに属する鋼および同一鋼種でS
+O量が本発明範囲外の比較鋼の組成および加熱
温度1200℃での耐酸化試験の結果をまとめて第4
表として示す。 本発明鋼は、比較鋼の1/3程度の重量変化に止
まつている。 以上の説明から明らかなように本発明は、フエ
ライト鋼において、その基本的な特徴を損なうこ
となく、耐高温酸化性を大巾に改良することがで
き、従つて耐熱鋼としてのフエライト鋼の経済性
を更に向上させる上で著しい効果を発揮する。
第1図は、加熱−冷却のサイクルを繰り返した
ときの鋼の重量変化量と(O+S)量の関係を示
すグラフである。
ときの鋼の重量変化量と(O+S)量の関係を示
すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%で、不純物としてのS、
OがO:0.005%未満、S+O:0.008%未満を満
足し、残部Feおよびその他不可避的不純物から
なり、鋼中介在物が高温でMnSよりも安定な介
在物であることを特徴とする耐高温酸化性のすぐ
れたフエライト鋼。 2 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%、さらにTi、Nb、Zr、Ta
の1種又は2種以上を合計でC量の4倍以上1.5
%以下を含有し、不純物としてのS、OがO:
0.005%未満、S+O:0.008%未満を満足し、残
部Feおよびその他の不可避的不純物からなり、
鋼中介在物が高温でMnSよりも安定な介在物で
あることを特徴とする耐高温酸化性のすぐれたフ
エライト鋼。 3 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%、Al:5%以下で、不純
物としてのS、OがO:0.005%未満、S+O:
0.008%未満を満足し、残部Feおよびその他の不
可避的不純物からなり、鋼中介在物が高温で
MnSよりも安定な介在物であることを特徴とす
る耐高温酸化性のすぐれたフエライト鋼。 4 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%、Al:5%以下、さらに
Ti、Nb、Zr、Taの1種又は2種以上を合計でC
量の4倍以上1.5%以下を含有し、不純物として
のS、OがO:0.005%未満、S+O:0.008%未
満を満足し、残部Feおよびその他不可避的不純
物からなり、鋼中介在物が高温でMnSよりも安
定な介在物であることを特徴とする耐高温酸化性
のすぐれたフエライト鋼。 5 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%、さらにCa、Mg、希土類
元素、Yの1種又は2種以上を各々0.1%以下含
有し、不純物としてのS、OがO:0.005%未
満、S+O:0.008%未満を満足し、残部Feおよ
びその不可避的不純物からなり、鋼中介在物が高
温でMnSよりも安定な介在物であることを特徴
とする耐高温酸化性のすぐれたフエライト鋼。 6 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%にTi、Nb、Zr、Taの1種
又は2種以上を合計でC量の4倍以上1.5%以下
を含み、さらにCa、Mg、希土類元素、Yの1種
又は2種以上を各々0.1%以下を含有し、不純物
としてのS、OをO:0.005%未満、S+O:
0.008%未満を満足し、残部Feおよびその他不可
避的不純物からなり、鋼中介在物が高温でMnS
よりも安定な介在物であることを特徴とする耐高
温酸化性のすぐれたフエライト鋼。 7 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%、Al:5%以下にTi、
Nb、Zr、Taの1種又は2種以上を合計でC量の
4倍以上1.5%以下を含み、さらにCa、Mg、希土
類元素、Yの1種又は2種以上を各各0.1%以下
を含有し、不純物としてのS、OをO:0.005%
未満、S+O:0.008%未満を満足し、残部Feお
よびその他不可避的不純物からなり、鋼中介在物
が高温でMnSよりも安定な介在物であることを
特徴とする耐高温酸化性のすぐれたフエライト
鋼。 8 C:0.006〜0.15%、Si:0.1〜5%、Mn:3
%以下、Cr:10〜30%、Al:5%以下、さらに
Ca、Mg、希土類元素、Yの1種又は2種以上を
各々0.1%以下含有し、不純物としてのS、Oを
0:0.005%未満、S+O:0.008%未満を満足
し、残部Feおよびその他不可避的不純物からな
り、鋼中介在物が高温でMnSよりも安定な介在
物であることを特徴とする耐高温酸化性のすぐれ
たフエライト鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11612480A JPS5741352A (en) | 1980-08-23 | 1980-08-23 | Ferrite steel with superior oxidation resistance at high temperature |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11612480A JPS5741352A (en) | 1980-08-23 | 1980-08-23 | Ferrite steel with superior oxidation resistance at high temperature |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5741352A JPS5741352A (en) | 1982-03-08 |
JPS6214626B2 true JPS6214626B2 (ja) | 1987-04-03 |
Family
ID=14679287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11612480A Granted JPS5741352A (en) | 1980-08-23 | 1980-08-23 | Ferrite steel with superior oxidation resistance at high temperature |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5741352A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4414023A (en) * | 1982-04-12 | 1983-11-08 | Allegheny Ludlum Steel Corporation | Iron-chromium-aluminum alloy and article and method therefor |
DE3480602D1 (de) * | 1983-12-12 | 1990-01-04 | Armco Advanced Materials | Warmfester ferritischer stahl. |
JPH01287253A (ja) * | 1988-05-16 | 1989-11-17 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐酸化性および製造性に優れたa1含有フェライト系ステンレス鋼 |
JP2571895B2 (ja) * | 1992-10-13 | 1997-01-16 | 日本冶金工業株式会社 | 耐酸化性,靱性および熱間加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
DE4332854C2 (de) * | 1992-10-17 | 1994-10-06 | Schaeffler Waelzlager Kg | Verwendung einer ferritischen Eisenlegierung für Impulsräder und Verfahren zu ihrer Wärmebehandlung |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5337519A (en) * | 1976-09-21 | 1978-04-06 | Showa Denko Kk | Chromium alloy steel with low carbon content having corrosion resistance to caustic alkali solution |
JPS5399025A (en) * | 1977-02-10 | 1978-08-30 | Kawasaki Steel Co | Ultralowwcarbon nitrogen ferritic stainless steel with good toughness and processability of weld zone |
JPS5456018A (en) * | 1977-10-12 | 1979-05-04 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Austenitic steel with superior oxidation resistance for high temperature use |
JPS54126620A (en) * | 1978-03-18 | 1979-10-02 | Nisshin Steel Co Ltd | Stainless steel material for use as burning utensiles |
-
1980
- 1980-08-23 JP JP11612480A patent/JPS5741352A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5337519A (en) * | 1976-09-21 | 1978-04-06 | Showa Denko Kk | Chromium alloy steel with low carbon content having corrosion resistance to caustic alkali solution |
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JPS54126620A (en) * | 1978-03-18 | 1979-10-02 | Nisshin Steel Co Ltd | Stainless steel material for use as burning utensiles |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5741352A (en) | 1982-03-08 |
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