JPS6214586B2

JPS6214586B2 -

Info

Publication number: JPS6214586B2
Application number: JP53004553A
Authority: JP
Inventors: Kimio Toda
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1978-01-19
Filing date: 1978-01-19
Publication date: 1987-04-02
Also published as: JPS5497631A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は水性塗料組成物の改良及びスプレー塗
装方法の改良に関するものである。近年塗装工場からの有機溶剤の拡散公害が問題
となりつつあり、その対処手段として水性塗料の
使用が望まれている。しかしながら各種特許公報
雑誌等から理解されるように水性塗料は揮発分中
の水の蒸発が遅い、表面張力が大きい、溶剤組成
の自由度が小さいなどの理由のために、塗装時ワ
キやメタルムラなどの塗装欠陥が発生し易い欠点
を有していた。本発明者は、これらの問題を解決
するのに容易な方法として前記水性塗料のスプレ
ー塗装方法について提案し極めて効果の大きい結
果を得た。しかし、これらの方法はタレやワキ、
メタルムラなどについての対処を可能としたが、
更に被塗物が複雑な形状である場合、まだ少し均
一に塗装しにくいとか、ブースの温度や湿度の大
幅な変動に対して仕上り肌が変動するという若干
の問題点を残している。これらの問題点について、本発明者が先に提出
したスプレー塗装方法（特開昭51−86535〜51−
86538号）は、従来の単に水性塗料を塗装するよ
りは優れているが、ブースの温度や湿度の変動が
大きい場合や自動車ボデーのように複雑な形状の
被塗物の場合には必ずしも満足な方法とは言えな
い。又被塗物をフラツシユオフ時及び／又は予じめ
加温し、前記塗装方法を併用する場合には被塗物
の温度変動に対し、均一に塗装しにくいという欠
点を有していた。これらの問題点は、水溶性塗料を用いればかな
り改善されることが知られているが、従来の水溶
性塗料はアンモニアやアミンやブチルセロソル
ブ、ブチルカルビトールなどでは増粘しないこと
から、前記塗装方法が適用されず一般に用いられ
なかつたのが実状である。本発明者はこのような状況下において、前記ス
プレー塗装方法及び水溶性塗料について見直した
結果、仕上り肌が良く被塗物を均一に仕上げ易
く、かつブースの温度、湿度等の変動に対して仕
上り変動の少ない水性塗料組成物及びその塗装方
法を見い出し、ここに提案する。すなわち本発明の二液型水性塗料組成物は、 (a) 水分散型合成ポリカルボン酸樹脂の中和率が
80％を越える水分散中和型水溶性樹脂を主成分
とし、場合によつてはメチルアルコールを５な
いし30PHR〔樹脂100に対する量（重量比）〕
含有した水性塗料と、 (b) アンモニアまたはアミンの一種もしくは二種
以上と、から成ることを特徴とする。また、本発明の塗装方法は、水分散型合成ポリ
カルボン酸樹脂の中和率が80％を越える水分散中
和型水溶性樹脂を主成分とし、場合によつてはメ
チルアルコールを５ないし30PHR〔樹脂100に対
する量（重量比）〕含有した水性塗料と、アンモ
ニアまたはアミンの一種もしくは二種以上を別々
な装置から同時または前後してスプレーし、かつ
前記水性塗料中の揮発成分を該塗料のスプレー時
からセツテイングに至るまでの間で少なくとも33
％以上蒸発させることを特徴とする。本発明で用いる水性塗料は、水分散型合成ポリ
カルボン酸樹脂の中和率が80％を越える水分散中
和型水溶性樹脂を主成分とし、その他架橋用樹脂
として水性アミノ樹脂と必要に応じてアルミフレ
ークなどの金属粉と必要に応じて有機、無機顔料
と、表面調整剤、紫外線吸収剤などの添加剤など
が、水又び有機溶剤中に溶解及び一部分散した水
性塗料を指す。そして水分散合成ポリカルボン酸樹脂の中和率
が80％を越える水分散中和型水溶性樹脂とは、(イ)
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル及びそれらの誘導体で
ある所謂アクリルモノマー及びこれらアクリルモ
ノマーと共重合可能なスチレン、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニルなどのビニルモノマー（モノマー
組成中カルボキシル基官能性モノマーを３％以上
望ましくは15％以下含む）を乳化剤、分散剤もし
くは後述する水溶性樹脂を用い、水とともに乳化
共重合または分散共重合させて得られる数平均分
子量3000〜30000、酸価10〜100の水分散型合成ポ
リカルボン酸樹脂を塩基で中和して中和率を80％
を越えるようにしたもの又は(ロ)前記水分散型合成
ポリカルボン酸樹脂に後述する水溶性樹脂を前記
水分散型合成ポリカルボン酸樹脂に対し150％以
下混練して得られるものを必要に応じては更に塩
基で中和し、中和当量を80％を越えるようにした
ものである。これらの塗料を調整する際、塩基で
中和するのは、塗料化する前、塗料化中、塗料化
後のいずれでもよい。また、水溶性樹脂とは(イ)前記水分散中和型水溶
性樹脂、(ロ)前記アクリルモノマー及び必要に応じ
てビニルモノマーを望ましくは水可溶性有機溶剤
（プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ｎ−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ルなどのアルコール類、エチレングリコールのモ
ノメチル、モノエチル、モノブチルエーテルなど
のセロソルブ類、ジエチレングリコールのモノメ
チル、モノエチル、モノブチルエーテルなどのカ
ルビトール類など）中で溶液重合して得られる酸
価10〜100、数平均分子量3000〜30000の溶液重合
合成ポリカルボン酸樹脂を塩基で中和して得られ
る水溶性樹脂、(ハ)無水フタル酸、無水フマル酸、
トリメリツト酸、イタコン酸などの多塩基酸と、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセレン、ソルビトールなどの多価アルコールと
を水可溶性有機溶剤中で縮合合成して得られるポ
リエステル樹脂、または脂肪酸、油脂、エポキシ
樹脂等で変性されたポリエステル樹脂を塩基で中
和して得られる水溶性樹脂を指す。更に中和に用いられる塩基とはアンモニア又は
有機アミンがあり、有機アミンとして１級、２
級、３級の脂肪族または脂環式アミン類が適し、
イソプロピルアミン、ｎ−ブチルアミン、ｎ−ア
ミルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルア
ミン、ｎ−ジブチルアミン、ジイソブチルアミ
ン、トリエチルアミン、ｎ−トリブチルアミン、
モノエタノールアミン、エチルモノエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタ
ノールアミン、シクロヘキシルアミン、モルフオ
リン、ピペリジンなどが良い。また架橋用樹脂としての水性アミノ樹脂として
は、メラミン、尿素、またはベンゾグアナミンと
ホルマリンの縮合物、または必要に応じてこれら
をメチルアルコール、ブチルアルコール等でエー
テル化したものを用い、基体樹脂に対し重量比で
10〜40％混練するのが望ましい。メチルアルコールを５〜30PHR（Per
Hundred Resin）含有し、水分散型合成ポリカル
ボン酸樹脂の中和率が80％を越える水分散中和型
水溶性樹脂を成分とする水性塗料とは、前記水性
塗料にメチルアルコールが不揮発分100に対して
重量比で５〜30％含んだ塗料を指す。このメチル
アルコールは樹脂合成時から塗料化した後までの
いずれの過程で混入してもよい。別々にスプレーすべきアンモニア又はアミンと
は、前記中和用の塩基に用いるものと同じものを
指す。ただし、これらの塩基を用いる場合、一般
に樹脂を溶解させるような溶剤たとえばブチルセ
ロソルブやブチルカルビトールなどとの混合液と
して用いるのが望ましい。また前記水性塗料との
比率関係としては、前記水性塗料100に対し0.3〜
0.5重量％の範囲が望ましい。水性塗料とこれらアンモニアまたはアミンの一
種もしくは二種以上を同時又は前後して塗装する
方法としては、通常のスプレー方法、特に特開昭
51−86535〜51−86538号に開示された方法や本発
明者がその後提案した水性塗料の塗装方法及び装
置に開示された方法が望ましい。又、スプレー用
のガンとしては通常のエアガンや双頭ガンが用い
られる。又、水性塗料に用いるスプレーガンとし
て特開昭51−87547号に開示された静電ガンを用
いると塗料の使用量が低減でき好ましい。スプレー時からセツテイング時に至るまでの間
で33％以上を蒸発させてスプレー塗装する方法と
してブース雰囲気の温度、湿度を高温及び／又は
低湿にする方法、特に湿度を75％RH以下にして
スプレーする方法、被塗物を予じめ及び／又はフ
ラツシユオフ時に加温する方法、とりわけ35〜70
℃に加温してスプレーする方法、スプレーパター
ンの周囲に高温及び／又は除湿エアを供給する方
法、又は自動塗装機の周囲よりレシプロしている
スプレーパターンの周囲に高温及び／又は除湿エ
アを供給する方法等がある。以上の構成を有することにより、本発明は下記
の如き作用に基づき、各種塗装欠陥に対し効果的
に対処しうる。主としてスプレー時ウエツト塗膜の粘度が上昇
しないために発生するタレやメタルムラなどの塗
装欠陥に対し、本発明は水分散型合成ポリカルボ
ン酸樹脂を80％を越えるように中和した水分散中
和型水溶性樹脂塗料とアミン、アンモニアとが接
触するため増粘するので有効である。通常、一般
の水分散型合成ポリカルボン酸型塗料の場合、樹
脂の酸価、分子量等によつて異なるが、中和当量
が80％を越えて120％以下になると、もはやアン
モニアやアミンや、所謂樹脂溶解溶剤では増粘を
起こさなくなる。また溶液重合で得られた所謂水
溶性樹脂塗料でもこれらアミン、アンモニアや樹
脂溶解溶剤により増粘することはない。しかしながら本発明者が行つた種々の実験によ
つて、新たに次の点が見出された。即ち、従来の
水分散型合成ポリカルボン酸樹脂の中和率を上昇
させた水分散中和型水溶性樹脂塗料は、溶液重合
水溶性樹脂塗料と似かより、水分散型塗料よりも
タレやメタルムラが発生し易くかつ水分散中和型
水溶性樹脂が所謂水分散型樹脂のように白濁せず
透明もしくは若干の濁り、もしくはやや青味がか
つた透明であるために、ほとんど溶液重合水溶性
樹脂塗料と同様に扱われてきた。しかし、水分散
型合成ポリカルボン酸樹脂塗料について、それぞ
れ中和率を120％、100％、80％及び50％に変化さ
せ水稀釈による不揮発分濃度・粘度曲線を求める
と第１図に示す如く水分散型合成ポリカルボン酸
樹脂の中和率を80％以上とした水分散中和型水溶
性樹脂塗料は所謂溶液重合水溶性樹脂と異なり水
に対しては不揮発分濃度の僅かな変化で極めて急
激に粘度が変化することがわかつた。このこと
は、中和率の高い水分散中和型水溶性塗料が僅か
な水の蒸発で急激に増粘し、従つて、タレやメタ
ルムラが発生しにくいことが予想され、前述の塗
装した場合タレ易くなると言う現象とは一致しな
い。本発明者がこれらの事実関係を究明したとこ
ろ次のことが明らかとなつた。水性塗料をスプレーすると水だけでなくアンモ
ニアやアミンなどの中和剤も蒸発する。即ち、水
分散中和型水溶性樹脂塗料をスプレーした場合、
揮発分中の水等が蒸発して、塗着塗料の不揮発分
濃度は上昇するが、粘度の上昇は第１図に示す曲
線に従つて上昇するのではなく、中和していたア
ンモニアやアミンも蒸発するので粘度上昇は第１
図の右側へズレてゆく。事実、本発明者が第１図
の特性を有する水分散型合成ポリカルボン酸樹脂
塗料の50％と100％の中和率の２つの塗料につい
て、スプレー時の粘度を同じにして（２ポイ
ズ）、各種条件でスプレーし、塗着した塗料の不
揮発分濃度と粘度（落球式によつて求めた）につ
いて求めたところ、第２図の如く明らかに中和率
の高い水分散中和型水溶性樹脂塗料は、中和率の
低い塗料と比較して第１図の粘度曲線からのズレ
が大きく、それ故タレ易くなつていることが理解
された。そしてこの事実からスプレー時中和して
いるアミン又はアンモニアの蒸発がなければ急激
に増粘することが理解され、また反対に中和して
いるアンモニア又はアミンが蒸発しても別途から
補つてやれば、やはり第１図と同じような不揮発
分粘度曲線に従つて増粘することが予想される。以上述べた如く、本発明においてはたとえスプ
レー塗装する前の塗料とアミン又はアンモニアと
を混合して増粘しなくとも、スプレー塗装時には
増粘と同様の効果を有し、タレやメタルムラなど
が発生しにくくなる。しかしながら上記増粘効果は勿論所謂水分散型
塗料とアミンやアンモニアや樹脂溶解溶剤との分
割スプレー（特開昭51−86535〜86538号）に比較
して劣り、乾燥後の膜厚が30μ以上になるとタレ
やメチルムラが発生し易い。又更に、中和率の低
い水分散型合成ポリカルボン酸樹脂と比べて水分
散中和型水溶性樹脂塗料は第１図からも明らかな
ようにスプレー時の不揮発分濃度が低く、従つて
同じ条件でスプレーした場合塗着時のウエツト塗
膜の不揮発分濃度も低く、従つて乾燥後同一膜厚
を得るためには水分散中和型水溶性樹脂塗料のウ
エツト塗膜は水分散型塗料に比較して高膜厚でな
ければならない。タレやメタルムラの塗装欠陥が
起こるのは、粘度とウエツト時の膜厚に起因し、
粘度が低くウエツトの膜厚が大きい程欠陥が発生
し易いことから、水分散中和型水溶性樹脂塗料は
水分散型塗料に比較して不利となるのである。そ
れ故、本発明のスプレー塗装方法においては、必
らず33％、即ちスプレー時の不揮発分中の1/3を
蒸発させなければ、ウエツト塗膜の粘度が十分な
ものとなりにくく、かつウエツトの膜厚も低くな
らない。メチルアルコールを添加したりブースの
温度、湿度をコントロールしたり、被塗物を加温
したり、スプレーパターンの周囲を高温及び／又
は低湿にするのもこれらの理由による。本発明は
このようにアミンやアンモニアを添加すること及
び揮発成分を1/3以上蒸発させることにより極め
て良好にタレやメタルムラなどの塗装欠陥を防止
する。更に本発明は、下記の効果により有効にワキ欠
陥に対処しうる。即ち本発明の場合、第２図から
も明らかなように、水分散中和型水溶性樹脂塗料
を使用するために、実際のウエツト塗膜では中和
率の低い水分散型塗料に比較して、不揮発分濃度
粘度変化が小さく、表面が急激に乾くような現象
は生じない。それゆえ徐々に下層の方から水や中
和剤や溶剤が乾燥時に蒸発するのでワキ発生が少
ない。また、アミンやアンモニアと接触し、ウエ
ツト塗膜の全体の粘度は高いが水溶化は更に進み
表面が急激に乾く現象は更に生じにくくなる。ま
た、本発明においては揮発分の33％以上を蒸発さ
せるので乾燥前のウエツト塗膜中の水が少なく、
ワキにくくなる。そして更に、本発明は通常アン
モニアやアミンをブチルセロソルブやブチルカル
ビトールなどの高沸点の樹脂溶解溶剤と共にスプ
レーするので塗着時でこれら高沸点の溶剤と混合
するために一層ワキにくくなる。従来高沸点溶剤
を塗料中に混入させてワキ欠陥に対処するが、水
分散型合成ポリカルボン酸樹脂塗料の場合、たと
え中和率の高い水分散中和型水溶性塗料であつて
も、これら高沸点の樹脂溶解溶剤は減粘効果が乏
しく、本発明のようにウエツト塗膜時に混ぜる方
法に比較して劣る。水分散型合成ポリカルボン酸樹脂塗料において
は中和率が低いと、第２図に示す如く実際のスプ
レー時の蒸発による不揮発分濃度粘度曲線は中和
率が高い水分散中和型塗料に比較して急激であ
る。そして複雑な被塗物で膜厚分布に差異が生じ
る場合、同条件下では単位面積あたりの揮発分蒸
発量は一定であるためウエツト塗膜の不揮発分濃
度に差を生じ、水分散中和型塗料はその不揮発分
濃度変化に対する粘度変化が第２図に示す如く小
さいので比較的粘度のバラツキが小さく従つて均
一に塗装し易い。更にこの効果は、アミンやアン
モニア及びブチルセルロルブやブチルカルビトー
ル等が水溶化の促進をするため大きく、単に水分
散中和型水溶性樹脂塗料をスプレーする場合より
も、あるいは水分散型塗料と樹脂溶解剤を別々に
スプレーする場合よりも有効なものとなる。また本発明は水分散中和型樹脂塗料とアンモニ
ア又はアミンとを別々にスプレーするため、ウエ
ツト塗膜の不揮発分濃度変化に対する粘度変化が
水分散型塗料とアンモニア又はアミンなどを樹脂
溶解剤と別々にスプレーするよりも、あるいは水
分散中和型水溶性樹脂塗料を単独にスプレーする
よりも小さく、従つて塗装条件変動によつて生じ
るウエツト塗膜の不揮発分濃度変動に対し粘度変
動が少なく、その結果仕上り肌の変動も少なくな
る。以上詳細に説明した如く、本発明は従来水溶性
塗料と呼んでいたものを見直し、水溶性塗料の有
する長所と水分散型塗料の有する長所を水分散中
和型水溶性樹脂塗料とアンモニアやアミンとの
別々のスプレーによつて生かした結果極めて良好
なスプレー塗装方法を見出すことができ、工業的
に非常に価値の高いものである。本発明を従来考案されている方法と比較すると
次の第１表のようになる。

【表】

【表】本発明を以下の実施例及び比較例を用いて、更
に詳しく説明する。尚、下記例中、塗料は第１
図、第２図で用いた中和率の異なる塗料の基準と
なる塗料であり、また塗料は、その塗料の中
和率を100％にしたものである。実施例１下記第２表組成の水分散型合成ポリカルボン酸
樹脂の中和率が100％の水分散中和型水溶性樹脂
塗料を調整した（なお、下記表中基体樹脂と架
橋樹脂との比は３／１とする）。

【表】得られた水性塗料を、スプレーガンを縦に２
丁並べた一方より吐出し、他方からジメチルエタ
ノールアミン：ブチルセロソルブ＝１：10の混合
物を吐出するようにし、同時に別々に塗装する。
塗装条件を下記第３表に示す。

【表】このとき用いる被塗物は、鋭角な変曲部分を有
した自動車外板用の厚さ0.8mm軟鋼板であり、次
のような下地処理を施したものである。脱脂：リドリン処理化成処理：グラノシン処理下塗り：ポリブタジエン系電着塗装20〜25μ 中塗り：アミノ、アルキツド系塗装30μ 水研：＃400水研ペーパー結果を第４表に示す。

【表】 ○極めて良好、○△良好
実施例２下記第５表組成の水分散型合成ポリカルボン酸
樹脂の中和率が200％の水分散中和型水溶性樹脂
塗料を調整した（なお、下記表中基体樹脂と架
橋樹脂の比は３／１とする）。

【表】得られた水性塗料を用い、実施例１と同様の
方法でスプレー塗装した。結果を第６表に示す。

【表】実施例３前記実施例１の水性塗料を、スプレーガンを
縦に２丁並べた一方より吐出し、他方からジメチ
ルエタノールアミン：ブチルセロソルブ＝１：10
の混合液を吐出するようにし、同時に別々に塗装
する。塗装条件を下記第７表に示す。

【表】

【表】結果を第８表に示す。

【表】つた
表中、△は問題あり(不合格)を表わす
実施例４前記実施例１の水性塗料を用い、スプレーガ
ンを横に２丁並べた一方より水性塗料を吐出
し、他方よりジメチルエタノールアミン：ブチル
セロソルブ＝1.5：10の混合液を吐出するように
し、前後に別々に塗装する。ステージ数をフラツ
シユオフタイム５分、３分、セツテイング７分の
３ステージ塗装にするほかは実施例１と同様の塗
装条件とする。前記実施例１に示した第４表と同
様の結果が得られた。実施例５前記実施例１の水性塗料を用い、スプレーパ
ターンの周囲に70℃の高温エアを供給し、市販の
リユーブリケータを用い霧化エア中にジメチルエ
タノールアミン：ブチルセロソルブ＝1.0：10混
合液をスプレーする。塗装条件を以下の第９表に
示す。

【表】結果は前記実施例３に示した第８表と同じであ
つた。実施例６実施例１の水性塗料を用い、ジメチルエタノ
ールアミン：ブチルセロソルブ＝１：10の混合液
に代えて、アンモニア：ブチルカルビトール＝
0.7：10混合液及びトリエチルアミン：ブチルセ
ロソルブ＝1.5：10混合液を用いる以外は全て実
施例１と同様に塗装する。それぞれの混合液を用いた塗装結果は、いずれ
も第４表と同じであつた。比較例１水性塗料の組成（第２表）において、アミン
をジメチルエタノールアミン3.1PHR（50％中和
率）、水を126PHR、そして不揮発分濃度40重量
％に変更して、塗料を調整した。得られた塗料を、実施例１の塗装条件中、ブ
ースの温度湿度を25℃、70％、75％、80％、85
％、90％の５水準とするほかは同様に被塗物を塗
装した。結果を第10表に示す。

【表】＊……特に被塗物の鋭角な変曲部分にワ
キ発生が見られる
比較例２前記比較例１で調整した水性塗料を用い、そ
の他は実施例３と同様の条件及び方法で塗装し
た。得られた結果を第11表に示す。

【表】比較例３前記比較例１で調整した水性塗料を用い、ジ
メチルエタノールアミン：ブチルセロソルブ混合
液の吐出を中止する以外は、実施例１と同様の条
件及び方法で塗装した。結果を第12表に示す。

【表】比較例４前記実施例１の水性塗料を用い、ジメチルエ
タノールアミン：ブチルセロソルブ混合液の吐出
を中止し、ブース温度、湿度を25℃、55％、60
％、65％、70％、75％、80％、85％、90％とする
以外は実施例１と同様に塗装した。結果を第13表
に示す。

【表】以上のことから明らかなように、本発明による
塗料及び塗装方法を用いて塗装すると、従来の方
法に比べて良好な仕上りで、被塗物を均一に仕上
げ易く、かつブース温度、湿度等の変動に対し仕
上り変動の少ない製品が容易に得られる等種々の
利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は水分散型合成ポリカルボン酸の中和率
をパラメータとし水稀釈による不揮発分濃度と粘
度との関係を示すグラフ、第２図はスプレーし塗
着した塗料の不揮発分濃度と粘度の関係を表わす
グラフである。

Claims

【特許請求の範囲】１ (a) 水分散型合成ポリカルボン酸樹脂の中和
率が80％を越える水分散中和型水溶性樹脂を主
成分とし、場合によつてはメチルアルコールを
５ないし30PHR〔樹脂100に対する量（重量
比）〕含有した水性塗料と、 (b) アンモニアまたはアミンの一種もしくは二種
以上と、から成ることを特徴とする二液型水性塗料組成
物。２水分散型合成ポリカルボン酸樹脂の中和率が
80％を越える水分散中和型水溶性樹脂を主成分と
し、場合によつてはメチルアルコールを５ないし
30PHR〔樹脂100に対する量（重量比）〕含有し
た水性塗料と、アンモニアまたはアミンの一種も
しくは二種以上を別々な装置から同時または前後
してスプレーし、かつ前記水性塗料中の揮発成分
を該塗料のスプレー時からセツテイングに至るま
での間で少なくとも33％以上蒸発させることを特
徴とする二液型水性塗料組成物の塗装方法。