JPS6214453B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は柔軟性のあるシート状物、例えば合
成樹脂製の袋、風呂敷、ブツクカバーなどを送り
出し整然と積み重ねる装置に係るものである。

この種の装置は通常ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン、ビニロン、ポリプロピレンなどによりなる
扁平チユーブや、帯状シートとを適当な長さに切
断し、製品となつたものを、順次一対挾持型のコ
ンベヤーで挾持しながら受台上に送り出し、スト
ツパ乃至はガイドに沿わせて、積み重ねるように
している。

ところが、近年この種の装置においては、生産
性向上のために高速運転を強られ、従つて製品た
るシート状物が一対挾持型の送り出しコンベヤー
から送り出される速度も速く、製品がストツパ乃
至はガイドに衝突する速度が大となり、反撥して
移動する寸法にも斑を生じるし、高速で柔軟シー
ト状物が送り出されるとき、該シート状物の柔軟
性によつては空気抵抗によつてあおられ、受台上
に整然と積み重ねられない欠点がある。

この発明はこのような従来の方法及び装置の欠
点を改善し、最終的に受台上に送り出す移動速度
を、それよりも搬入部の加工位置における移送速
度と関係なく容易に変更できるように、受台上で
紊りに、柔軟シート状物が散逸乃至は不揃いとな
らないようにするための方法及び装置である。

この発明は柔軟シート状物を一対挾持型の主コ
ンベヤーで移送し、次に前記シート状物をこの搬
出側の一対挾持型の送り出しコンベヤーで受け継
ぎ、前記主コンベヤーの移送速度よりも低速度で
シート状物を受台上に送り出す際に、前記シート
状物の後端が主コンベヤーより離れ、送り出しコ
ンベヤーにより送り出されるまでの間において、
この後端通過を検出する工程とこの検出信号を入
力信号として設定時間可変式の遅延タイマを始動
させ、次いで設定時間経過後このタイマから出力
される出力信号により、送り出しコンベヤーより
前記シート状物がほぼ完全に送り出される以前に
この送り出しコンベヤーの駆動を停止乃至は低速
とし、前記シート状物の少なくとも後端部分をこ
の送り出しコンベヤーで挾持した状態で、前記シ
ート状物の移送を一旦停止又は減速する工程と、
前記タイマのリセツト後に送り出しコンベヤーを
正常運転に復帰再開させ、この再開毎にその速度
上昇勾配区間の初期に、この後端が挾持され停止
中又は減速移送中の前記シート状物を、この送り
出しコンベヤーにより低速で完全に送り出す工
程。

以上の各工程からなることを特徴とする柔軟シ
ート状物送り出し方法である。

また他の発明は、一対挾持型の主コンベヤーの
搬出側に、この主コンベヤーで送り出されてくる
柔軟なシート状物を順次受取り、波板状としてこ
のシート状物を送り出す一対挾持型の送り出しコ
ンベヤーが設けてあり、この送り出しコンベヤー
の搬入側端からその中間点までの間にはこのシー
ト状物の後端を検出する後端検出センサが設けて
あり、この後端検出センサの検出信号を指令信号
として始動する設定時間可変式遅延タイマが設け
てあり、前記送り出しコンベヤーを前記タイマの
遅延出力信号で停止させ、乃至は低速とし、前記
シート状物の後端部分をこの送り出しコンベヤー
で挾持し、かつこのタイマのリセツト信号で送り
出しコンベヤーの運転を再開させ、再開時毎に速
度上昇勾配中に前記シート状物を送り出しコンベ
ヤーより完全に送り出されるような制御装置を含
む駆動装置が前記送り出しコンベヤーに連結して
あることを特徴とする柔軟シート状物送り出し装
置である。

今この発明を図示の代表的な実施態様に基づい
て説明する。

まず装置発明の実施態様を説明する。

＜実施態様＞（第１図、第２図参照） 第１図及び第２図において、１は主コンベヤー
の一種たるベルトコンベヤーであり、一対挾持型
であつて、柔軟シート状物２を縦方向に畝をつけ
て波状にして移送するものである。

この主コンベヤー１の搬出側には一対の挾持型
送り出しコンベヤーの一種たるベルトコンベヤー
３が設けてある。このコンベヤー３も主コンベヤ
ー１同様にシート状物２を波状にしたまま送り出
せるように、上下の紐ベルト４がそれぞれ搬出側
端において突輪状のプリー５にそれぞれ掛合され
上下のプリー５の位置は相互に齟齬させてあつて
相互に相手方のプリー５間に位置させてある（第
２図参照）。

前記送り出しコンベヤー３の搬入側端からその
中間点までの間には、柔軟シート状物２の後端を
検出する後端検出センサ９が設けてある。

この後端検出センサ９の検出信号を指令信号と
して始動する設定時間可変式遅延タイマ１０が、
この後端検出センサ９に接続して配置してある。

前記送り出しコンベヤー３の駆動軸７は、主コ
ンベヤー１を連続運転する駆動装置に電磁クラツ
チブレーキ８を介して連結され、この電磁クラツ
チブレーキ８の入切を制御する制御装置は、前記
タイマ１０に接続され、前記タイマ１０の遅延出
力信号を受けた時に電磁クラツチブレーキ８のク
ラツチを外し、ブレーキを作動させると共に、こ
のタイマ１０のリセツト信号でクラツチブレーキ
８のブレーキを外し、クラツチを入れ送り出しコ
ンベヤー３の運転を再開させる制御装置としてあ
る。

この際、電磁クラツチブレーキ８のクラツチを
外し、ブレーキを作動させ、送り出しコンベヤー
３を停止させた時には、柔軟シート状物２の少な
くとも後端部分をこの送り出しコンベヤー３で挾
持し、また送り出しコンベヤー３の運転再開時に
は、その速度上昇勾配中に柔軟シート状物２を送
り出しコンベヤー３より完全に送り出させるよう
に、前記送り出しコンベヤー３の寸法、駆動装置
による送り出しコンベヤー３の送り出し速度、電
磁クラツチブレーキ８の入切のタイミングが予め
設定されている。１１は送り出しコンベヤー３の
搬出側に設けた水平な受台、１２はこの受台１１
上に起立して設けたストツパーである。

＜第２実施態様＞ 第３図に示す第２実施態様において、第１実施
態様と同一の符号のものは、同一の構成、作用を
有し、第１実施態様と異なる所は、送り出しコン
ベヤー３の駆動装置１３と、その制御装置であ
る。

この実施態様においては、送り出しコンベヤー
３の駆動軸７は、主コンベヤー１の駆動装置と別
個に設けた高低二速に切換可能なモータ１３に直
接連結される。

このモータ１３の高低二速切換を制御する制御
装置は、前記タイマ１０に接続され、タイマ１０
の遅延出力信号を受けた時にモータ１３の運転を
高速から低速へ切換え、またタイマ１０のリセツ
ト信号を受けた時にモータ１３の運転を再び高速
運転に復帰させる制御装置としてある。

その他の制御装置の機能は、第１実施態様と同
一である。

叙上のように構成しているこの装置の発明の作
用と共に、この発明の方法を説明する。

先ず、主コンベヤー１によつて柔軟シート状物
２を移送すると、このシート状物２はこれによつ
て挾持されたまま、この搬出側に搬送され、この
シート状物２の先端部は主コンベヤー１から送り
出され、送り出しコンベヤー３に挾持され、更に
送られ、このシート状物２の後端が主コンベヤー
１より離れて前記センサ９の位置に達すると、前
記センサ９はこのシート状物２の後端検出信号を
発し、これを入力信号としてタイマ１０が作動
し、設定時間経過後タイマ１０は遅延出力信号を
制御装置へ出力し、この信号を受けた制御装置
は、第１図に示す実施態様の装置においては、送
り出しコンベヤー３の駆動軸に設けてある電磁ク
ラツチブレーキ８のクラツチを外しブレーキをか
け、送り出しコンベヤー３を停止させ、前記シー
ト状物２の後端を挾持したまま停止させる。

次に、前記タイマ１０のリセツト信号を制御装
置が受けると、この制御装置は、前記電磁クラツ
チブレーキのクラツチを入れ、ブレーキを外し次
の移送開始と共に、送り出しコンベヤー３に後端
部を挾まれていたシート状物２を送り出しコンベ
ヤー３の各運転開始時の低速中に完全に受台１１
上に送り出す。

前述のタイマ１０の設定時間を短くすると、送
り出しコンベヤー３はセンサ９の検出後すぐ停止
するために、柔軟シート状物２を殆んどの長さ挾
んだ状態で停止し、運転が再開され、柔軟シート
状物２は送り出しコンベヤー３が相当に高速にな
つたところで送り出される。

またタイマ１０の設定時間を長くすると、この
シート状物２の後端のごく僅かのところを挾持し
て、送り出しコンベヤー３は一旦停止し、運転再
開始直後の極く低速のうちに、シート状物は送り
出され、送り出しコンベヤー３の搬出側の受台１
１に順次重ねられる。この場合タイマ１０の設定
時間が長すぎると送り出しコンベヤー３が停止す
るまでにこのシート状物２がこれよりも送り出さ
れてしまう。よつて、１分間に60シート程度送り
出すものを例にとればタイマの最長設定時間は約
0.25秒以下の範囲程度設定できるものを用いる。

第３図に示す実施態様のものにおいては、タイ
マ１０の遅延出力信号を受けた制御装置は、モー
タ１３を高速運転から低速運転へ切り換え、一旦
送り出しコンベヤーを低速度にした後、再び高速
度に戻し、この高速に復帰する速度上昇中の所定
のタイミングで、このシート状物２を送り出しコ
ンベヤー３より送り出す。即ちタイマ１０の設定
時間の変更により制御する。

＜効 果＞ 前記構成の本件の方法発明においては、前記タ
イマ１０の遅延出力信号を受けた制御装置により
送り出しコンベヤー３の速度を制御し、柔軟シー
ト状物２の移送を停止又は低速にし、各運転再開
時の速度上昇中に、柔軟シート状物２を送り出す
方法であるから、前記タイマ１０の設定時間を変
更することによつて、送り出しコンベヤー３の移
送速度の上昇中の任意のタイミングを容易に選定
して移送でき、前記シート状物２の剛性及び柔軟
性に対応した最も適した送り出し速度が得られ、
主コンベヤー１の移送速度に影響されることなく
送り出し速度を選定でき、柔軟性の異なる柔軟シ
ート状物２を受台１１上に乱れることなく整然に
供給し、積み重ねることができる。

殊に、送り出しコンベヤーを一時的に停止して
運転を再開する方法においては、シート状物の停
止位置が肉眼で観測でき、その位置によつて、送
り出しの速度を大略知ることができ、タイマ１０
の時間設定が容易となる。即ち設定時間が同一で
あつても、移送されるシート状物２の長さによつ
ては、送り出しコンベヤー３から離反するときの
速度は一定とならず、むしろ、送り出しコンベヤ
ー３を停止したとき、このどこにシート状物２が
停止したかによつて、送り出し速度が決るからで
ある（第４図参照、送り出しコンベヤーのａ線が
速度０となる）。

次にこの発明の装置においては上述の方法が実
施できる外、タイマ１０の設定時間を変更するだ
けの簡単な操作によつて、送り出し速度を変更す
ることができる。

更に、送り出しコンベヤー３は、波板状として
柔軟なシート状物２を送り出す一対挾持型で間歇
駆動式の送り出しコンベヤー３としてあるため、
肉厚の薄い柔軟なシート状物２でも、波板状とす
ることにより、シート状物２に腰をもたせて確実
に受台１１上にその送り出し全期間に亘り安定良
く、しわにならずに送り出すことができる。

また、駆動装置の速度そのものを変換するもの
ではないから、操作が簡単なだけでなく、運転自
体が安定し、また、シート状物の移送は大部分高
速移送されることになり、移送効率がよい。

また送り出しコンベヤー３を高速運転から低速
運転に切換え、再び高速運転に戻す方法において
は、停止させる方法より運転が円滑で、１分間当
りの送り出し回数をより多くすることができる
（第４図参照、同図送り出しコンベヤーｂ線を速
度０とする）。

第３図に示す主コンベヤー１と独立の駆動部を
もつ送り出しコンベヤー３においても、高低二速
の切換の代りに、動、停の切換としてもこの発明
の装置発発明としては同一である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係るものであつて、第１図は
この発明の装置の第１実施態様の機構図、第２図
は送り出しコンベヤーの縦断正面図、第３図は装
置発明の第２実施態様の機構図、第４図は作動線
図である。 図中符号、１……主コンベヤー、２……柔軟シ
ート状物、３……送り出しコンベヤー、９……セ
ンサ、１０……タイマ、１１……受台、１２……
ストツパ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 柔軟シート状物を一対挾持型の主コンベヤー
   で移送し、次に前記シート状物をこの搬出側の一
   対挾持型の送り出しコンベヤーで受け継ぎ、前記
   主コンベヤーの移送速度よりも低速度で、シート
   状物を受台上に送り出す際に、前記シート状物の
   後端が主コンベヤーより離れ、送り出しコンベヤ
   ーにより送り出されるまでの間において、この後
   端通過を検出する工程と、この検出信号を入力信
   号として設定時間可変式の遅延タイマを始動さ
   せ、次いで設定時間後このタイマから出力される
   出力信号により、送り出しコンベヤーより前記シ
   ート状物がほぼ完全に送り出される以前にこの送
   り出しコンベヤの駆動を停止乃至は低速とし前記
   シート状物の少なくとも後端部分をこの送り出し
   コンベヤーで挾持した状態で、前記シート状物の
   移送を一旦停止又は減速する工程と、前記タイマ
   のリセツト後に送り出しコンベヤーを正常運転に
   復帰再開させ、この再開毎にその速度上昇勾配区
   間の初期に、この後端が挾持され停止中又は減速
   移送中の前記シート状物を、この送り出しコンベ
   ヤーにより低速で完全に送り出す工程、 以上の各工程からなることを特徴とする柔軟シ
   ート状物送り出し方法。 ２ 一対挾持型の主コンベヤーの搬出側にこの主
   コンベヤーで送り出されてくる柔軟なシート状物
   を順次受取り、波板状としてこのシート状物を送
   り出す一対挾持型の送り出しコンベヤーが設けて
   あり、この送り出しコンベヤーの搬入側端からそ
   の中間点までの間には、このシート状物の後端を
   検出する後端検出センサが設けてあり、この後端
   検出センサの検出信号を指令信号として始動する
   設定時間可変式遅延タイマが設けてあり、前記送
   り出しコンベヤーを前記タイマの遅延出力信号で
   停止させ、乃至は低速とし、前記シート状物の後
   端部分をこの送り出しコンベヤーで挾持し、かつ
   このタイマのリセツト信号で送り出しコンベヤー
   の運転を再開させ、再開時毎に速度上昇勾配中に
   前記シート状物を送り出しコンベヤーより完全に
   送り出させるような制御装置を含む駆動装置が前
   記送り出しコンベヤーに連結してあることを特徴
   とする柔軟シート状物送り出し装置。