JPS6214076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はホイスト減速装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来のホイスト減速装置を第１図に基いて説明
する。主軸９の一端はモートル（図示せず）に連
結されている。この主軸９の他端とモートルピニ
オン２の一端との外周にまたがつてカツプリング
１０が取付けられ、主軸９とモートルピニオン２
とが連結されている。モートルピニオン２の他端
はその外周に配置されたベアリング１１を介して
減速カバー１２に支持されている。このモートル
ピニオン２の中央部外周には１段ギヤ３の外周が
係合されている。この１段ギヤ３は２段ピニオン
４の一側外周と係合されている。２段ピニオン４
の両端はその外周に配置されたベアリング１３，
１４を介して減速カバー１２と減速ケース１５と
に支持されている。この２段ピニオン４の他側外
周には２段ギヤ５の外周が係合されている。この
２段ギヤ５内周にはほぼ全幅にわたつてスプライ
ン５ａが形成されている。カツプリング１０の外
周にベアリング１が配置されている。このベアリ
ング１の一側内径部がカツプリング１０の突出段
部１０ａに当接されている。カツプリング１０は
ドラムシヤフト６の内周一側にぴつたりと収納さ
れ、その他側外径部がドラムシヤフト６の段部６
ｂに当接されている。このようにしてベアリング
１はカツプリング１０の外周とドラムシヤフト６
の内周との間に配置されている。前記スプライン
５ａにはドラムシヤフト６の一端外周のスプライ
ン６ａが係合されている。このドラムシヤフト６
の一端はカツプリング１０より突出しており、そ
の突出部外周に溝が形成されており、この溝に軸
用Ｃリング８が取付けられて２段ギヤ５が抜け出
すのを防止している。ドラムシヤフト６の中央部
はその外周に配置された２個のベアリング１６，
１７を介して減速ケース１５に支持されている。
ドラムシヤフト６の他端にはドラム１８が連結さ
れている。

かかるホイスト減速装置において、主軸９が駆
動されていると、その回転はカツプリング１０を
介してモートルピニオン２に伝達され、更に、１
段ギヤ３・２段ピニオン４・２段ギヤ５と伝達さ
れて減速され、ドラムシヤフト６からドラム１８
へと伝達され、所定の巻上げ又は巻下げ操作が行
なわれる。

〔考案の解決しようとする問題点〕

かかる従来のホイスト減速装置においては、ド
ラムシヤフト６の内周d₁にベアリング１をぴつた
りと収納した構造としているので、ドラムシヤフ
ト６の外径が大きくなつてしまうものであつた。
このため、ドラムシヤフト６の材料が多く必要と
し、スプライン６ａの加工量およびベアリング１
６，１７とドラム１８を取付ける側の外周の加工
量が多くなる問題点があつた。又、ドラムシヤフ
ト６の外径を極力小さくしようとすると、ベアリ
ング１を収納している部分の肉厚ｔが薄くなり、
スプライン６ａを転造加工した際にその部分の内
周が縮少されてしまい、精度が狂つてしまうとい
う問題があつた。更には、ドラムシヤフト６のス
プライン６ａ部分に溝を有する構造であるため、
スプライン６ａの転造加工後に溝を設けなければ
ならず（溝を先に設けておくと、スプライン６ａ
の転造加工の際に溝が潰されてしまうため）、加
工が非常に面倒であつた。しかも、この溝に軸用
Ｃリング８を設けているため、部品数と増大およ
び組立工程の増大を招いていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、かかる問題点を解決するためになさ
れたもので、モートルに連結された主軸９の一端
をカツプリング１０を介してモートルピニオン２
に取付け、このモートルピニオン２の外周に１段
ギヤ３の外周を係合し、この１段ギヤ３の外周に
２段ピニオン４の外周を係合し、この２段ピニオ
ン４の外周に２段ギヤ５の外周を係合し、この２
段ギヤ５の内周にスプライン５ａを形成し、この
スプライン５ａにドラムシヤフト６の外周のスプ
ライン６ａを係合し、このドラムシヤフト６をド
ラム１８に連結し、前記カツプリング１０の外周
にベアリング１の一側をこのカツプリング１０の
段部１０ａに当接して配置してなるホイスト減速
装置において、前記２段ギヤ５の内周一側にスプ
ライン５ａを突出して形成し、前記ベアリング１
を前記２段ギヤ５の内周他側にぴつたりと収納す
ると共に、このベアリング１の他側を前記２段ギ
ヤ５のスプライン５ａに当接し、前記ドラムシヤ
フト６のスプライン６ａを前記ベアリング１より
ドラム１８側にて前記２段ギヤ５のスプライン５
ａに係合し、このドラムシヤフト６のスプライン
６ａを有する部分の内周を遊合状態としたことを
特徴とするホイスト減速装置としたものである。

〔作 用〕

かかるホイスト減速装置によれば、ベアリング
１の外周と２段ギヤ５の内周との間にドラムシヤ
フト６を介在させないので、ドラムシヤフト６の
外径をベアリング１との関係で大きくする必要が
ない。従つて、ドラムシヤフト６をその分だけ小
径にして材料を節約できると共に、その外周の加
工量を大幅に少なくできる。又、ドラムシヤフト
６のスプライン６ａを有する部分の内周を遊合状
態としたので、このスプライン６ａを転造加工す
る際にその内周の精度をあまり考慮することなく
加工でき、その部分の肉厚を薄くすることができ
る。更に、第２ギヤ５はその内周のスプライン５
ａがベアリング１に当接しているので、ドラムシ
ヤフト６より抜け出すことがない。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第２図に基いて説明
する。尚、符号は従来例と同一物又は相当物には
同一符号としてある。主軸９の一端はモートル
（図示せず）に連結されている。この主軸９の他
端とモートルピニオン２の一端との外周にまたが
つてカツプリング１０が取付けられ、主軸９とモ
ートルピニオン２とが連結されている。モートル
ピニオン２の他端はその外周に配置されたベアリ
ング１１を介して減速カバー１２に支持されてい
る。このモートルピニオン２の中央部外周には１
段ギヤ３の外周が係合されている。この１段ギヤ
３は２段ピニオン４の一側外周と係合させてい
る。２段ピニオン４の両端はその外周に配置され
たベアリング１３，１４を介して減速カバーー１
２と減速ケース１５とに支持されている。この２
段ピニオン４の他側外周には２段ギヤ５の外周が
係合されている。この２段ギヤ５はカツプリング
１０に外周を覆うように位置されている。又、こ
の２段ギヤ５の内周一側にはスプライン５ａが突
出して形成されている。カツプリング１０の外周
にベアリング１が配置されている。このベアリン
グ１の一側がカツプリング１０の突出段部１０ａ
に当接されている。カツプリング１０は２段ギヤ
５の内周一側にぴつたりと収納され、その他側が
スプライン５ａに当接されている。このようにし
てベアリング１はカツプリング１０の外周と２段
ギヤ５の内周との間に配置されている。前記スプ
ライン５ａにはドラムシヤフト６の一端外周のス
プライン６ａが係合されている。ドラムシヤフト
６の中央部はその外周に配置された２個のベアリ
ング１６，１７を介して減速ケース１５に支持さ
れている。ドラムシヤフト６の内周はカツプリン
グ１０および主軸９と遊合状態となつている。ド
ラムシヤフト６の他端にはドラム１８が連結され
ている。

かかるホイスト減速装置において、主軸９が駆
動されていると、その回転はカツプリング１０を
介してモートルピニオン２に伝達され、更に１段
ギヤ３・２段ピニオン４・２段ギヤ５と伝達され
て減速され、ドラムシヤフト６からドラム１８へ
と伝達されて所定の巻上げ又は巻下げ操作が行な
われる。

かかるホイスト減速装置によれば、ベアリング
１の外周と２段ギヤ５の内周との間にドラムシヤ
フト６を介在させないので、ドラムシヤフト６の
外径をベアリング１との関係で大きくする必要が
ない。従つて、ドラムシヤフト６をその分だけ小
径にして材料を節約できると共に、その外周の加
工量を大幅に少なくでき、これによつて安価なも
のとなる。又、ドラムシヤフト６のスプライン６
ａを有する部分の内周を遊合状態としたので、こ
のスプライン６ａを転造加工する際にその内周の
精度をあまり考慮することなく加工でき、その部
分の肉厚を薄くすることができる。これによつて
も安価なものとなる。更に、第２ギヤ５はその内
周のスプライン５ａがベアリング１に当接してい
るので、ドラムシヤフト６より抜け出すことがな
い。従つて、従来のようなＣリングを必要としな
いので、この点からも安価なものとなる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ドラムシヤフト６を小径にし
て材料費を節約できると共にその外周加工量を大
幅に少なくでき、又、スプライン６ａを転造加工
する際にその内周の精度をあまり考慮することな
く加工でき、その部分のドラムシヤフト６の肉厚
を薄くすることができ、更には、Ｃリング等の特
別な部材を用いることなく、第２ギヤ５がドラム
シヤフト６より抜けだすことがないので、安価な
ホイスト減速装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のホイスト減速装置の縦断面図、
第２図は本考案のホイスト減速装置の縦断面図で
ある。 １……ベアリング、２……モートルピニオン、
３……１段ギヤ、４……２段ピニオン、５……２
段ギヤ、６……ドラムシヤフト、９……主軸、１
０……カツプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モートルに連結された主軸９の一端をカツプリ
   ング１０を介してモートルピニオン２に取付け、
   このモートルピニオン２の外周に１段ギヤ３の外
   周を係合し、この１段ギヤ３の外周に２段ピニオ
   ン４の外周を係合し、この２段ピニオン４の外周
   に２段ギヤ５の外周を係合し、この２段ギヤ５の
   内周にスプライン５ａを形成し、このスプライン
   ５ａにドラムシヤフト６の外周のスプライン６ａ
   を係合し、このドラムシヤフト６をドラム１８に
   連結し、前記カツプリング１０の外周にベアリン
   グ１の一側をこのカツプリング１０の段部１０ａ
   に当接して配置してなるホイスト減速装置におい
   て、前記２段ギヤ５の内周一側にスプライン５ａ
   を突出して形成し、前記ベアリング１を前記２段
   ギヤ５の内周他側にぴつたりと収納すると共に、
   このベアリング１の他側を前記２段ギヤ５のスプ
   ライン５ａに当接し、前記ドラムシヤフト６のス
   プライン６ａを前記ベアリング１よりドラム１８
   側にて前記２段ギヤ５のスプライン５ａに係合
   し、このドラムシヤフト６のスプライン６ａを有
   する部分の内周を遊合状態としたことを特徴とす
   るホイスト減速装置。