JPS62139670A - センサ付き医用部材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明はセンサ付き医用部材（例えばカニユーレ）の製
造方法に関するものである。

口、従来技術 近年、回心手術やその他の手術の際に、体外において補
助的かつ一時的に心臓の機能を代替するための人工心臓
の開発が進められている。　例えば第９図に示すように
、生体の心臓１０の右心房と肺動脈との間や、左心房と
大動脈との間に夫々サック型血液ポンプ装置１１が連結
される。　このような血液ポンプ装置は、我国でも世界
に先がけて研究されており、補助心臓として既に臨床応
用にも実施されている。

この血液ポンプ装置１１はサック型と称されるものであ
り、第１０図に明示するように、主として耐圧性（例え
ばポリカーボネート或いはポリウレタン製）のハウジン
グアウターケース１と、このハウジングアウターケース
内に気密に収納される偏平袋状のサック型の血液チャン
バー２とからなる。

この血液チャンバー２の上部には、血液チャンバーに連
通して血液導入管３と血液排出管４とが上向きにかつ略
平行に形成されている。　血液チャンバ一部の上部周囲
には、ハウジングの一部をなすフランジ部゛５を設けて
あり、このフランジ部によって血液チャンバーはハウジ
ングアウターケース１内に気密に収納される。　また、
血液導入管３と血液排出管４との各内部には、血液１７
の逆流を防止する人工の逆止弁６．７が装着してあり、
これにより、血液導入管３から血液チャンバー２内に導
入された血液１７は、血液排出管４より拍出されるよう
になっている。　血液の拍出は、ハウジングアウターケ
ース１の底部に設けられたボート８を通じて流体、例え
ば圧縮空気及び減圧空気の導入、排出を交互に行い、血
液チャンバー外圧の変化に伴って血液チャンバーが膨張
、収縮を繰り返すことによってなされるものである。　
生体の心臓に結合された各カニユーレ１２と血液チャン
バー２側の各血液導管３及び４とは、各コネクタ１３の
両端部からその中央位置に設けたリング状フランジ１４
の位置まで夫々挿入される。

ハ１発明の背景 上記の如き血液ポンプ装置１１を用いて手術を行なうと
き、心臓又は血管内の挿入個所の血圧（実質圧）を直接
測定すれば、これに基いて必要な処置（例えば、カテコ
ールアミンや末梢血管拡張剤の投与）を効果的かつ適切
に講じることができる。

例えば、先端に圧力センサを組み込んだ長尺状のカテー
テルを生体外から血管を通して心臓内又は血管内の所定
位置まで差し込む圧モニターの方法があり、単独或いは
カニユーレ等との組合せで用いられてきた。　　しかし
、カニユーレを用いる術例では、測定を正確かつ容易に
行なうために、上記した如きカニユーレにセンサを内蔵
させることが効果的である。　いずれにしても、これ迄
の上記の如きセンサ付き医用部材を容易かつ精度良く量
産できる方法が存在しないのが実情である。

二６発明の目的 本発明の目的は、センサ付き医用部材を容易かつ精度良
く量産できる方法を提供することにある。

ホ１発明の構成 即ち、本発明は、医用部材（例えばカニユーレ）本体に
対応した形状の第１の型上に、センサ収容空間を形成す
るための第２の型を固定する工程と；これらの第１の型
及び第２の型の各外面上にコーティング膜を形成する工
程と；前記第１の型及び第２の型を夫々離型することに
よって、医用部材本体とこれに一体のセンサ収容部とを
成形する工程と；このセンサ収容部の収容空間内にセン
サ（例えば圧力センサ）を取り付ける工程とを有するセ
ンサ付き医用部材の製造方法に係るものである。

へ、実施例 以下、本発明の実施例を第１図〜第８図について詳細に
説明する。

まず、理解容易のために、本実施例により祷られたカニ
ユーレの一例を第２図〜第４図について説明すると、こ
のカニユーレ２２は例えばポリ塩化ビニルからなってい
て、その基本形状自体は８Ｉ！９図及び第１０図に示し
たものとほぼ同じであるが、先端部２２ａに圧力センサ
２０が内蔵若しくは埋め込まれていることが大きな特徴
である。　そして、この圧力センサ２０からはカニユー
レ壁部を通してリードｄ２１が導びかれ、外部の増幅器
を介してモニタ及び表示部（図示せず）へ接続される。

　なお、リード線２１には保護用の小径チューブ２３が
被せられている。

センサ２０は、第３図に拡大図示するように、カニユー
レ先端部２２ａに埋め込まれた状態になっていて、公知
の如く小型でゲージ率の高い圧力−電気変換素子として
シリコン基板２４に設けた圧力センサチップ部（拡散型
シリコン半導体又はＩピエゾ抵抗素子部）２５が小通路
２６を通して大気圧（即　　　　′ち、外部圧）１１１
１１に臨んでいる。　　また、基板２４はステンレスブ
ロック２７の凹部に固定され、受圧ダイヤフラムを形成
しており更に受圧部側が接着性シリコーンゴム２８で固
められ、更にこのシリコーンゴム２８は開口３１を介し
てカニユーレ内に面している。　従って、カニユーレ先
端部２２ａを第４図のように例えば目的とする血管２９
に突き刺し、抜は止め用のフランジ部３０の近傍位置で
血管２９をカニユーレ２２に対し固定して用いるとき、
カニユーレ２２自体は本来の血液導出又は導入作用を行
なう（第５図及び第６図参照）と同時に、その先端のセ
ンサ２０によって血管２９内の血圧（実質圧）も直接測
定することができることになる。

このように、本実施例によれば、カニユーレ２２自体に
血圧測定機能をもたしめているので、特に正確な生体情
報を得るために従来のように別途センサ付きカテーテル
を差し込む必要は全くない。

従って、血圧を正確に測定できると同時にその作業も非
常に容易である。

次に、上記のカニユーレ２２の製造方法を第１図につい
て説明する。

まず第１Ａ図のように、上記のカニユーレ２２の本体２
２ｂの形状に対応した形状の金型３２と、上記のセンサ
２０及びそのリード線４を収容する空間を形成するため
の第２の金型としての０．５〜２器φの金属ピン３３と
を夫々作製する。

次いで、金型３２を例えば１８０℃に予熱し、ポリ塩化
ビニルのプラスチゾルを塗った金属ピン羽を金型３２上
に第１Ｂ図のように載せ、ゾルをゲル化させて固定する
。　同図には、同情したゲル化膜３４を示したが、この
膜は図示した位置のみならず、ビン３３全面に存在して
いてもよい。　なお、図中の３５は上記したフランジ部
３０となるポリ塩化ビニル製のリングであって、ピン３
３の固定後に挿入、固定されたものである。

次いで全体をポリ塩化ビニルのプラスチゾル中に浸漬（
ディッピング）することによって、第１Ｃ図のように、
金型３２及び金属ピン３３の各外面にポリ塩化ビニルの
コーティング膜２２を形成する。

ディッピングを必要回数繰返し、かつディッピング位置
を選択することによって、コーティング膜のうち比較的
肉薄の本体部分（先端部２２ａ側）と比較的肉厚の本体
部分（血液ポンプ側）とを連続して形成することができ
、又、可塑剤の量の異なる上記プラスチゾルを用いる硬
さの分布も容易に与えることができる。

次いでコーティング膜を加熱硬化（キュア）させた後、
第１Ｄ図のように、コーティング膜の一部を切除し、金
属ピン３３を抜出し、更に金型３２も抜去する。　こう
して各型を離型することによって、金型３２に対応して
カニユーレ本体が、また金属ピン３３に対応してセンサ
収容空間としての小径の長孔３６のあるセンサ収容部４
１が夫々成形される。

次いで第１Ｅ図のように、上記したセンサ２０の位置に
おいて打抜き加工３８により側孔３１及び３７を内壁及
び外壁に夫々形成（パンチング）する。

このパンチングは、図示省略した先端部の側孔のパンチ
ングと同一工程で行なえる。

次いで第１Ｆ図のように、先端部２２ａ側から長孔３６
内ヘセンサ２０のコイル状のリード線２１を挿入してゆ
き、第１Ｇ図のように、側孔３１及び３７の位置にセン
サ２０を押し込める。

この際、長孔３６の径はセンサ２０の径よりも幾分小さ
く形成されているので、リード線２１がスムーズに長孔
３６を通して外部（図面左方）へ引き出された後にセン
サ２０によって長孔３６が弾性的に押し広げられながら
、センサ２０が第１Ｇ図の位置へ押し込められる。　従
って、その位置では、センサ２０はコーティング膜の弾
性力で堅固に保持される　”ことになる。　なおセンサ
２０の外面には予め接着剤を塗布しておけば、センサ２
０をより堅固に固定できると同時に絶縁シール性も良好
となり、センサ駆動時の゛上圧印加によるリーク電流を
十分防止できるため、生体保護の面で有利である。

次いで第１Ｈ図のように、パンチ片３８を用い、このパ
ンチ片３８を一方の小孔３７に溶着してこの側孔３７を
閉塞せしめる。　この方法に代え、パンチ片３８をゾル
又は接着剤によって接着してもよいが、ゾルを用いる場
合には加熱（キュア）が必要である。　しかる後、長孔
３６の先端側をゾル、接着剤、シリコーンゴム、ポリウ
レタン等３９によって埋める。　そして更に、コイル状
のリード線２１の露出側から保護用の細径チューブ２３
を挿入し、第１■図に示した位置まで押し込める。　こ
の際、チューブ２３の外面に予め接着剤を塗布しておけ
ば、挿入固定後の強度が大となって内部のリード線２１
を有効に保護できると共に、リード線２１及びセンサ２
０から電流のリークを防止することができる。

また、開口３１は上記したシリコーンゴム２８で閉塞し
ておく。　　　　　　− 次いで、先端部２２１Ｌ全体を低濃度の抗血栓性ポリウ
レタン系溶液に浸漬することにより漏電防止をより完全
にし、併せて抗血栓性を付与することが容易に出来る。

　一般に、心臓に０．１ｍＡも電流がリークすると死亡
事故に至るおそれがあるため、平常使用時或いは高電圧
が加わった場合にもリークは１０μＡ以下とすべきで、
完全にシールする必要がある。

以上に説明したように、本実施例の方法によって、セン
サ内蔵カニユーレを各金型３２及び３３の使用、及びコ
ーティング、脱（離）型といった一連の工程で容易に精
度良く製造でき、その生産性も良好である。

以上の実施例において、例えば第１Ａ図に示す金属ピン
３３を用いたが、これに代えて第５図（ａｌ又は（ｂｌ
の如く先端側（即ち、センサ２０の固定位置）が径大と
なった金属ピン３３を用いることができる。

この場合、例えば第５図（ａ）のピン３３を用いると、
第６Ａ図のように金型３２に固定する際、金型！には予
めピン３３の径大部３３ａの段部を受は入れる段部４０
を形成しておく。　従って、次の第６Ｂ図のディッピン
グ後に、コーティング膜の一部を図示のように切除し、
金属ピン３３をその径大部３３ａ側から矢印方向へ抜去
すれば、上述と同様の長孔３６を形成できると共に、段
差４０の部分にはセンサ２０をスムーズに受は入れる空
間部が生じることになる。

そして、センサ２０を取付け、金型３２も抜去した後は
、第１Ｈ図で述べたようにしてパンチ孔の一方３７を閉
塞し、先端側を接着剤３９で塞ぐ処理を行ない、第６Ｃ
図の状態に仕上げる。

なお、上述の第１Ｆ図の工程において、長孔３６の先端
を詰める形状とした場合には、側孔３７からリード線２
１及びセンサ２０を挿入してよい。　　また、長子Ｌ３
６を形成するための金属ピン３３の先端位置は、第１Ｂ
図の如くに右方へ突出させる代りに、センサ２０の固定
位置で終わらせてもよい。

また、第１Ｈ図の工程で、長孔３６内或いはチューブ２
３外にポリウレタン溶液を塗布すれば、更に十分なシー
ル性が得られる。　但し、チューブ２３内には、センサ
２０と外気とを連通させる空間は確保する必要がある。

　なお、チューブ２３は第１Ｈ図のようにして挿入する
以外に、第１Ｆ図の工程で予めリード線２１の周囲に挿
入してセンサ２０とも接着した状態にしてリード線２１
と共に長孔３６内へ挿入することもできるが、この場合
には挿入時に無理な力がリード線２１とセンサ２０との
間に加わるのを軽減でき、リード線２１の保護や引張り
強度を十分にすることができる。

また、第７図のように、リード線２１をカニユーレ２２
の他端までほぼ全長に亘って導ひくこともできる。　但
し、カニユーレ２２の中間位置、例えば第４図の一点＠
線の位置を鉗子掛けするときには、第４図の例のように
その手前でリード線２１を導出する方がリード線の損傷
がない点で望ましい。

第７図に一点鎖線２３で示すように、第４図よりももっ
と手前でリード線を導出してもよいが、これは、カニユ
ーレ壁部にワイヤコイルを埋め込んで補強を図る場合に
そのワイヤコイルのない部分からリード線２１を導出さ
せ得るからである。

また、センサ２０の位置は上述の例に限定されることは
なく、例えばフランジ部３０に内蔵してもよいが、フラ
ンジ部３０は本来比較的肉厚であるからセンサの固定に
とって都合がよい。

更に、第８図のように、センサ２０をカニユーレ先端部
２２ａにおいて外向きに（即ち、受圧部が、外向きに）
設けてもよい。　この場合は、第４図から理解されるよ
うに、血管２９内の血圧をより直接的に測定できる。　
第８図の構造を作るには、第１Ｂ図の工程前に一旦金型
３２のみをゾルにディップした後、ピン３３を金型３２
上に固定し、全体を再びディッピングすることができる
。　但し、この２回目のディッピング時間は短かくてよ
い。

また、リード線４下の壁厚は一点鎖線のように厚くする
ことができる。

なお、使用するセンサの種類は目的に応じて圧力センサ
以外にも温度センサ、ガスセンサ、ｐＨセンサ、温度セ
ンサ、血糖値センサ、血流量センサ等としてよいし、そ
の固定（埋め込み）位置等も上述の例に限られることは
ない。　　また、カニユーレに内蔵するセンサの個数も
２以上としてよく、その機能を異ならせて固定すれば複
数種の物理量及び／又は化学量を測定できることになる
。　また、カニユーレは上述の血管、心臓のみならず、
他の生体箇所に結合して用いることもできる。

更に、本発明はカニユーレ以外の他の流体導管にも勿論
適用可能である。

ト６発明の作用効果 本発明は上述した如く、第１の型上に第２の型を固定し
、両型の外面上にコーティングを施してから各型を離型
し、更にセンサを取り付けているので、センサ内蔵タイ
プの医用部材を容易かつ精度良く製造でき、量産性が良
好である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は本発明の実施例を示すものであって、 第１Ａ図、第１Ｂ図、第１Ｃ図、第１Ｄ図、第１Ｅ図、
第１Ｆ図、第１Ｇ図、第１Ｈ図及び第１Ｉ図はセンサ内
蔵カニユーレの製造方法を工程順に示す各断面図、 第２図は同カニユーレの要部断面図、 第３図は同カニユーレに内蔵のセンサの拡大断面図、 第４図は同カニユーレの使用状態の断面図、第５図（ａ
ｌ及び（ｂｌは金属ピンの他の二側の断面図、第６Ａ図
、第６Ｂ図及び第６Ｃ図はセンサ内蔵カニユーレの製造
方法の他の例を工程順に示す各断面図、 第７図は他のセンサ内蔵カニユーレの断面図、第８図は
更に他のセンサ内蔵カニユーレの先端部の断面図 である。 第９図〜第１０図は従来例を示すものであって、第９図
は血液ポンプ装置の使用状態を示す概略図１ 第１０図は同血液ポンプ装置の分解斜視図である。 なお、図面に示す符号において、 １１・・・・・・・・・・・・・・・　血液ポンプ装置
１２．２２・・・・・・・・・　カニユーレ１３・・・
・・・・・・・・・・・・　コネクタ２０・・・・・・
・・・・・・・・・圧力センサ２１・・・・・・・・・
・・・・・・　リード線２２ａ　　・・・・・・・・・
・・・　先端部２２ｂ　　・・・・・・・・・・・・　
カニユーレ本体２３・・・・・・・・・・・・・−・　
細径チューブ２４・・・・・・・・・・・・・・・基板
２５・・・・・・・・・・・・・・・センサ部２８・・
・・・・・・・・・・・・・　シリコーンゴム２９・・
・・・・・・・・・・・・・崩管３１．３７・・・・・
・・・・開口 ３２・・・・・・・・・・・・・・・金型３３　・・・
・・・・・・・・・・・・　金属ピン３６　・・・・・
・・・・・・・・・・長孔である。 代理人弁理士　逢　　坂　　　　宏 第３図 第５図 第６Ａ図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、医用部材本体に対応した形状の第１の型上に、セン
   サ収容空間を形成するための第２の型を固定する工程と
   ；これらの第１の型及び第２の型の各外面上にコーティ
   ング膜を形成する工程と；前記第１の型及び第２の型を
   夫々離型することによって、医用部材本体とこれに一体
   のセンサ収容部とを成形する工程と；このセンサ収容部
   の収容空間内にセンサを取り付ける工程とを有するセン
   サ付き医用部材の製造方法。