JPS62139227A - 液体金属イオン源 - Google Patents

液体金属イオン源

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JPS62139227A
JPS62139227A JP60278925A JP27892585A JPS62139227A JP S62139227 A JPS62139227 A JP S62139227A JP 60278925 A JP60278925 A JP 60278925A JP 27892585 A JP27892585 A JP 27892585A JP S62139227 A JPS62139227 A JP S62139227A
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亨 石谷
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会田 敏之
Hifumi Tamura
田村 一二三
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J27/00Ion beam tubes
    • H01J27/02Ion sources; Ion guns
    • H01J27/26Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field effect ion sources, thermionic ion sources

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マスクレス・イオン打込み装置、微細領域二
次イオン質量分析計、微細領域デポジション装置などの
イオン源に係り、特に、ホウ素(B)、リン(P)、ヒ
素(As)のうち少なくとも1元素のイオンを安定に長
時間引出すのに好適な液体金属イオン源に関する。
〔従来の技術〕
液体金属イオン源から放出されるイオンビームは、高輝
度であり、サブミクロンの微細径のビームが得られるこ
とから、半導体プロセスにおけるリソグラフィーやドー
ピング(打込み)、エツチングなどが、従来用いられて
きたマスクを使用せず(マスクレス)に行えることや、
化学的な手段を用いずに行える可能性を秘めているため
、液体金属イオン源が近年注目が浴びている。
この液体金属イオン源の動作原理は次の如くである、先
ず、タングステン(W)、モリブデン(Mo)=タンタ
ル(Ta) 、炭化ケイ素(S i C)などの高融点
材料から成り、その先端が鋭く尖らされたエミッターに
、抵抗加熱あるいは、電子線衝撃、レーザ光などにより
溶融させたイオン化すべき物質(液体金属)を供給する
。エミッターに対して引出し電極に負の高電圧を印加し
ていくと、エミッター先端部に電界が集中する。更に高
電圧を印加すると、あるしきい値でエミッター先端部の
液体金属はテーラ−コーン(Taylor Cone)
と呼ばれる円錐状突起を形成し、その先端からイオンが
引出される。
このような液体金属イオン源を種々の分野で利用する場
合、イオン源としては長時間、安定して目的とするイオ
ン種のビームが引出せることが重要となる。
ところで、シリコン半導体に対するn型不純物元素のう
ちで最も重要とされているものに、ヒ素(As)、リン
(P)、またp型にはホウ素(B)がある@P単体は、
融点が44.1℃で、その温度でのP4の蒸気圧が約2
4Paと高蒸気圧のためにP単体を液体金属イオン源の
イオン化物質として用いることは困難である。また、A
ft単体も、融点が817℃に対して、その時の蒸気圧
が3.6 X 10’P aと高蒸気圧であるためAs
単体もイオン化物質には使用できない。一方、B単体は
、融点が約2400℃と非常に高いためにB単体もイオ
ン化物質には適しない。
この様に、所望のイオンを放出する単元素が高蒸気圧で
あったり、高融点である場合には、その所望の元素と他
元素との合金や化合物の形にして上記難点を軽減し、こ
の合金や化合物をイオン化物質として用いる。合金や化
合物がイオン化物質である場合、引出されたイオンには
所望のイオンの他に他元素イオンや他元素との分子イオ
ンなども含まれるので、イオン源の後段に質量分離器を
設けて所望のイオンのみを得る方法が有効となる。
この様な方法は従来よく用いられており、例えば、シリ
コン(Si)イオンを液体金属イオン源から放出させた
い場合には、融点が約1420℃のSi単体を用いずに
、金(Au)との合金A u −S iをイオン化物質
とする0合金AuSiの共晶組成での融点は約370℃
とSiのそれに比較して非常に低い、融点を下げること
により、溶融の際に消費する電力の低減化は勿論のこと
、ヒーターやエミッターの熱損傷の機会が少なくなり、
また、イオン化物質の余分な蒸発が妨げるなどの利点を
有している。
液体金属イオン源からのAsイオン引出しに関する従来
例としては、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・フィジ
ックス、第19巻、第10号。
1980年10月、L第595頁〜598頁(Jpn、
J。
Appl、Phys、Vol、 19 、 k 100
ct、(1980) L 。
595〜598)におけるGamoらによる“B、As
アンドSiフィールド・イオン・ソーセズ(“B。
A s and S i Field Ion 5ou
rces”)と題する論文(従来例1)およびジャーナ
ル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロ
ジー、第19巻、第4号、 1981年11月712月
、第1158頁〜1163頁(J、Vac、Sci、T
echnol、 、Vo It 、 19 、 N(1
4Nov、 /Dec、(1981)1158〜116
3)におけるIlangらによる“ア・マス・セパレー
ティング・フォーカマト・イオン・ビーム・システム・
フォア・マスクレス・イオン・インプランテーション”
C′A+*ass−separating focus
ed−ion−beam system formas
kless ion J、mplantation”)
と題する論文(従来例2)そしてジャーナル・オブ・バ
キューム・サイエンス・アンド・テクノロジー・B、第
1巻。
第4号、 1983年10月〜12月、第1117〜1
120頁(J、Vac、Sci、Technol、 B
 、 Vo Q 、 1 、N O4、Oct。
〜Dec、1 (1983)1117〜1120)にお
けるShiokawaらによる“100keVフオーカ
スト・イオン・ビーム・システム・ウィズ・ア・EXB
・マス・フィルター・フォア・マスクレス・イオン・イ
ンプランテーション”(“100 k e V foc
used ion beamsystem with 
a E X B mass filter forma
sklsss ion i+mplantation”
)と題する論文(従来例3)において示されている。従
来例1においては、イオン化物質としてSneδPbz
aAsaを用いており、従来例2ではP d4oN 1
aoBt。
Aszoを用いている。さらに、従来例3においては、
pt−As合金をイオン化物質として用いている。
また、液体金属イオン源からのPイオンの引出しに関す
る従来例としては、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・
フィジックス、第23巻。
第5号1984年5月、第330頁〜332頁(Jpn
J、Appl、Phys、23 (1984) L 3
30〜332)におけるl5hitaniらによる“デ
ベロップリメント・オブ・フオスフオラス・リキッドメ
タルイオン・ソース”(“Dsvelop+ment 
of Phosphorus Liguid−Meta
l、Ion 5ource”)と題する論文(従来例4
)において発表されているのみである。本従来例におい
てはイオン化物質として鋼とリンの合金Cu5P (P
の濃度が25[子パーセント)を用いている。本報告で
は、放出イオンの中で、PイオンではP+が最も強く、
その次にPz+であるとしている。
さらに、液体金属イオン源がらのBイオン引出しの従来
例としては、ニュークリヤー・インスッルメンツ・アン
ド・メソッズ・イン・フィジックス・リサーチ、第21
8号、 1983年、第363頁〜第367頁(Nuc
l、、In5tru+w、 &Methods、 21
8 。
(1983) s e a−a 67)におけるl5h
itaniらによる“マスセパレーテッド・マイクロビ
ーム・システム・アイズ・ア・リキッドメタルイオンソ
ース” (“Mass−Reparated Micr
obeam System 111tha Liqui
d−Metal−Ion−3ource”)と題する論
文(従来例5)かある、Bは高温で金属と非常に反応し
やすいために、エミッター材やヒーター(溜め部)材に
金属材料を用いることは、イオン源が短寿命に終ること
から好ましくないのに対し1本従来例5においては、イ
オン化物質としてN j、 ao B goなる合金(
融点約1000℃)を用い、エミッターとしてグラッシ
ー・カーボンなる炭素材料を用いてイオン源寿命として
200時間を達成している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来例には以下のような問題点があった。
従来例1については、放出イオンを質量分析した結果、
放出されたA8÷イオンフラックの量は、少なく全体の
0.4%p A s ”十は0.1%gAs”+も0.
1%であり、寿命については5時間程度と発表されてい
る。従来例3については、イオン源寿命として10時間
程度と報告されている。また、従来例4については、P
+の質量電荷比m/e(m:質量数、e:電荷数)が3
1であり、本従来例4のイオン化物質のもう一つの元素
であるCuの2価イオン821Cu!+のm / eが
31.5 と、両者のm/eの差が0.5しかないため
、このイオン化物質を使ったイオン源を搭載した装置は
、最低63の質量分解能を持つ、高分解能質量分離器の
設置が必要となる。また、このイオン源の寿命は20時
間程度であると発表されている。従来例5については、
エミッターにグラッシーカーボンを用いたがグラッシー
・カーボンなど炭素材料に濡れやすい金属は限られてお
り、Niは非常に濡れやすいが、ptやCu、Pdなど
は濡れにくいため、所望のイオンとなる元素を含んだイ
オン化物質の種類は限定されるという問題を有している
上述の如〈従来技術では、AsおよびPイオン源につい
ては、寿命が短いことや、放出されるAs、Pイオン電
流量が微弱であること、また。
Bイオン源については、Bと金属との反応を避けるため
に用いた炭素材料に対して濡れ易い金属は限られていた
ためBイオンを引出すことのできるイオン化物質は限ら
れているなどの問題を有していた。このため、従来技術
では液体金属イオン源からAsイオン、Pイオンもしく
はBイオンを長時間安定に引出し、Si半導体基板に打
込むといった応用には十分に生、かされなかった。
このような現状から、融点が比較的低く、エミッターや
溜め部又はヒーターによく濡れ、AsやPの選択蒸発が
少なく、これによる融点の変化があまりないイオン化物
質を用いて、長時間、安定してAsイオン又はPイオン
又はBイオン、もしくはこれら3種のうち、少なくとも
1種のイオンを放出する液体金属イオン源の開発が望ま
れていた。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発
明の目的は、As、P、Bのうち少なくとも1元素のイ
オンを安定に且つ、長時間引出すことのできる液体金属
イオン源を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、イオン化すべき物質を溶融して保持する溜
め部と、この溜め部から供給される上記溶融イオン化物
質のイオンをその先端から放出するように配置されたエ
ミッターと、このエミッターの先端からイオンを引出す
引出し電極とから構成される液体金属イオン源において
、上記イオン化物質が、組成式LXRYM^で示され、
上記X。
Y、Aは原子パーセント数を示し、LはPjpPd、A
gのうち少なくとも1元素であり、RはAs、P、Bの
うち少なくとも1元素であり、MはGe、Si、Sbの
うち少なくとも1元素である組成を有し、かつ、5<A
<50.40<X<70、X+Y+A=100である合
金を用いて液体金属イオン源を構成することにより達成
される。
また、イオン化物質は、組成式L X Rv M^のL
が特にPd、ptのうち少なくとも1元素であり、Rが
特にAs、Pのうち少なくとも1元素である組成を有し
、かつ、5<A<50.40<X<70、X+Y+A=
100である合金を用いて液体金属イオン源を構成する
ことが有効である。
〔作用〕
本発明者らは、Si半導体プロセスにおいて重要とされ
ているが高蒸気圧性のために単体元素のイオン化物質を
用いて液体金属イオン源からのイオン引出しが困難とさ
れていたAsおよびPイオン電流を多く安定に得るため
に、AsもしくはPを含む合金の中で、比較的低融点で
、しかも溶融時に低蒸気圧を呈し、かつ、放出したAs
h。
A s ”+もしくはp+、px+イオンのm/θが他
元素イオンのm10に近くなく、質量分解能が30程度
であっても所望イオンを質量分離でき、所望のAsh、
As”+もしくはp+、pt+イオンを単元素イオンビ
ームとして得ることのできる液体金属イオン源を得るこ
とを試み、本発明に到達したものである。
本発明者等は、先ず、A g 7!1A gx3合金(
融点約540℃)* ptaoPzo合金(融点:約5
90℃)およびpteoB4o合金(融点:約830℃
)の3種の合金からそれぞれAsイオン、Pイオン。
Bイオンを引出すことを試みたが、上記三種の合金には
以下のような問題が生じた。
9 A g −A s合金およびpt−p合金溶融した
両合金(液体金属)からのAsおよびPの選択蒸発が激
しく、A g −A sおよびpt−Pの組成率が時間
と共に変化し、それに伴ない融点が上昇し、ついには、
放出開始後、10時間程度でAsイオンおよびPイオン
が放出しなくなるという問題が生じた。これは、A8や
Pが高蒸気圧性元素であるからである。
そこで、A g −A s合金ならびにpt−p合金の
融点の上昇(つまりは、AsやPの選択蒸発)を抑制し
、長時間、AsイオンもしくはPイオンを放出し続ける
イオン源を開発する目的で、A g yAs、Geの各
元素を調合し、原子濃度組成でA g eoA s s
xG s a三元合金を作製した。また、Pイオン源に
ついてはpt、p、sbの各元素からPteaP17s
bzaなる三元系合金を作製した。
これらをそれぞれイオン源に搭載して溶融し、イオン放
出させたところ、いずれも融点が700〜800℃程度
で、イオン放出開始時から約100時間経過した後も融
点は著しく上昇せず、AsイオンもしくはPイオンが放
出し続けていることを見出した。つまり、A g −A
 s合金やpt−p合金に更に加えた第三元素のGeや
sbがAsやPの選択蒸発を抑制する働きをしたため融
点は長時間、安定を保ったのである。ここで、混入すべ
きsbもしくはGeの量は、5原子パーセントを越える
のが望ましい。これ以下であると融点の上昇を抑制する
働きが少ない。逆に、余り多くなり過ぎてsb又はGe
の量が上記三元系元素の大半を占めると、目的とするA
sイオンもしくはPイオン電流量が著しく少なくなるた
めAsイオン放出用もしくはPイオン放出用のイオン源
としての実用性は小さくなってくる。従って、第三元素
となるsbやGoの混入量は最大でも全体の50原子パ
ーセントであることが望ましい。
上記の如きsbまたはGeの添加による融点上昇抑制効
果は、Siについても見られ、これら三元素のうち少な
くとも1元素を、上記A g −A s合金もしくはp
t−p合金に加えることにより、融点上昇抑制効果が見
られる。さらに、母材となる金属が、Asに対してAg
の他にptやPdの場合、Pに対してはptの他にAg
やPdの場合についても上記と同様の効果が見られる。
ただし、上記のA g −A s 、 P t −A 
s 、 P d−As、Ag−P、Pt−P、Pd−P
の各二元合金に対する添加材であるSiやsbやGeと
いう元素は、周期律表や合金の状態図(相図)、融点な
ど机上の既知の物性値のみからでは容易に探し出すこと
ができない。つまり、第三、第四元素を添加して一時的
に合金の融点が低下するという見通しがあっても、イオ
ン源に搭載すべきイオン化物質として十分か否かの判断
は下せないのである。即ち、選択蒸発を抑制することに
より液体金属の融点や成分が長時間一定で、かつ、液体
金属が安定してエミッター先端に供給されてイオン化さ
せることや、液体金属がエミッターやイオン化物質の溜
め部と化学反応を起こさないことなどの重要な選択条件
についても考慮しなければならないからである。このよ
うな厳しい条件に対して、Pt、Pd、Agのうち少な
くとも1元素を母材金属とし、As、Pのうち少なくと
も1元素を所望の元素、さらに融点上昇抑制のために添
加する元素としてSi、、Sb、Geのうち少なくとも
1元素を組み合わせた合金が十分満足する結果をもたら
す。
0Pt−B合金 前述の如く、Bは高温において金属材料と非常に化学反
応し易いために、イオン源のエミッターや溜め部に従来
の液体金属イオン源に用いられていたようなタングステ
ン(W)やモリブデン(Mo)を用いることができず、
これに対処するため、エミッターや溜め部に炭素材料を
用いて、Bとの反応を回避した例がある。炭素材料には
溶融Niが非常に良く濡れるためN1−B合金をイオン
化物質としてBイオン源として用いられてきた。
このように炭素材料はBとの反応を抑制するのに対して
絶大なる有効性を示すが、炭素材料に濡れ易い金属は限
られている。その−例がNiである。しかし、Niを母
材金属としたイオン化物質には以下のような欠点がある
イオン打込みのターゲットとなる半導体基板に対すゝる
n型およびp型ドーパントのイオンが、一つのイオン源
から放出されることの有効性は、イオン源の後段に設け
られた質量分離器の調整のみで、n型、p型の両イオン
を打分けることができることから容易に認めることがで
きる。このn型。
p型ドーパントは、例えば、Si基板に対して、n型は
Asやp、sbなどであり、p型はBなどが低られでい
る。もし、上記の様な1つのイオン源からB (p型)
イオンとP (n型)イオンを引出すことを望むなら、
前記のBと金属との反応から炭素材料のエミッターや溜
め部を使わざるを得なくなり、この炭素材料に濡れ易い
金属としてNiがあるのでB、P両イオンを引き出すた
めのイオン化物質としてはN i −B −P系合金が
適当と考えることができる。しかし、この合金をイオン
化物質として用いた場合、放出イオン中に含まれるBユ
Nz+と1llp+は質量分離できず、P+のみの単元
素イオンビームは得られない、つまり、”Ni′!L+
の質量電荷比m/ a (m :質量、e:荷電数)と
81p÷のm/e  が共に31であるためでmlる。
このように、Nj、を母材金属とした場合、Pを共に用
いることができないという致命的な欠点を有している。
Bを含む他の合金はN j、 −B合金以外に、pt−
B、Pd−Bなどがあるが、いずれも炭素材料には全く
濡れないため、イオン源としての役割は全く果たすこと
はできない。たとえ、金属製のエミッターや溜め部を用
いたとしても、寿命が数時間であるので、致命的である
そこで発明者等は、Pt−B合金に第三さらには第四元
素を添加して炭素材料との濡れを改善することを目的と
して、種々の元素について検討を行った結果、添加する
に値する元素として、Sb。
Si、Geであることを見出した。例えば、イオン源寿
命で比較すると、Pt−B合金を用いた場合数分の寿命
であるに対し、Pt−B−Si三元合金の場合、炭素材
料によく濡れ、安定しており、約100時間経過しても
イオン放出し続けている。
このような効果は、Siの代わりにsbでもGeでも、
さらに、これらを二種以上複合して用いても同様であっ
た。
ここで混入すべきSb、Si、Goの量は、5原子パ一
セント以上が望ましく、それ以下の場合は、炭素材料と
の濡れを改善する働きが少ない。
逆に、余り多くなりすぎて、Sb、Si、Geの量は作
製した合金の大半を占めると、目的とするBイオンの電
流量が微弱となるため、混入量は最大でも全体の50原
子パーセントであることが望ましい。
このような効果は、母材となる合金がPt−B以外にも
、Pd−BやAg−B合金でも同様に見られる。
〔実施例〕
以下1本発明の実施例を図を用いて詳細に説明する。
実施例1 第2図は本発明に係る液体金属イオン源の基本構成を示
す図である。このイオン源のイオン化物質5の溶融の仕
方は通電加熱型である。エミッター1は支持部2に接続
され、この支持部2は絶縁)春14に固定されている。
イオン化物質5を溶融′するための通電加熱ヒーターを
兼ねた溜め部3は、その両端で電流導入端子4,4′に
固定されており、溜め部3の中央には溶融したイオン化
物質5で濡れたエミッター1が通る円孔6が設けられて
いる。第2図は、溶融イオン化物質5で濡れたエミッタ
ー1が溜め部3にある円孔6から突出した状態を示して
いる。7は引出し電極であり、この引出し電極7とエミ
ッター1との間に数kVの電界を印加することにより、
エミッター1の先端からイオンビーts 8を、引出し
電極7にあけた貫通孔9を介して下方に引出すことがで
きる。本実施例の場合、エミッターは直径0.3閣のタ
ンゲステン(W) llであり、その先端は電解研磨に
より曲率半径を数μm以下に鋭く尖らせである。ヒータ
ーを兼ねた溜め部3は、厚さ0.1mmのモリブデン(
Mo)板製で、中央にある凹部は、イオン化物質5を数
I!118溜めることができるように加工されている。
この溜め部3の中央に設けられた円孔6の直径は約1m
mである。
第2図において、符号10はイオン化物質5の加熱電源
、11はイオン引出し電源、12はイオン加速電源、1
3は真空容器である。
本実施例1で用いたイオン化物質5は、ptesA 8
24.8S b tt、aである。このイオン化物質5
の融点は約600℃である。このイオン化物質5を溜め
部を兼ねたヒーター3の上に乗せ、約700℃まで加熱
し、イオン源を動作させたところ安定なイオンビーム8
の放出を得ることができた。この放出イオを質量分析す
るために、イオン源を扇形磁極を有する質量分離器(図
示せず)に搭載した。その時の質量スペクトルの典型例
を示したのが第1図である。横軸は質量電荷比m/eで
あり、縦軸はイオン強度(任意単位)を示している。こ
の時のイオン引出し電圧は5.7kVで、全放出イオン
電流は20μAである。
このスペクトルから、本イオン源はAge。
A s”+、 P t+、P t”+、S b+、 S
 b”+ナト(1)イオンを放出しており、特に、As
イオンに注目するとAgeよりAs”十の方がイオン強
度が強いことがわかる。
A s ”十が多く放出することは次のような効果をも
たらす。例えば、本発明によるイオン源を半導体へのイ
オン打込みプロセスに適用する場合が考えられる。ある
加速電圧V (kV)で加速されたAgeはV(keV
)なるエネルギーで半導体基板に打込まれる。一方、A
s”÷は2倍の2v(keV)のエネルギーを持つので
、A s ”+はAgeに比べてより深く基板内に打込
まれることになる。具体的数値を挙げるとV=100 
(kV)で加速されたA8+とA s ”十をSi基板
に打込んだ場合、それぞれの侵入深さく飛程)はおよそ
0.06 p m 、 0.11 p mとなり、A 
s ”十の方が飛程が大きい、従って、A s ”十と
As”十とを使い分けて打込むことにより、同一加速電
圧で違った深さに打込めるという効果をもつ。
本実施例の有する効果は、Pt−As合金にsbを添加
したことにより、イオン化物質の融点の上昇が押えられ
、従来のP t −A s二元系合金をイオン化物質と
して用いた時に比べ、八8の選択蒸発が抑制される。従
って、本イオン源からは所望のAsイオンが長時間放出
することができるという効果をもたらす。具体的には、
イオン放出直後から累積100時間経過後でもAs4.
As”+の両イオン電流はほとんど変動せず安定して放
出し続けた。
さらに、本実施例が有する特徴は、sbイオンである。
sbは第V族元素であり、Si基板に対するn型ドーパ
ントである。従って、本イオン源からは、質量の異なる
2種のn型ドーパント、Asとsbを放出させることが
でき、しかも、両イオンとも2価イオンが多く放出する
という特徴を有する。
上述の如き基合金であるP t −A s合金に第三元
素を添加してAFlの選択蒸発を防ぐ効果は、本実施例
で示したsbの他に、SiやGeでも良く、さらには、
Sb、Si、Geのうち2元素以上を複合して用いても
同様の効果をもたらす。具体的には、Pto4Aqzn
Sitt、Pt+5aAstzSbt。
S ixo、 P tn4A 5zIIG exsなど
である・実施例2 本実施例では、イオン化物質5を除いて実施例1で用い
た液体金属イオン源と同じ構成であり。
本実施例2で用いたイオン化物質5は、組成式、Pte
aPxフSbtδである。融点は約600℃である。
このイオン源を約700℃で動作させ、安定なイオン放
出を確認した。この放出イオンを質量分析した結果の典
型例を第3図に示す、この時の全放出イオン電流ITは
20μAである。この結果からP+、p”+、Sb+、
Sb”+t Pt+、Pt”+、その他機器な分子イオ
ンのピークも見られる0本実施例のイオン源も実施例1
のイオン源と同様に比較的低融点(800℃以下)で安
定にイオンを放出し続け、イオン放出開始後累積150
時間経ても質量スペクトルのパターンに著しい変化は見
られなかった。このことから溶融イオン化物質からのP
の選択的な蒸発はあまりないものと考えられ、これはs
b混入によって融点の上昇が抑制されたものと考えられ
る。
寿命は200〜300時間程度で、pt−pイオン源に
比べ約10〜15倍延びた。
第3図のスペクトルから、特に、pt”十のイオン強度
がP+より強いことがわかる。
イオン化物質がCu−P二元系合金の場合、放出される
P2−÷、とP+の強度比plL÷/P+は極めて小さ
く、特に、従来例においてはpx+の放出については記
述がない。しかし、本実施例においては強度比p 24
7 p÷は約1〜3と、P+に比べてP2すが多く放出
していることがわかる。ただし、強度比P”+/P+は
、全放出イオン電流量■↑に依存し、I丁が10μA付
近で最大となる。
Pz+のイオン強度が強いことから、Pz+イオンビー
ムをイオン打込みに用いると実施例1での説明同様、1
価イオンに比べ深く打込めるという有意を有する。
本実施例におけるもう一つの効果は、第3図の質量スペ
クトル力られかるように、P2+のピークの周辺には他
元素イオンはなく、P2+のみの単独イオンビームを得
るためには引出し電極7の後段に設ける質量分離器の質
量分解は小さくてすむ。
本実施例の場合、P!L+のイオンビームのみを得るた
めには、質量分解能は10以下で済む、これに対し、C
u −Pイオン源においては、Pイオンの中で最大ピー
クであるP+を得るためには、81P+と”C:u”十
の分離が必要で、これには62の質量分解能が必要とな
るから、pt−p−sbイオン源からPz+を分離する
方が1/6程度の分解能で済むことになる。
上述の如き基合金であるpt−p合金に第三元素を添加
してPの選択蒸発を防ぐ効果は、上記三元合金pt−p
−sbのうちのsbの代わりに、SiもしくはGo、も
しくはSiとGe、Siとsb、sbとGs、Siとs
bとGeと置換えたもの、すなわち、Si、Sb、Go
なる群から少なくとも1元素以上のものと置換えた場合
についても見られた。具体的成分を挙げると、P  t
eaPzss  izo、P  tetPxe、IIG
  exe、a、P  teaPzeS bto、 S
 ito、P teoPtI!G exts itsな
どである。
実施例3 Ag、AsおよびGeの粉末を、それぞれ原子濃度でA
 gsoA s szG egになるように調合し、加
圧成形機により、直径511fi、高さ約10mmの円
柱に成形した。この成形物をガラス製アンプルに入れ、
加圧Ar対しした後、電気炉内にこのアンプルを設置、
A g −A s −G eの成形物を溶解させた。加
圧Ar封じは溶解時のAsの揮散を防ぐのが目的である
AgとAsはA g7sA s xlSなる成分率の時
、融点は約540℃にまで低下する。AgGAsも単体
で溶融させると、蒸気圧が高いためにイオン化物質とし
て用いることはできない。また、上記二元合金、A g
 −A sについてはイオン放出後数時間で融点が上昇
し、安定してイオンを引き出すことが困難となる。これ
も、AgやAsが蒸発してA g −A sの成分率が
変化するためである。しかし、このAg−As二二元系
合金口Geを混入することで、融点の上昇は抑制され、
長時間、同程度の温度で溶融状態を保ち、液体金属がエ
ミッター先端に供給され続け、累積約100時間のイオ
ン放出の後でも、所望とするAsイオンは安定に放出し
続けた。
このような効果は、上記三元合金A g −A s −
GeのうちのGeの代わりにsbもしくはSiもしくは
sbとSi、SiとGe、SbとGeと置き換えた場合
についても見られた。具体的成分を挙げるとA geo
A B+zaS bset A geoA 5paS 
 i 1s+  A  g l1tA  5zxs  
bz4G  +!!101  A  g 11aAsx
sS 1xssbto、Ag!I4AszaSizgG
ezo+AggoAsziSizzSboGeaである
。これらはいずれも融点の著しい変化は見られず、基合
金A g −A sに更にSiやsbやGeを添加する
ことによる効果が見られた。
ただし、本実施例の場合、Geの同位体74Geおよび
7Bにeの1価イオンと7IIAsの1価イオンさらに
は、74Geと78にeと”Asの各2価イオンの質量
分離には分解能が75以上必要である。
実施例4 本実施例で用いたイオン化物質は、Pt−B−Si三元
合金である。Pt−B共晶合金(Pte。
Bao:融点的830℃)とPt−8i共晶合金(Pt
77−8its:融点的830℃)とをそれぞれ粉末状
で調合し、実施例3同様加圧成形機で円柱状に成形した
後、電気炉内で溶融し、Pt5IIB18Sj7王元合
金を得た。
前述の如く、BおよびBを含んだ合金は、溶融状態で他
金属と反応し合うために、エミッターや溜め部にタング
ステン(W)やモリブデン(Mo)など、従来、液体金
属イオン源に用いられてきた金属材料はできず、これに
対処するために炭素材料を用いる例も見られる。しかし
、炭素試料に良く濡れる金属材料は限られたものだけで
、ptやPdなとは溶融状態でほとんど濡れない。した
がって、Pt−B合金をイオン化物質とし、炭素材料を
エミッターや溜め部に用いて液体金属イオン源を構成す
ることはなかなか困難である。しかし、Pt−B合金に
さらにSiを添加することによって、炭素材料によく濡
れるようになった。具体例を挙げると、エミッターは炭
化タングステン(WC)で、ヒーターを兼ねた溜め部は
炭素(C)である。このような構成によりイオンは安定
に放出し、質量分析の結果、所望のB+イオン電流は試
料面到達イオン電流巾約20%を占めていることが明ら
かになった。このB+イオン電流は、イオン放出後約1
00時間経てもほとんど変化せず、本イオン源から安定
にイオン放出されていることが示された。
このように、炭素材料に濡れにくいB系合金に第三、第
四元素を添加して、濡れを著しく改善できる例として、
Pd−B合金、Ag−B合金にSiもしくはsbもしく
はGe、もしくは上記三元素を二元製以上複合して添加
しても、本実施例5を同様な結果が得られた。もちろん
、Pt−B合金にSb、Ge、もしくは、Si、Sb、
Geの中から二元製以上複合して混入しても同様である
具体例として、P d3sBzxs bzo+ P d
eeBziG ela、 P tsaBgeG eso
、 A ge7Bz+s dz。
A ge7Bz8s ito、 A ge7BzgG 
ens isP t!!aBassb7Gesなどであ
る。
実施例5 本実施例で用いたイオン化物質は、Pt−B−p−sb
四元系合金である。つまり、母材金属としてPt、融点
上昇抑制のための元素としてsbを用いて、所望の元素
としてB、Pの二元素とした。すなわち、このイオン源
からは、n型(P)とp型(B)元素の二種を放出させ
るためのイオン源である。
従来、Pt−B’e)Pt−P液体金属は炭素材料に濡
れず、また、pt−pについてはPの選択蒸発という問
題を有していたため、ptを母材金属として、1つのイ
オン源からB、P両イオンを放出するイオン源の開発は
困難であった。エミッタ−や溜め部にタングステンなど
金属材料を用い、さらに、金属との反応を避けるために
Bの成分率を著しく低くして、短寿命覚悟でB、Pイオ
ン放出させることは可能であるが実用的でない。
しかし、本実施例では、Pt−B−P合金にさらにsb
を添加することにより、上記問題点が解決できた。具体
的成分を示すと、PtahBxsPtSbsである。
本実施例は次のような効果をもたらす、つまり1つのイ
オン源からn型(p、sb)とp型(B)のイオンを放
出することは勿論のこと、sbの添加によりPの選択蒸
発は著しく減少し、イオン放出間抜、累積で約100時
間の経過後もイオン化物質の融点はほとんど変化せず、
放出イオン強度もほとんど変化はなかった。さらには、
sbの添加により、炭素材料への濡れ性が改善され、エ
ミッターや溜め部に、炭化タングステンや炭化チタンな
ど炭素化物が用いることができ、これらはBと反応しな
いためBの成分率を増したイオン化物質を用いても寿命
は延びる。
上述の如き、高蒸気圧性物質の蒸発に伴なう融点の上昇
の抑制効果と、炭素材料との濡れ性改善は、上記四元素
合金のsbの代わりにSiやGeを用いても同様の効果
を示す。
また、上記四元合金のうち、Pの代わりにAsであって
も同様の効果を示す。
以上、実施例1〜5の他にPおよびAs、Bの混入量を
変化させたイオン化物質についてもイオン放出の実験を
行った。その結果、所望のP。
AsもしくはBのイオン電流を増加させるためには、混
入量を増すことが望ましい、しかし、P。
AsもしくはBの量が多すぎれば、イオン化物質を溶融
させたときにPやAsが蒸発しやすくなったりBの増加
のために融点が上昇する。また、PやAsが選択的に蒸
発すると、イオン化物質の組成率が変わり融点は上昇す
る。これらを溶融するためには、ヒーター加熱用の電流
を増加させなければならないとともに、PやAsの蒸発
によってPやAsイオン電流が減少してくるといった問
題が生じる。従って、PやAsの選択的蒸発が少なく、
比較的低融点(600〜1000℃)を長時間保ち、所
望のイオン電流が長時間安定であるためには、P、As
またはBの混入量が最大でも全体の50at%であるこ
とが望ましい。
〔発明の効果〕
以上説明したところから明らかなように、本発明によれ
ば、リン(P)、ヒ素(As)、ホウ素(B)のうち少
なくとも1元素のイオンを安定にかつ長時間引出すこと
のできる液体金属イオン源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のうち実施例1における質量スペクトル
の説明図、第2図は本発明の一実施例における液体金属
イオン源の概略断面図、第3図は実施例2における質量
スペク1−ルの説明図である。 1・・・エミッター、2・・・絶縁碍子、3・・・溜め
部兼ヒーター、4,4′・・・電流導入端子、5・・・
イオン化物質、6・・・円孔、7・・・引出し電極、8
・・・イオンビーム、9・・・貫通孔、10・・・加熱
電源、11・・・イオン引出し電源、12・・・イオン
加速電源、13・・・真空容器、14・・・Oリング。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、イオン化すべき物質を溶融して保持する溜め部と、
    該溜め部から供給される上記溶融イオン化物質のイオン
    をその先端から放出するように配置されたエミッターと
    、該エミッターの先端からイオンを引出す引出し電極と
    から構成される液体金属イオン源において、上記イオン
    化物質が、組成式L_XR_YM_Aで示され、上記X
    、Y、Aは原子パーセント数を示し、LはPt、Pd、
    Agのうち少なくとも1元素であり、RはB、As、P
    のうち少なくとも1元素であり、MはGe、Si、Sb
    のうち少なくとも1元素である組成を有し、かつ、5<
    A<50、40<X<70、X+Y+A=100である
    合金を用いたことを特徴とする液体金属イオン源。 2、上記イオン化物質が、組成式のLがPt、Pdのう
    ち少なくとも1元素であり、RはP、Asのうち少なく
    とも1元素である組成を有した合金を用いたことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項の液体金属イオン源。
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