JPS6213779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、タイヤ用ゴムシート材料の切断装置
に関し、詳しくはタイヤ材料として一般的に使用
されているカーカス材料及びスチールブレーカ材
料等のゴムシート材料をバイヤス方向に切断する
装置に関するものである。

従来、タイヤ成形工程において、カーカス材料
及びブレーカベルト等のゴムシート材料は、成形
機への材料供給装置である通称サービサにロール
状にてストツクされており、使用時に成形作業者
がその先端部を掴んで引出し、成形ドラムに巻付
けた後、作業者の手作業によりゴムシート材料を
適当な位置でナイフで切断していた。

しかし乍ら、この切断方法によると、切断され
たゴムシート材料、例えばスチールブレーカー材
の場合にはその切口に、内部に設けたスチールコ
ードが露出してしまうため、両端の切口を連結
（接着）してブレーカーを形成する際に連結性
（接着性）が悪く連結部より剥離する虞れがあつ
た。

そこで、本考案は斯様な不具合を除去すること
を目的とするものである。

以上の目的を達成するための本考案の基本的構
成はカツターを円盤状に形成すると共にその刃先
を略Ｖ字状に形成してバイヤス方向に回転自在且
つバイヤス方向と直交する方向に摺動自在に取付
けてゴムシート材料を切断する構造である。

以下本考案の実施例を図面にもとずいて説明す
る。

第１図においてイは本装置Ａを備えたサービサ
であり、斯るサービサイはライナ４０と共にスト
ツクロール４１に巻込まれているゴムシート材料
（スチールブレーカー材）４を、モータ４２によ
る巻取ロール４３の回転によつて繰出し、後方コ
ンベヤ４４、前方コンベヤ４５によつて搬送する
ものであり、その搬送路である後方コンベヤ４４
上に本考案に係る切断装置Ａを設けて、ゴムシー
ト材料４を所定長さにバイヤス状に切断する。図
中４６，４６はゴムシート材料の繰出量を検知し
てモータ４２を運転停止せしめる検知器である。

そして以上の本考案切断装置Ａは回転自在な円
盤状のカツター１を、昇降自在且つバイヤス方向
に移動する懸吊杆２に取付けたものである。

前記カツター１はその刃先が断面Ｖ字状に形成
し、バイヤス方向に直交する方向に設けた取付軸
１１に摺動自在（軸方向に３mm程度遊びが生じる
ように）且つ回転自在に取付ける。そしてこのカ
ツター１はその刃先がこのカツターベース１２に
接触した状態で懸吊杆２が移動することによつて
回転する。なお、カツターベース１２は後方コン
ベヤ４４とこのコンベヤ４４上を搬送するゴムシ
ート材料４間にバイヤス方向に着脱自在に架設さ
れている金属部材であり、１３はカツター１取替
用のナツトである。懸吊杆２は移動手段と昇降手
段とによつて昇降且つバイヤス方向に移動自在に
機体イに取付ける。そしてこの懸吊杆２の上端に
はスライダー２２を設け、このスライダー２２を
バイヤス方向に直交する方向に設けたスライドケ
ース２１内に移動自在に装着してカツターベース
１２上のカツター１による切断線を変更し得るよ
うにする。図中２３はスライダー２２の移動を規
制する締付ボルトである。

図示する懸吊杆２をバイヤス方向に移動させる
移動手段は前記カツターベース１２の両端に向き
合うように起立せしめた起立片２４ａ，２４ｂ
と、この起立片２４ａ，２４ｂ間に渉つて平行架
設した二本のガイド杆２５，２５と、この二本の
ガイド杆２５，２５に渉つて摺動自在に載置し懸
吊杆２を昇降手段を介して取付ける移動板２６
と、この移動板２６をガイド杆２５，２５に沿つ
て移動せしめる移動用エアシリンダー２７ａとか
ら構成されており、移動用エアシリンダー２７ａ
のロツド２７ｂの伸縮動により移動板２６がバイ
ヤス方向に移動するものであり、ゴムシート材料
４の切断はロツド２７ｂが伸長する際に行なわれ
る。

また図示する昇降手段は移動板２６の壁面左右
に取付片２８ａ…によつて上下方向に平行に設け
たガイド棒２８，２８と、このガイド棒２８，２
８の中央に上下方向に向けて設けた昇降用エアシ
リンダー２９とからなり、前記ガイド棒２８，２
８と昇降用エアシリンダー２９のロツド２９ａと
の下端には前記懸吊杆２のガイドケース２１を一
体に固着する。従つて昇降用エアシリンダー２９
のロツド２９ａの伸縮によつて懸吊杆２が昇降し
カツター１がカツターベース１２に接触、離反す
る。図中２９ｂは昇降用エアシリンダー２９用の
エアホースで移動板２６の移動に伴つて伸縮し得
るよにガイド杆２５に蛇腹状に取付ける。

次に本考案の切断工程を順に説明する。

まず、ゴムシート材料４を一定量搬送すると後
方コンベヤ４４が停止し、カツター１が昇降用エ
アシリンダー２９のロツド２９ａの伸長に伴つて
カツターベース１２上に押し当てられる（第８図
イ，ロ）。すると、移動用エアシリンダー２７ａ
が働きカツター１をバイヤス方向に移動させ、こ
の移動によつてカツター１は回転し乍ら動きカツ
ターベース１２上のゴムシート材料４を切断す
る。この切断状態を第９図乃至第１１図に基づき
説明する。この図示する状態は切断時にカツター
１の刃先がゴムシート材料４のスチールコード４
ａ上に位置した場合であり、刃先がゴムシート材
料４の端部に接触すると、その接触点における刃
先Ｐにはゴムシート材料４を押圧する力が作用
し、ゴムシート材料４は弾性材であるから下方に
押圧されて変形する。ところが、その押圧部の真
下にはスチールコード４ａが埋設されている。従
つて、該押圧部の反力が大であるため刃先がその
側方に逃げる（刃先が断面Ｖ字状で、カツター１
には遊びがあるため）（第１０図イ，ロ）。そして
この刃先Ｐの左右方向の移動に伴つてカツター１
全体の向きが変わり、ゴムシート材料４の弾性域
を越えた部分より切断が開始され刃先Ｐがカツタ
ーベース１２上に接触した位置で完全に切断され
（第１１図イ，ロ）、第７図に示すゴムシート材料
４′が得られる。このゴムシート材料４′の切口は
スチールコード４ａに沿つてバイヤス状に切断さ
れスチールコード４ａが露出することがない。切
断後のカツター１はマイクロスイツチ３０に移動
板２６が接触することにより上昇し、移動用エア
シリンダー２７ａのロツド２７ｂが収縮し元の状
態に戻る。このカツター１が上昇中に切断された
ゴムシート材料は搬送され、次にゴムシート材料
が搬送される。そしてマイクロスイツチ３１に接
触することにより移動用エアシリンダー２７ａが
作動し切断する。以下これを繰返す。

本考案は叙上の如く円盤状のカツターを懸吊杆
の移動方向に回転自在且つその移動方向に直交す
る方向に摺動自在に設ければよいから、構造が極
めて簡単で故障等が生じることない。

更にカツターの形状、取付を叙上の如く構成し
たから、ゴムシート材料内のスチールコードに刃
先が接触することがないため、切口にスチールコ
ードが露出することもない。従つて両切口の接着
性が良くこの接着部より剥離する虞れがない。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本装
置を備えたサービサの側面図、第２図は本装置の
平面図、第３図は側面図、第４図は正面図、第５
図、第６図は要部の正面図、第７図本装置により
切断したゴムシートの斜視図、第８図イ，ロ乃至
第１１図イ，ロは本装置による切断する状態を順
に説明する正面図乃び側面図である。 図中１はカツター、２は懸吊杆、を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴムシートの搬送路上に設けた円盤状且つ刃先
   が断面Ｖ字状のカツターと、このカツターを懸吊
   し昇降自在且つバイヤス方向に移動自在に設けた
   懸吊杆とからなり、前記カツターは懸吊杆の移動
   方向に回転自在且つ移動方向に直交する方向に摺
   動自在に取付けてなることを特徴とするタイヤ用
   ゴムシート材料の切断装置。