JPS6213005B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気炊飯器に関し特に炊飯時における
側面からの加熱を効果的にしたものである。

通常、外鍋に内鍋を収納した電気釜或いは所謂
電気ジヤー炊飯器においては外鍋の底部上面に炊
飯用ヒーターを設け、炊飯時に炊飯用ヒーターに
より内鍋を加熱せしめて炊飯を行なうものである
が、炊飯時において外鍋の底部の炊飯用ヒータの
みに頼るために炊飯完了後の御飯の炊き上がりが
悪く内鍋の底部に位置する御飯は過熱気味となり
上部及び上部側面に位置する御飯は加熱不足とな
つて炊きムラを生ずる欠点があつた。これは特に
冬季の様に外気温が低い場合には顕著でありその
改良が望まれていた。

因みにこの欠点を改良する構造として炊飯動作
時に炊飯用ヒーターと共に加熱し得る炊飯用補助
ヒーターを外鍋の外側下周胴に取付けることも考
えられるが、この場合は炊飯用の別個のヒーター
を必要とすることになり部品点数が増加すること
は勿論のこと電気回路及びその配線が面倒となつ
た。又、内鍋の底面及び外側面を効果的に加熱す
る構造として一般のシーズヒーターを鋳込んだ熱
盤式に代わりシーズヒーターを露呈して外鍋の底
部上面に一定間隔を存して取付けたものが考えれ
るが、この場合はシーズヒーターの輻射熱を内鍋
の底面及び側面に当てほぼ効果的に加熱できる点
で長所はあるもののシーズヒーターが露呈するた
めにシーズヒーターの取付支持が難しく且つ600
〜700℃の高温となる部分に手指が触れやすいこ
とから非常に危険であつた。又、シーズヒーター
は前述の様に炊飯時において高温となることから
長期間の使用に伴ない絶縁抵抗が低下して漏電の
危険があると共に端末部が空気中の湿気を吸収し
て絶縁が劣化する欠点があつた。更に上述の様な
種々の危険を想定してシーズヒーターの電源回路
に挿入されるスイツチは必らず両切スイツチを使
用することが必要となり製品価格の上昇を導くも
のとなつた。

本発明は簡単な構造により上記種々の危険を防
止し且つ炊飯時において内鍋を効果的に側面から
も加熱するもので以下図面に基づいて説明する
と、１は略円筒状のフレーム、２は前記フレーム
１内に断熱材３を介して装着された熱伝導の良好
な材料よりなる有底筒状の外鍋で、開口部上周縁
を外方に折曲してフランジ４を形成すると共に底
部中央に上方に突出する貫通孔５を穿設した膨出
部６を一体折曲形成している。７は炊飯ヒーター
（シーズヒーター）８を埋設した孔９を有する円
環状の熱盤で、取付ボス１０により前記外鍋２の
底部上面に装着している。前記熱盤７はその外周
縁を前記外鍋２の内壁底部の略全周に互り接触せ
しめると共に内方の孔９を前記膨出部６に嵌め該
膨出部６を熱盤７の上面より僅かに突出せしめ
る。１１は前記膨出部６と熱盤７の孔９間に介在
せしめたリング状の耐熱性のあるパツキングで、
熱盤７と膨出部６間のシールを行なうと共に熱盤
７から膨出部６側への熱伝導を抑える。１２は前
記外鍋２のフランジ４とフレーム１の上端縁間に
介装した合成樹脂よりなるリング状のフレームカ
バー、１３は前記外鍋２内に収納自在にされる熱
伝導の良好な内鍋で、その底面の中央部が最も上
方に突出する如く滑らかに湾曲せしめている。こ
の内鍋１３を熱盤７に載置した場合は外鍋２の側
壁周囲に空隙S₁を形成し、更に内鍋の開口部外周
縁と外鍋２のフランジ４との間に空間S₂を形成す
ると共に内鍋１３の底部外周側と熱盤７とが接触
することになりこの接触は線接触に近くなる。１
４は前記膨出部６内に設けられた感熱体で、鍔部
１５と外鍋２の底部外面に取付けた取付板１６間
に介在したコイルスプリング１７によりその頭部
が常時膨出部６の貫通孔５より突出する如く附勢
している。１８はその外周縁を前記内鍋１３の開
口部周縁に密着して施蓋する熱伝導の良好な内蓋
で、中央部に球状部１９を有するツマミ２０を固
定すると共に外側に下方に凹設した環状の段部２
１を設け該段部２１に、又該段部とツマミ２０間
の平坦部に複数個の蒸気流出孔２２，２２を穿設
している。２３は一側を前記フレーム１に開閉自
在に枢支し他側をフレーム１に係止自在とした外
蓋で、断熱材２４を内装すると共に下面中央部に
凹部２５を形成している。２６は前記凹部２５に
収納したリング状の押圧板で、スプリング２７に
より常時下方に押圧する如く附勢されている。２
８は中央部に挿通孔２９を穿設し任意の一部に前
記外蓋２３を貫通する弁３０を有した蒸気抜き装
置３１を固定してなる熱伝導の良好な保温蓋で、
その外周縁を内蓋１８と内鍋１３の周縁接触部を
飛び越えて延設し、最外周縁に設けたフランジ３
２を外鍋２のフランジ４に載置している。前記保
温蓋２８はその中央部付近にて前記押出板２６に
対して適当な係止機構により係脱自在にされてお
り、装着時には内蓋１８との間に前記スプリング
２７による押圧板２６の押圧力により常時下方に
押圧され前記外鍋２のフランジ４との密着を確実
にする。３３は前記保温蓋２８の挿通孔２９に嵌
合した嵌挿孔３４を有したシリコンゴムの如き弾
性を有する逆椀状の弾性係合体で、前記内蓋１８
の球状部１９を前記嵌挿孔３４に嵌合せしめて内
蓋１８の装着を維持すると共に内蓋１８を下方に
押圧する。３５は前記外鍋２の外側の上部に装着
した保温ヒーターで、炊飯完了後の保温時に発熱
し炊飯ヒーター８と共に内鍋１３の加熱を行な
う。３６は前記フレーム１の一側壁に取付けた縦
長のスイツチカバー、３７は前記フレーム１の下
方開口部に取付けた支持脚３８，３８を一体成形
した裏蓋、３９は一部を軸支し一端をスイツチカ
バー３６部に位置せしめて操作釦４０を取付け他
端を前記感熱体１４に連結したスイツチレバー、
４１は前記外鍋２の外側面の略中央部に取付けた
前記保温ヒーター３５の制御用の保温用サーモス
タツト、４２は前記熱盤７を外鍋２の底面に取付
ける際に同時に固定される温度ヒユーズで、取付
金具４３により外鍋２と離間して取付けられる。

次に動作について述べると、先ず、内鍋１３内
に水と米を入れ外鍋２内に収納し、保温蓋２８を
外蓋２３に装着すると共に内蓋１８のツマミ２０
の球状部１９を弾性係合体３３の嵌挿孔３４に嵌
合して内蓋１８を保温蓋２８に装着する。そし
て、外蓋２３を施蓋すると、保温蓋２８はスプリ
ング２７による押圧板２６の押圧力にて下方に押
圧されフランジ３２が前記外鍋２のフランジ４に
密着すると共に押圧板２６の押圧力はさらに弾性
係合体３３をも押圧して内蓋１８の中央側を押圧
し内蓋１８の外周縁を内鍋１３の外周縁に密着せ
しめる。この時内蓋１８と保温蓋２８間に周縁が
開放された空間S₃が形成され該空間S₃は内蓋１８
と内鍋１３との密着部、即ち保温蓋２８の外周縁
部によつて内鍋１３の開口部外周縁と外鍋２のフ
ランジ４間の空間S₂を介して内鍋１３と外鍋２の
側面の空隙S₁に連通状態となると共にこの空間S₃
の上部は蒸気抜き装置３１を介して外気と連通状
態となる。又、内鍋１３の収納に伴ない該内鍋１
３の底部外周側と熱盤７が略線接触することによ
り内鍋の湾曲部は略密閉された空間S₄を形成した
状態となりこの空間S₄は膨出部６が熱盤７より突
出した部分の寸法を逃がす。そして内鍋１３の湾
曲部は内鍋１３の補強を伴ない且つ外鍋２より取
出してテーブルに置いた時における異物による底
面の変形を防止する。

而して、シーズヒーター８に通電すると熱盤７
が加熱され内鍋１３との接触部を介して該内鍋１
３を加熱する。一方熱盤７の熱は外鍋２との接触
により外鍋に伝達され外鍋２を加熱し内鍋をその
底面及び側面から加熱すると共に、外鍋の熱は更
にフランジ４及びフランジ３２を介して保温蓋２
８に伝達され空間S₃内の空気を加熱し内蓋１８を
も間接的に加熱し内鍋１３の上面からも加熱する
ことになる。更に外鍋２と内鍋１３間の空間S₁よ
り上昇する熱は第２図矢印の様に内鍋１３の開口
部外周縁と外鍋２のフランジ４との空間S₂を介し
て保温蓋２８と内蓋１８間に移動し蒸気抜き装置
３１を介して外気に流出する。そして、炊飯の進
行に伴ない内蓋１８の蒸気流出孔２２，２２より
流出するおねばは前記空間S₃内にて蒸気と重いお
ねばとに分離され蒸気は前述の空間S₃内に流入し
た熱気によつて弁３０を押し上げ外気に流出され
重いおねばは内蓋１８の上面の段部２１に貯溜さ
れる。尚、熱盤７と外鍋２の外周縁を接触せしめ
ているので、内鍋１３の収納時に該内鍋の外周壁
に多量の水分が付着した場合或いは内鍋１３の離
脱時において誤つて外鍋２内に水をこぼした場合
に熱盤７下方への水の侵入を防止する。そして、
膨出部６と熱盤７の孔間に介在せしめたパツキン
１１も熱盤７と外鍋２底面の空間Ｓ５を密閉状態
に形成し熱盤７のシーズヒーター８の導電部等へ
の水の侵入を防止するものである。

本発明は内鍋の底面を熱盤に載置したが内鍋は
他の部材により空間S₁を形成して外鍋に吊り持ち
してもよく、又内鍋１３の底面を上方に湾曲せし
めたが、これは必らずしも熱盤７の外周縁部と外
鍋２との接触とは関係あるものではなく内鍋１３
の底面が水平な平坦面であつて熱盤と略全面が接
触するものであつてもよいことは明白である。

尚、本発明はシーズヒーターを埋設した円環状
の熱盤を記したが、特にシーズヒーターを埋設し
たものに限定されず、例えばシーズヒーターを熱
伝導の良好なアルミニウム板で覆つたもの或いは
ニクロム線を巻装してマイカ等の絶縁板にて覆つ
た円板状のものであつてもよいことは勿論であ
る。

以上の様に本発明は外鍋と、外鍋内に収納自在
に設けられた内鍋と、外鍋の底部上面に装着され
た平板状の熱盤とからなり、前記熱盤の外周縁を
外鍋の内壁に接触せしめ、且つ下面に前記外鍋の
底部上面に当接する取付ボスを一体形成したもの
であるから、炊飯時において熱盤の熱は内鍋を加
熱することは勿論のこと、その外周縁及び熱盤を
固定する取付ボスにて効率よく外鍋にも熱伝導せ
しめ外鍋を効率よく加熱して単独の熱源にて内鍋
の底面及び側面より加熱するものであり内鍋を効
果よく加熱し良好な御飯の炊き上がりを行なうこ
とができる。このため炊飯時における内鍋の側面
加熱用の別個の炊飯用補助熱源を必要とすること
がないと共に炊飯初期における立上がりが早く、
特に冬季等の外気温の低い時にはその効果を十分
に発揮し得る。又、熱盤は平板状に成形している
ためにシーズヒーター等の発熱体の端末部は外気
に触れる様な露呈状態とならず湿気を吸収し絶縁
抵抗が低下するといつた欠点はなくなる。又、外
鍋と熱盤の外周縁の接触により熱盤下方への水の
侵入を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の電気炊飯器の断面図、第２図
は部分断面図である。 １……フレーム、２……外鍋、７……熱盤、１
３……内鍋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フレーム内に装着された熱伝導の良好な有底
   筒状の外鍋と、該外鍋内に収納自在に設けられた
   内鍋と、前記外鍋の底部上面に装着された平板状
   の熱盤とからなり、前記熱盤の外周縁を前記外鍋
   の内壁に接触せしめ、且つ熱盤下面に前記外鍋の
   底部上面に当接する取付ボスを熱盤と一体形成し
   たことを特徴とする電気炊飯器。