JPS621286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 本考案は柵支柱用の起倒式ポールに関する。

(ロ) 従来技術 必要なときだけ柵を設け、或は必要に応じて
取払うことができる柵として、従来地面に柵支
柱落し込み用の穴を穿ちこの穴に支柱を立てゝ
鎖を張り渡し、柵を取払うときは支柱を穴の中
に落し込み収容するようにした柵支柱が用いら
れている。この型の柵支柱は第１図に示すよう
な構造になつている。１がポールで金属筒であ
り、２は収納筒で、ポール１が収まる太さ及び
長さを有する。収納筒２は地面に直径約30cmの
縦穴３を穿ち、底を玉石４でつき固めて、周囲
をコンクリート５で固めて筒の口縁が地面と面
一（つらいち）になるようにする。ポール１は
下端に短筒６が嵌着固定してあり、この短筒に
は上縁から下へ向けてＬ字型の溝７が切つてあ
る。収納筒２の上部内面に図では見えないがピ
ンが立てゝあり、ポールを引上げこのピンを溝
７内に進入させてポールを少し回わすことによ
り、ピンがＬ字形溝７の下辺に係合してポール
１が引上げられた位置に固定される。ポールに
よつては更に鎖が収納され、引出して隣のポー
ルに引掛けられるようになつている。またポー
ル１の上端面はキヤツプ９になつており、持手
１０が出入自在に取付けられている。

従来の柵支柱は上述したような構造で、ポー
ル自体かなり重いものであり、収納筒２内に収
納するときはピンを溝７から外してポールを落
し込むので、筒２は大きな衝撃を受ける。この
ためポールの取付けに当つては大きな穴を穿ち
底を玉石で固め周囲をコンクリート打ちすると
云つた施工が必要であり、このような工事がポ
ール一本毎に必要なので、取付け工事の費用が
大きい。またポールが重いのでその出し入れは
かなりの力仕事となる。更にこの種の柵は必要
に応じて車を通したり通さなかつたりする場所
に設けられるので、車が当つてポールが曲ると
云うことがよくある。このポールは一旦曲ると
収納筒２に入らなくなるし、そうかと云つて抜
き取ろうとしても、ポールを引上げ位置に係止
しておく機構である短筒６とピンがあるため抜
いてしまうこともできない。

(ハ) 目的 従来の柵支柱用ポールは上述したように取付
け工事が大げさであり、出し入れに力を要し、
車が当つたりしてポールが曲つたときの後仕末
が困難であると云つた欠点を有するので、本考
案はこのような欠点を解消した柵支柱用ポール
を提供しようとするものである。

(ニ) 構成 本考案柵支柱は、道路脇の溝等を利用し、溝
の相対向する内法面間に伸縮可能な支杆を伸張
させて水平に突張り固定し、この支杆を軸とし
て起倒回転可能にポールを取付けたことを特徴
とする。

(ホ) 実施例 第２図は本考案の一実施例の柵支柱をガソリ
ンスタンドの周囲に設けた状態を示す。Ｐが本
考案に係るポールで、Ｇはガソリンスタンド周
囲の溝であり、ポールＰは不要時には溝Ｇ内に
倒し込むことができる。

第３図はポール取付け部分の斜視図である。
Ｊは支杆で雌ねじを有する筒部Ｊ１とその雌ね
じに螺合して筒部Ｊ１に出入するボルトＪ２と
よりなるジヤツキの構造になつている。筒部Ｊ
１の底端には当板Ｗが取付けられている。この
当板は直角に折曲げてあり、その直角部分を溝
Ｇの一方の岸の肩の所に当てボルトＪ２を回わ
して筒部Ｊ１から進出させ、ボルトＪ２の頭を
溝Ｇの反対岸の法面に当接させて支柱Ｊが水平
に固定されるように突張らせる。支杆Ｊには回
動自在にブラケツトＢが取付けてあり、ポール
ＰはこのブラケツトＢに固定される。

第４図は支杆Ｊの側面図で、筒部Ｊ１は当板
Ｗにブラケツトにピンｈで垂直面内に回転可能
にヒンジ結合されている。ボルトＪ２の頭は球
面になつており、当板ｄを介在させて溝Ｇの法
面に当てられる。筒部Ｊ１が当板Ｗにヒンジ結
合されているのは、溝の法面が垂直でない場合
でも支杆Ｊが水平に固定できるよう調節可能と
するためで、支杆が水平に固定されないとポー
ルが傾いて立つことになる。

第５図はポールＰが溝内に倒して収納された
状態を示す。支杆Ｊと同じ構造の受杆Ｋが溝内
に取付けられて、倒したポールＰの頭部を支承
している。ポールＰはブラケツトＢと押え金Ｃ
とではさまれ、押え金ＣをブラケツトＢにねじ
で締付け固定することによつてポールを立てた
とき、他のポールと高さが揃うように高さを調
節してブラケツトＢに固定される。

立てたポールＰは第３図に示すように当板Ｗ
に回動自在に取付けてあるコ字形金具Ｓをポー
ル側に倒して、コ字形の両辺間にポールをはさ
んで垂直に保持する。ポールを倒すときはコ字
形金具Ｓは反対側に倒せばよい。

上述した実施例ではポールＰは管で鎖が収納
されており、これを引出して隣のポールに引掛
けるのである。もつとも鎖なりロープをどのよ
うにして張るかは自由である。またポールの断
面も円筒に限らず角筒、Ｉ形、溝形等任意であ
る。

(ヘ) 効果 本考案柵支柱は上述したような構成で、溝を
利用して取付けるので、特別な取付け工事が不
要であり、ポールは起倒されるので、上下に持
ち上げるより楽であり、仮に車が当つて曲つた
りしても、収納に支障を来すことはなく、工事
を要しないので取換えも軽費かつ簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の側面図、第２図は本考案の一
実施例の使用状態の斜視図、第３図は同実施例の
ポール取付け部の斜視図、第４図は同実施例の支
杆の側面図、第５図は同実施例の柵支柱全体の側
面図である。 Ｐ……ポール、Ｇ……溝、Ｊ……支杆、Ｊ１…
…筒部、Ｊ２……ボルト、Ｂ……ブラケツト、Ｗ
……当て板、Ｓ……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ジヤツキ構造で伸縮自在な支杆に同支杆を軸に
   回動自在にブラケツトを取付け、このブラケツト
   にポールを固定し、上記支杆を溝の両内法面間に
   突張り固定してなる柵支柱用起倒式ポール。