JPS621242B2 - - Google Patents

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JPS621242B2
JPS621242B2 JP55071123A JP7112380A JPS621242B2 JP S621242 B2 JPS621242 B2 JP S621242B2 JP 55071123 A JP55071123 A JP 55071123A JP 7112380 A JP7112380 A JP 7112380A JP S621242 B2 JPS621242 B2 JP S621242B2
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JP
Japan
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wire
coil
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heat
silicone resin
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JP55071123A
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Ryukichi Usuki
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Fujikura Cable Works Ltd
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Fujikura Cable Works Ltd
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Publication of JPS621242B2 publication Critical patent/JPS621242B2/ja
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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F5/00Coils
    • H01F5/06Insulation of windings

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は耐熱モータや耐熱変圧器等に使用さ
れる耐熱絶縁コイルに関するものである。 周知のように耐熱モータあるいは耐熱変圧器の
コイルなどに使用される耐熱絶縁コイルとして
は、ガラスフリツトまたはガラスフリツトと結晶
性無機物との混合物などからなる物質を導体上に
塗布して焼付け(焼成)したセラミツク絶縁電線
を用いたものが知られている。このようなセラミ
ツク絶縁電線はその被覆層(セラミツク層)が可
撓性に乏しく、そのため巻付加工時に被覆層にク
ラツクが生じてしまうから、使用中のヒートサイ
クルや機械的振動によつてセラミツク絶縁被覆が
剥離してしまう問題がある。そこで前述のような
ガラスフリツトやその混合物を導体上に塗布した
だけの未焼成の段階でコイル巻加工を行ない、そ
の後において焼成して導体上の被覆層をセラミツ
ク化することも行なわれているが、その場合でも
コイル取扱中や使用中の機械的振動により隣り合
う電線同士が擦れ合つたり衝突したりする等の機
械的衝撃や使用中の熱衝撃等によりセラミツク絶
縁被覆層に割れが発生し、遂には被覆層が剥離し
てしまうことが多い。 上述のような問題を解決する方法としては、焼
成済もしくは未焼成のセラミツク絶縁電線をコイ
ル巻加工した後、その電線の絶縁物と同様な組成
の絶縁物を塗布焼付けし、これにより巻付けられ
た電線を固定する方法が知られている。しかしな
がらこの場合にはコイル表面に塗布した電線固定
用の絶縁物を焼成する際に電線自体の絶縁被覆が
軟化流動し、隣り合う線の導体同士が接触して短
絡するおそれがあるから、巻付加工時には電線間
の間隔を開けて巻付ける必要があり、そのためス
ペースフアクタが低下するとともに多層巻付けが
困難となる等の問題が生じる。また一方、セラミ
ツク絶縁電線の被覆層の絶縁物よりも低融点のフ
リツトなどを用いてコイルの電線を固定する方法
も知られており、この場合にはそのコイル固定用
のフリツトなどを焼成する際に電線の絶縁被覆が
軟化流動するおそれがなくなる。しかしながらこ
の場合にはコイルの耐熱性、特にヒートシヨツク
に対する耐性が低くなりワイヤーの絶縁層からの
剥離などを生じ易くなるとともに、高温での電気
的特性も低下する等の問題が生じる。さらにま
た、高融点のアルミナ等の無機物と水ガラス等の
液状ガラスとの混合物を用いてコイルの電線を固
定する方法も考えられているが、この場合には液
状ガラスがNaやK等のアルカリ成分を含むた
め、常温では吸湿性が高くなつて高湿雰囲気で電
気的特性が低下し、また高温でも前記アルカリ成
分がワイヤーの絶縁層に拡散するなどによつて絶
縁特性が低下して長期間の使用が不能となる問題
がある。 さらに、上述の如く巻付けられた電線を無機絶
縁物で固定した各従来コイルは、確かにそのよう
な固定を行なわない場合と比較すれば機械的振動
に対し強固ではあるが、しかしながら異常に強い
機械的振動や外力が加わつた場合にはその固定用
絶縁物自体に割れやクラツクが発生し、これによ
り固定用絶縁物が剥離して固定作用が得られなく
なるおそれがあるとともに、固定用絶縁物自体の
割れが電線の絶縁被覆層に波及してしまうおそれ
もある。したがつて通常は有機質材料の耐熱温度
範囲で使用し異常時の場合においてのみはじめて
無機質材料としての耐熱性が必要となるものにお
いては、最初から無機質化させておかない状態で
使用できることが望ましい。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、コイルの耐熱絶縁電線を固定するために線間
空隙部分やコイルの外表面部分に充填もしくは被
覆される電線固定材を、シリコーン系樹脂と無機
物粉末との混合物で構成し、かつ使用中における
高温時にその電線固定材層が焼成されてセラミツ
ク化(無機質化)するようにし、これによつて前
記諸問題を解決した耐熱絶縁コイルを提供するこ
とを目的とする。すなわちこの発明のコイルにお
ける電線固定材層は予め人工的な焼成熱処理によ
つてセラミツク化されていないものであり、した
がつてシリコーン系樹脂の分解温度以下の常温も
しくは常温近い温度で使用している際においては
電線固定材層が通常の有機質エナメル絶縁塗料等
と同等な各種機械的、電気的特性を示し、また使
用中の異常などによつて昇温した際にはシリコー
ン系樹脂の分解に伴う無機質分解生成物により電
線固定材層の組成物が無機質化した耐熱コイルと
なるものである。このため、最初から無機物で固
定したものに比べ通常はより良好な特性状態で使
用できるとともに、無機質化した後もシリコーン
系樹脂がアルカリイオンなどを含まない無機物と
なつて結合材として働くので従来の耐熱絶縁コイ
ルに比べ絶縁特性と耐熱衝撃性がより優れた耐熱
コイルとして使用できるものである。 以下図面を参照してこの発明をより詳細に説明
すると、第1図はこの発明の耐熱絶縁コイルの基
本的な構造例を示すものであつて、導体1上に無
機絶縁被覆層2が形成されてなる耐熱絶縁電線3
が例えば巻枠4上にコイル巻加工されており、そ
のコイルの隣り合う電線3の間には、後述する電
線固定材層が充填され、かつ各電線3の外側部分
(すなわちコイルの外表面部分)も前記電線固定
材層5によつて被覆されている。 前記電線固定材層5は、高温時に耐熱無機物を
生成するシリコーン系樹脂と高融点無機物粉末と
の混合物からなる電線固定材を線間、コイル外表
面に充填、被覆することによつて形成されてい
る。ここで前記シリコーン系樹脂としては、通常
の各種のシリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂、
例えばシロキサンとメチルメタクリレート、アク
リロニトリル等の有機モノマーとの共重合物、あ
るいはシリコーン樹脂とアルキツド樹脂、フエノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等との共
重合物など、さらにはSi以外にTi、B、Al、
N、P、Ge、As、Sb等の元素の1種以上と酸素
とを骨格に持つたシリコーン系樹脂、またはSi以
外にTi、B、Al、N、P、Ge、As、Sb等の元素
の1種以上と酸素と炭素とを骨格に持つたシリコ
ーン系樹脂が使用され、またこれらと前記有機モ
ノマーや樹脂との共重合物を使用可能であるが、
望ましくは分解生成される無機物の割合が多いも
の、すなわち分解消失物が少ないものが良い。こ
れらのシリコーン系樹脂は、常温もしくは常温近
くでは、通常の有機質高分子と同等な特性を示
し、また昇温時には比較的低温、すなわち最も低
いものでは400℃〜450℃位で分解してシリカやそ
の他の酸化物、シリカと他の酸化物との複合酸化
物等の高融点無機物質を生成する。 したがつて、シリコーン系樹脂と高融点無機物
粉末との混合物からなる電線固定材層5は、シリ
コーン系樹脂の分解温度以下の使用時においては
シリコーン系樹脂が混合物のバインダとして作用
して、シリコーン系樹脂単独の場合に近い靭性、
可撓性を示すとともに実質的に非多孔質となつて
いるため耐湿絶縁特性も良好となつており、一方
使用中のシリコーン系樹脂の分解温度以上に昇温
すればシリコーン系樹脂の分解生成物質がアルカ
リイオンなどを含まない耐熱絶縁特性の優れた無
機物粉末の結合剤としても作用して電線固定材層
5は著しく強固な多孔質セラミツク物質となり、
その結果高い耐熱衝撃特性と高い耐熱絶縁特性を
示すようになる。この場合高融点無機物粉末とし
ては、シリコーン系樹脂の分解温度で半融または
溶融しないもの、すなわち望ましくは融点が550
℃以上、より望ましくは800℃以上のものであつ
て、電気的特性、特に絶縁特性が優れたものを使
用することが望ましい。例えば結晶質粉末、ガラ
ス質粉末、またはこれらの混合粉末が使用され、
より具体的には、アルミナ(Al2O3)、チタン酸
バリウム(BaTiO3)、チタン酸カルシウム
(CaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン
(ZrSiO4)、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)、ステ
アタイト(MgSiO3)、シリカ(SiO2)、ベリリア
(BeO)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア
(MgO)、クレー、モンモリロナイト、ベントナ
イト、カオリン、あるいは通常の高融点ガラスフ
リツト、マイカ等の酸化物、ボロンナイトライト
(BN)、窒化ケイ素等の窒化物、またはこれらの
混合物等が使用される。これらの無機物粉末の粒
径は、電線3の径やそのピツチ(線間距離)等に
応じて適宜設定すれば良いが、通常は10μm以下
のものが好ましい。またコイル使用時における昇
温により電線固定材層5がセラミツク化する際の
収縮量を小さくするべく電線固定材層5をより緻
密な層とするためには比較的大径の無機物粉末と
小径の無機物粉末とがうまく組合された空隙率の
小さなものとすることが望ましい。 またシリコーン系樹脂と無機物粉末とからなる
混合物の配合比はシリコーン系樹脂10〜40wt%
残部無機物粉末とすることが望ましい。シリコー
ン系樹脂が10wt%未満では結合力が不足して電
線固定材層5の靭性が不足するとともに使用中の
昇温時に強固なセラミツク物質が生成されず、ま
た40wt%を越えればセラミツク化の際の収縮量
が大きくなつて割れが発生するおそれがある。な
お上述の範囲内でも特にシリコーン系樹脂15〜
30wt%程度が最適である。 前記シリコーン系樹脂と混合して用いられる無
機質微粉末の全部または一部としては、シリコー
ン系樹脂と親和性または反応性の状態に表面処理
した無機物粉末、例えばビニル基、アルキルアミ
ノ基、アルコキシ基などを有するシラン、アルキ
ルシリケートなどによつて前処理した無機物粉末
等を用いることが望ましい。斯くすれば混合物の
スラリー状態における均一性が良好となり、また
コイル使用中にセラミツク化された後の電線固定
材層5内の結合力も増大する。 一方、耐熱絶縁電線3に使用される導体1とし
ては銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニ
ウム合金線、コンスタンタン線、銀線、金線、白
金線、ステンレス銅線、さらにはニツケルや銀等
の耐熱性金属もしくは合金のメツキ銅線やクラツ
ド銅線などの良導電性金属線、望ましくは耐熱性
を有する良導電性金属線が用いられる。その導体
1上に被覆された無機絶縁被覆層2は、従来公知
のセラミツク絶縁電線に使用されているセラミツ
ク物質例えばガラス及び結晶質無機物であつても
良いが、この発明の場合には前記電線固定材層5
に用いられていると同様なシリコーン系樹脂と無
機物粉末との混合物を焼成して無機質化して得ら
れる絶縁物を使用することが望ましい。ここでシ
リコーン系樹脂は前掲のものと同様なものが使用
され、また無機物粉末も前掲のものと同様なもの
が使用される。なおこの場合電線3は、通常は前
記混合物が未焼成の状態でコイル巻加工される。
すなわち、導体上の上記混合物の被覆層2が可撓
性を有している未焼成の状態でコイル巻加工し、
その後において焼成熱処理によりシリコーン系樹
脂を分解させ、そのシリコーン系樹脂の分解生成
物と無機物粉末とが結合された無機絶縁物2を得
る(すなわちセラミツク化させる)のが通常であ
る。 なお導体1上の絶縁被覆層2に使用される前記
混合物は、無機物粉末100重量部に対しシリコー
ン系樹脂10〜200重量部、好ましくは20〜60重量
部とする。 前述した第1図の構成は電線3が巻枠4上に一
層のみ巻付けられているものであるが、もちろん
第2図または第3図に示すように電線3を機枠4
に多層に巻付けても良いことは勿論である。この
場合、電線固定材層5は、要は電線3が機械的振
動や衝撃等によつて移動したり擦れ合つたりしな
いように電線3を保持していれば良いから、必ず
しも電線3の間の全てに充填されていなくても良
く、また最外層の電線3の表面側にのみ被覆(す
なわちコイルの外表面部分のみ被覆)されていて
も良い。換言すれば、コイルの線間空隙部分およ
びコイルの外表面部分の内、少くとも一部に、電
線固定材すなわちシリコーン系樹脂と無機物粉末
との混合物を充填および/または被覆して、前記
少くとも一部に電線固定材層5を形成すれば良
い。具体的には、例えば第2図におけるコイルの
内層部分A、外層部分B、外表面部分Cの内、い
ずれか1つ以上の部分に電線固定材層5が形成さ
れていれば良い。但し、実際上は少くとも外層部
分Bおよび外表面部分Cの内いずれか一方に形成
されていることが望ましい。 上述のような電線固定材層5が形成される部位
は、電線固定材の充填/被覆の方法によつて左右
される。ここでその充填/被覆法の具体例につい
て説明すると、先ず第1には、電線3を一層巻付
けるたびごとに電線固定材(すなわちシリコーン
系樹脂と無機物粉末との混合物)を電線3上に塗
布する方法がある。この場合最終巻付層上にも塗
布すれば、内層部分A、外層部分B、外表面部分
Cの全てに電線固定材層5が形成されることにな
り、また最終巻付層上にのみ塗布しなければ外表
面部分C以外の線間の全てに電線固定材層5が形
成されることになる。もちろん電線3を1層巻付
けるたびごとに電線固定材を吹付けるかまたはコ
イルを固定材の溶液またはスラリー中に浸漬して
も上述の場合と同効である。次に第2の方法とし
て、電線3を多数層巻付けた後、その電線の被覆
層2が未焼成のものであれば焼成熱処理を施し、
その後コイルを固定材の溶液またはスラリー中に
浸漬するかまたはそれらを塗布もしくは吹付け
て、コイルの外側から固定材を含浸させる方法が
ある。この場合には巻付層数が多ければ内層部分
Aまで固定材が充填されず、外層部分Bおよび外
表面部分Cに充填、被覆され、これらの部分のみ
に電線固定材層5が形成される。さらに、特殊な
方法として、電線3を多層に巻付けて必要に応じ
電線3の被覆層2を焼成した後、先ずシリコーン
系樹脂を含浸させ、その後シリコーン系樹脂と無
機物粉末との混合物のスラリーをコイル表面に塗
布する方法がある。この場合にはシリコーン系樹
脂は内層部分Aまで充填され、混合物は外表面部
分Cのみに被覆される。したがつて固定材層5
は、線間部分A,Bにおいてはシリコーン系樹脂
のみからなるもの、また外表面部分Cにおいては
混合物からなるものとなる。もちろんシリコーン
系樹脂含浸後に混合物スラリーも含浸させれば混
合物は外層部分Bにも充填されることになる。な
お実際にはこれらの方法を適宜組合せても良い。 なおまた、場合によつてはコイルの線間部分、
すなわち内層部分Aおよび外層部分Bの内の少く
とも内層部分Aに潤滑性を与えるような耐熱性無
機物粉末、例えばMoS2、WS2、BN、雲母などを
充填しておき、コイルの外表面部分Cもしくは外
表面部分Cおよび外層部分Bに前記同様な電線固
定材を被覆(および充填)しても良い。この場合
電線固定材層5はコイル表面もしくは表面近くの
みに形成されているためコイルの内側部分では電
線3が機械的振動によりある程度擦れ合い易い状
態となつているが、その内側部分の線間には潤滑
性無機物粉末により潤滑性が与えられているか
ら、前述のような擦れ合いにより電線3の絶縁被
覆層2が摩耗、剥離するような事態の発生を効果
的に防止できる。 以上のようにこの発明の耐熱絶縁コイルにおい
ては、電線を固定するために線間やコイル表面に
充填および/または被覆されている電線固定材層
がシリコーン系樹脂と無機物粉末との混合物で構
成されており、しかもその電線固定材層は予め人
工的な焼成熱処理によつてセラミツク化されてい
ないものである。したがつてシリコーン系樹脂の
分解温度以下の常温もしくは常温に近い温度でコ
イルを使用している間は、電線固定材層が有機質
エナメル絶縁塗料と同様に靭性、可撓性に富むか
ら著しく強い機械的振動が加わつても電線固定材
層に割れが発生したり剥離したりすることなく電
線を安定に固定保持することができ、そのためコ
イルとして極めて高い耐機械的衝撃特性を得るこ
とができる。また同様にシリコーン系樹脂の分解
温度以下の常温もしくは常温に近い温度でコイル
を使用している間、電線固定材層はセラミツク化
したものと比較し格段に非多孔性であるから、吸
湿性が著しく低く、したがつて多湿雰囲気で使用
しても電気抵抗の低下が少なく、コイルとして電
気的特性を良好に維持し得る。一方、使用中の異
常などによつて昇温した場合には、電線固定材層
がセラミツク化されて多孔質焼結体となり、その
ため高い耐熱衝撃特性が得られ、したがつて急速
に昇温、冷却が繰返された場合でも長時間の使用
に耐え得る。また従来の耐熱絶縁コイルの如く電
線固定材を予め焼成していないから、焼成による
電線絶縁層の劣化が少ないとともに、低い温度で
シリコーン系樹脂が分解して極めて高融点の無機
物が生成されるから電線絶縁物の融点近くの温度
で使用しても樹脂から生成される無機物によたて
融点が上昇するため、導体上の絶縁被覆層が軟化
流動して隣り合う線の導体同士が接触して線間短
絡を生じることがなく、したがつて電線の巻付け
時に電線の間隔をそれほど拡げる必要がなくなつ
てスペースフアクタが良好となるとともに多層巻
付けも容易となる。さらに、従来の場合のように
電線固定材の焼成温度を配慮して固定材に低融点
のフリツト等を使用する必要がないから低融点の
フリツトに液状ガラスなどの如くアルカリ成分を
含むものを使用しなくて良く、その意味からも良
好な高温絶縁特性のものを得ることができる効果
も得られる。 したがつてこの発明の耐熱絶縁コイルは、耐機
械的振動特性、耐熱衝撃特性、高温絶縁特性、耐
湿電気特性あるいはスペースフアクタ等が全て良
好であり、耐熱モータ、耐熱変圧器などに好適に
使用されるものである。 以下にこの発明の耐熱絶縁コイルの実施例およ
び比較例を記す。 実施例 1 電線として外径0.70mmφのニツケルメツキ銅線
上にシリコーン樹脂とアルミナ粉末とからなる混
合物が20μm厚で被覆されたものを用い、これを
ボビン外径50mmの巻枠上に5層にわたつて巻付け
た後、電線の被覆層を500℃×5時間焼成し、そ
の後メチルフエニルシリコーンワニス(樹脂分)
20wt%、アルミナ80wt%およびキシレンからな
るスラリーを含浸させ、250℃において加熱硬化
させた。 実施例 2 実肢例1と同様な条件で電線をコイル巻加工し
てその電線の被覆層を焼成した後、シリコーンワ
ニス(樹脂分)20wt%、アルミナ50wt%、融点
800℃のガラスフリツト30wt%からなる混合物を
含浸させ、250℃において硬化させた。 比較例 実施例1と同様な条件で電線をコイル巻加工
し、その電線の被覆層を焼成した後、融点550℃
のガラスフリツトからなるスリツプを吹付け乾燥
し、焼成した。 各実施例および比較例のコイルについての外観
観察結果、振動試験結果、絶縁特性測定結果を第
1表に示す。なお振動試験はJIS D−1601(77)
法にしたがい4Gにて行つた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はそれぞれこの発明の耐熱
絶縁コイルの構造例を示す略解的な断面図であ
る。 1……導体、2……無機絶縁被覆層、3……耐
熱絶縁電線、5……電線固定材層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 導体上に無機絶縁被覆層が形成されてなる耐
    熱絶縁電線がコイル状に巻かれており、かつその
    コイルの線間空隙部分およびコイルの外表面部分
    の内少くとも一部には電線固定材であるシリコー
    ン系樹脂と高融点無機物粉末との混合物が充填お
    よび/または被覆されており、高温時にはその電
    線固定材層がセラミツク化することを特徴とする
    耐熱絶縁コイル。
JP7112380A 1980-05-28 1980-05-28 Heat resistance insulating coil Granted JPS56167304A (en)

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