JPS6212310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時刻の時間桁の表示を１から12までの
数値で行う12時間制表示方式と、０から23までの
数値で行う24時間制表示方式とを時計の使用者が
任意に使いわけることを可能としたデジタル表示
式電子時計にかかわるものである。

12時間制表示は現在一般に広く行われている時
刻表示形式であり、１日の24時間を12時間の２周
期とみなし、その１周期を午前、他の１周期を午
後に対応させている。デジタル式電子時計におい
てはこの12時間表示形式を行う場合、午前又は午
後を識別するためのマーク、文字の表示又は表示
の変調を行う等の工夫が加えられる場合が多い。
一方24時間制表示は、鉄道業務、航空業務等で行
われている時刻表示形式であり、１日を24時間の
１周期とみなしている。

日本の国内において一般社会生活は12時間制表
示によつて時刻設定される場合が多いのである
が、北ヨーロツパ諸国では一般社会生活も24時間
制表示によつて律せられている。また旅行中に列
車や航空機の出発時刻、到着時刻、所要時間等を
調べるのには24時間制表示が便利である。時計の
時刻表示を24時間制とするか12時間制とするか
は、その時計をどのような場所でどのような用途
に使うかで決定するのが最善である。しかし多く
の場合時計の使用者は１個の時計しか携帯してい
ないから、その時計で自由に表示形式が変えられ
ることは、例えば旅行中においては大変に便利で
ある。本考案はこの表示形式の切換を時計の使用
者が簡単に行うことができるようにしたデジタル
表示式電子時計を経済的に実現することを可能と
するものである。

従来、12時間制表示と24時間制表示を１個の時
計でその使用者が自由に切換えて使用するデジタ
ル表示式電子時計の提案は極めて少い。その少い
１例として謂るデユアルタイム方式がある。この
方式は２個の独立した計時回路を備え、その一方
を12時間制で表示し、他の一方を24時間制で表示
するものであり、12時間制表示の計時回路を使用
者の母国の標準時に合せ、24時間制表示の計時回
路を他の標準時に合せて使用することを目的とし
たものである。このデユアルタイム時計の二つの
計時回路を同じ時刻に合せることによつて１個の
時計で12時間制表示と24時間制表示の双方を行う
ことができる。しかしこの方式では、時計の使用
者は同一の時刻を示す２種類の表示形式により都
合２回の時刻合せを要求される。また、操作方法
は複雑になり、気軽に12時間制表示と24時間制表
示を切換えることに支障を生ずる。また表示形式
の切換えのみに目的を限定すれば、２個の独立し
た計時回路を保有することは不経済である。

以下に図面に従つて本考案の詳細な説明を行
う。第１図は本考案によりなる12時間制表示と24
時間制表示の切換え機能を有するデジタル表示式
電子時計の一つの実施例を示すブロツク線図であ
る。図において発振分周回路１は時間標準発振器
となす水晶発振器と該水晶発振器の信号を分周す
る分周回路とで構成され、１Hzの信号（１秒信
号）を作る。秒カウンタ２は60進のカウンタであ
り前記１Hz信号を計数すると共に計数60に１回の
割合で１分桁上げ信号を作る。分カウンタ３もま
た60進のカウンタであり、前記１分桁上げ信号を
計数すると共に計数60に１回の割合で１時間桁上
げ信号を作る。時カウンタ４は12進のカウンタで
あり前記１時間桁上げ信号を計数すると共に計数
12に１回の割合で半日桁上げ信号を作る。半日桁
上げ信号は午前と午後を識別するフリツプフロツ
プ５に導かれ該フリツプフロツプを12時間に１回
の割合で反転させる。修正桁選択スイツチ６及び
修正信号入力スイツチ７はそれぞれチヤタリング
防止回路９，１０を介して時刻修正制御回路１２
に接続される。スイツチ６を１回閉じる毎に時刻
修正制御回路１２は秒カウンタ２、分カウンタ３
及び時カウンタ４とフリツプフロツプ５を次々に
選んで修正可能な状態とする。修正可能な状態に
選択されたカウンタはスイツチ７を閉じることに
よつて計数内容を変更する。秒カウンタ２、分カ
ウンタ３及び時カウンタ４とフリツプフロツプ５
の計数内容はそれぞれ秒デコーダ１３、分デコー
ダ１４及び時デコーダ１５で表示目的にあつた表
示パターンに変換されて表示装置１６に印加され
る。該表示装置は電気信号を光学信号に変換して
時刻表示を行う。照明スイツチ８はチヤタリング
防止回路１１を介し電球制御回路１９に接続され
ており、該電球制御回路１９は、スイツチ８が閉
じられた時に時刻表示面照明用電球２０を点灯す
るように動作する。ゲート１７は修正信号入力ス
イツチ７と照明スイツチ８とが同時に閉じられた
ことを検出し、表示形式切換フリツプフロツプ１
８を反転させる。時デコーダ１５はフリツプフロ
ツプ１８の状態によつて12時間制表示と24時間制
表示の表示目的を達つするように構成されている
から、スイツチ７とスイツチ８とを同時に閉じる
毎に、12時間制表示と24時間制表示の切換えを行
う。

以上第１図により本考案の一実施例を説明した
がこの実施例の中で２個のスイツチ７及び８を他
の組合せに変えることも可能である。また時計が
時刻の修正状態にあるときはゲート１７にインヒ
ビツト信号を付加し表示形式の切換えを禁止する
ような制限事項を加えることも可能である。

第２図は第１図に示した本考案による12時間制
表示と24時間制表示の切換え回路を有するデジタ
ル表示式電子時計の表示例を示すものでありイは
12時間制表示で午後11時58分26秒を示している。
第１図に示したスイツチ７及び８を同時に閉じる
ことによつてイの表示は同じ時刻を示す24時間制
表示ロに変るが再度スイツチ７及び８を同時に閉
じると12時間制表示イに返る。

本考案によれば、時計の使用者が必要に応じて
手軽に12時間制表示と24時間制表示を自由に選ぶ
ことのできるデジタル表示式電子時計を、最小限
の付加機構によつて経済的に実現することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の12時間制表示と24時間制表示
との切換え装置を有するデジタル表示式電子時計
の実施例を示すブロツク図、第２図イは第１図の
時計の12時間制表示例を示す表示説明図、第２図
ロは第２図イと同時刻を示す24時間制表示例を示
す表示説明図である。 ４……時カウンタ、５，１８……フリツプフロ
ツプ、７……修正入力スイツチ、８……照明スイ
ツチ、１７……ゲート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 発振分周回路と、少なくとも時の計時動作を
   行なう時カウンタと、該時カウンタからの半日
   の桁上げ信号を入力する午前と午後の識別用フ
   リツプフロツプと、前記時カウンタからの計時
   内容と前記午前と午後の識別用フリツプフロツ
   プからの信号を入力し表示目的に合つた信号に
   変換する時デコーダと、少なくとも時デコーダ
   からの信号を入力し時刻内容を表示する表示装
   置とを備えた電子時計に於いて、複数の操作ス
   イツチと、該複数の操作スイツチの２ケ以上を
   同時に操作したことを検出する検出回路と、該
   検出回路からの信号の入力毎に二安定状態を交
   互に記憶する記憶回路とを有し、前記記憶回路
   からの信号によつて前記時デコーダを制御し
   て、前記時カウンタと前記午前と午後の識別用
   フリツプフロツプからの信号による12時間制表
   示及び午前と午後の識別マークとの表示と、前
   記時カウンタと前記午前と午後の識別用フリツ
   プフロツプからの信号を変換させた24時間制表
   示とを交互に切換表示せしめるよう構成したこ
   とを特徴とするデジタル電子時計。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の複数の
   操作スイツチには、修正入力スイツチと照明ス
   イツチとを含むことを特徴とするデジタル電子
   時計。