JPS6212270B2

JPS6212270B2 -

Info

Publication number: JPS6212270B2
Application number: JP53141380A
Authority: JP
Inventors: Shinkichi Nakagawa; Yoshiaki Matsuga; Shichiro Kawada
Original assignee: Hitachi Cable Ltd
Current assignee: Hitachi Cable Ltd
Priority date: 1978-11-16
Filing date: 1978-11-16
Publication date: 1987-03-17
Also published as: JPS5569663A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、防火塗料並びにこれを塗布した電
線・ケーブルに関するものである。多数のケーブルが布設される電気設備において
火災が発生した場合、ケーブル絶縁材が燃料にな
つてケーブルが延焼する危険性がある。このような事態を防止するため防火塗料をケー
ブル周上へ被覆する方法が行われているが、一般
に広く用いられている防火塗料は、水性エマルジ
ヨンに難燃剤、無機充填剤および不燃性繊維類を
加えたものである。しかし、ここで使用されている水性エマルジヨ
ンは熱可塑性のものであり、高温時に溶融あるい
は変形するため、高度の難燃性を付与したもので
も、燃焼時に塗膜の一部に亀裂が発生し、その部
分から燃焼物が流出し、燃焼が継続する場合が多
い。本発明の目的は、優れた防火性を有し、しかも
高温時に亀裂が発生せず、長時間にわたり安定し
た燃焼防止効果を示す防火塗料並びにこれを塗布
した電線・ケーブルを提供することにある。本発明の防火塗料は、組成の主体部が６〜25重
量％の自己架橋アクリル樹脂固形分、0.5〜10重
量％のハロゲン化合物、25〜50重量％の無機充填
剤からなることを特徴としており、また、電線・
ケーブルは、乾燥後の組成の主体部が、10〜35重
量％の自己架橋アクリル樹脂、１〜15重量％のハ
ロゲン化合物、40〜75重量％の無機充填剤からな
る防火層が形成されていることを特徴としてい
る。本発明の最大の特徴は、自己架橋アクリル樹脂
を使用した点にある。自己架橋アクリル樹脂は、
通常の熱可塑性樹脂と異なつて高温時の強度が優
れているため、燃焼時に形崩れや亀裂の発生を伴
なうことがない。また、これにハロゲン化合物お
よび無機充填剤を加えることによつて高度の難燃
性を付与できるようになる。自己架橋アクリル樹脂は、２―エチルヘキシル
アクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
クリレートを主体とし、必要ならアクリル酸、ア
クリロニトリル、スチレンを共重合させ、さらに
メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリ
レート、モノクロル酢酸ビニルのような架橋基を
導入したものである。また、自己架橋アクリル樹
脂は、非イオン系乳化剤を用いてエマルジヨン化
したものを使用することが望ましい。自己架橋アクリル樹脂は、塗膜の結合剤である
が、可燃性であるため最少限の使用が望ましく、
樹脂分として乾燥後塗膜重量の10〜35重量％の範
囲にすべきである。10重量％以下では結合剤とし
ての機能が低下してケーブルに塗布した後の可撓
性が不足することになり、35重量％以上では難燃
性が不足する。ハロゲン化合物としては、塩素化パラフイン、
塩素化ナフタリン、ヘキサブロモベンゼン、デカ
ブロモジフエニルオキサイド、ビスグワニジンテ
トラブロモフタレート、１，２，５，６，９，10
ヘキサブロモシクロドデカン、パークロロペンタ
シクロドデカン、トリス―β―クロロエチルホス
フエート等が使用される。これらは、単独使用で
も、２種以上の併用でもよい。ハロゲン化合物は難燃剤として機能するもので
あり、その使用量は乾燥後の塗膜重量の１〜15重
量％にすべきである。１重量％に満たない場合は
難燃性が不足し、15重量％を越えてもそれに応じ
た効果の向上は認められず、かえつて有害ガスの
発生が多くなり、好ましくない。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化ア
ルミニウム、含水ケイ酸マグネシウム、シリカ、
水和アルミナ、クレー等があげられる。無機充填剤は、防火塗料の骨格をなすものであ
り、その使用量は乾燥後の塗膜重量の40〜75重量
％となるようにすべきである。40重量％以下では
耐火性が不十分であり、75重量％を越える場合に
は塗膜の可撓性が低下する。本発明においては、ハロゲン化合物とアンチモ
ン化合物例えば三酸化アンチモンを併用すれば難
燃効果が増大する。また、アスベスト、ガラス繊
維等の無機繊維あるいはカイノール（日本カイノ
ール(株)製品）等の防炎性有機繊維を少量を加えて
も差し支えない。さらに、必要であれば各種の顔
料、可塑剤、増粘剤、湿潤剤、殺菌剤等を加えて
もよい。電線・ケーブルに対する塗料の塗布形態は、電
線・ケーブルの布設条件により様々である。一般
には、20〜30ｍ毎に２〜３ｍ長塗布するのが普通
であり、この場合には塗布個所が当該個所を越え
ての電線・ケーブルの延焼を防止することにな
る。但し、垂直あるいはそれに近い形で布設され
ている電線・ケーブルについては全長に塗布する
ことが望ましく、特に多数本一括布設の場合には
電線・ケーブル相互間に煙突効果が生じ、炎がか
なり上方まで到達することがあるから、全長塗布
が望ましい。塗布される電線・ケーブルの被覆は、絶縁体、
シースのいずれの場合もあり、具体的にはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、クロ
ロプレン、ブチルゴム等が考えられ、特にポリエ
チレンのように易燃性被覆のときに本発明による
効果が顕著となる。次に、本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。第１表の各例に示すような配合にしたがつて塗
料を調整した。次に、第１図のように配設した10
本のポリエチレン被覆ケーブルの群（以下グルー
プケーブルＣと称す）の立ち上がり個所における
被覆の外周へ第２図のように防火塗料FMを塗布
し、乾燥せしめ、ダクトＤでこの個所のグループ
ケーブルＣを覆つた。続いて、ケーブル線路の下
部にガソリンをしみ込ませた布をおき、これに火
をつけて炎Ｆがケーブルへ直接当たるようにして
20分間燃焼させ、耐火試験を行つた。

【表】

【表】実施例１〜３の場合には、非塗布部分が燃え、
塗布部の下部のケーブルが損傷した程度で、炎は
上部まで移行しなかつた。しかし、比較例１〜３
の場合は塗膜に亀裂が発生し、炎が上方まで移行
し、さらに離炎後も炎が消えなかつた。このこと
は、自己架橋アクリル樹脂の使用がケーブルの防
火特性に大きく寄与することを示すものである。以上説明した通り、本発明は延焼に対して高度
の抵抗力を備えた防火塗料並びに電線・ケーブル
を提供するものであり、その工業的価値は極めて
大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の防火塗料をグル
ープケール線路に適用した場合の一実施例を示す
全体図および部分断面図である。Ｃ：グループケーブル、FM：防火塗料、Ｄ：
ダクト、Ｆ：炎。

Claims

【特許請求の範囲】１組成の主体部が６〜25重量％の自己架橋アク
リル樹脂固形分、0.5〜10重量％のハロゲン化合
物、25〜50重量％の無機充填剤からなることを特
徴とする防火塗料。２電線・ケーブルの被覆の外周上に防火塗料が
塗布されており、この防火塗料の乾燥後の組成の
主体部は、10〜35重量％の自己架橋アクリル樹
脂、１〜15重量％のハロゲン化合物、40〜75重量
％の無機充填剤からなることを特徴とする電線・
ケーブル。